チケットのことならチケットぴあチケットぴあ




LOSTAGE


LOSTAGE
2001年地元奈良にて五味兄弟を中心に結成。 現在も奈良を拠点に精力的に活動中。 自主レーベルTHROAT RECORDS主催。


Photo

LOSTAGE インタビュー



──まずは近況からお伺いしたいのですが、昨年リリースされたミニアルバム「CONTEXT」の 評判もすごくよくて、実際とても開けた内容の作品だったと思うのですが、振り返ってみて 「CONTEXT」はバンドにとってどんな作品になりましたか?

まず初めて自分達のレーベルからリリースするということで、バンドにとって新しい経験がとても多かったです。反省点等ももちろん沢山ありましたが、音源を自分達で作って発売まで漕ぎ着けるという、最初に設定していた目標がひとつの形になったので、それが経験として自分のものになったと思います。自分とバンドや音楽との関わり方を見つめ直すという意味でもとても大切な作品になりました。今年の7月に新しいフルアルバムを出すんですが、そこにもその経験が大きく活かされていると思います。 「CONTEXT」の内容が開けた印象になったのは、「自分でやれる事を自分でやってみる」という作品のテーマ、原動力みたいなものが大きく影響しているんじゃないかなと思います。自分ではわかりませんが…。

──最近はCRYPT CITYとスプリット7インチを出してツアーを周られていましたが、どんなツアーになりましたか?何か新しく得たものはありましたか?

前作「CONTEXT」からの流れというのもありましたが、CRYPT CITYとのスプリット7インチとそのツアーは録音、デザインから告知までほとんど全ての事を自分達でやって、流通にも乗せずにバンドがライブ会場で手売りして周るという、とてもシンプルで当たり前の事をやってみる、原点に立ち返ってみるというスタイルでとても刺激的なツアーになりました。その結果、自分にとってバンドにとってぼんやりとしていた、要るものと要らないものがはっきりしてきたように感じました。 ライブに関しては、やはり音楽的にも人間的にも大好きでリスペクトしているバンドとツアーを周るとテンション上がりますんで、どの会場も熱量が凄かったです。

──7月にはアルバムも発売予定とのことですが、どんな内容になりそうですか?いままでの作品と異なる部分は?

基本的に毎回作品を作る度に言っている事なんですが、決定的にここが今までと違うというのはあまりありません。メンバーも前作と同じですし、今回は録音やリリース方法も前回と同じですし。良く言えば今まで通り良い感じで出来たし、悪く言えば今までの延長でしかないというか。
結成当初からやりたい音楽、やりたいバンドというのがけっこう具体的にこんな感じでっていうのがはっきりしていたんで、それを続けているだけみたいなところはあります。その時その時のメンバーの音楽の趣味嗜好なんかが少しは反映されているかもしれませんが…特にテーマのようなものもありませんでした。今まで通り、良いアルバムになりました。

──そしてFUJI ROCK FESTIVAL’12(以下FUJI ROCK)への出演も決定しました。最近のライブに臨む姿勢やライブのやり方で変化はありますか?

FUJI ROCKはひとつ目標にしていた場所なんで、メンバー一同とても嬉しく思っていますし、苗場ではもちろん最高のライブをやるつもりなんですが、それがゴールではないとも思ってるので、ライブに臨む姿勢ややり方に特に変化はありません。ただもっと良くしたいという上昇願望のみです。そういう意味ではライブハウスサーキットでの経験も、その後のFUJIに活かされていくと思いますし、自分としてはとても楽しみです。



──自主レーベル立ち上げ以降、むしろ活発になった印象があります。ご自身で具体的に変わったなと思う部分はどういうところでしょうか?

自分のケツを自分で拭かないといけないんで、プレッシャーとか責任感とか5割増くらいになったように思いますが、バンドでやろうと思った事は大体なんでも頑張れば出来るなという可能性をここ2年くらいでとても感じました。なんでも出来ると言うと大袈裟かもしれませんが、なんでもそのうち出来るようになるんじゃないかというか、けっこうポジティブな考え方になってきたように思います。どこか所属する会社や団体があった頃はそれに対する責任を邪魔に感じていた事もあったんですが、それが今は自分と自分達の中にあるんで、シンプルで楽です。自分のケツを人に拭いてもらうのも気持ち悪いし、人のケツを拭くのも嫌ってことですね。毎日自分のケツ一生懸命拭いてます。

──それは楽曲制作やプレイヤーとして演奏するうえでも影響がありますか?

作る人と売る人が同じになるんで、影響はあります。葛藤というか。第三者的な視点を今までより自覚的に自分の中に置こうとする事が増えました。ただそれによって作品やライブ、バンドがセルアウトした感じになるかっていうとそうでもなかったっていうのが今は実感としてあります。その辺はお客さん、リスナーの皆も(あくまで自分達の関わってる範囲の中でそう思いたいっていう部分もありますが)アホじゃないと思うんで、LOSTAGEが音を出すに至る経緯というか、プロセスも含めて音楽に感情移入して感動したり行間を読んだりとか、そういうのがけっこう大事だと思います。特にLOSTAGEみたいなバンドはそれがないと面白くないと思うんで。

──自主で活動してみて、改めて感じたメリット/デメリットは?

自分でやるメリットしか今は感じてません。バンドのスタイルとか規模とか、環境によって違うと思うんですが。単純にメリット/デメリットの足し算引き算で自主運営を選んだわけではないので、そのへんは2万字インタビューとか今後あればお願いします笑。

──先日Twitterで「金払ってインタビューしてもらうのとかはもう嫌だな」という発言をされていましたが、その真意とは?
※答えにくかったり、文章では中途半端になってしまうようなら飛ばしてください


音楽を作っている側が金を払って取材を受けるっていうやり方がプロモーションとして成立している仕組みが嫌だなと思ってそう書いたんですが、(そもそもそれにプロモーションとしての効果がどのくらいあるのか今時もうわかりませんし、惰性で続いているようなのもありますし)特定のどの媒体が嫌だとか悪いとかそういう事ではありません。広告や宣伝にお金を使うっていう事自体は当たり前の事だと思うし、良いものを作れば放っておいてもそれが勝手に売れるとは思いませんし。 インタビュー、取材っていうのはその対象(バンドとか作品とか)が発信しているもののガイドになったり、新しい切り口を発見したり、それ自体がアーティストだったり作品の一部であるといってもいいと思うんで、そこはちょっと過剰な発言だったとしても金払ってどうのこうのっていうのが個人的にはもう気持ち悪いというか、やりたくないなと思って書きました。やる人はやるでしょうし、出来上っているそういう仕組みを変えていきたいとかっていう気持ちはないです。そこから離脱したいなと思っただけで。良い作品を作ったからこそ、それを知ってもらう、拡げていくためにお金をかけたいとは思いますが、やり方の選択肢から広告費払ってインタビューのページ数が決まるっていうところがなくなっただけです。

──いま現在の音楽業界を取り巻く状況をどのように感じられてますか?
※答えにくかったり、文章では中途半端になってしまうようなら飛ばしてください


飲みの席なんかでよくそういう話題になったりして、熱く語ってしまうような時もありますが…笑。最終的には何も感じていないというか、感じてはいるんですけど、それに対してどうしようとかっていうよりは、自分のやる事を間違えないようにやってりゃいいかなと思うぐらいです。うまくいかないのを環境のせいにするのは一番カッコ悪いですし、カッコ良くいきたいですし、音楽業界のためにバンドやってる訳ではないですしね。そもそも自分が音楽業界にいるとあんまり思ってなかったりしますね。バンドやってるってだけで。



──SHIMOKITAZAWA SOUND CRUISINGでのステージは、どんなライブになりそうですか?

過去最高のライブにするしかないでしょう…。

──LOSTAGEのライブを楽しむために、あらかじめ知っておいたほうがいいことはありますか?

先入観なんかないほうが良いでしょうね…。バンドの名前も知らずに観て、「おぉ!」ってなればそれが一番最高だと思います。

──お客さんに対して、「こんなふうにSHIMOKITAZAWA SOUND CRUISINGを楽しんだらいいのでは?」というアドバイスをいただけますか?DAY TIMEとNIGHT TIMEのあるサーキット型イベントということを踏まえてお答えいただけるとうれしいです。

たまたま偶然出会った音楽に感動出来たら、それって凄く音楽に正直だってことだと思うんで、SHIMOKITAZAWA SOUND CRUISINGがこれを読んでくれた人達に良い出会いの場を作ってくれたら何も言う事ないです。

──では、最後にSHIMOKITAZAWA SOUND CRUISINGへ向けての意気込みを。

LOSTAGEよろしくどうぞ。