チケットのことならチケットぴあチケットぴあ


TOP > 音楽 >LIVE REPORT > 岡村靖幸

LIVE REPORT

岡村靖幸


もう断言しても良いだろう
「岡村靖幸、完全復活!」
2013.3.15.FRI
岡村靖幸 LIVE TOUR 2013
「むこうみずでいじらしくて」

SHIBUYA-AX(東京)
岡村靖幸

岡村靖幸 LIVE TOUR 2013「むこうみずでいじらしくて」。昨年のライブツアーが東名阪での開催だったのに対し、今回のツアーは13か所を周る全国ツアー。日本中で岡村ちゃんを待ち焦がれているファンにとっては、ライブの出来が気になるところ。今回はツアー初日のSHIBUYA-AX公演をレポートした。

「靖幸~!早くして~!」熱狂的な岡村ファン、通称ベイベ達が幕が閉じているステージに向かって呼びかける。昨年、復活を遂げた岡村靖幸。ファンは高まる期待と同じ位、大きな不安を胸に仕舞っていたに違いない。声は出ているだろうか、踊りのキレはあるだろうか、何よりあの端正で美しい岡村ちゃんの面影はあるのだろうか。そういった不安を軽々と超えていったのが昨年のツアー「SPORTS」。過去数回長いブランクを経ての復活を見せている岡村だが、昨年の復活は過去のそれらと比べて、遥かに高いものであった。

岡村靖幸

そして今回の全国ツアー「むこうみずでいじらしくて」。昨年のツアー追加公演で、岡村のライブでは毎回MCを務めるマニュピレーターの白石元久が「次回ライブあったら来る人!」と呼びかけ、客席から大歓声を受けて「じゃあ岡村さんにお願いしましょう」と言うシーンがあったが、岡村ファンであればあるほど、定期的な活動に大きく期待をしないというのが本音だと思う。それはこれまでの岡村の活動状況を見れば明白であるし、何より岡村靖幸のライブほど細部まで作り込まれ、本人の運動量もとてつもないステージを見れば、易々と「またすぐやって!」と言えないクオリティだと言うのが分かるから。

しかし岡村は今回、またすぐファンの前に姿を現した。正確に言えばライブイベントの出演などはあったが、ワンマンツアーがこのスパンで行われて、しかも前回より遥かに規模を大きくして、というのが何とも嬉しい。

開演時間になり、大音量とともに幕が開く。ステージには既に岡村の姿がある。 満員に詰めかけた観客が少しでも近くで岡村を見ようと群がる。ツアーはまだ続くため、セットリストなどの詳細は避けるが、スタートからエンジンは全開だ。黒いスーツに身をまとった岡村がキレキレのダンスを見せてくれる。ボーカルもこちらがびっくりするぐらいの声量。正直、ツアー初日と言う事で、前回のツアーの終盤あたりのクオリティと比べるのは酷かなと思っていたのだけど、個人的にはそれを軽々と、岡村の曲を借りて言うなら「1、2、3、ジャンプ」で飛び越えている。

岡村靖幸

他にも、「渋谷ベイベ!」という呼びかけの後に「冬物?春物?」と観客に着ている服を確認するという岡村ワールドなアドリブボーカルや、バラード曲の時の伸びやかで情感溢れるボーカル、2013年バージョンにアレンジされた名曲などは、デビュー当時彼を追いかけていて、しばらく遠ざかっているファンにこそ見てもらいたい、今の岡村靖幸であると感じた。

中盤にはファンが持ち望んでいた新曲を披露。近年の彼がリリースしている楽曲にモードは似ている様に感じたが、出来の良さもさることながら、「岡村ちゃんの新曲」という素敵なプレゼントに心が躍る。少し気は早いが、会場にいるみんなが音源のリリースも期待したことだろう。

本編ラストは『だいすき』で盛り上がった空気のままステージを後にした岡村。だが、前回のツアーに来ている人にはお馴染みだが、彼のライブはここで終わりではない。ここからアンコールが数度繰り返されるのだ。このアンコールで彼は曲間のダンスが鮮やかな『うちあわせ』や原曲より一段とセクシーさを増した『モン-シロ』、ピアノによる弾き語りによる『友人のふり』など、ライブ終了まで、岡村のパフォーマンスは落ちる事なく、むしろ曲を重ねるごとに熱量は増していったように思えた。

岡村靖幸

公演が終了して、客席を見渡すと、誰一人不満げな顔のベイベはおらず、むしろ「やっぱり岡村ちゃんは凄い」という声が口々に聞かれたライブであったし、個人的にも改めて思い知らされた。

このレポートを見ている人の中には、今回のツアーで岡村に再会すると言う人もいると思う。頭の中の岡村ちゃん像が勝手に膨らんで、逆に不安に感じている人も多いだろう。そういった人に伝えたいのは、やってほしい曲は余す所なく、しかもこれまで披露していなかった他者への提供曲も披露する、大満足のセットリストであるということと、このレポートを読んでいただければ分かる通り、今の岡村ちゃんはノリに乗っているということだ。

今回の公演を見て改めて、彼の活動がこうして普通に定期的なスパンで行われているという事実の幸福さと、こうした時間がずっと続いてほしいという想いを感じずにはいられなかった。

text by 佐久間隆

TICKET

岡村靖幸 LIVE TOUR 2013
「むこうみずでいじらしくて」

3/15日(金) 東京・SHIBUYA-AX
3/16日(土) 東京・SHIBUYA-AX
3/20(水・祝) 広島・広島アステールプラザ 大ホール
3/22(金) 香川・アルファあなぶきホール 小ホール
3/24(日) 福岡・Zepp Fukuoka
3/30(土) 北海道・Zepp Sapporo
4/6(土) 大阪・Zepp Namba OSAKA
4/7(日) 愛知・Zepp Nagoya
4/13(土) 東京・Zepp Divercity TOKYO
4/14(日) 東京・Zepp Divercity TOKYO
4/17(水) 石川・金沢市文化ホール
4/19(金) 新潟・新潟 りゅーとぴあ・劇場
4/21(日) 静岡・静岡市民文化会館 中ホール
4/25(木) 宮城・仙台市民会館 大ホール
4/27(土) 青森・青森市民ホール

チケット情報

PROFILE

岡村靖幸(おかむら やすゆき)

1965年生まれ、神戸出身のシンガーソングライターダンサー。
渡辺美里、吉川晃司等の作曲家としての活動を経て、1986年、「Out of Blue」でデビュー。ブラックミュージック、ロック、ポップス、歌謡曲等、様々な音楽のエッセンスを吸収、発展させたトラックは、ファンキーであったり、バラードであったり変幻自在。加えて、青春や恋愛の機微を描いた瑞々しいワン&オンリーな歌詞が唯一無比、圧倒的な支持を得ている。多彩な楽器を一人でこなしてしまう非凡なプレイヤーでもある。オリジナルアルバムを6枚発表。そういった意味では寡作なアーティスト。ニックネームは「岡村ちゃん」。
「お気に入り」登録しておくと、先行発売「プレリザーブ」の実施や追加券の販売などの情報をメールでお届けします。
お気に入り登録について

【DVD BOX】

20世紀と伝説と青春

「20世紀と伝説と青春」
エピックレーベル在籍期の映像による豪華7枚組のDVD BOX
完全生産限定盤
DVD BOX(DVD 7枚組)+別冊ブックレット(全76ページ)付
\20,000(税込)
MHBL 220-226
ソニー・ミュージックダイレクト
詳しくはコチラ



LIVE REPORTバックナンバー