チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら



豪華ゲストたちとともにあらゆるスポーツについて、熱く語り合ってきた「ぴあトークバトル」。
今回は3月20日に行われた「どうなる! サッカー日本代表」をテーマにした模様をそのままお届けします。

ぴあトークバトル
スポーツ快楽主義2001 Vol.15 Supported by
KIRIN
「どうなる! サッカー日本代表」
後編

<ホスト>
中西哲生(スポーツジャーナリスト・左)
'69年、愛知県生まれ。'92年に名古屋グランパス入り。'97年から川崎フロンターレでキャプテンを務め、2000年にJ1昇格を果たした。その後引退し、現在はスポーツジャーナリストとして活躍中。

<ゲスト>
宮澤ミシェル(スポーツコメンテーター)
'63年、千葉県生まれ。'86年にフジタ工業(現湘南ベルマーレ)に入社。'92年にジェフ市原に移籍。'93年には日本国籍を取得、アジア大会日本代表候補に。'96年現役引退後、スポーツコメンテイターとして活躍している。

高木琢也(サッカー解説者)
'67年、長崎県生まれ。国見高、大阪商業大を経て、'90年にフジタ工業(現湘南ベルマーレ)入社。'91年にサンフレッチェ広島に入団。'92年には日本代表デビュー。今年1月に引退し、サッカー解説者に。

勝村政信(俳優・右)
'63年、埼玉県生まれ。劇団第三舞台を経て、蜷川幸雄、野田英樹らの舞台で実力を開花。最近は「HERO」、「スタアの恋」などの人気テレビドラマでも活躍中。

白石美帆(スポーツキャスター・左からふたり目)
'78年、茨城県生まれ。短大ではスポーツに携わる栄養学を専攻し、食物栄養士の資格を取得。'98年10月より、TBS系列の「スーパーサッカー」でキャスターを務める。


中西:フェイエノールトでは、右でトマソンとよくやっているんで。右のアウトサイドのパスがうまいから、右サイドのほうが僕は生きるんじゃないかなと。
宮澤:左に早いのを入れるの?
中西:そうしたらボランチは守備的にならなきゃしょうがないですよね。そういう風に、ひとつ決まるといろいろなところが決まるわけですよ。
宮澤:「そうしたら左サイドは誰にしようか」とかな。
中西:「最初はちょっと波戸で行こうか」とか、いろんなことが決まってくるわけです。それすらも決まっていないから不安なんですよ。
勝村:「そこに稲本がはいるのか」ということになってきますからね。
中西:そこに中田は入るのか。じゃ、フォワードはどうするのか。三都主を使うのか、使わないのかとか。
勝村:三都主はアタマから行くのか、後半から行くのかとか。
中西:三都主は最近よく話題に上っていますけど、メンバーに入りそうですか?
宮澤:入る、入る、もちろん入る。彼が帰化して、トルシエは「やった!」と思ってるはずだよ。前回のトークバトルでも、ずっと言ってましたよね。「あのフォーメーションで両サイドが突破できなかったら終わるよ」って。トップ下と2ボランチで、パスがサイドに出せなかったら、これは世界的に終わりだよ。
中西:少なくても左サイドは起点にするところじゃないですよね。
宮澤:しないだろう。だって1回小野がオランダでやられましたよね。チャンピオンズリーグでプレッシャーかけられて、つぶされて。
中西:パスを出せる選手が遠いし、選択肢が半分になっちゃうし。
宮澤:トップ下はマークされちゃうけど、そこでサイドに逃げて起点を作るのと、最初からサイドにいるのとは違うからな。
中西:例えば、高木さんは外からヘディングするのは得意だったじゃないですか。その時、斜め後ろから来るボールと横から来るボールだと、やっぱり横から来るほうがヘディングしやすいわけですよね。
高木:斜め後ろのボールっていうのは、フォワードは当てづらいけど、逆にディフェンスはヘディングしやすいんです。だけど、ゴールラインまで切り込んでいくと、今度はディフェンスが当てづらい。自分のマークとボールを見なくちゃいけないから、ポジション的にも気を使わなくちゃいけないんです。
中西:一瞬目を離した瞬間に動かれたらアウトですからね。となると、ペナルティエリアの両サイドをいかにして使うかが、攻撃においては大命題なわけですよ。
宮澤:三都主がいなかったらどうする? 確かに我々はアジアでは勝ってきたんだけど、ペナルティエリアの両脇は、いままでどれくらい使ってきた?
中西:ほとんど使ってないですよ。
宮澤:そういうことだよなぁ。
中西:例えば小野を左に置くんなら、センターフォワードの選手が左サイドの前のスペースに流れなきゃいけないわけですよ。流れることができる選手を使うべきなんです。だから、小野が左に入ったら誰を使うかが決まってくるわけで。世界レベルでは縦には抜けないから、そこに流れるのが得意なフォワードを使うべきなんですよ。


宮澤:誰だ?
白石:誰ですか? 
中西:まぁ、少なくても左ききであるほうがいいでしょうね。ボール持った瞬間に左のほうが選択肢が多いですから。そうなるといろいろ考えなきゃいけないわけですよ。そうすると三都主がいてもいいわけでしょ、左に流れるという前提で。それがいいか悪いかは別として、ひとつひとつ決めていくと全部決まってくるから、まずどこかひとつ決めなきゃいけないわけですね。
宮澤:だから、それがわかんないんだよな。
白石:ということは、トルシエさんまだ悩んでいるんじゃないでしょうかね。
中西:「わからないから露天風呂(ヤハマリゾート葛城北の丸、静岡県袋井市)でも入ろうか」って。
白石:取材で行ったんですけど、すごく気持ちよかったですよ。
宮澤:露天風呂入ってきたの?
白石:入ってきましたよ。トルシエ監督、北の丸がお気に入りで何回も泊まったらしいんですけど、日本庭園がすごく広くて、あそこは落ち着けますね。
中西:でも、それがスポーツ新聞の一面(3月19日、日刊スポーツ)に来るのもどうかと思いますけどね。
会場:爆笑
中西:それでは、テーマを「キリンチャレンジ ウクライナ戦はここに注目!」に変えたいと思いますが、このゲームの注目ポイントを。明日3月21日のゲームに何を期待していますか?
勝村:新聞報道だと、「ウクライナは2軍だ」とか何とか書かれていますけど、シェフチェンコ(ACミラン)とかレブロフ(トットナム)がいないからって、決して2軍じゃないですよ。ディアモ・キエフってやっぱり強いし。
中西:ほとんどの選手がディナモ・キエフですからね。
勝村:監督が替わってもやるサッカーは同じだと思うから。速攻が強いから、それをどう防げるかっていうことですね。いわゆるフラット3っていうのがどう機能するのか、というところを見たいです。
高木:僕はこの試合はテストマッチであって、結果はどうでもいいところはあると思うんですね。そういう意味では三都主が出る可能性は非常に高いし、サイドからの攻撃という面をすごく出して欲しいと思います。それとプラス、攻撃してボールを失った瞬間にどういうディフェンスをするのかというシミュレーション的な試合だとみますね。ウクライナって、ワールドカップの最終予選のドイツ戦でボコボコにやられたでしょ。あれ、ほとんどヘディングでやられたんですけど、ディフェンス陣の身長が低いわけじゃなくて、ほとんど180cm台なんですけどね。

中西:それでも、全部外からのヘディングでしたよね。
高木:そう。そういう意味では、やっぱりサイドから崩していって欲しいというのがあるし、その後のフォローがこの試合で注目している部分ですね。
中西:ということは、さっきも言ったペナルティエリアの両サイドにいかにボールを出せるかということになるわけですか。
高木:それもあるし、ボールを失った後どういうふうに守るか。たぶんフォワードにスピードのある選手がいると思うから、それに対してややフラット3のディフェンスが、中盤も含めてどういうふうに対応できるかですね。
中西:要するに、攻めなきゃいけなくなった。だから、攻めた。で、攻めた後に失点をどう防ぐかというところを見たい、と。ミシェルさんは?
宮澤:まず8試合の初戦、ホームゲームということで楽しみなのは、明日の新聞に発表されたメンバーを見て「おぉ、こうなんだ」っていうところからだよね。「このメンバーはイタリア戦と違うんだ、じゃ前から行けないな」とかさ。イタリア戦の時みたいに、最初からバーッといってくれれば、「これは本番でもやるぞ」ってハッキリとわかるじゃない。あれをまずかまして欲しいな。「ウクライナ!? ワールドカップにも出てこない国なんかどうでもいいんだよ」くらいの気持ちでな。実際は強いんだけど、そういう気持ちが欲しいじゃない。
中西:自分たちのホームで戦うんだし、「俺たちはワールドカップ出るんだ!」と。「準備してるんだ!」と。そういう期待感を持たせて欲しいですね。
宮澤:それを何気なくバーッと攻められたらなぁ。それで、途中でメンバー必ず代えるぞ。でも「交替でこの試合勝ちに行くんだ」というのは見られないだろうな。韓国との親善ゲームの時だって、残り時間わずかになってから何人入れた? スペイン戦だって。鈴木(隆行、鹿島アントラーズ)なんて、スペイン行って帰ってきただけだぞ。
中西:「ボールにさわれなかった」って言ってましたもん。
宮澤:シドニー(アメリカ戦)の時は、俺たち我慢したんだよ。「ウワ~早く代えてくれ、何とかしてくれ」って。選手なんかもう「代えてくれ、代えてくれ」だったのに、動かないんだよベンチが。それは悔しかったから。
中西:だいたい、朝発表されるメンバーと試合前に発表されるスタメンってぜんぜん違うんですよ。
宮澤:そうなんだよなぁ。
中西:それが僕たちにはわからない。前日練習とか見ていれば、ある程度予測できるもんじゃないですか。なのに、そのメンバーと違うメンバーにするわけですから。見てて納得いかないでしょ。「何でだろう」と思って。選手は「明日は出るんだろう」と思ってやっているわけですから。
宮澤:スタメンって、当日言われるんだよな。
中西:そうです、いきなり。
宮澤:ロッカールームで言われるの?
中西:いや、試合前のミーティングで言われるみたい。
白石:コンフェデレーションズカップのカメルーン戦の時、鈴木選手もそうだったらしいですね。
中西:あとから鈴木が言ってたんですけど、その日もボーッと座ってたんだって。「俺、出ないだろうなぁ~」って。で、順番にトルシエが名前言ってって、最後に「鈴木」って呼ばれて、「鈴木ってほかに誰かいたかな?」って思ったらしい。

会場:爆笑
中西:そのときミーティングはすごく静かだったらしいですけど、さらにシーンとしたらしいですよ。本人も「マジで!?」って。そういうこともあるらしいですよ。
宮澤:選手によってはそれがいい時もあるだろうしね。
白石:昨年のキリンカップのパラグアイ戦とユーゴ戦でしたっけ、廣山(望、スポルト)選手が代表に呼ばれて、1回も出なかったっていうのがすごく悔しくて。「何でだろう」って思ったんですけど、それをトルシエ監督に質問するの忘れちゃいましたけど。明日中村選手が10番をつけるとか、三都主選手が出るとかはどうなるんでしょうね。
宮澤:あんまり派手にあおっちゃいけないらしいよ、トルシエは。
高木:廣山にしろ、呼ばれて出てなかった選手をやっぱりサポーターは見たいわけじゃないですか。それが逆に気にさわるらしい。
白石:そう。マスコミ報道を気にしてるらしいです。「スーパーサッカー」もチェックしてるって言ってましたし。マスコミがどの選手がどう言ったとか、誰に期待してるとか気になるみたいです。
宮澤:このままだとトルシエに対する愚痴で終わりそうだな。
勝村:サポーターのリハーサルであるということを考えれば、僕らはホームですからアウェイのチームには激しくブーイングを送ったりとか、ホームチームはものすごく応援したりとか。ワールドカップに向けてサポーターがやれることっていっぱいあると思うんですよ。そういうことのリハーサルでもあると考えたいですね。
中西:応援でどういうふうに盛り上げるとかね。
勝村:フランス大会の時にゴミを持って帰ったて褒められたりとか。それがいいか悪いか、僕にはわからないけど、でもひとつの方法論なわけじゃないですか。
中西:ワールドカップは国民全体がサポーターですからね。
宮澤:いいよね、いろんな外国人がいろんなユニフォーム着て。初めてだぞ日本で。国中外国人だらけになるぞ。これは楽しいよ。
中西:それより明日の試合ですよ。どういう選手に頑張って欲しいですか?
宮澤:俺はとにかく久保が見たいんだよ。
中西:高木さん、久保は誰と組むといいんですか?
高木:いや、アイツは1人でやったほうがいいと思う。
会場:爆笑
高木:1トップで、「行け!」という感じで。
宮澤:でも1人で行けるよ。
高木:チャンスがあれば本当に行けますよ。逆に、どれだけアイツにピンポイントで合わせられるかでしょうね。
中西:じゃ、合わせられる人をまわりに置けばいいんですね。あと三都主?
宮澤:三都主は出すだろう。あれだけ期待していたんだから、明日は出すと思う。
中西:でも、いままで僕たちが期待している選手はことごとく出ないじゃないですか。
宮澤:中村俊輔は?
白石:10番ですよ。どうするんでしょうね。期待させておいて。
中西:「期待させておいて出さない」っていうのがトルシエですからね。
白石:三都主さんはイタリア戦の5日後くらいに日本国籍を取得しましたけど。トルシエはイタリア戦に引き分けたときに、勝てなかったのを三都主がいなかったからだって言ってたんですよ。それを言い訳にしていたの覚えていますか、皆さん。
中西:「早く三都主を帰化させて欲しい」みたいなね。
宮澤:先発かサブかわからないけど、使ってくれるといいよね。みんなが期待してるし。新しい選手を使うときの監督の配慮としては後半の途中からとか、必ずワンクッション入れるけど、三都主は大丈夫だよな。ガッと左から行って。そうしたらボランチ、どうする明日は?
中西:じゃ、明日のスタメンをみんなで決めましょう。まずキーパー。
勝村:楢崎(正剛、名古屋グランパス)でしょう。最近ちょっと出てないし。
中西:ディフェンスラインは?
宮澤:松田(直樹、横浜F・マリノス)、大丈夫だよな?
中西:行けるでしょう。
宮澤:で、宮本(恒靖、ガンバ大阪)か。中田浩二と。ボランチは戸田と……。
中西:(会場に向かって)誰ですかもう1人は?
白石:伊東(輝悦、清水エスパルス)さんはケガしてるし。
宮澤:福西(崇史、ジュビロ磐田)、明神(智和、柏レイソル)もいいね。久しぶりに。
中西:「小笠原(満男、鹿島アントラーズ)ボランチ」って新聞には書いてありましたけど?
白石:どうなんだろう。
勝村:たぶん新しく加わった選手は早めに使ってくるでしょう。だから、彼らが出る可能性は十分あるよね。
中西:じゃ、ボランチは福西、明神、小笠原あたりですかね。
宮澤:ディフェンスラインに大岩(剛、ジュビロ磐田)は入るか?
白石:鈴木(秀人、ジュビロ磐田)さんももしかしたら。
中西:でもたぶん、後ろはあんまりいじらないんじゃないですか。あんまりいじっちゃいけないと思うよ。
宮澤:だけど大丈夫か、森岡(隆之、清水エスパルス)。
中西:森岡の代わりに最近は宮本がちょこちょこ出てますよね。でも、松田と中田浩二の代わりを誰がやるかっていうと、クエスチョンですよね。服部かも知れないし、大岩かも知れないですけど。そのバックアップも考えておいたほうがいいでしょうね。あとは勝村さん、コレっていう人はいます?
勝村:コレ! っていうのはいないですね。
中西:戸田はもう決まりですか?
勝村:あとはウクライナがどれくらいの力を出してくるかっていうのにもよると思うんですよ。本気で来るのか、物見遊山で来るのかって、わからないじゃないですか。
中西:こればっかりはフタをあけてみないとわからないですからね。
勝村:そうなんですよ。そこで日本が最初から攻めにかかっても、力関係がわからないですからね。本当にそのシステムが使えたのかどうかが。
白石:ウクライナは、日本戦のあとどこかと親善試合がありましたよね。その時はシェフチェンコが来るんですって。
勝村:でも、ウクライナっていうのはすごい国ですからね。誇り高い国だから真剣にやってくるんじゃないかと思いますけど。
中西:右サイドですけど。市川って新聞に出てましたっけ?
宮澤:市川イイゾー。最近クロスを引っかけて上げられるようになってきたから。
中西:しかも最後スッと落ちますからね。
宮澤:フランス大会の時代表候補に入って、大会前のアウェーの韓国戦に出た時には日本のディフェンスラインがいきなりデカく見えたもんな。プレイのスケールがデカかったよ。走り方もコンパスも広いしさ。いま使ってみてもいいんじゃないかな。
白石:オーバートレーニング症候群で2度くらい涙を流したことがありましたからね。
中西:あしたはそういう意味では使うタイミングですよね。
宮澤:ただ今日の新聞によると「勝て!」って言ってるらしいから。そういうことを言う時っていうのはトルシエに危機感があるから、すごく安全な選手を使うことも考えられるよな。
中西:じゃ、明日は監督的には「勝つ!」っていう方向で固まっているんですか?
宮澤:新聞によりますとそうらしいじゃない。でも、勝ったら勝ったなりに試すことはあるじゃない。「楽勝だな」と思ったらどんどんメンバー代えちゃえばいいんだから。
中西:そうなった場合はトルシエの采配でしょう。そうすると見どころも違ってくるし。我々としてはやっぱり左は三都主ですか?
宮澤:やっぱり使って欲しいな。初めて選ばれたわけだし、ブルーのユニフォーム着て出てくるわけだよ。
中西:それだけでも見る楽しみがグッと増えますね。
宮澤:どこまでやってくれるのか。国籍変えて、知らず知らずのうちにいろいろ背負うわけだから。ラモス(タレント、元日本代表)もそうだったし、呂比須もそうだったし。きっとやるよ。
中西:トップ下は?
勝村:森島(寛晃、セレッソ大阪)かね。
白石:確かに森島選手は見たいです。
中西:高木さんは?
高木:森島。
中西:ミシェルさんは?
宮澤:ウ~ン、どうなるかな。だって森島はもうわかっている選手だから、逆に言うと休ませてあげたいくらいだよ。
勝村:僕、三都主を後半から使って欲しいと思うんですよ。最初は中村を使っておいて、お互いしんどくなってきたところで、速い三都主が入るのがいいんじゃないかなと思って。
中西:中村俊輔はどうですか?
宮澤:難しいんだよ。あのフリーキックもいいし。
中西:強くて、速くて、長いボールが蹴れるのは中村俊輔と中田だけですからね。そういう選手がいると、セットプレイで点を取れる可能性が高いじゃないですか。だからこそ、中村俊輔をどこで使うか、見つけて欲しいですね。
宮澤:森島がトップ下やるのと、俊輔がトップ下やるのとでは全然違ってくるもんな。確実に行くんなら、俊輔を左に入れてくる可能性はあるな。
中西:フォワードは?
宮澤:高原(直泰、ジュビロ磐田)だな。アルゼンチンで苦しんできた成果を、ぜひひとつ見たい。
中西:西澤(明訓、セレッソ大阪)も苦しみましたよ。
宮澤:西澤はいまちょっと痛んでるからな。
中西:それにしても、明日の試合は楽しみですね。今年初めての国際Aマッチですから。
宮澤:最初からガーッとやってほしいなぁ。昨年のイタリア戦みたいに。勝って欲しいですね。
中西:とにかく積極的にやって欲しいですよね。そろそろ点を取るトレーニングをしないと。「点を取りに行くためにはどうするか」のヒントが見えればいいと思います。
勝村:何かわかりやすい形が欲しいですよね。
宮澤:高木さんに質問なんだけど、この間柳沢(敦、アントラーズ)がジェフ戦でゴール決めたんだよ。フォワードってああいうので自信つかめるものなの?
高木:ありますよ。柳沢ならきっといろいろ考えていたと思います。そういう意味で、あの一発はすごく大きかったと思います。どんな点でもいいから結果が欲しいですから。次の試合に対する気持ちの持ち方が全然楽になりますよ。
白石:私だって、フットサルで4ゴール決めた時は「私ってうまいな」って思いましたもん。
会場:爆笑
白石:ヘディングシュートも1本決めて、「私ってうまいんだ!」と思ったんですよ。そういうのって選手の立場に置き換えたら自信になりますよね。
宮澤:守るほうからすると、ああいう1本だと自信にも何にもならないよな。
中西:でも、やられたらムカつくんですよね。
宮澤:そうか、フォワードの選手っていうのはあそこで決めたっていうだけで本人にも自信になるんだ。
高木:自信というか、次の試合は楽になりますね。
中西:それでは質疑応答のほうに行きたいと思います。質問のある方は手を上げてください。ハイ、どうぞ。
客:今日は監督の話がいろいろ出ていたのでお伺いしたいんですけど、ワールドカップ以降のビジョンは協会などにあるんでしょうか。というのは、トルシエそのものの功績を否定するつもりはないんですが、僕は個人的に「フラット3というのは違うんじゃないか」とずっと思っているんです。ワールドカップ以降もサッカーは続いて行くし、日本代表も存在するわけですから。でも、日本のサッカーというのはどういう方向を目指しているのかがわからないので、どうなっているのかなと。例えば中村選手や小野選手は、トルシエが監督でなくなったら左サイドのポジションはやらないと思うんですよ。いまのトルシエの影響力は未来に向かって意味があるものだとは思うんですが、それを含めて今後どういう方向に向かうのか、そのビジョンをちゃんと協会は持っているのかを知りたいんですが。僕らには見えにくいそういった状況を、こういう機会に見せていただけるとありがたいです。
勝村:ビジョンっていうのは、高木さんたちの年代が作っていくしかないと僕は思うんです。僕はもう20年近く演劇をやっているんですけど、演劇界にもビジョンがないし、そもそもこの国にはビジョンがないんですよ。国自体にビジョンがないから、サッカーにビジョンなんか生まれるわけがない。それに気づいた年代が僕ら30代からなんです。親たちの年代、いわゆる団塊の世代と言われている人たちには何もなかったということに僕らは気づいた。職を失った人たちがどうしているかというと、自殺するしかない。そういうだらしない人たちだったんですよ、言ってみれば。その人たちに僕らはいろいろなことを教えてもらったけど、何もなかった。昔父親っていうのは、黙っているのが良かったとされていたでしょ。それはしゃべることがなかったんですよ、正直なところ。そしていま、高木さんとか、宮澤さんとか、中西さんとかの世代は、初めてサッカーっていうものがわかってきて、「これからどうしようか」って考えていける世代だと思うんですよ。やっと「外国っていうのはこういうことをやっているらしい」というのがわかってきた。トルシエが「日本は30位以内に入っている」とか言ってるけど、ヨーロッパの人に聞けば「日本はサッカーなんかわかっていない」って簡単に言われちゃうわけだし。いま30代で、海外のサッカーを見て、解説をやっていらっしゃる方が、外国の流れっていうのを理解したうえで、日本がどうやってそれに対抗していくかを考えて初めてビジョンっていうのが生まれてくると思うんです。いま日本は、30代の人たちがようやくサッカーというものを理解しようとし初めている感じだと思うんですよ。もうちょっとかかると思うけど、確実にここにいる3人の世代がビジョンを作ってくれると僕は信じています。
中西:我々の世代が頑張って、ある程度の方向性とかビジョンを作っていけばいいんですよね。ここにいらしてる方はみんなそう思っていると思いますし、ひとつの方向を向くためには、いいものを示すしかないですから。このトークバトルも続けていけば、いいものを示すことになるのかも知れない。
宮澤:そうだね。
中西:では、次の方。
客:明日の試合に対する皆さんの期待と、その結果予想と展開について教えていただきたいんですが。
中西:美帆ちゃんどうですか?
白石:当たったら何かいただけるんでしょうか。
会場:爆笑
中西:何をもらうんですか。
白石:何となくパッと思い浮かぶのが、「2-1で勝つ」ということなんですよ。
中西:当たるんだよね、こういう人の言うことって。
白石:前のスペイン戦もスコア当ててるんですよ、実は。
中西:どういう展開でしょう?
白石:早めに流れのなかで1点決めて、次にセットプレーで1点。
中西:1点はどうやって取られるんですか?
白石:1点は3バックが崩壊。
会場:爆笑
白石:なんて言ったら今日の話がだいなしになっちゃいますよね。でも、ちょっと心配なんですけど。
中西:つまり2点取った後に1点取られると。
白石:そうなんです。
中西:そうなったら尊敬するな。
白石:皆さん、当たったらテレビの前で拍手して下さい。当たらなかったらけなしていいです。
中西:ミシェルさんどうですか?
宮澤:2-1か。いいスコアだね。相手がどういう状態かわからないけど、日本としてはやっぱりゴールが欲しいよね。どんなゲームでも、ゴールっていうのは先につながると思うんだよな。0点で終わると、みんなプレッシャーを受けるわけだ。先につなげるためにも点を取って、もちろん勝って欲しい。例え引き分けに終わっても0-0じゃなくて2-2とか。2、3点取って勝つことを願っています。
中西:勝村さんどうですか?
勝村:僕も1点取って欲しいですね。1-0で勝って欲しいです。それが一番現実的な勝ち方ですよね。
中西:高木さんはどうですか?
高木:僕も1-0なんですよね。1点取って守る、そういうシミュレーションも見たいですね。
中西:1点はどうやって取りましょうか?
宮澤:久保の40mシュート!
会場:拍手
中西:でも基本的には、せっかく三都主が入って、市川が入ったんだから、出た場合はサイドからうまく崩して、厚みのある攻撃で点を取って欲しい。
白石:中西さんは?
中西:僕は……、いろんな問題点が出て欲しいですね。3-0で勝っちゃうとそれは嬉しいですけど、いろんなことがうやむやになっちゃいそうなので。点も取って、取られてという試合が一番いいんじゃないですか。2-2くらいが。観ていても楽しめるし、何ができるか、何が課題か早く判別できると思います。
宮澤:立ち上がり1点欲しいだろう、グワッと。
中西:とりあえず最初は「行くんだぞ」っていうのを見せたいですね。
宮澤:イタリア戦の時は彼らも驚いたらしいからな。
中西:ということで一応、本日のトークショーは終わりということなんですが、ゲストの皆さんにひとことずつ感想を。
高木:いろいろな話が聞けてよかったですね。明日の試合が楽しみです。
勝村:サッカーのうまい人に囲まれるのは気分がいいですね。楽しかったです。
白石:たくさんの拍手をいただいて、選手が「拍手を貰うとやる気が出る」と言っていた気持ちが少しわかりました。
宮澤:ワールドカップは刻々と迫ってくるけど、みんなで熱く応援したいね。
中西:ということで、「キリンチャレンジカップ2002 どうなる?! サッカー日本代表」も15回となりました。ワールドカップまであとわずかですが、これからも我々は日本代表に熱い声援を送っていきたいと思います。皆さん、今日は本当にどうもありがとうございました。