写真:AP/アフロ
【ボクシングの日程】
・9/29(土)~10/9(火)
第67回国民体育大会
リミット75kgのボクシングミドル級で日本人が金メダルを獲得するのは、至難の業である。事実、プロの日本人世界王者は70人近くいるが、ミドル級を制したのは竹原慎二ただひとり。その時々の王者によって実力の波があるプロと異なり、アマチュアは列強の最強が揃う。しかも欧米では日本とは比較にならないほどの選手層を誇る。そんな中、村田諒太はアマボクシング界に48年ぶりの金メダルをもたらしたのだ。
村田はスピードやテクニックで金メダルを獲得したのではない。パワフルな強打で相手の心を折り、頂点にたどり着いた。村田の優勝が奇跡ではなく、村田の存在そのものが奇跡と言える。
写真:築田純/アフロスポーツ
【バレーボールの日程】
・11月17日(土)~
2012/13 V・プレミアリーグ女子
・11月10日(土)~
2012/13 V・チャレンジリーグ女子
ロンドン五輪で江畑幸子が、全日本のエースへ成長した。絶対的なエースには木村沙織が君臨する。対角の江畑の出来が、ロンドンでのメダルを左右すると言われていた。果たして、江畑は大一番となった準々決勝・中国戦で、木村と同じ33得点を叩き出し、銅メダル獲得の立役者となった。
竹下佳江からは普段よりも高いトスが供給された。体勢不十分な二段トスもあった。最終セットではスパイクをアウトするミスもあった。それでも、江畑は力強いスパイクを決め続けたのだ。エースの階段を上った江畑だが、3位決定戦・韓国戦では、迫田さおりに先発を譲った。22歳のエースは、さらに絶対エースの高みを目指すことになる。
写真:北村大樹/アフロスポーツ
【卓球の日程】
・10/12(金)~14(日)
第46回全日本社会人選手権大会
女子シングルス3位決定戦での悔し涙は、女子団体準決勝でうれし涙となった。キレのいいサーブから速攻を繰り出す石川佳純は、自らの武器を信じている。「攻めの卓球」である。 これまで世界のトップに対して、攻め急いだところを突かれ完敗を喫してきた。初めてのオリンピックという大舞台での戦いに、迷いが生じても仕方ない状況だった。それでも、石川は自分を信じた。ロンドンの地で、攻めの姿勢を貫いたのだ。「勝つためには攻めるしかない。思い切り攻めることができた」。ドイツとの準々決勝、第1試合第5セット11-11から強敵ジャドゥ・ウを振り切った石川は、試合後にそう言ってのけた。19歳の強気がチームに勢いをつけた。
写真:ロイター/アフロ
【岡山湯郷Bellの日程】
・~11/11(日)
プレナスなでしこリーグ
偉大な先人・澤穂希からキャプテンマークを引き継いだのが、この選手でなければなでしこジャパンの銀メダル獲得という快挙は実現しなかっただろう。宮間あやはゲームを読む戦術眼や正確無比な左右のキックでなでしこを牽引する。プレーだけではない。ピッチ外でも持ち前の視野の広さを発揮。練習では大声を出し、試合前には熱い言葉でチームを鼓舞する。悩んでいる選手を見逃さず声を掛ける。昨年のW杯決勝ではアメリカ代表のGK・ホープを励まし、今回の準決勝ではフランス代表の10番・アビリをなぐさめた。宮間の目は対戦相手の元チームメイトにも行き届いている。
写真:AP/アフロ
【レスリングの日程】
・12/21(金)~23(日)
天皇杯全日本選手権
北京五輪でレスリングフリー55kg級連覇を果たした吉田沙保里は、試合後に「4年後のロンドンでも勝ちたい」と宣言した。大仕事をやってのけた直後にもかかわらず、である。吉田を女王たらしめるのは、この燃え尽き症候群とは無縁のメンタリティだ。 だが、ロンドンではタフな吉田が試合前日不眠に陥った。代名詞である高速タックルが攻略されつつある。日本代表団の旗手はメダルを取れないというジンクスもよぎる。かつてない不安と重圧に押しつぶされそうになりながら、吉田は見事に五輪3連覇を達成したのだった。V3直後の女王は、次なる目標、世界大会V12を「超えたい」とキッパリ言い切った。
写真左より淡路卓、三宅諒、太田雄貴、千田健太
写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ
【フェンシングの日程】
・9/7(金)~9(日)
第65回全日本選手権(個人戦)
太田雄貴の集中力にはただただ脱帽である。フェンシング男子団体フルーレ準決勝・ドイツ戦、太田は’10年世界王者のヨピッヒを相手に神懸かった粘りを見せる。残り1秒で同点に持ち込み、延長戦では相手に2度得点ランプが点灯するもビデオ判定で無効に、3度目の正直のビデオ判定で太田がメダルを引き寄せた。劇的な決勝進出に太田は「彼らの思いが最後の一本、僕に取らせてくれた」と、チームメイトに感謝した。悲願の銀メダル獲得はポイントゲッターとなった千田健太に難敵相手にも踏ん張った三宅諒、サポートに回った淡路卓、そして勝負どころを締めくくる太田というチームワークの勝利と言えよう。
写真:築田純/アフロスポーツ
【体操の日程】
・11/2(金)~4(日)
第66回全日本体操競技 団体・種目別選手権大会
・11/11(日)~12/21(金)
体操 ニッポン!ロンドンオリンピック報告演技会
・12/15(土)・16(日)
豊田国際体操競技大会
昨年10月、ジャパンカップに参加した海外のライバルたちは内村航平を「普通じゃない」「怪物くんだ」と評した。その後、最も金メダルに近い日本人として決戦の地・ロンドンに旅立った。だが、団体予選・決勝を通して、内村はまさかのミスを連発し、”怪物くん”から”人間”に戻ったのだった。
そして、個人総合で人間・内村は底力を発揮した。平行棒と鉄棒では難易度を下げた演技構成をキッチリこなし、金メダルを獲得したのだった。演技の完成度はもちろん、団体戦でのミスを引きずらず、こだわり続けた高難度の技を捨てる勇気も併せ持つ精神力こそ、内村の最大の強みである。
写真:北村大樹/アフロスポーツ
【柔道の日程】
・11/30(金)~12/2(日)
グランドスラム東京2012
どこまでもアグレッシブな柔道スタイルから“野獣”“アサシン”と称される松本薫。開幕4日目、柔道女子57kg級で日本第一号となる金メダルをもたらした。
みなぎる闘争心と、ゴールデンスコアを含め8分間攻め続けるスタミナが何よりも武器だ。しかもわずかな隙さえ逃さない。体勢が悪かろうが常に足技を駆使して、寝技に誘い込む。寝技に持ち込んだら、しぶとく抑え込みにかかる。審判から「待て」がかかっても、休んだりしない。「始め」の合図を待たずに、相手に挑みかからんとすることもしばしば。規格外のメンタルとスタミナが、松本を金メダルへ押し上げたのだ。
写真:築田純/アフロスポーツ
【名古屋グランパスの日程】
・~12月2日(日)
Jリーグ 全国各地
永井謙佑が50m5秒8の韋駄天で世界を驚かせた。まず一歩目が素早く、あっと言う間にトップスピードまで加速する。しかもスプリントが速いだけではない。90分間無駄走りに終わろうが、何本も何本も全力疾走する無類のスタミナも誇る。
ただ永井の木訥なルックスに騙されてはいけない。2009年、ユニバーシアードでは得点王となった。2010年1月に大学生ながらA代表デビューし、同年12月にはアジア大会で得点王に輝き、日本の優勝に貢献した。今季は名古屋グランパスで得点ランク3位タイとなる8ゴールを叩き出している。つまり、快足FWはゴールを奪うことに関して、間違いなくエリートである。
スポーツ担当 碧山のプロフィール |
碧山緒里摩(あおやま・おりま) 1994年の中部支局入りからぴあひと筋の編集人生。その後、ぴあ関東版スポーツ担当、スポーツデスク、ウレぴあ副編集長を経て、現在もスポーツ編集にかかわる。かつては元旦のサッカー天皇杯決勝から大晦日の格闘技まで、「365日いつ何時いかなる現場へも行く」が信条だったが、ここ最近は「現場はぼちぼち」。 |
日程 | 競技 | 大会名 | 会場 | 出場予定、または出場が予想される主な選手 |
~12/2(日) | サッカー | 2012 Jリーグ | 全国各会場 | 永井謙佑/東慶悟/山口螢/扇原貴宏 |
9/1(土)~2013/1/1(火) | サッカー | 第92回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 | 全国各会場 | 永井謙佑/東慶悟/山口螢/扇原貴宏 |
11/21(水)~25(日) | ウエイトリフティング | 第49回全日本社会人選手権大会 レディースカップ第4回全日本女子選抜選手権大会 ※入場無料 |
くにたち市民総合体育館(東京都) | |
11/23(金・祝)~25(日) | トランポリン | 第49回全日本選手権大会/トランポリン | 北九州市立体育館(福岡県) | |
11/24(土)・25(日) | 体操 | 2012日本体操祭 | 国立代々木競技場 第一体育館(東京都) | |
11/30(金)~12/2(日) | 柔道 | 東京グランドスラム2012 | 国立代々木競技場 第一体育館(東京都) | |
12/1(土)~ | バレーボール | 2012/13 V・チャレンジリーグ男子 | 全国各地 | |
12/8(土)・9(日) | バドミントン | 内閣総理大臣杯・文部科学大臣杯争奪 平成24年度 第66回 全日本総合バドミントン選手権大会 | 国立代々木競技場 第二体育館(東京都) | |
12/14(金)~16(日) 12/23(日)・24(月・祝) |
バレーボール | 平成24年度天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会 ファイナルラウンド | <第1週>駒沢体育館(東京都)/都城市早水公園体育文化センター(宮崎県) <第2週>都城市早水公園体育文化センター(宮崎県) |
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12/15(土)・16(日) | 体操 | 豊田国際体操競技大会 | 豊田市総合体育館(愛知県) | 内村航平/田中和仁/山室光史/田中佑典/加藤凌平/田中理恵/美濃部ゆう/寺本明日香/鶴見虹子/新竹優子 |
12/17(月) | 体操・新体操・トランポリン | 体操 ニッポン!ロンドンオリンピック報告演技会〈広島〉 | 広島グリーンアリーナ(広島県) | 体操男子日本代表選手/体操女子日本代表選手/フェアリージャパンPOLA/トランポリン男子日本代表選手/トランポリン女子日本代表選手 |
12/19(水) | 体操・新体操・トランポリン | 体操 ニッポン!ロンドンオリンピック報告演技会〈北九州〉 | 北九州市立総合体育館(福岡県) | 体操男子日本代表選手/体操女子日本代表選手/フェアリージャパンPOLA/トランポリン男子日本代表選手/トランポリン女子日本代表選手 |
12/20(木)~22(土) | 卓球 | 2013世界選手権パリ大会 女子日本代表選考会 | ||
12/21(金) | 体操・新体操・トランポリン | 体操 ニッポン!ロンドンオリンピック報告演技会〈仙台〉 | 仙台市体育館(宮城県) | 体操男子日本代表選手/体操女子日本代表選手/フェアリージャパンPOLA/トランポリン男子日本代表選手/トランポリン女子日本代表選手 |
12/21(金)~23(日) | レスリング | 天皇杯全日本選手権 ※入場無料 | 国立代々木競技場 第二体育館(東京都) | |
12/22(土)~24(月) | 卓球 | 2013世界選手権パリ大会 男子日本代表選考会 |