Turntable Films
井上陽介(Gu)、谷健人(Ba)、田村夏季(Dr)による3人組バンド。08年自主制作CD『Turntable Films』を制作、1000枚を完売させる。
10年2月にデビュー・ミニ・アルバム『Parables of Fe-Fum』をリリース。うち2曲が地元京都のFMラジオ局“α-station”のヘヴィ・プレイに選出され、「ボロフェスタ」「京都大作戦」「みやこ音楽祭」といったフェスにも出演。11月にはライブ会場限定アルバム『10 Days Plus One』をリリース!
発売に伴い開催した初の全国ツアーでは東京公演がソールド・アウト。100本以上のライブを行いながら約1年に渡るレコーディング期間を経て完成した待望のファースト・フル・アルバム『Yellow Yesterday』を4月18日にリリース。
交流の深いPredawnもゲスト参加、全12曲を収録している。
Turntable Films待望の1stフル・アルバム完成!
新世代アメリカーナ・サウンドを基調にした多彩な曲調とリズムに、
全編に渡ってのグッド・メロディが胸を突く大傑作!
Predawnもゲスト参加!
Now On Sale
Turntable Films - Yellow Yesterday
XQGE-1033(SRCD-033)
2,500yen(tax out) / 2,625yen(tax in)
01. Misleading Interpretations
02. Portrait
03. Animal's Olives
04. Toy Camera
05. Uncle Tree
06. Named For
07. Ghost Dance
08. Collection Of You
09. Evil Tongue
10. 10 Days Plus One
11. Summer Drug
12. Little Giant
井上陽介 Turntable Films インタビュー
──4/18にニューアルバム『Yellow Yesterday』がリリースされました。発売してまだ1ヵ月も経ってませんが、反響はいかがですか?
いろんなところで良い反応をもらえて嬉しいです。
いろんな人に聴いてもらえることは嬉しいですし、膨大なカタログの中から僕らのアルバムを選んでもらうことはめちゃくちゃ光栄なことなので。
昔に比べてそういう風になってほんとに幸運だと思います。
──USインディーからカントリー、フォーク、サイケまで、様々な影響を感じさせる作品ですが、どんな作品を思い描いて作ったんですか?
自分の好きな音楽が暖かいサウンドで、聴くのにあまりテンションがいらない感じのものが多いので、そういう雰囲気のある作品が良いなとなんとなく思ってました。
その雰囲気とこれまで自分が好んで聴いてきた音楽をわっと集約させたような作品にしたいと思って作った作品で。
挙げてもらったそういう音楽は実際に聴いてきたものなので、このアルバムに影響されてるかと思います。
──キャッチーな序盤や、やさしく終わっていく終盤など、曲の流れも素敵でした。アルバム全体として描きたかったストーリーがあったのでしょうか?
曲の流れなどはアルバムのトータリティーを考えて、聴き進めていって気持ちの良いものをとは思ってましたけど、
アルバム全体のストーリーやコンセプトというか、そういうのは曲を作っている頃にあまり明確なものはなかったです。
ただタイトルを“Yellow Yesterday”に決めた頃になんとなく自分の中で思ったことはあって。
このアルバムは、ぼやけている戻ってはこない昨日の記憶や思い出だったりを描いているような気がしました。
──約1年かけてレコーディングされたそうですけど、どういう部分に時間がかかりましたか?また、特にこだわられた部分(歌、メロディー、リズム、アレンジ、音質など)があればぜひ教えて下さい?
時間がかかった理由はいろいろあってどれがどれでとは、はっきり言えないんですけど、どの部分というよりも全体をこだわって作ったので、
表現したいその場所に行き着くまでに、どうすればそうなるのかわからない部分もやっぱり多くて、試行錯誤を繰り返したので、それで時間がかかったんじゃないかと思います。
アルバムを経て、今は前よりそれが少しうまくなってると良いなと自分に期待してます。
──全体を通して流れる心地よい空気感が素敵ですが、録音の環境づくりでキーワードになった言葉はありますか?
ものすごく普通の場所でやったのでわからないですけど、無理な時はあきらめて酒を飲むことでしょうか。
──ルーツミュージックの影響は出つつも、マニアックになりすぎない絶妙なバランスでポップさを残した作品になっていると思うのですが、そういった点は意識されましたか?
頭にある音楽を作るような感じなので、あまりルーツミュージックにしようとかポップにしようとかを考えて作ってはいなくて。
ぼんやり考えてるのは面白いパターンというか、構成というか組み合わせというかそういうものです。
ただ誰かの曲をカバーするならまだしも、自分の曲をルーツミュージックそのままにやっても多分そんなに良くないし、面白くないと思うので、意識しているといえばそこでしょうか。
──バンド自身のことについてもお聞きしたいのですが、Turntable Filmsの音楽を聴いていると、本当に音楽が好きで、ものすごくいろんな音楽を聴かれているんだろうなという印象を受けます。影響を受けたアーティストや特に聴き込んだジャンルを教えて下さい。
メンバーそれぞれ好きなものがバラバラなので、あれですが。。
僕個人でいえばアーティストはWilco, M.ward, NRBQ, SandroPerri, Bob Dylanはコレクションにしているのですごく好きです。
もちろんフォーク・カントリー全般や60,70年代あたりのロック、サイケ、USインディーものは好きでよく聞くのですけど、
なんというかジャンルというより、アメリカ大陸の音楽を聴きこんでる気がします。
──最近はどんな音楽を聴くことが多いですか?また、最近聴いたもののなかで、自分たちの楽曲制作のヒントになるような作品はありましたか?
アシッドフォークとかサイケを聴きます。最近聴いた中ではMark Fryの新作とJulian Lynchが気に入っているので多分あんまりヒントになってないような気がします。
──Turntable Filmsの音楽は、パッと聴いたときのキャッチーな第一印象のよさと、じわじわ染み込むようなよさの両方を備えていると思います。みなさんが考えるいい音楽とは、どんな要素を持ったものですか?
歌があってもなくても、いいメロディーがある曲でしょうか。
多分それに尽きると思います。
──アルバムを聴いていると、USっぽさと同時に拠点とされている京都っぽさというか、街の空気みたいなものが随所に見え隠れしている気がします(目を閉じて京都の街を思い浮かべながら聴いていると、また別の味わい深さがあります!)。京都という土地がTurntable Filmsの音楽に与えた影響はあると思いますか?
何が影響してるのかは自分でもよくわからないんですけど。
都会と自然が良いバランスで混じっていて、古いのと新しい町並みだったりがうまく調和してるところとか、比較的ゆっくり時間が過ぎてるところとか、
京都の人の特有のひねくれたところとか、そういう全部がぼんやりと影響しているような気はします。
──京都には「ボロフェスタ」や「都音楽祭」があったり、Turntable Films自身も京都のレーベル「Second Royal」からリリースされていて、京都には独自の音楽シーンが根付いていると思うのですが、京都で活躍するアーティストの特徴や共通点を感じられることはありますか?
良い人そうで嫌な人、嫌な人そうで良い人なところかと。
音楽的にはみんなバラバラで共通点はないと思います。ほんとに。
好きな音楽の趣向が似てる人もいるんですけど、音を出すと全く違う部分があったりするのでそこが良いし、面白いです。
──既に京都ではレコ発もやられて、この後ツアーも予定されてますが、アルバムリリース以降、ライブに変化はありましたか?
アルバムリリース後というよりも、京都でのワンマンを大人数でしたので、その楽しさを知ってしまったことでしょうか。
ライブの内容に大きな変化はあまりないような気もしますけど、今はライブごとに編成を変えたりしているので、今後はもっと自由なスタンスでライブをしていくと思います。
友人のミュージシャンを呼んだり、呼ばなかったりということで編成が3人だったり、4人だったり11人だったり。
それでいつかローリングサンダーレビューみたいなツアーが出来たら感無量です。
それが出来たら、おそらくその翌年あたりに隠居します。
──Turntable Filmsのライブを楽しむために、あらかじめ知っておいたほうがいいことはありますか?
曲を知ってたら、多分ちょっとだけ楽しいと思います。
──お客さんに対して、「こんなふうにSHIMOKITAZAWA SOUND CRUISINGを楽しんだらいいのでは?」というアドバイスをいただけますか?DAY TIMEとNIGHT TIMEのあるサーキット型イベントということを踏まえてお答えいただけるとうれしいです。
1日中なので、しんどくなったら無理をせずに休憩して、気持ちが上がるライブとか曲があったその瞬間にぶち上がれば絶対楽しいと思います。
あとは食べ歩きながらとか、ゆっくりいろいろなところを見て回るのも楽しそうですね。
こういった機会がないと見ることがないアーティストもいると思うので、積極的に知らない人を見に行くのも楽しそう。
──では、最後にSHIMOKITAZAWA SOUND CRUISINGへ向けての意気込みを。
ライブは楽しい時間を共有できるようなものにしたいと思います。
それ以上にイベントがかなり稀有な面白いものだと思っているので、いろんな意味で本気で楽しもうと思っています。