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@ぴあ/HOTスポーツの人気連載コラム「金子達仁のサッカーコラム~グリーンカード~」で健筆をふるうスポーツライター・金子達仁をホストに、スポーツについて熱く語る「ぴあトークバトル」。7月16日に行われたイベントの模様を、そのままお届けします。
 vol.1

「どうなる!日本のサッカー」

出演者プロフィール
ホスト:金子達仁(スポーツライター・中央右)
'66年、神奈川県生まれ。法政大卒業後、「サッカーダイジェスト」記者を経て、'95年にフリーライターとなり、スペインに移住。「28年目のハーフタイム」「決戦前夜」などベストセラーを生み出した。今、日本で最も売れ、最も刺激的なスポーツ・ノンフィクション作家。
ゲスト:青島健太(スポーツキャスター・中央左)
'58年、新潟県生まれ。慶応大、東芝で強打の大型三塁手として活躍し、'85年にヤクルトスワローズに入団。'89年に退団後、スポーツライターに転身。現在は、スポーツライター、キャスターとして、テレビ、雑誌等で活躍している。
小倉隆史(ジェフ市原・左)
'73年、三重県生まれ。182cm、75kg。FW。四日市中央工業高出身。高校卒業後から所属していた名古屋グランパスを退団。今シーズンからジェフ市原に移籍した。゙レフティー・モンスター゛が完全復活する日は近い。
川口能活(横浜F・マリノス・右)
'75年、静岡県生まれ。181cm、75kg。GK。清水市立商業高出身。横浜マリノス入団後、超攻撃的な守備でレギュラーポジションを獲得。'96年のアトランタオリンピック、'98年のワールドカップフランス大会にも出場した。

金子:暑い中お集まりいただきありがとうございます。今日登場します4人の中で一番“小物”なのにホストを務めさせていただく金子と申します。よろしくお願いいたします。
青島:みなさん、こんにちは。出身は野球ですが、タッチャン(金子氏)と仲良くさせてもらっているので、呼んでいただきました。今日は非常におめでたい席なんですよね。
金子:はい。おかげさまで、ボクのホームページ(※1)100万ヒット達成を記念して今回のイベントを開いていただきました。本当にみなさんどうもありがとうございました。
※1:ぴあのホームページ@ぴあに金子氏が連載しているサッカーコラム「グリーンカード」。
金子:今日はできるだけ、ボクらだけが喋るというのでなく、会場の皆さんの質問を小倉君、川口君にぶつける形をとりたいと思いますので、よろしくお願いします。
(川口・小倉、登場)
小倉:あ、小倉です。
金子:それだけかい!? 「人がたくさんいるとしゃべらなあかん」とか言ってたけどね。
小倉:こういうの、弱いんで。
川口:川口です。本音に近いトークを展開していきますので、よろしくお願いします。
金子:いきなり直球いっていいですか? オグ、去年の秋の段階で、足は治ったの?
小倉:はい。
金子:昔は見えてたところが今、見えなくなってる。そう言ってたけど、今はどうでしょう?
小倉:見えてなかったというのは、試合に出られなくて、感覚が全然つかみきれてなかったので。ジェフ市原に移籍してコンスタントに試合に出られるようになって、半分くらい戻りました。瞬間、瞬間で常に2~3通りのプレイのアイディアが頭に浮かんでくるようになったので、どれかをチョイスして面白いことができれば、もっともっとボクらしくなるんじゃないかと思ってます。
金子:希望のポジションってやれてる?
小倉:すごく大事なところをやらせてもらってるんで、やりやすいのはやりやすいです。
金子:対戦した時どうでした? 戻ってきた小倉君と。
川口:今シーズン、ジェフとは……。
金子:あの時は目の前で優勝したんだよね。
川口:目の前で、優勝を決めたんですけど。その時はオグのセンタリングを1回受けただけだったんですけど、本来のボールのキレではなかったと思います。ジェフの試合はスカウティングビデオで見るんですけど、チャンスメークに徹してるかなって感じで。
金子:徹したくて徹してるんですか?
小倉:いや、もっとおいしいところがいいんですけれども。でも、幅広い動きはずっと求めていたことなんで。バロンがポストプレイヤーとして前線で張ってるんで、もっと深い位置でやりたいんですけども、役割的にチャンスメークしてた方がいいかなあと。
青島:サッカーのみなさんは年齢に関係なく、割とフランクに会話してますけど、先輩、後輩って、あんまりうるさくないんですか?
金子:はい、四日市中央工業高校は?
小倉:ボクらが変わり目じゃないですか。1年生の時は、3年生が自主練習を終えるまで帰っちゃいけない。監督が帰っていいと言っても、帰ったふりして待っとれと。そういうのはありましたけど。でも、ボクたちが3年生の頃は、基本的な挨拶は守りましたけど、野球みたいに厳しい関係じゃない。結構、下からもちょっかい出してきたりね。
金子:女の子の多い軟弱な高校を卒業された川口さん、どうですか?
川口:なかったですね、タテ社会は。大滝先生の指導では、1年生だろうが2年生だろうが、グラウンドでは先輩を呼び捨てにしなきゃダメなんですよ。清商(清水市立商業高)の最初の練習で、望月重良さんと平野孝さんを「シゲさん」とか「ヒラノさん」って言ったんです。
金子:「シゲさん」もあかんの?
川口:先生がピッと笛を吹いて「それ誰だ」「そんな奴いない」って言われて。
金子:うわーっ、感じワルー。
川口:「ちょっと、外出てろ」。それだけで、練習させてもらえなくて。
青島:それだけで?
川口:それからはちゃんと呼び捨てにしてたんですけど、でもそれが普通なんです。サッカーから離れた時は「1年生は態度が悪い」とか、どこの運動部にもあると思いますが、説教みたいなのはありましたけどね。
青島:呼び捨てにするココロは? 先生はなぜ、呼び捨てにしなきゃならないって?
川口:いやー、それはわかんないです。
金子:よく「先輩、後輩はいけない」って外国からきた選手が言うじゃないですか。ボクもそれを鵜呑みにしてた時期があったんですけど、今は果たして本当にそうなのかなあと。
青島:うーん。
金子:ストイコビッチに対するユーゴ代表の選手たちの接し方って、先輩と後輩の間柄なんですよね。試合中、先輩が「出せ」って言ったらパスを出す。上下関係があってもいいと最近は思い始めているんですけどね、過度の縛りがなければ。逆に呼び捨てにしろと強制するのは、大滝先生には申し訳ないですけれども、ちょっと違うかなと。
青島:「さん」と言ってる間の時間がもったいないって、聞いたことがあるけどなぁ。
金子:でも、時間にして多分0.2秒ぐらいですよね。そこまで判断の速いJリーガーはなかなかいないと思いますよ。
青島:サッカーは、遠慮とか躊躇とか、人に依頼する気持ちがゲームの中に入ったら、チームとして不利な状況を生む競技だから。「さん」を排除するのかなあ。
金子:ボクは青島「さん」って呼んでるから、やっぱり会計頼んじゃおうって。
川口:ほかもあまりないですけど、鹿実(鹿児島実業高)は今もあるらしいですよ。
青島:前園(真聖)と城(彰二)の関係とかは、強烈なものがあるんだ、やっぱり。
金子:彼らは、鹿実時代のストレスをJリーガーになって爆発させたって感じですもん。

金子:ここからは質疑応答に入ります。
客:川口選手におうかがいしたいんですけど。日本代表ではサブの方が多くなってきてるんですけども、個人的にはどうしてもスタメンで出てほしいという思いがあります。
(場内、拍手)
客:楢崎(正剛/名古屋グランパス)選手もいいんですけど、川口選手の方が私は好きなんで。今後スタメンになるためにどうアピールしていくのか。オーバーエイジ枠で五輪にも行ってほしいですし、アジアカップにも出てほしいので、教えて下さい。
川口:イヤー、今のひと言にボク、本当に勇気づけられました。ありがとうございます。
(場内、拍手)
川口:ボクの場合、アピールしようと思うと空回りして、とんでもないミスをしてしまうことがあるんで、アピールは考えず、身体能力とかキャッチング技術を信じて、自分がまずはできることをやろうと。あとは、アルディレスという素晴らしい監督に出会えてサッカー観が変わってきたので、まずはF・マリノスで結果を出すのが一番大事だと思います。
金子:意地悪な質問をこちらの方にします。楢崎君とチームメイトでしたね。
小倉:……はい、確か……。
金子:ふたりの違い。オグはどちらのゴールキーパーとも一緒にプレイしたことがあるから。ふたりの特徴をひと言ずつ言ってください。
小倉:どっちもすごいキーパーですからね。ふたりが代表に選ばれるのはもっともなことだと思うし。ヨシカツにとって、ナラ(楢崎)の存在は刺激になって、いいライバルがいた方が、やっぱりお互い伸びようとしますから。ボクね、初めてオリンピック代表で一緒になった時に驚いたんですけど、ムチャクチャ正確なんですよね、ヨシカツのキックは。
金子:フィールドプレイヤーでもなかなかあそこまで正確に蹴れないよね。
小倉:蹴れないですよ。
青島:サブになったことで逆に何かを学んでるというか、大きくなったところもある?
川口:プレイが変わったかどうかはわかりませんけど、まずマリノスのゴールキーパーのサブの気持ちをすごく考えるようになって。サブのゴールキーパーの榎本(達也)君にウォーミングアップの相手をしてもらっているんですけど、そのありがたみをすごく感じますね。試合に出たいけど、出るのは自分じゃなくて、ボク。ボクのためにウォーミングアップしてくれてるわけで。以前は、彼の気持ちが全然わからなかったんですけど、そういう彼の気持ちもわかるようになって。榎本君がいいボールを蹴ってくれたら、必ず「今、すごくいいボールだったよ」って褒めるし。ボクより年下ですから、もう最大級に褒める。
青島:プロって、誰かがずっと試合に出てるってことは、その裏にずっと出られない奴がいる。でも、そういう奴を全部跳ね返しているからこその強さや凄さがあって、レベルが上がるんだよね。できればサブなんか経験しないでずっとトップを張り続けるのが一番カッコいい。だけど、ずっと試合に出続けて、後から追いかけてくる奴を蹴散らして、トップであり続けることがどれだけ大変かって部分がプロにはあるよね。
金子:本当にプロは残酷なところですよね。オグ、「楢崎君の存在はヨシカツにとって、いい刺激になってると思う」と言ってたけど、小倉隆史を刺激してる奴っているの?
小倉:ハ? ボクですか? ボクを刺激してる奴? えーっ……。
金子:オランダから帰ってきた時、本音じゃないにせよ、一応「カズ(三浦知良/京都パープルサンガ)を超える」って言うたでしょう。今はどうなの?
小倉:偉そうなこと言うてましたね(笑)。うーん。大きなケガをして、それが一発で治らずに、二度目の手術で戻ってこれたんですが、これでだいぶボク自身が変わったというか。すごく自分と向き合う時間が増えたんで、そういう意味ではまわりとの比較よりも自分、という風になってたきたんで。
金子:何に負けたくないの、今は?
小倉:ケガして、今会場で話を聞いてもらっている人たちも思ってるかもしれませんけど、「足、大丈夫なの?」「治ってんのか?」と。いただいたファンレターを読ませていただくと、「ケガは大丈夫ですか?」とか「体には気を付けてください」とか「ケガをしないように」ってよく書かれるんで。そのイメージを払拭したいんですね。
金子:ケガから治った小倉君を……。
小倉:病み上がりのボクのイメージを払拭するためには、ボクは相当の活躍をしないといけない。自分のエネルギーになってるのは、そういう状況を変えたる、みたいな部分です。
金子:サッカーの場合、数字の目標が設けにくいですが、高校3年生の冬、死んでも高校選手権で優勝すると言って、座薬まで打ってプレイしたわけでしょう。
小倉:はい。
金子:今、そういうわかりやすい目標って何やろ。
小倉:う~ん……。
金子:そこで「J優勝」って言えないところがキツいとこやな。
小倉:もちろん、優勝は目指したいんですけど。サッカーは数字で表しにくいですけど、ボクは今、数字を出しやすいポジションにいるんで。
金子:そうしたら、ゴール取らなあかんやん。
小倉:そうなんですよ。
金子:ほな、これまでの得点が1ゴールだけってなんや。(7月16日時点)
小倉:なんでっしゃろ(笑)。
金子:あかんやろ、それ。
小倉:ダメですよね。これからは、もうボクは本当にゴールとアシストをドンドン……。
金子:じゃあ、約束してもらいましょう、2ndステージ。
小倉:アチャッ……あと何試合だったっけ?
金子:はい、残り11試合。それで何ゴール?
客:11ゴール!!
小倉:そうですよね。
(場内、拍手)
金子:もちろん、その公約が果たせなかった時は……。
青島:何ゴールを約束するの?
金子:まあ、11はキツイから、8?
小倉:8……。
(場内、シーン)
金子:いいの? 小倉隆史、8ゴール取れへんやろうって言われてんやで、コレ。
小倉:シャー、キツイ。
(場内、爆笑)
小倉:アシストを合わせてくれるとすごく楽なんですけどね。
金子:じゃあ、アシストを0.5 ポイントにして。
小倉:0.5 ですか?
金子:で、得点が1。そしたら10ポイントに上げてもらわないとね。
小倉:そうですね。10ですね。
金子:で、9.5 ポイント以下だったら、どないすんの? 髪の毛剃る?
客:1日店長!!
小倉:あっ、それならもう全然いいですよ。
金子:1日店長ってどこの?
客:ここ(ワールドスポーツカフェ東京)。
金子:あっ、ここの?
客:そして、ボクらを招待!
(場内、大拍手)
小倉:すごい拍手ですね。
金子:もう逃げられへんよ。
青島:来れると思ってるんじゃないの、みなさん。
金子:じゃあ、決めました「1日店長」ということで。
(場内、拍手)
金子:ボクのホームページで発表します。じゃあ次の質問。
客:ボク、名古屋グランパスのファンなんですけど。
金子:アイタタタタ・・・
青島:あの話か。
金子:そろそろ直球の話ですか。
客:今、大岩(剛)選手、望月選手、平野選手の練習態度が悪いとマスコミに書かれているんですけども、その点につきまして……。
金子:じゃあ、まず小倉君。
小倉:あ、ボクですか?
金子:彼ら3人の練習態度は悪いんですか?
小倉:いえいえ、そんなことはなかったですよ。まあ、ボクは今ジェフなんでよくわかりませんけど。色々マスコミが騒いでいるみたいですけど……。
金子:で、清水商業。
川口:はい。
金子:どうよ?
川口:そうですね、清商時代、練習を一生懸命やってましたし。
金子:ということは、練習態度が悪いというのはあてはまらないの?
川口:練習はしっかりやってると思いますよ。サッカーに対しても真剣に取り組んでる、サッカーが好きな人たち。グランパスでどうだったかは、ちょっと…。
金子:それは、やはり去年までグランパスにいらっしゃった小倉さんに聞かないと?
小倉:あっ、ボクですか? 去年までいましたっけ?
金子:タメ口というか、清商のやつら結構キツイでしょ、言い方が。
小倉:どうなんですかね。ボクとかは別に。
金子:お前はな。
小倉:逆にボクも言うし。言われたら、「お前もミスしとるやんけー」って言い返す。
金子:例えば、マリノスには今、清商出身の人、この人(川口)ひとり。でもこの人が3人いたら、ムチャクチャ嫌やと思うよ、これ。
小倉:濃いですよね。
金子:濃い。で、グランパスの状況もそうなのかなあと思ってたのよ。
小倉:勘弁してください。でも、サッカーに対しては本当に純粋だし、サッカー好きやし。多分、過剰になって、マスコミの人も大げさに書いているところもあると思うから。
川口:ボクもよく聞かれますけど。ある意味で、3人はプロフェッショナルだと思います。
金子:ちょっと、その「ある意味」って何?
川口:うーん、とにかくグラウンドで結果を出すために、自分をさらけ出すというか。清商ではそれが当たり前だから。
金子:でもそれ、日本の中の当たり前ではないからなあ。はい、じゃあ、最後の質問を。
男性客3:4人の方におうかがいします。2002年、ワールドカップで日本がベスト16に残るために、本当にトルシエ監督でいいのか。本音でお願いします。
金子:じゃあ、まずそもそもなぜトルシエになったのか。ベンゲルという監督の存在があるわけです。ベンゲルを知っている方が今日いますよね、ここにひとり。
(場内、拍手)
小倉:あ、ベンゲルの話? ベンゲルは今まで会った監督の中では別格というか。
金子:何が違うの?
小倉:まず、練習で言えば、きっちり毎日1時間半。テンポ、リズムがいいんですよ。内容が濃くて。ベンゲルは、カイロプラクティックや心理学も勉強しているから、シーズン中は90分パパッと練習しちゃったら、その後、絶対に自主練習をさせないんです。
金子:飢えさせるんだ、サッカーに。オグの言ってるベンゲルと、トルシエって一緒?
川口:サッカーに飢えるという感覚はないですね。
金子:じゃあ、聞きましょ。ベスト16行けます?
川口:選手の立場から言わせてもらうと、行くことを目標にやるんですけど。
小倉:大丈夫ですよ。日本は絶対に能力は・・・。
金子:能力コンテストだったら、ベスト16には入れるよ。
小倉:間違いなく、はい。
金子:ただ、質問は2002年にベスト16に入れるか。青島さんはどう思われます?
青島:現実的にかなり厳しいのは確かじゃないですか。そうは甘くない。どうですか?
金子:実力コンテストであれば、うまくするとベスト8に入る可能性があると思うんです。ただ、勝つための準備をしてないんですよね、全く。だから非常に腹立たしい。韓国五輪代表は、ストイコビッチのユーゴA代表と2試合やって、両方とも0対0でした。チャンスの数だけなら、韓国のワンサイド。去年、日本は韓国五輪代表をチンチンにしましたけど、その差は詰まっている。アトランタ五輪の前、この人たち(小倉、川口)当時の代表は、チュニジアに遠征してボロカスにやられて、そこでまた新しいことをつかんだんだったよね。
川口:はい。
金子:今回はそれがない。シドニーは良くて2分1敗。ワールドカップは予選敗退。ただ、すごく誤解されやすいんですが、負けてほしいわけでは断じてないんです、本当に。青島さんもそうですし、ボクも、オグも、ヨシカツもそうなんですけど、やっぱり外国に住むと日本人であることをすごく意識するよね。
小倉:あー、それはもうすごいですね。
金子:ボク、右翼じゃないですけど、試合前に日の丸が掲揚されて君が代が流れると、もう涙が出ちゃう人間ですから、とにかく勝ってもらいたい。でも、勝つために努力をしているようには思えない。『Number』で書いたんですけれど、なぜ柔道は強いか。柔道ってオリンピックの決勝で負けても、銀メダルなのに負けたと言われる競技。それが柔道の選手たちにどれだけプレッシャーを与えているか。勝てっていう雰囲気がないチームは勝てないんです、本当に。ボクは阪神ファンだから、よくわかるんですけど。
青島:柔道もそうなんだけど、ワールドカップや五輪はもうピリピリでギリギリのところで行くステージじゃないですか。そういうものの重さって、やっぱり最後の決めの厳しさとかに出ると思うんですけどね。重いですよね。
金子:重いですね、国を背負うのって、本当に。

取材・構成:CREW
撮影:末石直義