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後編


中西:それでは次の質問にいきましょう。質問5 「日本代表はコンフェデ杯(6月18~29日開催)ので予選敗退したが、内容は良かった」。川上さんはどうでしたか。
川上:もちろん「Yes 」。
福田:え、どんな質問?
中西:事前に福田さんは「Yes 」にしています。
福田:「Yes 」か。
川上: 日本でやったパラグアイ戦(6月11日)からメンバーをガラッと変えましたね。特に、ディフェンスラインを。専門的にはわからないですけど、そこからよくなったかなという感じはしてますね。
中西: この人がよかったとかありますか。
川上:俊輔ですね。
中西:中村俊輔選手が入ってよくなったと。北澤さんは。
北澤:僕もその試合を見に行ったんですけど、よかったですよね。何より俊輔が生かされてましたよね。今まではヒデ一辺倒だったのが二分されたというか。
中西:そうですね。バランスが取れましたよね。
北澤:それをサポートしていくところのボランチがよかったですよね。
中西:遠藤(保仁、ガンバ大阪)選手。
北澤:福西(崇史、ジュビロ磐田)。あのラインがよかったですよね。もちろん新しい2 トップ、大久保(嘉人、セレッソ大阪) と高原(直泰、ドイツ・ハンブルガーSV)も。タテのまたぎでワンツーとかね。ディフェンスラインはうまく機能しませんでしたけど、サイドから上がった後のカバーリングとか。福西とか遠藤とかがうまくカバーリングし始めたら、誰かを生かすためにこういう仕事しなければいけないというサポートの役目というのが出てきましたよね。その前の試合だと自分が何かをしなければいけないという意識が強過ぎて、コンビネーションがうまくいってなかった。でもあの試合を上から見てると、みんなが機能的に、ボールが動いたらこう動いてみたいな。
中西:そうですね。連動してましたよね。
北澤:そういうこと。そういった意味では、あのときはよかった。
川上:コンフェデ全体では。
北澤:やっぱり、予選は突破してもらいたいっていうのはありましたよ。
中西:そりゃそうですよね。
北澤:でも結果的に、今じゃないから。だからそれで「Yes 」。今後につながるという意味ではそういう試合も必要だったかなって。
中西:福田さんは。
福田:うーん。
中西:大体、「Yes 」ってことを忘れてましたからね。
福田:いいところもあったし、悪いところもあったし、そういうことなんだけど。まあ、今言ったように中盤の構成もあるし、俊輔が生きてきたっていうのはジーコになってから
のいいところ。ディフェンスラインにおいては、宮本(恒靖、ガンバ大阪)が入ってラインを高く保てるようになったっていうのが大きいんじゃないかな。
中西:そうですね。
福田:前線と最終ラインがコンパクトになって、中盤でプレッシャーがかかるようになった。それまでジーコはカバーリング、カバーリングって言ってラインが深くなってたんで、どうしても中盤が間延びしてプレッシャーがかからない。ズルズル下がる感じだったけど、宮本がうまくラインを上げたり下げたり統率して、ズルズル下がらないようにした。その辺のラインコントロールがうまくできて、結果的に中盤でいい形でボールが取れて、それがいい試合につながったったと思うね。いくつか宮本にはミスがあったけど、それまでの4 人との大きな違いはそこかなって。ジーコがそのやり方を望んでいるのかどうかはわからないけど。そういう意味では。
中西:収穫もあったし、問題点もあったと。
福田:うん。最終ラインは問題なんじゃないの。4 人パッと変えてさ、じゃああれでやるのかっていうとさ。今回、松田(直樹、横浜F.マリノス) や中澤(祐二、東京ヴェルディ1969)が選ばれて、で、どうするのっていう。中盤は中田と俊輔が共存できて、前線は高原、大久保という形が今のところはいいのかなって。そうすると、問題なのは最終ライン。やっぱりディフェンスが不安定だとワールドカップ予選は怖いよ。
中西:怖いですね。
福田:かなり。そこの安定っていうのが急務なんじゃないかな、急がないと。
中西:それを受けてジーコジャパンはどうですか。強くなったかという質問なんですが。質問6 「ジーコジャパンはこの1 年で強くなった」。
福田:どうです?
中西:全部僕に聞くの? 強くなってないですか。
福田:うーん。強くなってるか、なってないかって判断が難しいよね。メンバーが変わってるし、いろいろ試しながら前には進んでいると思うよ。どのくらいの速さで前に進んでいるかって言えば、かなりゆっくりだとは思うけどね。4 人のディフェンスをガラッと変えてしまったりとか。そういう変え方というのはビックリする感じで。まあ、それで結果がある程度出てたけど。ディフェンスに関しては相当の迷いがあると思うよ。三都主(アレサンドロ、清水エスパルス)を左に使ったりとかね。まあ、最初の話に戻るけど、俺ウイングバックをやっているときがあって。
中西:やってましたね。
福田:チームではフォワードだったのね。代表のときだけウイングバックで、不慣れなところを代表のときだけやったの。代表チームっていうのは、国際試合を戦うチームだから強いチームと戦うんだよね。4 バックのサイドバックって、結局コンフェデのフランス戦(6月20日)もそうだったけど、振られて絞りが遅くて三都主のところを突かれて。だから三都主をサイドバックで使うんであれば、チームでもサイドバックで使ってくれればいいと思うけど。チームで長い間ウイングバックをやって、代表のときだけ4 バックのサイドバックをやるというのは、俺の経験上からしてあまりよくないかな。
中西:これは貴重な話ですよね。
福田:俺も経験してるけど、1 対1 っていうことに関しては大丈夫なんだよね。人対人のディフェンスでは頑張れる。だけど絞ったり、また出たりっていうのはね。4 バックというのは、ディフェンスは特にそうだけど、3 バックのウイングバックに比べればはるかにポジショニングが重要になってくるでしょ。その経験を全然クラブで積めないのはキツイよ。それで代表の高いレベルでいきなりそのポジショニングを取れって言っても、1 回目はうまくいってももう一度振られたときに、当然うまくいかないことはあると思うんでね。ジーコは「国際試合は一つのミスが」って言い方をしたけど、その一つのミスっていうのが誰の目にも明らかなものじゃなくて、ポジショニングのミスっていうこともあるから。俺はあんまり知らないけど、ディフェンスっていうのはほとんどがポジショニングだと思うのね。ピンチになるならないっていうのは非常に大切なことだから。
中西:僕は完全にディフェンスの選手ですから、何が難しいかって言うと、4 バックの左サイドも右サイドも、要するに片方は前に出るって形じゃないですか。ということは、残ったときにはストッパーにならないといけないんですよ。相手の2 トップの1 枚をマークしないといけないこともある。ということは、相手のエースストライカーをマークしなければいけないわけで、向こうにしてみれば普通のセンターバックのマークを外すこともできるのに、元々攻撃の選手のマークを外すなんてことはたやすいですよ。サイドバックだけでやるならいいですけど、4 バック対応というのは明らかにセンターフォワードをマークしなければいけないことが多々ある。ということはいつか大きなミスが起きる可能性がある。福田さんが言ったように、クラブで経験を積めないのは問題だと思います。
北澤:ディフェンス能力を鍛えるために、チームでサイドバックをやらされたりしましたけど、自分が右サイドに入ったとき、左サイドが攻撃に行くとこっちは絞り込まないといけないじゃないですか。でも、どこまで絞っていいのかわからないんですよ。
中西:微妙ですよね。
北澤:センターバックを追い越しちゃったりとか。
中西:それは行き過ぎですよ。
北澤:その判断は難しい。センターフォワードにつかなきゃいけないときもあるし。
中西:しかも、最終ラインをコントロールしないといけない。
北澤:あれは難しいですよね、確かに難しい。だから今おっしゃられたように、代表チームでコンバートされてやるっていうのはよっぽど能力がないと。
中西:そうですよね。
北澤:強くなったかっていう話に戻ると、トルシエからジーコに代わりましたけど、この代えたタイミングってすごく難しいですよね。監督を代えて次にまた進んでいくってことが、進化している、強くなっていっている過程かなって僕は思います。もちろん、コンフェデで結果が出なければ、強くなったかどうかっていうのは疑問だけれども。あらゆる経験をして、それを積み重ねた上で次に行く訳だから。僕らのときもそうだったじゃないですか。最終的に必要なことは、次のワールドカップに行けるってことだから。選手も3 バックから4 バックになって、いきなり対応しろって言っても難しいですよ。半年でチームとして成り立つなんて。日本代表チームというのは、何試合か積み重ねて、難しさがあるなかでやっていくんだから。日本でプレイされて、日本の習慣なんかを知ってるジーコさんが監督をやられているっていうのは、日本流のサッカーがこれから出てくるのかなっていう期待はありますよね。
中西:川上さんはどうですか。
川上:やっぱり、J リーグに精通していらっしゃるジーコさんですから。
中西:創設時からいらしてますもんね。
川上:今回のメンバーを見ても、Jリーグ優勝のマリノスで活躍していた中澤選手や松田選手が復帰したり。なんかね、J リーグで活躍してないのに代表に決まって選ばれるというのは。やっぱり試合をやってる選手たちのモチベーションも難しくなるかなって。
北澤:優勝チームから選ばれるのは当たり前だよね。
川上:優勝した、強いチームからいっぱい選ばれる。
中西:選手のモチベーションを刺激してってことですよね。次の質問なんですけど、「ジーコ監督に、ドイツワールドカップまで指揮をとって欲しい」。これは全員「Yes 」ですよね。福田さん、札を挙げもしませんでしたね。
福田:全員って言ったもんね。
川上:ここでまた代えたら、一からになっちゃいますから。
福田:そのとおりです。一度出発したんだから、それを信じてやっていった方がいいんじゃないの。
中西:そうですね。
福田:ちょっと話が戻るかもしれないですけど、トルシエがやってた頃のちょっと前の日本代表と今のジーコがやってる日本代表では、ヨーロッパに行ってやってる選手の数が違うよね。そういう意味では、強化の仕方を変えないといけない。国内の選手がたくさんなら、非常にシステマチックな練習で。システマチックなことって時間が非常に必要になってくるからね。やっぱり日数を取れないと厳しいよね。ヨーロッパにたくさん行っていたら、招集できないわけよ。
中西:はい。
福田:ジーコの場合はヨーロッパに選手がたくさん行っていて、なかなか招集することができない。そういうなかでワールドカップでベスト16以上を考えたときには、中田なんかも言ってるけど、日本人が一番苦手としている自分で考えて、自分で状況を把握して動いていくってところを鍛えないと。言われたことをやっているというのは、トルシエのときだけじゃなくて、それまでもずっとそうだったんだけど。そういうことってサッカーにとっては非常に大切なことだから、何度も何度も集めることができないんだから、ジーコの取り組みっていうのは普通なんだろうと思うけどね。それが今の日本の選手の能力に対して、本当に正しい時期なのかどうかはわからないけど、それを試みるのは絶対に必要なことだと思うよ。いつかはやっていかないといけないことだからね。そこで結果を出していかないといけないのはなかなか難しいけど、ワールドカップに出てもらわないと困るから。予選に勝って出たのは1 回しかないしね。
中西:そうですね。
福田:予選を勝つってことは、そんなに簡単なことじゃなくて。
北澤:予選ほど難しいものはない。
中西:そうですよね。本大会より、ある意味難しいかもしれないですよね。
北澤:やっぱり出てからよりも、出るまで。出てからももちろん難しいですけど。立場も変わってるじゃないですか。追われる立場だし、研究される立場だから。それってだいぶ違うと思いますよ。もちろん大会の方針っていうのはこれから出てくることだと思いますし、それによっても違うと思いますけど。
中西:フランス大会のときも、いろんなことがありましたからね。
北澤:そういうことがあったし、どういうふうに出てくるかわからないから。でも、海外の選手たちが増えているっていうのは強みだよね。システマチックなトレーニングはできないけれども、そういう日頃の習慣で養われるのは大きいですよ。そういう人たちが何人かいるっていうのは。何かをやってくれる力を持っているだろうし。
中西:川上さんはどうですか。
川上:去年は日韓共催でうれしかったんですけれども、逆に言うと予選がなかったので。あのフランス大会のときの予選って、ものすごいストーリーがあったじゃないですか。
中西:言い方は悪いですけど、楽しかったですよね。ものすごくツライんですけど、見てる方は楽しいですよ。本当に頑張ってほしいっていう気持ちになりますよね。
川上:なので、この次は。
中西:ワクワクしますよね、ドキドキもしますけど。当然、見たいですからね。出ないといけない状況ですもんね。
北澤:
出るのは当たり前っていう状況ですからね。そうすると当然、選手のプレッシャーの掛かり方も違ってきますよ。
中西:要するに、ワールドカップ予選8 年振りってことですからね。
北澤:そういうこと。
中西:しかもアジアの他の国は日本と韓国をターゲットにしてくるわけですからね、ワールドカップの決勝トーナメントに出たわけだし。丸裸にしようと。
川上:引き分け狙い。
中西:引くのもそうですし、選手も全部研究してくるだろうし、アウェイでもすごい対応をしてくるだろうし。そうなったらどうなんだろうって。それを考えたら福田さん、簡単ではないですよね。
福田:だってねえ、どういう予選になるかわからないけど、ホーム&ウェイとかになったら、中東の強豪相手じゃなかなかアウェイでは勝てないんだよ。ほとんど勝ってないからね。予選を突破したときでもアジアで予選3 位通過でしょ。ドーハのときも3 位。そんな簡単に予選を突破できると思ったら大間違いで、相当厳しい予選になると思うよ。
中西:そんなに違いますか、代表のゲームで中東っていうのは。
福田:だってドーハのときだって、結局は中東のチームに勝てなかったわけだから。引き分けと負けだから。
中西:サウジアラビアが引き分けで。
福田:イランに負けて、イラクに引き分けただから。本当に中東でやる試合ではなかなか勝てないよ。
中西:具体的にどういう。
福田:暑いからノラリクラリやりながらカウンターをする。そういう戦い方を理解してるんだよ。中盤も間延びさせられてしまうし、守備は固いし。点を取って勝つには本当に手強い相手だなって思います。
北澤:アジアは特殊ですよね。
中西:横に長いですよね。
北澤:だって、サウジアラビアとか中東までものすごい時間がかかる。
中西:24時間くらいかかりますよね。
北澤:一回ヨーロッパに行ってから乗り継いでだもの。それも結構大変だし、もちろん東南アジアも入ってくるでしょ。気候が違うし。ヨーロッパみたいに行ってすぐはできないでしょ。そういうところで試合をしたりして引き分けたりすると「何をやってんだよ」って。体が動かないですよ。湿気があり過ぎて。
中西:しかも芝生の生えている方向が横なんですよね。日本は上向きに生えてるじゃないですか。東南アジアは横向きですよ。一個一個の葉っぱが大きくて、その上に乗っちゃったらズルッと滑りますからね。
北澤:タイなんてホームでやるとすごい強いチームだけど、こっちに来るとすごい弱いし。差が激しいんですよ。
中西:コンディションがまるっきり違いますもんね。
北澤:アジアってコンディションを整えるのが難しい。ワールドカップの予選突破というのは、さらに難しくなると思いますよ。
中西:僕もサウジアラビアに試合しに行ったことありますけど、もう二度と行きなくないですからね。食事は大変です、本当に。暇だし。ずーっとホテルにいて一歩も出られないし。すごい閉鎖的な空間でジッとしていて、やることがない。お酒も飲めないし。
北澤:サウジアラビアはダメですね。厳しいですね。
中西:本当に厳しいですよね。どんどん気持ちは陰の方、陰の方に行くんですよ。どうしても陽の方に行けない。
北澤:結局選手たちはそこでどう過ごすか、そうならないようにコントロールしないといけないし。グラウンド外のところも結構重要になってくる。中東の選手なんかはまとまりがあって、何もなくてもワイワイ遊んだりできるのは強みだったりする。
中西:さあ、今まで話をしてきましたが、テーマ3 は、これはもう8 月20日に行われます「キリンチャレンジカップ2003に向けて」なんですけど。ここでも質問があるんですけど、質問8 「キリンチャレンジに招集されたメンバーがベストメンバーだ」とか、質問9 「今の代表チームは、日本サッカー史上最強だ」とか、質問10「キリンチャレンジ・ナイジェリア戦には勝てる」とか、質問11「日本代表にはまだまだ伸びる余地がある」とか。まあ、皆さん「Yes 」でしたね。福田さんは2 つ「No」ですけど。
会場:笑い
中西:まあでも、ベストかベストじゃないかっていうのは、ジーコ監督が選んだベストメンバーですよね、明らかに。監督が代わればメンバーも変わるし。
北澤:やっぱり代表が最強であってほしいじゃない。
中西:そりゃあそうですよね。このメンバーのなかで試合に出してほしいとか、この選手は将来入れてほしいなんていう選手はいるんですか。
川上:僕的には石川ナオ(直宏)君。
北澤:なんでFC東京なんですか。
川上:ヤベ。
北澤:開幕戦スカパラ出てましたもんね。
川上:右サイドをドリブルで行ける選手っていないですよね。
中西:さっき福田選手が言ったように、1 対1 で仕掛けて負けない選手。北澤さん、誰かおすすめは。
北澤:海外の選手は大変ですよね。これからリーグが開幕するって状況で呼ばれて。
川上:柳沢(敦、サンプドリア、イタリア)とかね、行ったと思ったらまた呼ばれて。
北澤:ジーコさんの気持ちが伝わっての招集だと思いますけど。意気込みがあるからだろうなと。
中西:そうですね。特にこのメンバー以外で現時点で取ってほしい選手というのは。
北澤:名波。90分のなかでアクセントを付けられる選手ですから。人を生かせるし、バランスも取れるしね。
中西:円熟味を増してますよね。福田さんは。
福田:うーん、名波。
中西:一緒じゃないですか。
福田:バランスも取れるしね。でもこれ、正常に戻ったんじゃない。
中西:メンバーがね。
福田:前は「エッ? 大丈夫?」っていうのがあったけど、なんとなく正常に。正常っていうか、見渡したときにこのメンバー以外で探すのは難しいかなってことよ。
中西:万人が納得するような選考になったと。
福田:そうそうそう。今までちょっと、なんでこの人が入っていないのっていう選手もいたでしょ。そういう選手が入ってきたっていうか。ケガとかもあったからさ。柳沢が入っていなかったり、久保(竜彦、横浜F.マリノス) が入っていなかったり、松田が入っていなかったり。なんとなく常連のような感じがしてたじゃない。
北澤:でも、中盤はタレントが多いですよね。遠藤の兄貴(彰弘、横浜F.マリノス)とかいてもいいですよね。貴重な選手だし。
川上:藤田選手とかね。
北澤:藤田ね。あれ、服部がいないんだ。
中西:そうなんですよ。
北澤:ジュビロはひとりしかいないんだ。
中西:ジュビロがひとりしかいないってことはどうなんですか。
福田:それはちょっとどうかなと思いますけど、ケガの関係もあるんじゃないかな。
中西:それはそうですけど。2 位ですから。内容がすごいからね。
北澤:あとさ、桜井(直人、東京ヴェルディ1969)もいいよ。
中西:ああ、桜井選手もね。僕は山田卓也(東京ヴェルディ1969)選手を入れてほしいですけどね。タフだし、右サイドバック、センターバックもできるしボランチもできる。今はトップ下をやっていますけど、僕はそれだけは否定したいですが。
会場:笑い
中西:本人に言いましたけど、「お前がトップ下やれるの?」って。「俺もそう思う」って言ってました。
北澤:なんでもできる人でもあるけど、監督が考えていることを理解している。キーポントになる選手ですよね。
中西:彼なんかはチームに入れてほしいですし、人に強いんですよ。気持ちはあります。皆さん納得ということで。
川上:福田さん、レッズの選手でおすすめの人は。
福田:うーん、やっぱり田中達也くらいですかね、入れるとしたら。それはあくまでも途中から入れて流れを変えるということで。戦術的にそういう使い方もありだと思う。
中西:そういう選手は必要ですよね。
福田:先発でずっとコンスタントに使える選手ばかりではなくて、途中から使う選手を入れるというのは、チームとしては戦略が増えるかなって。
中西:途中から出て、始まって5 分以内でチームに馴染める選手って少ないですからね。短期間でフッとチームに入って流れを作り出せる選手は貴重ですよね。
福田:昔なんか、中山(雅史、ジュビロ磐田)がそうだったよね。そういう流れを変えられる選手。そういうものをもっているので、田中は。
中西:ナイジェリア戦を含めてですけど、だんだん現実的にならないといけないんですよね。ワールドカップ予選が近づくにつれて。
福田:予選は来年の2 月でしょ。
中西:2 月だと言われていますけど、確定ではないです。
福田:そんなに猶予はないよね。
北澤:ないない。
中西:最終予選に関しては再来年の1 月か2 月だから、最終予選にはまだ時間がある。
北澤:オリンピックの予選と重なる可能性もあるんだよね。
中西:それもあります。すごい焦っている感覚があるんですけど、1 次予選に関しては今の日本だったらしっかり戦っていけばクリアできるような相手じゃないですか。でも、最終予選に関しては怖いですよね。これから1 年半、1 次予選も含めて。本番に向けての強化、最終予選に向けてやっていかないといけないですよね。ここから詰めていかないと。まずはディフェンスですかね。
福田:絶対にそうですね。前は。
中西:前はだいぶ固まってはきましたよね。
福田:俊輔が相当活躍できて中田もっていう形で、非常にバランスがよくなってきたし。前線は大久保が出てきたので、高原と大久保という形で。海外に行っている人たちが加わってくれば形になるけど、どうにも最終ラインがおぼつかないというか、はっきりしてこないから。センターバックもそうだし、じゃあ左のサイドバックは本当に三都主でいくのか、果していいのかどうか。服部もいるけどね。その辺は本当にどうなっているのかなって。非常に不安ではある。
中西:北澤さんも同じですか。詰めていかなきゃいけないのは守備。
北澤:やっぱりいろんなメンバーを考えておくっていうのは重要だと思います。予選の方式はわからないけど、やっぱり最悪の状況っていうのがあるわけだから、両方考えて進めないと。それに対処して結果を出していかないといけないわけだから。安定感のある選手たち、さらに流れを変えられる選手も必要だろうし。いろいろな可能性を考えて準備をしておかないと大変なことになっちゃう。
中西:あまり想像したくはないですけど、中田選手と中村選手が同時に試合に出られないとか。
北澤:あり得るでしょ。
中西:もしくはヨーロッパの選手を呼びたくても呼べないっていうこともあるだろうし。40人くらいですかね、大体。そのくらいいれば。
北澤:オリンピックの選手たちも。ただオリンピックっていう目標じゃなくて、その上を目指してもらえると、オリンピックのゴールの置き方が変わるじゃないですか。それでメダルが取れたりする可能性もあるだろうし。それが終わった後に、彼らの力になるし。総力戦になると思いますよ。
中西:川上さんは何か心配な部分はありますか。
川上:そうですね、ディフェンスリーダーは誰なのか。宮本でいくのか。大体チームってセンターバックでいるじゃないですか、そういう人が。
中西:センターバックのやり方一つで決まるところがありますね。
川上:かつてディフェンダーだった井原(正己、サッカー解説者)さん。
中西:井原さんと柱谷哲二さんが真ん中。
川上:それがねえ、引き締まるというか。
中西:今のところやっている選手は、坪井(慶介、浦和レッズ)選手と宮本選手と森岡(隆三、清水エスパルス)選手と松田選手と秋田(豊、鹿島アントラーズ)選手の5 人ですよね。
川上:それに今度は中澤。中澤選手は強いですよね。
中西:高さがあるんでセットプレイで点が取れる選手というのは、最終予選では非常に生きてくると思います。
川上:大きいですね。
北澤:マリノスの優勝もそうだったよね。
中西:最後はセットプレイだったじゃないですか。危機的な状況になると最後はセットプレイしかないって状況になるんですよね。だから中村俊輔選手も非常に貴重だし。あとはディフェンダーでヘディングして点を取るって秋田選手か中澤選手かどっちかでしょ。どっちか入れておかないと。もしくはふたり入れておくとか。それはやっぱり考えるべきだと思いますね。ディフェンスの得点力。途中から生きるカードと同じくらい重要かな。今のディフェンスはプラス高さっていうのはありますけどね。
福田:まあ、単純に競ったらね。その辺をカバーするためにラインを上げたり下げたりってことで、牽制しながら自由にさせないっていうやり方もあるからさ。コンタクトスキルなんて言われ方をされてるけど、そういう技術を身につけていけばカバーできる部分だと思うけど。でも、それだけじゃ絶対に無理だと思うよ。
中西:コーナーキックとかセットプレーで外からいいボールが入ってきたとき、それでアリ・ダエイ(イラン代表)に勝てるかっていうと、簡単じゃないわけじゃないですか。やっぱりそれに勝てるフィジカル的に強い選手を入れておかないと。あらゆることを想定してね。中田選手や中村選手のようなスーパー選手もひとりじゃダメ。ディフェンスのスーパースターも必要だし。でも、これが例えば10年前のドーハの頃に比べたら、日本の頭の20人からその下の100 人までのレベルって格段に上がったじゃないですか。昔は頭の20人って揺るぎないものがありましたけど、その下のレベルって言ったら開きがあったんですけど、今は頭の50人くらいまでは変わらないくらいになったんじゃないですか。
福田:過去に比べれば、はるかにそういう部分はあるよね。でも、それは日本だけじゃくて、韓国もレベルアップしてるし。自分の国だけを見てるとそうだけど、他の国もレベルアップしてるから。サッカーは対戦相手があってだからさ。自分たちだけ成長していると思ったら大きな間違いで。日本の選手だけが海外にたくさん行っていると思ったらそれも大きな間違い。隣の韓国だって、若い選手がどんどん海外に行っているってことを忘れちゃいけないよね。国際試合で他の国と戦っていく以上は、日本国内のことだけに目を向けているだけじゃダメだよね。日本のなかだけで比べたら、10年前に比べればはるかにレベルが上がっているのは間違いないけど。
中西:時間がなくなってきたんで、せっかくナイジェリア戦があるので、自分なりにここを今回は見たいなっていうところを話してください。川上さんは。
川上:僕ね、久保(竜彦、横浜F.マリノス) が見たかったんですよ。ケガしちゃったみたいですね。
中西:そういう情報が入ってきましたね。
川上:久保のいいときって本当にすごいですよ。この間ちょうど僕、大阪にいて。
中西:ガンバとのゲームですか。
川上:はい。マリノス戦を見ていて。ものすごい2 ゴールでしたよ。
中西:ボレーとヘッドで。
川上:久保を見たかったので残念です。なんか運がないですよね、トルシエのときも。
中西:そうですよね。他にはありますか、今回はここをチェックしたいなって。
川上:あとは中盤ですよね。俊輔。「また、その話かよ」って。
中西:好きですよね。どういうところが好きなんですか。
川上:もう、普通に見ていてワクワクする。
中西:楽しいですよね。自分にはできないことを全部できる。サッカー選手だったから自分にできないものを求めるでしょ、やっぱり。あんなスルーパス出せないしね、フリーキックも無理だし。あとは?
川上:稲本(潤一、フルハム、イングランド)ね。プレミア開幕戦でゴールしてるし。
中西:北澤さんは。
北澤:コンフェデでやっていた4 バックが今回はどうなるのか、ディフェンスラインがどういう形になるのかは楽しみなところかな。どう組んでいくのか。あとは中盤の構成でしょうね。メンツは揃ってるし、構成がどうなのかなって。斜めに出してどうするのか。全員を出すのは難しいから、その辺のあけ方だったり組み合わせが非常に重要になってくると思う。あとは日本代表はどうしても結果を求められてしまうわけじゃないですか。決定力。それが常につきまとうわけで。その辺がどう出せるかなってっところですね。
中西:福田さんは。
福田:決定力。やっぱりフォワードに点を取ってもらいたいですよ。それは絶対。そういう気持ちを持った、大久保と高原が出ると思うけど、日本のなかではそういう気持ちを一番強く持っている2 人だと思うので。やっぱりそれを結果に結び付けてもらいたいね。特に高原は、ブンデスリーガでも点を取ったりしてるので、そういう意味ではやっぱり結果を出してもらいたい。中盤は今言われたように、俊輔もいるし中田もいるって形で、落ち着いて見てられるしおもしろい。そういう意味では最後のフィニッシュを決めてもらいたいなって思います。最終ラインはどうしたらいいかわからない。松田と中澤がいるんだけど、じゃあどうやって使っていくのかなっていうのも見てみたい。代表に入れたんだから見てみたい。どういう組み合わせでくるのかわからないけど。
中西:まあ、あのふたりは同じチームでやってますからね。ふたりセットで使うのもおもしろいかと思います。
福田:それがスムーズでしょうね。
中西:それでは、質問コーナーにいきたいと思うんですが。
客:最近マリノスで、OB対現役っていうのを企画するような話を聞いたんですけれども、それについてはどう思われますか。
中西:OB対現役?
北澤:8 月16日にもマリノスOBとヴェルディOBが試合したんですね。マリノスが中心になって、OB戦を各チームで広げていこうっていうことだと思います。現役とは・・・
中西:現役は無理ですよ。
川上:現役が負けちゃったらシャレにならないですよね。
北澤:でしょ。
中西:勝つつもりですね。
北澤:昨日、OB戦をやったんですけどね、ヴェルディのOBの人たちウォーミングアップのときにしゃべってなかったですよ。
中西:マジですか。
北澤:最初25分ハーフって言われてたんですね。それにも文句を言ってたんですよ。「試合は90分だろ!」って。それから、25分が20分に縮まって「ふざけんな!」って。
中西:もっとやりたいって。
北澤:「俺たちがどんだけ準備してきたと思ってんだ」って。
中西:やりたいんだ。
北澤:結構盛り上がってくると思いますよ。
中西:この間北澤さんの引退試合に出させてもらったんですけど、そのときもみんなでこれはたまにやりたいよねって言ってた。あのときの集まりは強烈でしたから。ああいう試合をやっていけば、盛り上がるんじゃないのかな。
北澤:何よりもそういうのってクラブチームに深まりが出てくるじゃないですか。50年経った頃には、そういう歴史が見えてくるじゃないですか。
中西:それはぜひ、ね。やっていけば楽しいと思うんで。OBの方は前向きですよね、ものすごく。僕もやりたいですよ。フロンターレでもやりたいですけ
どね。まあ、J2なんでJ1に上がってきてもらって。それでは一言ずつ、今日の感想を伺っていきたいんですけど。川上さん、どうでしたか。
川上:僕はもう、見る側の立場なので代表はもちろんですけど、J リーグも見たいなと。スタジアムで見ると全然違いますから。皆さんもぜひ。
中西:そうですよね。福田さん、北澤さんとご一緒してどうでしたか。
川上:ずっと憧れの選手でしたから。
北澤:僕は車の中にCD入ってますよ、スカパラのCDが。
川上:ありがとうございます。
北澤:FC東京ファンみたいだけど。
川上:ヴェルディも大好きですよ! もっといろいろ聞きたいことがあったんですが、おふたりの前で緊張して。さっき質問コーナーで手を挙げようかと思いました。
中西:どうでしたか、楽しかったですか。
川上:この場にいられてうれしいです。なんで俺がいるんだろうって。
中西:そんなことはないですよ。他のジャンルの方にサッカーを語っていただけるのはうれしいですよね。今後ともサッカーのこと、語っていただければと思います。
川上:よろしくお願いします。
中西:ありがとうございました。
会場:拍手
中西:続いて北澤さん、初登場でしたけど。
北澤:ありがとうございました。あっという間で。
中西:早いでしょ、2 時間。
北澤:ええ。
中西:福田さんにも言ったんですけど、最初は「2 時間も? 長げえよ」って。でも終わった後に言ってたんですよ「結構短かったな」って。
北澤:それだけ熱く語れたかなって思うんですけど、もっともっと語りたいですね。
中西:ではまた来ていただけると。
北澤:そうですね。また呼んでください。ナイジェリア戦はもちろん、これからワールドカップに向けてサッカーもJ リーグも盛り上げていきたいと思うし。皆さん一緒になって日本のサッカーを盛り上げていきましょう。今日はありがとうございました。
会場:拍手
中西:最後は脇役の福田さん。
福田:ありがとうございました。
中西:そ、それだけですか。
福田:日本のサッカーを盛り上げていってもらいたいなと思いますね。次のワールドカップに出てもらいたいですし、そのためにはJ リーグが盛り上がらないといけないと思うので。まあ僕らも違った形でサッカーを盛り上げていきたいと思うので。何より多くのサポーターの目というのが選手を勇気づけたり、成長させたりするので、非常に大切な役割があると思います。そういう厳しい目を持ち、日本のサッカーを成長させていってもらいたいなと思いますね。今日はありがとうございました。
中西:ありがとうございました。
会場:拍手
中西:福田さんも北澤さんも、去年まで現役だったんですけど、感じが変わらないですよね。一番現場に近い方ですからね。そういう意味では貴重な話をたくさん聞けたと思います。北澤さんは今日、初めてだったんですけど、初めてのような気がしないのは、恐らく僕たちが北澤さんをトークバトルで語っていたからだと思うんですよね。僕が始めた頃というのは、福田さんや北澤さんは、ここの話題に出ていた選手なんで。そういう選手が引退して、ここに来てくれて。サッカーの喜び、楽しみを語ってくれるというのはうれしいことです。本当にもうちょっと時間があればって、いつも思います。福田さんも北澤さんもおっしゃっていましたし、僕もいつも言うんですけど、ここにいらっしゃる方ひとりひとりが、サッカーを大事に扱っていってくださるとサッカーが広がりを持っていくと思いますし。まあ、この時代に生きたってことは、サッカーを伝えていく役目があると勝手に思って。それぐらいの気持ちでサッカーに接してもらってね、サッカーを育てていってほしいし、文化にしてほしいですね。皆さんもその役目を会社なり学校なり家庭なりで担っていただければ幸いです。今日は本当にありがとうございました。

取材・文:CREW
撮影:山口裕朗