KREVA

日本のヒップホップ・シーンのトップを走り続け、今年6月にはソロ活動10年目に突入するKREVA。2月に発表したニュー・アルバム『SPACE』をひっさげ、全国20か所22公演のライブ・ツアーをスタートした。

3月29日、埼玉・三郷市文化会館大ホールは、熱気に包まれていた。この日は、KREVAの全国ツアー“KREVA CONCERT 2013「SPACE TOUR」”初日。全国20か所の会場を回るライブ・ツアーの幕開けの地である会場には、これから始まるKREVAの最新ライブに期待を募らせる観客で埋め尽くされた。

KREVAの登場に湧き上がった大歓声が会場を包み込む。最初から総立ちでKREVAを迎えた観客は、手を上げ、ビートにカラダを揺らせながら、目をキラキラと輝かせる。この日のライブは、KREVAの長年の相棒であるDJ＆MPCを担当する熊井吾郎に、ベース岡雄三、キーボード菱山正太、ドラム白根佳尚を加えた、KREVA曰く“半生バンド”編成。今年2月にリリースされた最新アルバム『SPACE』の楽曲を中心に、生バンドによる演奏とデジタルのふたつの音が融合したライブ・ステージでアルバムの世界観を伝えていく。

「すでにヤバイ。でも、全然こんなもんじゃないんだよ！」。KREVAのその言葉通り、ライブは全編を通して、1曲1曲ごとにバラエティ豊かな演出が施されていた！　楽曲の世界観にあわせて、映像を駆使し奇抜な空間を作り上げ、多彩な照明やレーザービームがステージをさまざまな表情に変えていく。観客は新しい曲が演奏されるたび、目くるめくエンタテインメントあふれる仕掛けに大歓声を上げ、驚きと喜びを表した。

シングルとしてもリリースされている「OH YEAH」「Na Na Na」「王者の休日」や「SPACE」などのアルバム曲を始め、「音色」「イッサイガッサイ」などこれまでのヒット曲も散りばめた盛りだくさんのラインナップ。過去の名曲もこれまでとは一味違うアレンジで演奏され、KREVAのラップをひきたてる。

自身の公式サイトで「自分の楽しんでいるところを観てほしい」と明かしていたその言葉以上に、湧き上がる興奮と喜びを抑えることができないようにライブを楽しんでいる姿をみせたKREVA。メンバー、観客を巻き込んでいきながら、すべての指揮をとるように全身を使ったキレのあるパフォーマンスでライブをぐいぐいと引っ張っていく。彼の挑発に観客は、大声で歌い、踊り、騒ぐことで応える。

また、「今回のツアーは温度が高いのがわかったでしょ？　前回のツアーではしゃべらなかったけど、今回はバンバンしゃべっていくから」と、曲間のMCでも観客を楽しませていく。楽しませるということで言えば、それはライブ前から始まっていた。今回のツアーでは、アルバム『SPACE』のCDジャケット写真で使用された美術セットやパネルが会場のロビーに展示され、さまざまな表情のKREVAが出迎えてくれる。観客のテンションは会場に入った時点でマックスまで上がっていたようだ。

「いい初日になってると思う。サイコー。バッチリ！」。観客とともに作りあげた初日のステージに、確かな手ごたえを感じたKREVA。「たくさんの選択肢の中から、オレのライブを選んでくれて本当にありがとう。これからも選んでもらえるようにライブをやっていきます。また会いましょう」と感謝を述べた。“KREVA CONCERT 2013「SPACE TOUR」”は、ソロ活動10年目に突入する6月までつづく。