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後編

<ホスト>
青島健太(あおしまけんた、スポーツジャーナリスト)
'58年4月7日生まれ。新潟県出身。春日部高-慶応大-東芝と進み、’85年ヤクルト・スワローズに入団。同年5月の公式戦初打席でホームランを放つ。5年間のプロ生活を経て、現在はスポーツライター、キャスターとして様々なメディアを通じてスポーツの醍醐味を伝えている。

<ゲスト>
武田修宏(たけだのぶひろ、元サッカー日本代表)
'67年5月10日生まれ。静岡県出身。’86年、清水東高から読売クラブ(後のヴェルディ川崎、現東京ヴェルディ1969)入り。’01年の引退までに、パラグアイの名門スポルティボ・ルケーニョなど延べ7チームでプレイし、Jリーグでは通算237試合94得点(歴代4位、’02シーズン終了時)。日本代表通算18試合1得点。

松田直樹(まつだなおき、横浜F・マリノスキャプテン、右)
'77年3月14日生まれ。群馬県出身。前橋育英高時代の’93年にU-17世界選手権、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)入りした’95年にワールドユース出場。ディフェンスラインの中心としてアトランタ・シドニーの両オリンピックにも出場し、’02年ワールドカップでも日本代表の全4試合にフル出場。日本代表通算36試合に出場。

奥大介(おくだいすけ、横浜F・マリノス副キャプテン、左)
'76年2月7日生まれ。兵庫県出身。神戸弘陵高から’94年にジュビロ磐田入りし、レギュラーとして4度のステージ制覇、2度の年間王座獲得に貢献。’02年に磐田から横浜F・マリノスへレンタル移籍し、シーズン終了後に完全移籍。日本代表にはトルシエ監督の初采配となった’98年10月のエジプト戦でデビューし、以降22試合2得点。


青島:さあ、それではお待たせしました。横浜F・マリノスの主将、副将のお2人の選手に来ていただいております。ご登場いただきましょう。松田直樹選手、奥大介選手です。
会場:拍手
青島:今日3月1日に御殿場のキャンプを打ち上げて、そのままこちらへ来ていただきました。お疲れさまでした。
松田:お疲れさまでした。
奥:お疲れさまでした。
青島:やっぱり若い女性がたくさん来ている理由がわかりますね・・・なんて言ったら、岡田監督に怒られちゃいますか。おふたりの登場で一層雰囲気が盛り上がってきました。すみません、私たちはなんの打ち合わせもしてないんですよね。着いていきなり、ですから。
武田:御殿場から来て、早く終わらないかなって思ってません?
奥:いや、大丈夫です。
武田:会場のみなさんはふたりを応援しに来ているんで、ぜひいろいろな話を。ここはテレビもまわっていないし、話したいこともたくさんあると思うんで、お願いします。
青島:月並みですけれども、今日キャンプを打ち上げましたが、ここまで体調などを含めて、松田選手はどのような感じできていますか。
松田:チーム自体はいいと思うんですけど、自分自身はイマイチです。
青島:体調が良くないということですか。
松田:ちょっと前にお腹をこわしまして、体調がすごく悪くて。
青島:花粉は大丈夫でしたか。御殿場はすごかったでしょ。
松田:自分は大丈夫でした。でも、他の何人かは。
青島:チームとしては、順調。
松田:順調かな。
会場:笑い
青島:奥選手はここまでいかがですか。順調にきてますか。
奥:去年より仕上がりが早くて、いい感じです。
武田:今回、いろんな選手が入ったじゃないですか。安永選手も戻ってきましたけど、一緒にやってみて、あいつのこういうところにはビックリしたなとか、案外グラウンド以外でこいつは変な奴だなって思った人は。
奥:そうですね。タツ(久保竜彦)が入ってきたってことで、攻撃のバリエーションが増えました。それと(佐藤)由紀彦も入ってきて、サイドからのクロスも出てきて、去年とは違うサッカーになりました。
武田:松田選手は。
松田:一緒です。
武田:はい。いやあ、聞きにくいですよね。奥選手は中盤の前と後ろ、いろいろやっていますけど、自分は本当はどちらがやりやすい? 好きなのはどっちなのか聞きたいんですけど。
奥:そうですね。前に出る方が点に絡めるんで、前の方がいいっていうのがありますけど、チームのことを考えると今のポジションがベストかなと。
武田:ちなみに岡田監督は、奥選手は少し後ろの方がいいって。
奥:そうですかね。まあ、名古屋グランパス戦のときも、いい感じでできたんで。まあ、チームが良くなればどちらでも。
武田:松田選手に聞きたいんですけど、フォワードの立場から、Jリーグで一番いやなフォワードは誰か聞きたいですね。
松田:名古屋グランパスのウェズレイ。
武田:どういうところがいやなの?
松田:顔。
会場:笑い
青島:やりにくい顔なんですか?

松田:そうですね。いかついんで。
青島:ヤバイ。俺もいかついや。
松田:いや、もっといかついんで。
青島:でも、醸し出す雰囲気がきっと。
松田:すごくいい選手なんで、いやですね。
青島:いやがられるというのは、逆に言えばいい選手ってことですからね。
武田:Jリーグの開幕まで日がありますけど、奥選手はジュビロ磐田と対戦するのはどうですか。
奥:そうですね。一緒にやってきた選手がいっぱいいるんで、長所や短所がわかっているんで、やりやすいですね。
武田:勝てますよね。
奥:勝てます。
松田:勝ちたいです。
武田:松田選手は、ジュビロ磐田の誰がいや?
松田:みんな、本当にいやなんですけど、ゴン(中山雅史)さんがいなければなっていうのはいつも思います。
会場:笑い
武田:今シーズン、横浜F・マリノスのライバル、優勝を争うなっていうチームは? ジュビロ磐田以外でどこが強いと思いますか。
奥:鹿島アントラーズと…鹿島アントラーズ。
会場:笑い
武田:松田選手は。
松田:一緒です。あ、やっぱりガンバ大阪。
<しばし沈黙>
青島:いいですね、この“間”が。でも、それもそうなんですよ。全体の進行台本はあるんですけど、このトークバトルの特徴なんですけど、何を話すかは全く決まっていないんですよね。
武田:そうなんですよね。
青島:おふたりは、キャンプを終えられたばかりで、我々との打ち合わせも一切なく、来ればいいやって感じで。何をしゃべったらいいかわからないっていう心境じゃないですか。
武田:でも、雨の中おふたりのためにたくさんの人が来てるんで、しゃべってもらわないと困りますね。
青島:武田さん、いいですね。その盛り上げ。
武田:合宿中は、どんな人たちとつるんでるの?
会場:笑い
武田:今日は、ゲスト兼司会なんだから。
奥:今回は、3人部屋だったので、つるむというか。久保選手と三上(和良)選手だったんですけど、ずっとテレビを見てました。
武田:なんか、事件はなかったの。あいつのイビキがうるさくて眠れなかったとか。
奥:あ、タツのイビキがうるさくて、部屋を隔離した。
会場:笑い
青島:そんなに、眠れないほどうるさいんですか。
奥:いえ。うるさいっていう噂だったんで、最初っから隔離しました。
武田:松田選手はどうですか。
松田:自分と同じ部屋は、佐藤由紀彦と安永。別になんてことはなかったです。
青島:あんまり話が盛り上がるような事件がない方がいいですね。
武田:松田選手はキャプテンになって、チームを引っ張っていかないといけないから大変じゃないですか。
松田:うちのチームは本当に大変で。結構、高校時代からナンバー1できた奴が多いんで、すごい生意気なんですけど。でも、試合に出ている選手たちはみんな同年代なんで、気楽にはやっていますけど。ただ、いいときはいいですけど、本当に悪いときは悪くなってしまう。ベテランがいないんで、ダメなときに盛り上げてくれる人は、正直いないかなというところはありますね。
青島:松田選手、奥選手たちと同年代の26、27歳が中心で、ベテランがいないという。それだけやはり、必要なときにキャプテンシーを出していかなければならない。
松田:代表なんかで、ゴンさんとか秋田(豊、鹿島アントラーズ)さんとかカズさんとかと一緒にやってたんですけど、やっぱり違うんです。すごく参考になったし、真似しなきゃいけないと思うんだけど、自分にはなかなかできてなくて。本当に尊敬してます。追いつきたいとは思うんだけど。
青島:第1部で岡田監督からお話があったんですけど、集合時間とか、細かいですけど走るときもコーンの内側を回るか外側を回るかっていうことも含めて、今までよりキチッとやってもらいたい、そういうことを要求したい、それが強さにつながっていくと言っていましたけど。実際、岡田さんが来られてどんな感じですか。
松田:いいっすよ。
会場:笑い
青島:でも、「みんな真面目なんだよ。だから罰金が集まらないんだよ」って言ってましたね。
松田:この間のヤスの遅刻だけ。
青島:それだけだって言ってましたね。奥選手はどうですか、岡田監督は。
奥:そうですね、細かいですよ。
青島:細かい?
奥:あのコーンのことにしても。僕も一回注意されたんですけど、どこで見てるんやろ。コソッと見ていることがあって、それがちょっと怖い。
青島:監督とは、いろいろ話はしているんですか。個別に。
奥:プライベートな話はしてないですけど、サッカーの話はたまに呼ばれて。
武田:こう動けっていうのは言われてるの? 具体的に。
奥:こう動けっていうより、シンプルになれってことと、ボールを持ったときにトップを見ろってことを言われます。
武田:松田選手は岡田監督とどんな話を。
松田:最初のころは、去年のディフェンスの守り方っていうのを聞いてきて、フォーバックでやるのかスリーバックでやるのか相談されましたけど。試合をやる前には、まずはこういうことをやりたいんだけどっていうのは伝えて。
青島:そういった意思の疎通というのは十分に取っている。
松田:できてると思います。結果がまだついてこないですけど。
青島:冒頭で、チームの状態は非常にいいというお話だったんですけど、新しく加わった顔ぶれもたくさんいるなかで、その辺の関係はいかがですか。いい形できてる?
松田:えーと…いいときと悪いときがやっぱりあるかな。まだ、どう動きたいのかわかってないときがあるんで、自分ももちろん相手も。まだJ1のチームでは名古屋グランパスエイトしかやっていませんけど、自分はその試合も出てなくて。強いチームとやってないんで、まだなんとも言えないですけど、もっともっと試合をこなさないといけないかなと思うんですけど。
青島:松田選手は、今年の目標で4タイトルを全部、フェアプレー賞まで含めて取りたいという話が出ていて。
松田:えっ。まあ、フェアプレー賞は取りたいですけど。
会場:拍手
松田:何、拍手してるの。
青島:アハハハ。
松田:でも、無理ですね。
青島:えっ、どっちが?
松田:フェアプレー賞。
青島:フェアプレー賞か。
松田:やっぱり自分の場合、熱いってことも魅力だと思うし。
会場:笑い
青島:いや、いいんじゃないですか。
武田:僕は、松田選手はすごく熱い人だなって思ってたんですけど、こうやって話をしてみてすごいおとなしい人だったんですね。奥選手どうですか。
奥:緊張してるの?
松田:ダメなんですよ、こういうの。
青島:岡田監督も、やるからには優勝を当然目指さないといけないし、また、それが十分に叶うチームだという手応えのなかでやるんだっていうのを先程言ってました。去年は年間でも2位という成績のなかで、そろそろいかなきゃいけないし、いきたいでしょ。
松田:そうですね。正直、去年のファーストステージにしてみれば、俊輔(中村、レッジーナ、イタリア)に頼っている部分が大きかったんですけど、今は誰がスターだとか、誰がすごいとかじゃなくて、みんなチームで力を合わせてタイトルを取ろうという気持ちが
あるので、すごくいい状態でいると思います。
青島:今日は雨が強いのに、これだけ横浜F・マリノスのファンの方がいらっしゃってるのは、今年に対する期待の表れだと思うんですよね。プレッシャーをかけるわけじゃないですけど。
武田:毎年、毎年、横浜F・マリノスは大変ですよね、優勝争いで。そんなことはないですか?
奥:そうですね。メンバー的に見て、優勝を狙わないといけないと思うんですよね。
松田:やっぱりジュビロ磐田、鹿島アントラーズだけで優勝争いをしてるようなリーグだと盛り上がらないと思うんで。横浜F・マリノスと東京ヴェルディも。
会場:拍手
松田:でも、正直、上にいかないと盛り上がらないんで。
青島:そこは先輩、言ってもらいたかったですね。今日はだって、横浜F・マリノスと試合をするつもりで来たって、さっき楽屋で言ってましたから。
武田:やっぱり横浜F・マリノスと東京ヴェルディが勝っていかないと、盛り上がっていかないと思うし。横浜F・マリノスはうまく世代交代ができて、チームがすごく充実していると思うんですよね。それに安永選手が戻ってきたり、久保選手が加わったり。去年は総合2位で、本当はもっと評価されていいと思うんですけど、どうしてもジュビロ磐田の優勝で、消えているじゃないですか。だから、今年はやっぱり優勝を目指してほしいですね。
松田:そうですね。優勝したいですね。
武田:ビールかけはいいですよ。
松田:ビールかけはさせてくれないんですよ。でも、みんなでしたいですね。
武田:僕もジュビロ磐田時代にビールかけをやったことがあるんですけど。奥選手は今年、副キャプテン。責任重いよ。
奥:一応、自覚はしてるんですけど。練習とかではあんまり。プレーで頑張ろうかな、という感じです。
青島:武田さんはキャプテンの経験は?
武田:キャプテンは責任を取らないといけないんで、副キャプテンくらいで。高校時代はキャプテンの経験がありましたけど、Jリーグ時代は一切ないですね。
青島:やっぱり、チームはよく見ていたんですかね。
武田:キャプテンは落ち着きのある人じゃないと。
<しばし沈黙>
青島:いいですね、このまったりとした間。いいんですよ、このシーンとしている中でステージに4人座って、静けさを楽しむ。
会場:笑い
青島:奥選手はジュビロ磐田から横浜F・マリノスに完全移籍して、気分的に変わったところはあるんですか。
奥:そうですね。完全移籍ということで、今年は絶対タイトルをひとつは取らないといけないっていう気持ちが強くなって。レンタル中は、戻るかもしれないですから。
青島:でも、レンタルというのは気持ち的に複雑ですよね。自分がプレイしているチームが勝つのはもちろん大事ですけど。
奥:そうですね。だけど横浜F・マリノスに去年1年間いて、自分が楽しくサッカーできたので満足してます。
武田:僕は、松田選手とこうやって話したのは初めてなんですけど、松田選手は独身だとずっと思っていたら結婚してたんですね。「松田選手知らない? 松田選手と友だちじゃない?」ってよく聞かれて、僕はそんなに友だちじゃないですけどって言っても「紹介して、紹介して」って。松田選手ばっかりだったの、本当に。だから、結婚してるって聞いてビックリしました。
松田:子どももいます。
武田:だからそんなに落ち着きがあるんだね。
松田:落ち着きはないです。
会場:笑い
松田:見せかけです。
青島:いいですね、この広がりのない話題。武田さん、独身はあなただけですよ。奥選手にも、すばらしい奥さんがいらっしゃいますから。あなただけです。
武田:いや、僕は。こちらのお2人がメインなんで。
青島:あなたはどうなんですか。もう、そろそろないの。
武田:そろそろ…Jリーグが始まりますよね。僕のことはいいんで、おふたりのことを。
青島:ちょっと話題変えましょうか。
武田:せっかく雨の中をいらっしゃって、みなさん、おふたりに聞きたいことがいっぱいあるんじゃないでしょうか。
青島:そうですね。そうしましょうか。会場のみなさんから、ふたりにどんどん聞いていただきましょう。
客:松田選手にお尋ねしたいんですけど、私は同じ街に住んでいるんですが、なかなか松田選手と会えません。噂では、ある飲み屋さんに行っているとか聞いているんですけど、会えないので、お休みの日は何をしているのか教えてください。
松田:えー家族といます。そこら辺にいます。
青島:ぜひ、そこら辺を探してみてください。特定の場所じゃないんです。そこら辺なんですね。でも、うれしいじゃないですか。同じ街に住んでいて、松田選手に会えるんじゃないかなって。
松田:いやあ。
青島:次の方。
客:今、一番欲しいものはなんですか。
青島:はい、今一番欲しいものはなんですか。いい質問ですね。
奥:免許証です。
青島:免許証。今、教習所に通っていらっしゃるんですか。
奥:そうです。あ、通ってないです。
青島:通っていないですか。
奥:はい。
青島:でも、選手の間は難しいですよね。
奥:そうですね。オフのときに行くしかないんで。
青島:でも、オフといっても、今はほとんど、時間的に1カ月あるかないかですよね。
奥:ですから、免許証も合宿で。
青島:同じ合宿になった人はラッキーですね。松田選手は一番欲しいものは?
松田:タイトル。
会場:拍手
青島:ちなみに物だったらなんですか。タイトルではなくて、身近な物で。
松田:いや、別に。
青島:すみません。さあ、次の方。
客:松田選手、帽子を取ってください。
松田:次、行きましょう。
青島:どんな感じなんですかね。
松田:髪の毛を切ったんで、まだ見せられないんです。
武田:帽子を取ると、セットが大変なんで、また今度。
松田:ありがとうございます。
青島:ということなんですよ。
武田:次、行きましょう。
客:松田選手はボブっていう犬を飼っているそうなんですけど、種類はなんですか。教えてください。
松田:アイリッシュセプターです。
客:何色ですか。
松田:茶色です。
客:じゃあ、同じ犬を飼います。
松田:えっ!
青島:同じ犬を飼われているんですか、これから飼うんですか。
客:犬を飼おうと思っていたんですけど、種類で迷っていたので。
青島:そうですか。ちなみに、うちはイングリッシュコッカースパニエルです。白とグレーのぶちなんですが、これが頭が悪いんですよ。家の柱がガリガリですよ。あまりお勧めできないんですけどね。これで飼っている方がいらっしゃったら怒られますけどね。では次の方。
客:お嬢さんのくるみちゃんは幼稚園でモテモテって聞いたんですけど、本当ですか。
松田:人気あるみたいです。
会場:拍手
松田:でも、なんか最近…これは言っちゃいけないのかな。やめておきます。
青島:やめておきたいということで。まあ、いいんですけど、広がりそうな質問でお願いします。
客:この前、プレシーズンマッチを見に行って、松田選手がいなかったのが残念だったんですけど、久保選手がすごい良かったなって思って見ていました。奥選手と松田選手は、久保選手をどのように思っていらっしゃるんですか。
青島:いい質問ですね。武田さん、私たち、こういう話をしないといけなかったんですね。松田選手が結婚していることに驚いている場合じゃないですよ。久保選手をおふたりはどう見ているのか。
松田:結構不真面目なのかなって思っていたんですけど、正直なところ。本当に、チーム一ぐらい真面目で。いつも練習が終わった後に、筋トレをやったり、マッサージをやったり、ストレッチをやったり、本当に一生懸命やっていて。真面目なんですよ。あれは機能したら、やばいっすね。
青島:きてますよ。やばいっすよ。キレキレらしいですよ。奥選手はどうですか?
奥:そうですね。やっぱり、リズムが違う。それにビックリして。得点王の可能性があるかな、と。
青島:「な」、がポイントですか。
奥:いっぱいいっぱいです。
青島:追い詰めちゃってごめんなさい。
客:カフー選手が来ることについて、どう思ってますか。それから、最近ハマッていることはありますか。
青島:まずは、カフー選手のことについて。
松田:言うことはないんで、早く来てほしいなって思いますけど。これまでワールドカップの決勝に3回行っている選手は、カフーしかいないんで。早く一緒にやりたいという気持ちが強いですね。早く学びたい。ただ、カフーが来たらキャプテンもすぐに代わると思います。
青島:そんなオチですか。6月までASローマとの契約があって、7月からですよね。
松田:本当に来るんですか?
青島:岡田さんもさっき、外国人の選手の場合は来るまでわからないって言ってました。でも、来るとなったら大変ですよ。
松田:強くなると思いますね。
青島:奥選手はどうですか。
奥:やっぱり経験があるし、引っ張ってくれそうな気がします。
青島:さあ、それから今ハマッているものはありますかという質問。奥選手、今、ハマッているものはなんですか?
奥:特にないです。
青島:ありがとうございます。松田選手は?
松田:特にないです。
会場:笑い
青島:ハマりにくい性格なんですか2人とも。そういうわけではない。
松田:ハマるってなんですかね。
武田:子どもと遊ぶとか。
松田:それは普通じゃないですか。
青島:武田ピンチ!
武田:岡田監督にも、突っ込まれて。
青島:次、行きましょう。
客:クラブの話からは離れちゃうんですけど、初めて代表に選ばれたときの気持ちはどんな感じでしたか。
青島:いい質問ですね、武田さん。
奥:ちょっと行くのがいやでしたね。最初はやっぱり上の人ばっかりだったんで。ビビリながら行きました。
青島:そうですか。イメージとしては、誰が怖そうでしたか。
奥:やっぱり秋田さんとか。
青島:イカツイ系ですよね。
奥:でも思ったよりいい人でした。
青島:思ったより。
奥:思ったより、です。
青島:サッカーの世界はもっとフランクな感じがするんですけど、代表はやっぱり違うんですか。
奥:まさか自分がという感じで選ばれたんで、ちょっと緊張気味でしたね。
青島:松田選手はどうでしたか。
松田:緊張もしましたけど期待もあったんで、「やってやる」という気持ちがありましたから。
青島:でも、おふたりは代表に行っても、今ならばそんなことはないと思いますけど。
奥:最近選ばれてないですけど。でも、上の方の年代になってきましたし、知っている選手も増えてきましたし。
青島:松田選手はどうですか。
松田:仲のいい選手が増えてきましたね。
青島:武田さんはどうでしたか。
武田:僕ですか。僕が19歳のとき、原(博実、現FC東京監督)さんと奥寺(康彦、現横浜FC代表取締役ゼネラルマネージャー)さんと一緒の部屋に入ったんですけど、緊張して眠れませんでした。
青島:どこも一緒ですね。
武田:リーグが開幕する前までは、リラックスしているじゃないですか。リーグが始まるとプレッシャーもあるし、勝った負けたもあって。負けたときはどうやって気分転換するの?
奥:みんなで食事に行ったりとか。
武田:選手と?
奥:選手とか、知り合いとか。
武田:松田選手の気分転換法は。
松田:そうですね。みんなで飯を食いに行ったりとか。結構、ビデオを観ます。自分のビデオじゃなくて、いいイメージのビデオを。スカパーとかで。
青島:海外のリーグのプレイを観て。
松田:そうですね。負けたときはいいイメージがないんですよ、自分の中で。なので、なるべくいいプレイを観るように。
青島:調子が良くないなっていうときにビデオを観る。
松田:考え込んでしまうタイプなんですよね。ミスは修正しますけど、次の試合ではいいイメージを持ってやりたいですから。次の試合も、この間の試合は良くなかったなっていう気持ちをひきずってやると、またいいプレイができなくなるので。
青島:奥選手は自分の試合のビデオとか、他のプレイヤーのビデオを観ますか。
奥:海外の試合のビデオは観ますけど、自分の試合のビデオを観るときは、勝っている試合のものしか観ないですね。
青島:いいプレイを観る。
奥:はい。
武田:スタジアムではファンの声援が聞こえるわけじゃないですか。野次まで全部聞こえるわけですよ。こういう応援はうれしいとか、こういう声援はやめてほしいというのがあると思うんですが、どういうファンが一番うれしいですか。
奥:そうですね。やっぱりいいプレーをしたら、それに対して必ず歓声をしてくれて、悪いプレーをしたら、ブーイングをする。
松田:僕は、プレミアリーグの応援の仕方が大好きで、例えば自分がいいプレーをしたときに、シュートみたいな大したプレーじゃなくても、必ず拍手がくる。そこまで観て声援してくれるのはうれしいですね。
武田:皆さん、そうしてあげてください。
武田:自分が得意とするスタジアムってあるよね。あと、対戦相手でも、こことやるといつも調子がいいなという相手があると思うんだけど。 
奥:ジェフ市原。それと市原臨海競技場ですね。
武田:松田選手は?
松田:三ツ沢公園球技場は客席が近いんですごく迫力がある。横浜国際競技場の方はトラックがいらないかな。人数とかはいいんですけど。
武田:三ツ沢は一体感が出るよね、応援がワーッとなると。
客:松田選手に聞きたいんですけど、自分が試合中に前に上がっていくときは、チームの状態が良くないとコメントしてたんですが、観ている側にとっては松田選手が上がっていくのをすごく楽しみにしているんです。今年は何点ぐらい取りますか?
会場:拍手
松田:えー、去年が2点だったんで。レベルが低いんですけど、今年は3点。
武田:奥選手は?
青島:岡田監督も奥選手の得点力に期待しているようですが。
奥:そうですね。ボランチに入ったら、去年ぐらい取りたい。
青島:7点ですね。
奥:前のポジションに出たら、7点以上は取りたい。取れるように頑張ります。
客:久しぶりに日本人の監督になって、外国人の監督と比べて、コミュニケーションが取りやすいとか、いいところなど、違いを教えてください。
松田:去年のラザロニ監督はブラジル人だったんですけど、常に通訳が入るんで、まずミーティングが長い。
青島:普通に考えれば2倍ですよね。
松田:たまに1対1で話すことあったんですけど、自分の伝えたいことが伝わっていないというときがあるんですね。向こうもたぶんちょっとニュアンスが違う部分があると思うんで、正直イヤでしたね。それが岡田監督になって、そういう部分がないので、1対1で話せるので、そういう意味ではすごくコミュニケーションは取れてるかなって思います。外国人の監督のときは、本当は話したいんだけど、もう面倒臭いからいいやって思っちゃうところがあって。そういうことはなくなりました。
青島:奥選手はどうですか。
奥:そうですね。自分の言ったことがそのまま伝わるんで。
青島:岡田監督はどうですか。
奥:あ、いいです。まだ、ちょっとわからないですけど。いい感じです。
青島:今日は事前に打ち合わせをすることなく、いきなりステージに上がっていただきましたが、奥選手、いっぱいいっぱいでしたか。そんなことはなかったですか。
奥:結構、いっぱいいっぱいでした。
青島:でもさすがに女性が多いですね、武田さん。
武田:こんなに多くてビックリしちゃったね。
青島:今シーズンに向けてどう戦っていくのか、最後にサポーターのみなさんにお話をしていただきたいと思います。
松田:ナビスコカップまであと1週間しかないんですけど、必ず結果を出しますので、応援の方、よろしくお願いいたします。
奥:今年は、何としてもタイトルを1つでも多く取れるように頑張りますんで、会場まで足を運んでください。
青島:キャンプが終わった後、そのままここに駆けつけていただいて。大変だよね。
武田:大変だと思いますけど、雨の中、これだけのサポーターのみなさんに来ていただいてうれしいですね。
青島:ぜひ、横浜F・マリノスのすばらしい活躍にご期待いただきたいと思います。第1部は岡田監督に、そして第2部は松田選手、奥選手にお話をうかがったんですが、武田さん、いかがでしたか。
武田:松田選手が、あんなに無口だとは思いませんでした。
青島:今日はそればっかりじゃないですか。結婚していることも知らなかったし。
武田:そうなんですよ。プレー中のカッコいい松田選手をいつも見ているんで、プライベートのことは知らなかったんですけど、今日実際に会ってみて、本当に純粋な少年の気持ちを持っているような人柄で好きになりました。ピッチで対決しているときは感じなかったんですけどね。
青島:今、解説の立場で外からサッカーを見るとどうですか。
武田:いろんなチームを見比べたりしていますけど、こうやってサポーターの前で話すというのは選手にしてみればうれしいことだと思いますよ。岡田監督にしろ、奥選手にしろ、松田選手にしろ、これからやるぞという目をしてましたね。
青島:松田選手、奥選手にはシーズンを通してバリバリに頑張ってもらいたいですね。久保選手も加わった、佐藤選手も加わった、安永選手も加わった、カフー選手も夏に来るかもわからない。すごいメンバーが揃ってきております、この横浜F・マリノス。武田さんはどのような予想をしますか。
武田:サポーターのみなさんがたくさん集まれば、必ず彼らは盛り上がります。横浜F・マリノスは優勝を争わないといけないチームなんで、ぜひ優勝を争って、Jリーグを盛り上げてほしいと思います。横浜F・マリノスが勝てば盛り上がると思います。
青島:解説の方でも武田さんには頑張っていただいて。
武田:解説というか、このあとすぐ日本テレビの『スポーツうるぐす』に出ますので。
青島:みなさん、ぜひご覧ください。今日は岡田監督、松田選手、奥選手にお話をうかがって、言葉こそ少ないんですけど、確かな手応えといいますか、今年は何としてもやりたいという気持ちが伝わってきました。でも勝負の世界ですから相手がいるわけで、どこのチームも、むしろ打倒マリノスで向かってくると思います。すばらしいシーズンを盛り上げていってほしいと思います。トークバトルではこういった形でいろいろなスポーツを取り上げています。もちろんサッカーも応援していきたいと思っております。ぜひ次の会場にもお越しいただければと思います。本日はどうもありがとうございました。

構成・文:CREW
撮影:源賀津己