中西:自分としては右サイドに流れる方が得意ですか? カレン:両サイドを自由に動けと言われているんですけど、「基本、左にいろ」と言われてます。太田さんが右で入ってくるんで、邪魔しちゃいけない。 中西:昨日はボールを戻すところもあったし、下がった時にパスコースが結構ありました。選択肢が多かった。 カレン:はい。 中西:ああいう感じだとやりやすいですか? カレン:やりやすいです。スペースもあったし。 中西:昨日は4人もからんだもんね。前田選手と福西選手と太田選手と。すごくよかった。 カレン:でも、自分だけシュート1本で。 中西:1本でも1点入ればいいんですよ。 カレン:はい。 中山:決定率100%だよ。 カレン:やってて楽しかったです。 中西:ああやって気持ちよく動けるようになるといいですね。 カレン:そうですね、それを続けていけたら。 中西:やっぱり、メンバーが替わりすぎるというところがありますよ。もう少し固定してできれば。あとは船谷選手が出れば。 中山:船谷が大事なところで扁桃腺なんかで熱出しちゃうから。 中西:アジウソン監督、怒ってるんですか? 中山:怒ってないとは思うけどね。でも、ちゃんとメンバーに入ってたところでそういうことになるのは個人の責任だし、個人が注意しなきゃいけない問題だから。 中西:カレン選手も気をつけないと。 中西:でも、カレンも危なかったんだよな。一昨日とか「喉が痛い」とか言って。多分、一緒にいたからだ。 カレン:そこまで仲良くないです。 中山:バイ菌もらってたんだ。 中西:中山選手から見ていて、高いところでチームを維持するということですけど、やっぱり難しいじゃないですか。チームが今変わりつつあるところなんで。さっきも、歳が離れすぎていて話さないと言ってたじゃないですか。 中山:何か聞かれれば答えるけども、別に何もないところで、こっちからしゃしゃり出て行くのはどうかなと思うから。技術的な部分は感覚的なものがあるし。練習の姿勢とか、そういう部分では言うようにしているけど、それは個人それぞれが持っているものもあるだろうし、あまり押しつけてもいけないと思うから。そこはそれぞれ自分で考えながら、聞かれたら教える距離感を持ってる。 中西:じゃあ、みんな聞いた方がいいですよ。 カレン:そうですね。 中西:中山選手みたいに経験がある人はなかなかいないですから。で、しゃべりも面白いじゃない。引き出した方がいいですよ。聞き役に回らせると、あとですごいパンチが飛んでくるから。もうちょっとしたら、いなくなっちゃいますからね。 会場:笑い 中山:お前、ヒドイね。俺が頑張っているのに。 中西:まだまだやってほしいですけど、でもあと10年はできないと思うので。 中山:わかんねぇよ。 会場:拍手 中西:だって、僕が中山選手とハット(服部年宏)とトークバトルを最初にやったとき。 中山:2002年に。 中西:「まだまだ現役で行けますよね?」と聞いたら、「あと5年ぐらい」って答えたじゃないですか。余裕で来てますよね。 中山:そのとき「あと5年ぐらい」って言ってた? ということはあと1年じゃん! 中西:更新できますよ。あと5年ぐらい行きます? 中山:どうだろうねぇ。自分で行く気持ちがあっても、チームその他が認めてくれないとさ。その場所を与えてくれないわけだから。それを認めてもらえるように、必要な存在であるようなプレーをしていかないといけないと思うんだよね。 中西:カレン選手から見て、中山選手はどうですか? カレン:大きい存在ですね。 中西:いるといないとで全然違うでしょ。 カレン:違いますね。練習の雰囲気とかも違うし。みんな、あんまり声を出さないんで。 中西:ちょっと、ちょっと。 中山:ちょっと暗い時があるんだよね。 中西:元気がないチームなんですか? 中山:元気はあるんだけど、声を出しようがない練習の時もあるから。 中西:確かに、今は黙々とやるタイプの選手が多いですよね。 中山:そういう練習もあり、声を出さなきゃいけない練習もあり。そういうところでは選手それぞれが自覚を持って、自分のポジションに入ってバランスを取ったり、前を指示したりという声が自然に出ていかないと、チームとしては強くならない。 中西:そうですね。 中山:若手であろうとベテランであろうと、声を出さないといけないものだから。ちゃんとそれぞれの選手が感じて、声をかけられるときは強いチーム。 中西:それは本当に、藤田選手が抜けて名波選手(浩、セレッソ大阪)がいなくなって。それぞれがそれぞれの場所で声を出し、最初は声を出してやっていたことが、最後は声を出さなくても、お互いの目を見るだけでできるようになる。 中山:そういうところになっていくとは思うけど。スタジアムでは声を出しても通らないことが多いから、その中でどれだけポジショニングを確認できるか、ちゃんとアイコンタクトができているかというのがすごく必要になると思うから。それは練習の中で培っていかないと。いきなりはできない。 中西:僕は2001年かな、ジュビロが一番強かったときに藤田選手に取材して長い文章を『Number』に書いたことがあるんですけど、そのときみんなに話を聞いたら、みんな「中山さんが最初に走るから、次は誰がどこに走る」とか、それは別に考えてるんじゃなくて無意識にできる。中山選手は日本で一番動き出しの早いフォワードだったんで、例えば名波選手がボールを取った瞬間にもう動いてる。 中山:オフサイドにかかるけどね。 中西:それは藤田選手も言ってたけど、動き出しが早すぎるからだって。でも、なんでそうなってたかというと、みんながボールを持った瞬間に中山選手を見るんですよ。だから中山選手が走れる。 中山:走らないと怒られるし。 中西:そうそう。「何で走らないんだ」って。昔はそうだった。ボールを取った瞬間に、顔を上げた瞬間にはもうみんな走ってますよね。走るということは、それまで居たスペースが空くじゃないですか。そうしたらそのスペースに高原選手(直泰、ドイツ・フランクフルト)が入って、高原が抜けたスペースに藤田選手が入って。全員ほとんど同時でした。 中山:そういう連動ができていた。でも、それをそのまま今やろうとしても、メンバーも違うわけだから。今のメンバーに合った戦い方もあるだろうし、それを今模索しているところなんじゃないの。連動するためには絶対に運動量が必要だから。あとは意識を高く持つことも必要だし、切り替えの速さも必要になるだろうし。すべて、まだまだの部分があるからしっかりボールをキープできないんだろうし。当てた選手に対して、そういうもの が各場所でできるようになれば。 中西:中山選手と高原選手が2人で揃ってプレーしていたときに、クロスボールに入るとき、100%とは言わないけど、80%ぐらいは必ずクロスしてるのね、クロスボールの前に。そういうのを全部「あ・うん」でやってましたよ。後ろから回り込む選手が、必ずドンッと行くパターンもあったし。そういうのができるといいですよね、2トップで。 中山:だから一人ひとりの力は絶対に必要だし、それプラスそういう動きもできれば、2倍、3倍と相手に対するプレッシャーにはなる。 中西:僕はディフェンダーですけど、ゴール前でクロスしちゃうとマークをつかまえられないんですよ。クロスするにはその前の蹴るタイミングに合わせなきゃいけないから、早めにクロスしておかないとタイミングを合わせられない。そういう動きができると、あの頃みたいに爆発的に点が取れる、ハットトリックしまくっちゃうという。 中山:ハットトリックしまくってたねぇ。 中西:「サッカー人生で、自慢できるゴールがある」という質問がありましたけど、中山選手はどういうゴールでした? 中山:いや、全部ですよ。取ったゴールは全部自慢できるよ。 中西:Jリーグで150点くらいですか、昨日で。 中山:155。155に至るまでが大変だったねぇ。154から155になるのが。 中西:155って想像つかなくないですか? カレン:考えられないです。 中西:考えられないですよね。カレン選手は今何点ですか? カレン:15点です。 中西:140点負けてますもんね。 中山:10年続けりゃいいんでしょ。 中西:今21歳で、中山選手は今年39歳でしょ。 中山:余裕じゃん。 中西:余裕ですよ。逆にカレン選手から見て中山さんのゴールで印象深いものはありますか? ジュビロで見たのでも、テレビで見たのでも。僕はありますよ、実は。 中山:それが言いたいがために、カレンに振ったんだ。 中西:だって中山選手、今日司会すると言ってましたけど、僕司会やってるんですよ。 中山:じゃ、言ってくれ。俺のいいゴールをどうぞ。 中西:僕はフランスワールドカップ最終予選(1997年11月16日、マレーシア・ジョホールバル、日本3-2イラン)の1点目。あれは最高に嬉しかったです。相当緊迫している試合だったから。あの左足のインサイド。 中山:よくインサイドで蹴ったよな。 中西:何で思いっきりニアサイドで蹴らないで、インサイドで蹴ったんだろうって。 中山:練習した成果だね、あれは。試合前のシュート練習、昔はどちらうというとニアサイドでずっと狙ってたの。当時ね。だから、思い切り蹴ろうかと思ったけど結構冷静で、ニアサイドにもらえるかなと思ったらキーパーの手に当たって。すごいビビったんだよ、あれ。 中西:カレン選手は覚えてないですか? カレン:はい。 中西:あの、ジョホールバルで日本がワールドカップ初出場を決めた試合の先制点。 中山:9年前だよな。ジョホールバルって、シンガポールに限りなく近いマレーシア。 中西:その試合、知らないですか? 岡野選手(雅行、浦和レッズ)が延長Vゴール決めた。 カレン:それは知ってます。 中山:あれー? おかしいなー。 カレン:それはニュースで見たんで。 中山:あぁ。ワールドカップ出場決定の瞬間だからさ。 中西:中山選手はその前に点を取ってるんですよ、先制ゴール。僕はあれがすごく印象に残ってます。中山選手は印象に残ってるゴールありますか? 中山:俺? いろいろ印象に残ってるゴールが多くて、今一番俺の中に残っているのは昨日のゴールかな。 会場:拍手 中山:前田が来たから。「ジャマだよ!」って。前田がまずバーに当てて、あいつがヤバイと思って、それをもう1回蹴り込もうとして下がろうとして。でも、絶対に俺は間に合わないと思ったから、「来るんじゃねぇ!」って。その念が効いたらしいけどね。 中西:言ったんですか? 中山:言ってない、言ってない。思っただけ。 中西:念を送って。でも、完全に中山さんの射程圏内でしたよね。 中山:でもあれは、最初に前田が決めてくれたらその方がラクだったんだけどね。 会場:笑い 中山:そして、ヘディングしたら入った。 中西:さっき少し話してたんですけど、「雨なのにあんなにいいピッチないよ」って。 中山:ピッチ良かったね。 中西:等々力はめちゃくちゃ水はけがいいんですよ。しかも、その前に僕たちがOB戦をやってるんですよ。 中山:最悪だよ、お前。何でやってくれちゃったりするわけ? 中西:だから、僕ははがれた芝生を丁寧に踏んで直しましたよ、試合前に。 中山:でも、雨が降っちゃって。あんなOB戦なんか入れなくてもいいよ。45分ハーフくらいでやったの? 中西:25分ハーフです。 中山:25分ハーフ? OBリレー大会でいいじゃない。それなら競技場の周りのコースでいいわけだから。 会場:笑い 中山:よ~し、1500m走だって。 中西:昔の選手のサッカーしてる姿が見たかったんですよ。みんな僕がサッカーしてるところ見たことないんですかから。テレビでしか見たことないから。しゃべりばっかりで。中西哲生がサッカーしてるところを見たことない人がいっぱいいるんですよ。 中山:建さん(向島建、川崎フロンターレ普及コーチ兼スカウト)もいたしね。 中西:そういう今テレビで見ている人だと、昔の現役の時を知らないから。そういうのを見たかった。 中山:よく雨の中、やってくださったと思ったよ、OB戦を。 中西:めちゃキツかったです。スパイク重かったですから。 中山:相手もイヤだもんね。 中西:中山さんのゴール思い出しました? カレン:えっ。 会場:笑い 中西:カレン選手が中山選手の思い出のゴールを考える時間を与えてたんですよね。 中山:集中しろよお前。アジウソンにいつも言われるだろ、「アテンソン!」「集中!」って。お前と菊地(直哉)だけだろ、言われてるの。 中西:アジウソン監督に言われてるんですか? 中山:菊地が一番言われてる。菊地は「うるせぇ」って言ってる。 中西:ちゃんと質問の答え、考えておいてください。 カレン:はい。 中西:逆に、カレン選手が自分の自慢できるゴールは? カレン:ジュビロじゃないんですけど、高円宮杯の決勝(2003年10月13日、国立競技場、市立船橋高校1-0静岡学園高校)で決めたボレーシュート。 中西:それはどういう? 中山:静学(静岡学園高校)戦のときだろ? 雨の? 中西:何で知ってるんですか、そんなに日本のサッカー事情を? 中山:俺は全部知ってるよ。 中西:僕もたいがい知ってますけど。 中山:そのときカレンのシュート、ものすごいロングシュートだよな? ペナルティエリアの倍くらい距離がある。30mだったよな? カレン:はい。 中西:ペナルティエリアが14.5mだから、ちょうど倍ぐらい。どれぐらいのすごさだったんですか? カレン:こぼれてきて、ちょっと左に行ってアウトで。 中西:アウトにかけて。ドライブシュート? カレン:かなり。 中山:ドライブがかかってた。それもそうだけどさ、天皇杯のマリノス戦(2003年12月3日、三ツ沢球技場、横浜F・マリノス2-2(4PK1)市立船橋高校)は? 中西:あのシュートはすごかった。 カレン:あれは打ってないです。 中山:打ってないけど、あそこまで持っていった。 中西:アシストして。あのドリブルはすごかった。 中山:すごかったよ。 中西:高校生がJリーグの選手を引きずって。 中山:マリノスもなめてかかったところはあるかも知れないけどさ。PKで市船が勝っちゃうんじゃない? みたいな。 中西:あの試合はどうですか? カレン:あの試合は、最初5分ぐらいで2点取って、あっちが足が止まったんで。連携も良かったし、たまたまうまくいったんで。ちょうどJリーグで優勝したあとで。 中西:市船は史上最強と言われてたから。ホント強かったですよね。 カレン:最強ではないですけど、選手権で負けちゃったので。 中西:あのときは僕びっくりしました。高校生のチームであそこまでやれちゃったらって。 中山:それで高円宮杯のシュートの話に行きたいんだろ? 中西:それが自分の中ではすごかった? カレン:はい。 中西:ジュビロの中だったら、どうですか? カレン:まだ。 中西:まだ、ないんですか。中山選手みたいに17年やらないと。 中山:まだ大学も卒業してないんだろ、歳から言ったら。 中西:中山選手が筑波で大学生だった歳ですよ。 中山:そのときはサイドバック。 中西:いろんなポジションをやって右左も関係ない。 中山:国体の時はサブキーパーだから。 会場:笑い 中山:今でも背番号4のキーパーユニフォーム持ってるから。 中西:それ知ってます? カレン:知らないです。 中山:それは知らないだろう。 中西:相当マニアックな話ですから。 中山:キーパー1人しかいないんだから。 中西:他のメンバーがすごすぎて、キーパーを入れられなかったから。それぐらいすごかった。で、ジュビロの思い出のゴールは? カレン:エコパのマリノス戦(2005年8月20日、静岡スタジアムエコパ、ジュビロ磐田3-1横浜F・マリノス)で、ドリブルで持っていって切り返して。 中西:ありましたね。 カレン:自分でもあんなに速いと思わなかった。 中西:びっくりした? 中山:2点目は振り向きざまのボレーで。あれもすごかったよ。 中西:中山選手のお墨付き。 中山:反転もすごかったし、ああいう体勢で振り向きざまで。大体ふかしちゃうから。それをしっかり押さえて枠に決めたのはすごかった。あれはノッてたね。 中西:どうですか、中山選手のゴールについては? 中山:もういいよ。しつこいから。 中西:そして、「サッカー人生で、ターニングポイントや意識改革などのキッカケになったゲームがある」。中山選手はどうですか? 中山:俺は・・・ 中西:昨日の夜じゃないですよ。 中山:ターニングポイント、過ぎてるよ。ここでターンしたらどこ行っちゃうんだよ。 会場:笑い 中西:何往復もした方がいいんじゃないですか。 中山:そうだねぇ。いろんな試合があるけど、一番最初はやっぱり高校の時かな。 中西:藤枝東高校の時ですか? 中山:全国大会(1985年1 月、第63回全国高校サッカー選手権大会)で3位になる前の、高校2年の時の高校サッカー静岡県予選の決勝。あそこで全国大会に出られたから、そこから徐々に変わっていった。あれに出てなかったら、今はないんじゃない。 中西:確かにあの頃って、全国大会に出ていくことが中央に名前を知られる選手になるっていうことでしたもんね。 中山:そうそう。あそこに出たから、静岡県高校選抜にストッパーだけども呼ばれたし、筑波大学にも行けたしというところもあるだろうし。 中西:2つ目は何ですか? 中山:1992年の中国の大連でやったダイナスティカップ。決勝(1992年8月29日、北京・工人体育場、日本2(PK4-2)2韓国)の韓国戦でシュート決めて。あのときもサイドキックだったんだよね。 中西:赤いユニフォームの時ですよね? 中山:違うよ。青いユニフォームだよ。もうオフト(ハンス・オフト、元日本代表監督)のときだから。 中西:そうだ。オフト監督のときから青ですもんね。 中山:そう。そのときにダイナスティでPKだけど、PKになる前に1-0で負けてて、1-1に追いついて、また延長で1-1になって。 中西:延長も追いついたんですか? 中山:延長は先に取った。で、90分間では1-1だった。延長では先に勝ち越したんだけどすぐまた韓国に取られて。PKで勝ったんだけど、そのときの得点。 中西:何でその試合が? 中山:それまでは代表に行ってもちょこっと出してもらうくらいで、点を取ったりはしてなかったから。そのときがオフトの代表になってからの初得点じゃないかな、自分自身。それで自信がついたというか、行けるという思いになったゲーム。相手は韓国だし。 中西:その後は? そこは古すぎてみんなわかんないですよ。ここ10年くらいで。 中山:ジョホールバルもそうだし、その前の試合(1997年11月8日、国立競技場、日本5-1カザフスタン)かな。代表で久しぶりに・・・ 中西:出た! 国立で。 中山:国立ではずして、はずして、はずしまくって、名波からのフリーキックを相手の頭ごと押し込んだってやつ。 中西:「いいかげんに入るだろう」って思って見てて、これで入らなかったらって。 中山:大変だよ。あれが一番難しいんじゃないかっていうボールだったんだけど。ヒデ(中田英寿、元日本代表)がさ、もっと低いボールだったら入ったのに、高いところでやるから。 中西:何で中田さんのせいにするんですか。 中山:あいつね、気を使ってパス出してくれるんだよ。 中西:全員が中山選手に点を取らせようとしてて。 中山:でも、それだけボールには絡んでいる。シュートは打てた。あれで点を取らなかったら、俺は終わってたと思う。あそこまで期待されて呼ばれて何もできなかったら。 中西:あのときはカズさんと高木さんと、中山選手が呼ばれて32番を着けて出て。カズさんの11番のユニフォームを下に着ていて、脱ぐタイミングがなくて。脱ぎたくても脱げなかった。 中山:そうそうそう。点を入れないのに、そんなことしたらバカじゃない。「あいつ、ユニフォーム2枚着てるよ!」って。 中西:あのときの国立すごかったですね。 中山:あれはすごかった。あのときはまた予選がドラマティックじゃない。初戦6-3で勝ってさ(1997年9月7日、国立競技場、日本6-3ウズベキスタン)。次が・・・ 中西:UAEで引き分け(1997年9月19日、アブダビ、日本0-0UAE)ですよ。 中山:オム(小村徳男、横浜FC)がゴール入れたけどオフサイドだった。 中西:で、帰ってきて韓国と2-1で(1997年9月28日、国立競技場、日本1-2韓国)。モトさん(山口素弘、横浜FC)がループを入れて。 中山:ものすごいループシュートを入れて。 中西:みんな、知ってますか? 中山:あのとき俺、ピッチレポートしてるんだよ。 中西:えっ? 中山:ピッチレポートしてた。呼ばれて行ったんだよ。ゲスト解説で。 中西:代表じゃなくて? 中山:代表じゃなくて。俺、その試合のチケットを持ってなかったから。そうしたらTBSかな、金田さん(喜稔、サッカー解説者)に「ゲスト解説としてどうぞ」って言われたから、「あ、ラッキー」と思って「行きま~す」って。すごく試合時間より早く呼ばれたの、11時半とか。 中西:早いですね。 中山:で、「急いでください」ってピッチに出ていったら、そこから「アッコにおまかせ!」だった。 会場:笑い 中山:「青い波を見てください!」ってピッチで騒いでたら、それが「アッコにおまかせ!」だった。「アッコにおまかせ!」に出るって知らなかった。その後に試合だった。 中西:「この後、試合です!」って。 中山:そうそう。「今の国立競技場の様子です」って。そのときがまた、呂比須(ワグナー、ブラジル・パウリスタFCアシスタントコーチ)が帰化して一発目の試合だったと思うんだよ。 中西:それでも盛り上がって、中山さんはピッチレポーター。 中山:うん。青いゴミ袋を振ったりして。 中西:それで負けましたからね。知ってます、この試合? カレン:知ってます。 中西:それは知ってるんだ。 中山:ヘディングでやられて、最後にミドルシュートを決められて。 中西:イレギュラーして入った。能活が。 中山:そうそうそう。やられたー。 中西:そこでピッチレポーターやってたのに、そこから段々と登っていって、いきなり試合に出て。 中山:そうそう。「最終戦で間に合った」みたいな。すごかったんだよ、もう。俺も激動だったんだよ。 会場:笑い 中西:普通、ピッチレポーターやってて、その後に代表には呼ばれないですよ。 中山:おかしいよね。それおかしいよね。それウケちゃった、俺。 中西:チケットがなくて。 中山:チケットないけど見られるからラッキーと思ってたら、まさか出るとは思わないよ。 中西:それで点を取って、フランスワールドカップ本大会でまた点を取っちゃって(1998年6 月26日、フランス・リヨン、日本1-2ジャマイカ)。 中山:そして足折って。 会場:笑い 中山:ドクターが「ゴンちゃん、大丈夫だよ、打撲だから」って。「打撲だったら大丈夫ですよね?」、「大丈夫、大丈夫ゴンちゃん!」って。で、レントゲンを取ったら写真を持ってきて、「ゴンちゃん、折れてるよ」って。 会場:笑い 中山:「先生、折れてないって言ったじゃん」って。そんな感じなんだよね。 中西:激動のフランスワールドカップ。 中山:フランスに行って,観光もできずに帰ってきたという。 中西:カレン選手の思い出に残っている,ターニングポイントになった試合はどんなものがありますか。 カレン:市立船橋高校の時ですね。最初は中盤だったんですよ。監督の先生(布啓一郎、U-17日本代表監督)にフォワードにしてもらって、目をかけてもらえるようになって。 中西:「この試合が僕の人生を変えたな」みたいな試合は? カレン:高校2年の時に高校選手権(2002年全国高校サッカー選手権大会)で優勝したのが大きかったです。 中西:あれでカレン・ロバートを知ってもらったという大会だったんじゃないですか。 カレン:そうですね。 中山:こいつ、高校の頃から茶髪にしてたんですよ。 中西:地毛じゃないんですか? 中山:これ地毛じゃないよ。染めてるからね。 中西:染めてるんですか? 中山:入学した時にもう染めてたから、「こいつの地毛はこうなんだ」って思わせた。素晴らしいよね。 中西:黒い髪なんですか、ホントは? カレン:真っ黒です。 中西:真っ黒? カレン:はい・・・薄い黒。 中山:水墨画じゃないんだから。 中西:あの、もう時間がないんで。 中山:もうないの? 中西:もう1時間半も経ってるんですよ。 中山:全然じゃない。横にそれすぎなんだよ。 中西:違うんですよ。横にそれた話も聞きたいんですよ。カレン選手に代表の話を少し聞きたいんですけど、反町監督(康治、U-21代表監督)はどうですか? カレン:熱い方で、戦術もはっきりしてて。 中西:中山選手は? 中山:ソリさん(反町康治)ね。昔「スネオ」って言われてたんだよ。 中西:言っちゃった。 中山:マンガ好きでね。本も良く読んでたからって。でも、理論派だよね。 中西:頭がいいですよね。 中山:それに情熱も加わってて、スペインでずっと勉強してきて、帰ってきて、当時BSのスペインリーグの解説をやっていて、サッカーの専門用語もバシバシ出してて。「素人さんが見ても分からないんじゃないか」と言ったんだけど、「これを続けることによって、サッカーに対する基本的な言葉をみんなが覚えてくれればいい」と、それを貫き通した。 中西:そうですよね。「お前、センタリングって言うな」って言われました。 中山:何て言うの? 中西:クロスボール。 中山:ああ。 中西:「それはサッカー用語じゃない」って。 中山:そういうこだわりがあるから。サッカーをみんなにしっかり分かってもらいたいということで、「何かもっとわかりやすい言葉で」と言っても、「いや、これがサッカー用語だから」って。 中西:すごく信念がしっかりありますね。理論もしっかりあるし。 中山:スネオが監督で、コーチが井原でしょ。 中西:そうしたらもう、マネージャーは中山選手じゃないですか。 中山:いやぁ、井原は乗ったねぇ。線路引かれてるね。 中西:乗っちゃいました? 中山:乗っちゃったね。でも、遮断機あるよ。 中西:そういうジョークってどこで覚えてくるんですか? 中山:思いつくんだろうね。 中西:中山選手も線路に乗らなきゃいけない人だから。 中山:俺は乗れないね。でも、俺と同い年の人も、高木とかJで監督やってるわけで、すごいなと思うね。人を指導するってすごく難しいことだから。 中西:高木さんも理論派なんですよ。解説を聞いていても、話を聞いていてもそうだし。 中山:あんなにしゃべれなかったよ、現役の頃。 中西:相当うまいですよ、解説とか。 中山:そう。だから「スーパーサッカー」とか解説とか、まだ監督になる前に聞いてて、すごいしゃべれるし、すごい立派な解説してるなぁって。 中西:本当にうまいですよ。 中山:そうなんだよ。昔からは想像できないよ。 中西:どうですか中山選手、意識してますか、日本代表? 中山:日本代表? 選手としては意識してるよ。まぁ、現段階で難しい立場ではあるけれども、ずっとないでしょう。現役である以上は、そういう可能性があるとは思いますけど、現時点では代表に入るどうのこうのじゃないから。どっちかというと、今は試合に出る方が。結果を出さないと、ということの方がありますし。 中西:イビチャ・オシム日本代表監督はどうですか? 中山:「考えて走るサッカー」と言うけど、でもそれって当たり前のことだから。だから、当たり前のことを再認識させてるんじゃないの? 基本は運動量だと思うし。ボールが来る前に考えないといけないし、それが全員できていれば、よりボール回しも早くなるし。相手に的を絞らせないサッカーになると思う。それが今はまだ最初の段階だから、これからどうなっていくんだろうっていう興味はありますね。ただ、万が一代表に入っても夜 中の12時に練習はできない。 中西:眠いですからね。 中山:眠いというか、膝がね。まず飛行機でしょ。飛行機を降りてそのままグラウンドでしょ。もう膝がムリだと思う。腰も。 中西:ムリが来てる? 中山:もう痛くって。それをやれる若手っていうのはすごいね。 中西:タフでないとね。 中山:その辺が精神的に今鍛えられてる部分だと思う。それを敢行してしまうということが。 中西:カレン選手は呼ばれる可能性があるじゃないですか。同年代の人が選ばれてるのは意識しますよね。 カレン:はい。チャンスがあればぜひ。 中西:オシム監督はほとんど全部の試合を観てますから、ビデオで。だから多分見てると思いますよ。そういうチャンスはある。 カレン:まだ結果が出せてないから何とも言えないんですけど、結果を出してから呼んでもらって、そこでできるように努力しないといけないと思います。 中西:走るのもそうですけど、プレーの連続性が持続しないと。要するに何度も走りなおして、それが90分できてないと。それはできるタイプじゃないですか。呼ばれるんじゃないですか? カレン:でも、体力が90分持ってないんで。 中山:持ってないの、お前? 持ってないのか。頑張れ! 中西:まだ自分としては90分持続できない? カレン:足りないと思います。足もすぐぶつかるし。 中山:練習で走りゃいいんだって。 中西:もっと走った方がいいんですか? 中山選手の方がめちゃくちゃ走ってますよ。 中山:若いときに走っておくといいんだよ。今のうちは走れるって。 中西:中山選手や井原さんって異常でしたからね、筑波大学の練習場で。僕、筑波の練習に行って引きましたもん。 中山:そんなにやってた? 中西:やってる。めちゃめちゃ2人とも走るじゃないですか。 中山:井原は負けず嫌いだから。 中西:超負けず嫌いですよね、マラソン大会とか。 中山:だから疲れるんだよ、俺も負けたくないからさ。 中西:そう。井原さんと2人でめちゃめちゃ速いんですよ。走った方がいいですよ。 カレン:じゃ走ります。 中山:吉(太田吉彰)と一緒に走れよ。お前トップグループだよな? カレン:一応。 中山:じゃ、いいじゃん。フラフラ後ろから走ってる場合じゃないんだよ。 中西:ついていって後で走れなくなる方がいいですよ。走れる速度を持続するよりも、ついていってバーッと落ちちゃう方が次に自分の壁を越えられるんで。我慢して、ついていけないからって少し遅めに走ってるよりも、ついていって死んじゃった方がいいから。もう走れないくらいにガーッと。 中山:そうなんだよ。 中西:中山選手はもういいじゃないですか。膝と腰が。その方が多分いい。 中山:まぁやれるところまでやって、そのときはそこが限界でも、次にやれば、というふうにやれば克服できるんじゃないかという話。 中西:そうすると90分走れるようになる。 中山:まぁ別にいいよ、走れなくても。俺がいるから。 会場:笑い 中山:75分くらいで切れていいよ。 中西:中山選手、15分でいいんですか? もうちょっと欲しいですか? 中山:俺、20分は欲しいねぇ。 中西:フォワードとしては後半20分までに入りたい? 中山:入りたいね。大変なんだよ、途中から入る時にさ。昨日はまだ早い時間で呼ばれたからいいけど。等々力は走れないんだよな、アップする場所がないから。雨で滑るし、スプリントできないから。だからグラウンドの中でハーフタイムに練習してたから。ムリヤリ上げたもん、あそこで。犬塚(友輔)に迷惑かけてね。俺と一緒にグルグルグルグル、パス出して。でも、「あれで助かりました」って。「途中で出てきて、あれがなかったら、もっと早くつぶれていたと思います」って感謝されたから。 中西:そういうところはすごいと思いますよ。 中山:1回上げておかないと、グラウンドでそうなっちゃうと、もうプレーできなくなっちゃう時間だから。もったいない。 中西:要するに、1回上がっちゃうと、その後回復するまでに時間がかかるから。 中山:そう。だから1回どこかで上げておかないと、上げ過ぎるとグラウンドに入ったときに、またできなくなっちゃうから。すごく難しいんだよ、サブって。だって、試合前の練習でもすごく腹減って食いたいけど、食ったら重くなっちゃうし。 中西:アップの時期は微妙だし。ボール回しが下手な選手と組むと、追いかけ回して、余計に疲れちゃうし。 中山:その方がいい。1回上げておいた方がいいよ。俺わざとやるもん。犬のように追っかけてるように見えるけど。クルクルクルクル回って。 会場:笑い 中山:自分を痛めつけてる、Mだよ。でも、コイツはいいよ。絶対に上げなくても大丈夫だよ。大丈夫だろ? カレン:はい。 中山:すごいな。若いヤツは大丈夫。 中西:でも、そういうこと言っててやってると落ちるのが早いですよ、下降線が。中山選手なんて緩やかに落ちてますから。 中山:あと2年だな。 会場:笑い 中西:死ぬみたいじゃないですか。それでは、質問コーナーです。 客1 :日頃から、高い意識を保つために心がけていることを教えてください。 中山:僕の場合、そんなに先が長くないんで。 会場:笑い 中山:いや、実際問題。それは長く続けたいと思いますけど、そこでどれだけ勝負できるかというところにかかってきてますし。やはり自分に与えられた今の職業であり、趣味であることをやれていて幸せという気持ちがあるので、それを長く続けたい。そのためには1日1日をすごく高い意識を持って臨んでいかないと実現しない。常に危機感を持ちながら、そして自分を成長させたい気持ちの中でやれてるのかなと思いますけど。 カレン:僕は自分がゴールを決めたいという気持ちを必ず持つことと、今はとにかく勝ちたいんで、「勝ちたい」という気持ちを常に持っています。 中西:あとは? 日本のエースになりたいとか、そういうのもあるでしょ? カレン:自分のことは自分が一番よく分かっているから、今足りないところがたくさんあるので。 中山:コイツがもっと自覚を持って、「ほら行くぞ! 声を出して行けよ!」って言ったら相当スゴイと思うよ。それを言うことによって、自分に対するプレッシャーが相当大きくなりますから。自分がやらないと言えない言葉だし、それぐらいに自覚持ってやったら、そういうところに近くなっていくんじゃないか。 中西:そうですよね。有言実行じゃないですけどね。 中山:そうそう。若いから云々じゃないし、プロの世界なんだから、そこで自分を表現しなきゃいけないし。自分を高めていくという意識をもっと高く持ってほしいね。 中西:いい言葉ですねぇ。これは大事なことだと思いますよ。「元気出して行きましょうよ!」でもいいし。口に出すと言うのは自分のカラーにないかも知れないけど、敢えてそうすることによって、自分に足りない部分を補えることもあると思うんで。 中山:ベテランとか、上の人が鼓舞するんじゃなくて、下からどんどん押し上げて、「中山さん、行こうよ。遅いんだよ」って。「黙ってろ」って。 中西:そこで「僕にも行かせろよ!」って。そこでひるんではいけない。 カレン:はぁ・・・ 中西:「勝手に行けよ!」って。そうでないとトークバトルはできないと思いますよ。ひるんじゃいけない。そういうところはこのトークバトルでいいアドバイスを受けたので。 中山:負けだよ。こういう場でも出ていかないと。 中西:僕と中山選手に負けちゃいますよ。勝ち負けじゃないけど。こういう場でもバリバリしゃべって。そういう意識を持つと、もっと。 中山:その意思表示がはっきりしてくると、選考段階でも目に止まるようになるし、「あ、コイツ変わったな」と思うし。井原なんてそういうことを結構言ってたもん。この間、磐田に練習を見に来たんだよ。で、ちょっと話した時にね。うちで代表候補に挙がってる選手、カレンはどんなプレーがしたいのか、意思表示をもっとした方がいいだろうし、感情を表に出すことだね。ダーッと。「自分はどこに欲しい!」って。 中西:感情を出すというより、自分の思っていることとか、やりたいこととか。 中山:まず「これをやるからこう出してくれ」じゃなくて、「こういうプレーがしたい、こういうボールをもらいたい」と要求することがまず大事。北京に行くんだろ? 俺も行きたいよ。 会場:拍手 中山:オーバーエイジってあるんだっけ? 中西:ギリギリあるんじゃないですか? 中山:「アッパー40 」とかさ。 中西:「40オーバー」ですよ。 中山:アッパーだよ、アッパー。 中西:僕もそういう代表を結成してほしいですよ。そうしたら別に現役でない人も走れる。 中山:そうそう。俺なんかずっと走ってるよ。 中西:はい、ありがとうございました。時間を完全にオーバーしてしまいましたが、カレン選手、どうでしたトークバトルは? カレン:楽しかったです。 中西:中山選手がそばにいると心強いですよね。 カレン:かなり、2人がいると。 中西:僕は仕事なんで。僕がしゃべらなかったら仕事がなくなっちゃいます。中山選手はサッカー選手ですよ。 中山:いやー、緊張したねぇ。 中西:どこが緊張したんですか。 中山:何でもライブがいいね、一番ね。人の反応がすぐ分かっていい。 中西:でも、中山選手もカレン選手に今日は貴重なお話をしていただいて。社交辞令じゃなくて、中山選手の家に遊びに行って、ご飯を食べた方がいいですよ。 カレン:ええ、ぜひ。 中西:中山選手、お疲れさまでした。どうですか、今日は。 中山:昨日、勝ってよかった。ホントそれだけだね。 中西:明日トークバトルだというときに1点ずつ入れるコンビもなかなかいないですよ。 中山:スゴイでしょ? これがプロ意識だよね。毎回トークバトルがあればいいのにね。 中西:僕もワールドカップが終わってヒマなんで、体あいてますから。 中山:次は違うよ、君じゃない。 中西:結構いい仕事してるんですけど。 中山:そうね、結構いい仕事してるね。 中西:今回はアベックゴールだったんですけど、2人が交代して入りましたからね。2トップで出て、アシスト、ゴールを決め合う。そういう場面を見たいですよ。 中山:そういう形がより増えれば、チームも勝利に近づきますしね。勝利に貢献できればと思いますので。 中西:最後にカレン選手からひとこと。 カレン:今日は来ていただいて本当にありがとうございました。このまま勝っていって、上に行けるようにこれからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。 中西:これからA代表にも呼ばれるようにね。 カレン:頑張ります。 中西:中山選手、ひとことお願いします。 中山:今日は楽しんでいただけましたでしょうか。 会場:拍手 中山:笑っていただいたんですけど、作り笑いかなというのも感じたんで。 中西:お客さんも気を遣ってくれるので。 中山:僕自身、出場する時間、機会が減ってきましたけど、まだまだ僕自身は頑張っちゃおうかなと思っていて。今の状況に満足しているわけではないので、ここにいるみなさんは、きっともっと応援してくださるだろうと。そんな中で僕も一生懸命頑張るので、ジュビロを、中でも中山を、カレンもいるからカレンを、これからも応援してもらいたいなと思います。よろしくお願いします。 司会:みなさん大きな拍手でお送り下さい。 会場:拍手 司会:フィールドの上でもエンターテイナー、ステージの上でもエンターテイナー。いや、中山さんはすごいパワーをお持ちですね。 中西:中山選手がいると、僕の出番がないです。 司会:いやいや、中西さんともすごく絶妙なトークのコンビネーションで。 中西:普段は全くしゃべらないんですけどね。でもいつお会いしても「ちゃんとやってるか?」と言ってくれますし、すごくきっちりいろいろなことを見ていらっしゃる方で、J2の観客数まで見てるんですよ。 司会:すごいですよね。 中西:本当にサッカー界のことをちゃんと考えて見ているし。もしも中山選手が引退しちゃったら、サッカー界に誰が残っているのかちょっと心配なところもあるんですよね。1年でも長く中山選手にはやっていただいて。カレン選手も、相変わらず無口かなぁと思ったら、いろいろ思ってることはあるんですね。今日はすごく貴重な話をたくさん聞いたと思います。 司会:今後も楽しみですし。 中西:ジュビロは今、転換期で難しい時期だと僕は思っているんですけど。なかなかチームの結果が伴わないというところもあると思うんですけど、昨日のような素晴らしいゲームをするときもあるし、当然負けゲームもあると思うんですよね。これからもジュビロ磐田のサポーターの方は、温かい目でチームを見守ってほしいですね。フロンターレのサポーターもすごく応援してくれたんで。 司会:やっぱり、サポーターの力というのは大きいですよね。 中西:ものすごく大きいですし、ジュビロ磐田は素晴らしい選手をたくさん輩出しているクラブですから。今後ともジュビロ磐田を盛り上げていただいて、僕もトークバトルをやっていきますんで。 司会:7回、8回、9回、10回とね。 中西:ジュビロ磐田だけでなく、Jリーグ全体、それから日本サッカー全体が今、過渡期にありますが、ここで皆さんの力があれば、より発展していけると思いますし、日本代表も変わりつつあります。皆さんの力で日本サッカー、そしてJリーグを盛り上げていただければ幸いですし、僕もいろいろな形でJリーグや日本サッカーが発展していけるような解説と司会進行ができればと思っています。ジュビロ磐田、中山雅史選手、そしてカレン・ロバート選手をよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。 会場:拍手
取材・構成:CREW 撮影:新関雅士 |
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