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ラグビーワールドカップ予選プール終了直後の10月30日、清宮・今泉の早稲田大首脳陣を迎えてトークバトルVol.30が行なわれた。テーマは「どうなる!? ジャパンラグビー」。ワールドカップの総括、日本ラグビー界への提言を余すところなくお届けします。

ぴあトークバトルVol.30
「どうなる!? ジャパンラグビー」

前編

<ホスト>
中西哲生(なかにしてつお、スポーツジャーナリスト)
'69年、愛知県生まれ。同志社大から'92年に名古屋グランパス入り。'97年に川崎フロンターレへ移籍してからはキャプテンをつとめ、'00年にJ1昇格を果たした。Jリーグ通算95試合7得点。現在はスポーツジャーナリストとして「ズームイン!!SUPER」(日本テレビ系)、「ニュース23」(TBS系)などに出演中。

<ゲスト>
清宮克幸(きよみやかつゆき、早稲田大学ラグビー蹴球部監督)
'67年大阪府生まれ。茨田高3年時に花園出場。早大2年時に日本選手権優勝、4年時には主将として学生日本一に輝く。卒業後、サントリーに入社。'01年、現役を引退して早稲田大監督に就任し、同年12月関東大学対抗戦で11年ぶりの優勝。'02年1月の全国大学選手権準優勝、'03年は優勝に導いた。

今泉清(いまいずみきよし、早稲田大学ラグビー蹴球部コーチ)
'68年、大分県生まれ。大分舞鶴高から早稲田大学へ進み、1年時からレギュラーを確保し。'88年、'90年の大学日本一('88年は日本選手権も制す)に貢献し、今年1月大学卒業後はサントリーに入社して活躍した。現在は早稲田大の1年先輩にあたる清宮克幸監督のもとコーチを務め、母校を13年ぶりの大学日本一に。


中西:ぴあトークバトル、スポーツ快楽主義2003、VOL.30『どうなる!? ジャパンラグビー』。今日はワールドカップ日本代表の戦いぶりを振り返るところからいきたいと思いますが、みなさんもご覧になりましたよね。僕は率直な感想として、すごく頑張ってくれたなという気持ちが強いです。選手とも話しましたが、これからまた先があるので頑張っていきたいと言ってましたし。僕は、下を向くような結果だったとは思いません。今日は清宮監督と今泉さんがいらっしゃってますから、専門家の方にいろいろな話を聞いてみたいと思います。とても楽しみですね。それではゲストの皆さんをご紹介したいと思います。まずは、トークバトルには2 回目の登場となります。早稲田大学ラグビー蹴球部コーチ、今泉清さんです。
会場:拍手
今泉:皆さんこんばんは。
中西:固いですね、今日は。
今泉:仕事帰りなんで。先程まで営業トークで。
中西:これからラグビートークに切り換えて。
今泉:はい。熱く、熱く。
中西:そうは言いつつも、前はもっと柔らかかった気がするんですけど。
今泉:いやあ、あの。話の議題が議題だけに、僕も真剣に構えなきゃと思って。
中西:それと今日は監督、先輩が・・・
今泉:監督がいますから、下手なことは言えないなと。
中西:何でですか。下手なことっていつも下手なこと言わないじゃないですか。
今泉:あくまでも決定権は監督にありますから。会社だってそうじゃないですか。社長の決定権があって。
中西:今日は早稲田の監督とコーチとしてじゃなくて、一ラグビージャーナリスト的なコメントを聞きたいです。
今泉:そうですよね。そう言っていただけると私も楽です。どうしたって、先に早稲田の監督清宮克幸、コーチ今泉清っていうのがありますんで。
中西:それは違います。今日は個人的な意見をぜひ。清宮さんに負けないように。
今泉:お願いします。
会場:拍手
中西:それでは、今回トークバトル初登場、楽しみにしていた方、たくさんいるんではないでしょうか。早稲田大学ラグビー蹴球部監督、清宮克幸さんです。
会場:拍手
中西:こんばんは。僕は今日初めてお会いするんですけど、ちょっと控室でお話しまして。オーラ出てますよね。
清宮:どうですかね。
今泉:僕のこの態度を見ていただければわかるじゃないですか。
中西:挙動不審ですもんね、何か。
今泉:いやもう、早稲田の先輩後輩の仲ですから。
中西:僕はブラウン管を通してですとか、スタジアムで監督の姿を何度も拝見してるんですけど、近寄りがたい雰囲気があったんですよ、けっこう。
清宮:よく言われるんですよね。
中西:それでさっきお話をして、イメージがパッと変わったんですけど。あとはやっぱり清宮さんの理路整然とした話を聞きたいと思っていらっしゃる方、今日はいらしていると思うので。ガツンとでもいいですし、優しくでもいいですので聞かせてください。
清宮:そうですね。
中西:よろしくお願いします。
会場:拍手
中西:今日は3 人なんで、じっくりお話ししていただける時間があると思いますので。ちょっと挙動不審ぎみな方もいますが。
今泉:そのうち慣れれば。
中西:慣れてるじゃないですか。一緒にテレビ出てるじゃないですか。さあ、今日は3 つテーマを用意してます。「ワールドカップ2003」を振り返って。2 つ目が「ジャパンラグビートップリーグ、大学ラグビー展望」。そして「ワセダクラブとは」。今日は早稲田の方をお2 人お招きしておりますので、そういった話を聞いていきたいんですが。それでは、最初のテーマにいきます。一応ワールドカップ2003について、5 つほど質問をご用意しました。質問を聞いて「yes 」「no」の札を上げていただきます。それで、内容を話してもらおうかなっていう形にしていきたいんですが。それでは最初の質問、いきたいと思います。第1 問「ワールドカップ2003、ジャパンの戦いぶりに憤慨している?」。

質問清宮氏今泉氏
1:ワールドカップ2003、ジャパンの戦いぶりに憤慨している?NoNo
2:ワールドカップ2003、ジャパンは力を出し尽くした? YesYes
3:今回のワールドカップで、ジャパンが進むべき道が見えた?YesYes
4:いずれは、自分がワールドカップ日本代表を率いたい?YesYes
5:イングランドやニュージーランドなど、世界最高峰のラグビーを見ていると日本にも取り入れたくなる?YesYes
6:小野澤も魅力的だが、日本最速はやはり大畑だ!YesYes
7:トップリーグ初年度はサントリーが本命だ!YesYes
8:トップリーグ開幕で、日本ラグビーの未来は明るい!NoYes
9:大学ラグビーも面白さでは負けないYesYes
10:今年度の大学選手権も、「荒ぶる」を歌えそうだYesYes

清宮:「戦いぶり」には憤慨してません。「戦いぶり」にはね。
中西:僕も「no」です。それではちょっと下げていただいて。いきなり出ました。「戦いぶりには」って言ってましたけど。結局全敗という形だったんですけど、戦いぶりについてはどうですか。満足されてますか。
清宮:満足してます。みんな体張ってますし、自分たちはこういうことをしなきゃいけないっていうのが、プレイを見てて伝わってきましたんでね。
中西:個人のプレイにかける意気込みとか、一つ一つのプレイに対してプラスα気持ちの入ったプレイをしてたんで、そこに対しては僕もすごくよくやってくれたなって言うか。そう言ったら失礼ですけど、本当によく頑張っていたのが見えたので、よかったなって思うところがたくさんあったんですけど。今泉さんはどうですか。
今泉:行く前はいろいろとあったみたいですけど。まあ、いろいろな噂がありましたし。
中西:どういう噂ですか。
今泉:今日はきますね。
中西:いやいや。
今泉:チームがまだまとまってなくて。
中西:何か言いたそうですね。
清宮:今日はカメラとかないから、大丈夫だよ。
今泉:あまり外に洩れないということで。
中西:まあ話せる範囲で構いませんから。
今泉:直接代表選手と話をすれば、チームとしてどういう方向性で攻めていきたいのかわからない、あるいはプランがないと。ただ、試合の日にちが決まってて、集まって、コンビネーションを合わせて、それで試合に臨むような状況が続いていたと。
中西:コンディショニングと、試合に対する準備だけで終わってた。それ以前の部分がクリアじゃなかったってことですか。
今泉:要は相手のチームはこういうチームだから、戦略的には日本代表としてはこういうふうに攻めていかないといけない。そのためにはどういうサインプレイをしなきゃいけないか、どういうディフェンスシステムにしなきゃいけないのかっていう落とし込みがないまま始めてた。要は上からそうやって落とされてきてない。
中西:具体的に指示があんまりなかったってことですか。
今泉:そうですね。スタッフから、そういう落とし込みがない。こういうふうに戦えという指示がない。ただ抽象的にタックルは低く入れ、ボールを外に展開しろ。じゃどうやって外に展開したらいいのか、どうやって相手を止めたらいいのかっていう具体的な落とし込みがなかったというところで、もう、自分たちで作っていこうと。逆に選手の方が危機感を持って動き出したと。それが今回のワールドカップを見ると、最終的にいい方向にまとまったのかなと私は思います。
中西:その他の部分の、戦いぶりについてはどうですか。
今泉:個人がみんな体を張ってましたし、前に出てよくタックルしてました。そういうプレッシャーがあったので、スコットランドにしてもフランスにしてもよくミスをしてました。本当によくやったと、日本の魂を見せてくれたという感じが僕はしましたね。
中西:さっきちょっと控室で話をしたときに、初戦のスコットランド戦、僕も思ったんですけど、あわよくば勝てたんじゃないかなってゲームだったんじゃないかと思いますけど。今泉さんもそうおっしゃっていましたけど、その辺はどうですか。
今泉:本当にスカウティングをして、相手のチームの戦力を分析してですね、どこが強くてどこが弱いのか全部わかって、日本としてどこをどう攻めるのか具体的に決めてやっておけば、あの試合は勝てたと思います。実際、それがないままにやったんですけど、15対11というロースコアでずっときた。
中西:途中までかなり追い詰めてましたよね。
今泉:やっていくなかで、選手たちが自分たちもできるんだと、こんなにできるんだとどんどんどんどん自信をつけてきた。あの自信のある状態で最初っからスコットランドに臨んでいたら、勝てたんじゃないかな。
中西:終わった後の自信のある状態で、あり得ないですけど、スコットランド戦に臨んでいれば、勝つ可能性も十分にあった。清宮さんはどのようにご覧になっていましたか。
清宮:要所要所ではよく頑張っているんですけど。僕は実は現場で見てたんですね、あの試合は。サポーターの人たちと一緒に。僕たちの周りには200 人ぐらいの日本人がいて。で、なぜか静かなんです、その一角は。僕は黙ってじーっと見てたんですけど。サポーターの人が、「清宮さん、今日の試合ってどう感じればいいんですか」って聞いてきて。
中西:それは試合が終わった後ですか。
清宮:はい。「どうなんですか、今日の試合は」って言うから、僕は素直に「フラストレーションの溜まる試合でしたね」と答えたんです。で、「やっぱりそうですか。僕だけじゃないですよね」って、その人はホッとしたような感じで去っていたんですけど。何でフラストレーションが溜まる試合だと感じてしまったかというと、相手がどうのこうのじゃなくって、自分たちがこう、簡単にできることをあの試合ではできなかったんです。
中西:具体的に。
清宮:例えば、キックを蹴る。キックを蹴るプレイって相手は関係ないですよね。
中西:メンタルな部分と技術ですよね。
清宮:キックを蹴るという一つを取っても全然前に進まないんですね。キックミスをする。相手がいないのにボールを落とすのもそうだし、ラインアウトで誰も張っていないところに投げれない。ディフェンスがいるところにわざわざ投げるのが、スタンドからよく見えてしまう。別にスコットランドだろうがオールブラックスだろうが、相手が早稲田だろうが、どのレベルがきても確実にできることをしっかりやってくれなかったから、フラストレーションが溜まっちゃった。
中西:できなかったのか、プレッシャーがかかったのか。どういう理由なんですか。
清宮:その場で力が出せないってことは、チームとしての実力であるんですけど・・・。
中西:やはりワールドカップという大舞台において、普段通りの力を出すっていうことについては、今のジャパンはなかなか厳しい状況なんでしょうかね。
清宮:そうですね。第1 戦だけじゃなく、第2 戦、第3 戦、最後の試合も全てそうなんですけど、たぶん日本人同士でやっていればあり得ないミス、あり得ない判断ミスっていうのがいくつもあるんですよね。要は、いつもだったら簡単にできることが、あの場面でできない。それは極度の緊張だったりとか、ビッグゲームだということが大きなウェイトを占めているんですけど、でもそれを出せるようにしてあげることが、監督というか、チームの力であるし。それができて初めて世界の土俵に出れるという感じを持ってますね。
中西:サッカーの場合、世界の話なんですけど、やっぱり日本代表もね、ワールドカップに出るのが当たり前になってきたとか、自分たちより世界ランクの低いチームに負けると、いろいろ言われるようになりましたよね。フランスワールドカップに出る前までは、世界の舞台でどういったプレイができるかできないかっていうことに関してはもう、非常に厳しい状況だったと思うんですね。例えばこの間日本代表はヨーロッパで試合をしたんですけど、あまりミスはしなくなったんですよね。それっていうのは、中田(英寿、イタリアセリエA・パルマ)選手を始め日本代表の選手が海外でプレイしているのを見て、日本の選手でも、海外の一流選手と対等にやれるんだっていう意識を持ち始めて、ミスっていうのがすごく減っていったと思うし、それが当たり前のようにこなせるようになったと思うんですけど。やっぱりジャパンの選手が自信を持つことによって変われる部分っていうのはあるんですかね。
清宮:それとまあ、ああいうシチュエーションのことが起こるから、こういう練習をしようっていう練習メニューをずっとやれてたかっていうことですよね。
中西:試合のための練習だったかということですか。そして第2 問,「ワールドカップ2003、ジャパンは力を出し尽くした?」。これはまあ、先程と変わらない部分なんで、出し尽くしたことになるかと思うんですけど。特にチームのなかで力が出せた選手は誰ですか。世界でも通用するなって感じた選手、今回特に目立った選手というのは。
清宮:ディフェンスは何人かいい選手がいましたね。辻(高志、NEC グリーンンロケッツ) 君とか大久保(直弥、サントリーサンゴリアス)君、箕内(拓郎、NEC グリーンロケッツ) もいいプレイはしてました。バックスはちょっとダメでした、ディフェンス面では。
中西:オフェンス面ではどうでした。
清宮:局面の伊藤(剛臣、神戸製鋼 コベルコスティーラーズ)君のプレイ。キックオフの精度とかジャンプ力とか、なかなか目の見張るものがあったし、よく言われているサイドアタックとかも。使い方がね、チームとして。
中西:場所とタイミングが。
清宮:うまくないですね。うまく使っていれば相当な武器になったでしょうね。
中西:それはやっぱり今後積み重ねていける部分ですか。
清宮:それは使いようなんで。もっと違うオプションがいっぱいあればね。そのオプションを隠して、ここってときに使えたのに。簡単に何でもかんでも伊藤で攻めてたんで、その辺はやっぱりゲームプランがなさ過ぎるなと感じがしましたね。
中西:いろんなパターンを持っているなかで、それを一番大事なときに使えるような戦術を取っておけばってことですね。
清宮:そうですね。
中西:今泉さんはどうですか。今回この選手はよかったなっていうのは。ワールドカップに入って、力を見せて、一皮むけたかなっていう選手はいますか。
今泉:今、清宮さんが言われたように、やはり目立つのは伊藤剛臣のアタック、箕内のディフェンス。それと、アンドリュー・ミラー(神戸製鋼 コベルコスティーラーズ)のステップでゲインラインを何回か突破したのがありましたけど、そこが予定されてたんじゃなくて、突発的に起きるので、なかなかチャンスにつながっていかなかったのがありましたので。このタイミングでミラーが縦に入る、そのときにサポートランナーは誰がいるっていうのが、プランとしてあれば、もっとうまくいったのかなって。局面的にはいろいろあったんですけど、それがつながってないなっていうのが残念だなと。
中西:今の話を聞いていると、ゲームプランとしてもっといろんなバリエーションを持っていて、自分たちの武器を認識して、その武器を使うタイミング、武器を使う場所っていうのを理解していればもっともっとやれたと考えてもよろしいんですかね、清宮さん。
清宮:それを成功するための前提としては、当たり前のことを当たり前にすることが先にあるんですよ。
中西:イージーミスを減らすってことですね。
清宮:自分たちが最低限やらなきゃいけないことをやった上で、じゃあ次は何をしようかっていう手が出てくるんで。そういう意味では、用意してたかもしれないんですよね、今回のジャパン。ただそれがね、僕の元同僚の某フッカーがラインアウトスローで、曲がって投げてしまったりとか。準備していたものが全然出せなかったっていうのはあるでしょうね。あと、最後の試合でもゴール前のスクラムから、何かスペシャルなことしようとしたんだけど、フッキングが出なかったっていうのがあったりね。フッカーがボールに足を当てれなかったっていうのがあって、チャンスを潰していたりとか。だから、あながち本当に準備をしていなかったかっていうのは、僕は現場に入っていないんでわからないんですけど、明らかに自分たちがやろうとしていたことは3 割ぐらいしかできていない。
中西:そして3 つ目の質問にいきたいんですが、「今回のワールドカップで、ジャパンが進むべき道が見えた?」。どういう方向性で行くべきかっていうことなんですけど。
今泉:日本人特有の動きってあるんですよね。ラグビーってボールを持ってからじゃないとディフェンスに行けないので、もうフェイス・トゥー・フェイスのところに来ても、タックルに入れないわけですよ。ですから、ボールをもらう前の動きっていうのが、けっこう通用してたなっていうのがあったんですよ。フランス戦のジョージ・コニア(NEC グリーンロケッツ) のトライにしても、スコットランド戦の小野澤(宏時、サントリー サンゴリアス)のトライにしても、ボールを持っている選手とボールを持たない選手の動きっていうのが、画面ではちょっとわからないですけど、微妙に変化するんです。
中西:どういうところですか。
今泉:スペースをめがけて入っていく。そのスペースを狙うふりをして実は外に体を引っ張っていく。それに対して、ボールをもらう。ボールをもらったときに、すでに体が半ズラしで、相手ディフェンスのポイントがズレている。そこがけっこう狙ってたなっていうのがあったんですよ。
清宮:狙ってないよ~。
会場:笑い
清宮:たまたまそうなっただけだろ。
今泉:は、はい。
中西:狙ってないですかね。
清宮:狙ってないですね。それが日本人が持つ強みだっていうのは認識してますけど。
中西:日本人が持ってる強みっていうのは、ボールをもらう前の動きってことですか。
清宮:それをね、やらなきゃねって言ってるのは耳に入ってきます。でも、そういうことをやってたかって言うと、たまたまそうなっただけだよ。
今泉:はい。
清宮:大畑とかね、自分の動きの癖で、ボールをもらう前にチョイと50cmぐらい動く。
中西:スライドしますよね。
清宮:それを取り入れてチームとしてのアタックに入れたかというと、入れてない。
中西:あくまでゲームプランのなかでそういうのがあるから、それを活用しようというわけじゃない。今泉さんも、進むべき道、日本特有の動きがあるとおっしゃったじゃないですか。それをどういうふうに生かしていったらいいんですかね。
今泉:私が理想としていたのは、トヨタにいた朽木(英次、トヨタ自動車監督)さんっていうセンターなんですけど、ボールをもらう前に外に引っ張っていって、ボールを取ったときにはもう相手を抜いてるっていう状況がよくあったんです。それを一つのバックスのオプションとして、裏表というサインで作っていたらもっと。今、ディフェンスが横一列に並ぶので、どうしてもまっすぐ入っていけば潰されるんです。それを相手の体を横に動かさないとスペースってできてこないんですよ。それをボールをもらう前にわざわざ外に行きますよって外に引っ張っておきながら、ボールをもらったときにはインで入ってくると、若干のスペースに体半分入っていけるんですよ。そういう部分をバックスもフォワードもできるようになれば、もっと世界に通用するなとか思いますね。
中西:今言ったみたいに、相手のディフェンスをそんな簡単に破れない、今回のワールドカップみたいになってきて、そのなかで、日本人特有のボールをもらう前の動き、それからボールをもらってからの俊敏性というのを少しずつ取り入れていくってことですかね。
今泉:ボールをもらってスペースに入っていくんですが、感覚的にはパスで相手を抜く。
中西:それは清宮さん、日本が持ってるアドバンテージなんですかね。
清宮:うまいと思いますね。あんまり他の国はやらないですからね。
中西:それはやらなくても突破していけるからなんですか、彼らは。
清宮:そうなんじゃないですか。
中西:力もあるし。
清宮:時間がかかるんですよ。ミスも多くなるし。点でしか合わないんで。
中西:よりリスクを背負う。でもリスクを背負わない限り、ラインは破れないですよね。体格的にも大きいし。
清宮:そうですね。でも、体格が全てじゃないと思いますけどね。
中西:清宮さんは第3 問「今回のワールドカップで、ジャパンが進むべき道が見えた?」に「yes 」なんですけど。
清宮:どういうものを作るかというところは本気に考えてないんで。人のことなんでね、日本代表は。今僕の口からね、こういうことをやった方がいいっていうのは、さすがに言えないんですよ。ただ進むべき道としては、今回4 試合戦って、あれをしとけばよかった、これをしとけばよかったって必ず思ってるんですよね。
中西:思いますよね、結果論として。
清宮:日本人はこれが足りない、あれが足りないっていうのを今回学んで、身を持って経験したわけですよね。それを直ちに・・・
中西:解析ですか。
清宮:解析分析することはもういいんです。そりゃ簡単ですから。それを今回の、メンバーたちにもう一回招集をかけて、しっかり自分たちのものにしてしまうとかね。別に4 年後を待たなくても、やってしまえばいいなって。
中西:体にしみ込んでいるうちに。
清宮:本来、あのぐらいの分析は終わってるんです、1 年前に。で、1 年前に今回問題に出たことを、チームとしてやろうってわけですよ。1 年間準備して、試行錯誤して、今回のワールドカップにぶつかっているはずなんですよ。
中西:1 年前にもういい準備を。
清宮:今回の4 戦終わった後の状態がね、もう1 年前にあるんですよ、実は。
中西:それぐらいの可能性はあった。
清宮:そう。
中西:極端な話、4 年後にワールドカップがあるんですけど、今すぐその部分を日本代表に指導していかなきゃいけないというか。
清宮:やらないと、また4 年後同じですよね。
中西:今言った以外のことで、ここは改善しなきゃいけないなってところはありますか。
清宮:A というサインを出してて、ディフェンス側がB というディフェンスをしてくるだろうと思ってて、でも本番に出たら、A で並んできたんですよ。でもサインはA だからAやんなきゃいけないってサインを出して、その通りやるんですよ。だから、僕が毎日のようにチームで言っているのは、相手の動きを見て、サインていうのはあくまでも。
中西:約束事ですよね。
清宮:最初にこうしようってことであって、相手がこうなったら、こっちに行かなきゃいけないんですよ。それをできるようにすることがチーム力であり、監督の仕事だと思う。でもそれはすごく時間がかかることなので、4年後とはいわず、このトップリーグが終わったらすぐに招集かけて、日本協会さんはお金持っているみたいだから、とっとともう一回、フランス、スコットランド遠征して帰ってくればいい。
中西:試合して。その問題点を。
清宮:サッカーだったら、ワールドカップが終わったらすぐに新しいチームを作って。もう課題とか出していってるんでしょ。4 年後、3 年後はこうあるべきだ。それに向けてずっとプランがあるんですよね。
中西:一応、新しい監督になってそこから。
清宮:もう、何回か確実にテストマッチやっていくわけですよね。
中西:やっていかないと間に合わないですからね。チーム作るのってけっこう時間かかるんで。しかも予選がもう1 年・・・1 年もないか、3 カ月後ぐらいにはで始まるんで。
清宮:そうですね。
中西:いい準備をすることが次のワールドカップに向けの一番大事な。2007年ですか。
清宮:さっき控室でね、サッカーとラグビーの違いとか、本質的にこれは同じだねって話をしてたんですよね。で、代表の強化は全く同じだと思うんです。サッカーは先人ですよね、ラグビー界に比べたら。サッカーがやっているレベルの事は、最低全部ラグビーも一緒にやろうよという感じで、追いかけていけばいいと思うんですよね。で、もしそれでお金がなかったら、サッカー協会からお金借りればいいんですよね。
中西:確かにサッカー協会はね。
清宮:川淵(三郎、財団法人日本サッカー協会キャプテン)さん、どこに金をばらまこうか迷ってね、悩んでるってお話ですからね。
中西:川淵さんもラグビーがお好きだそうですからね。
清宮:大好きですね。
中西:サッカーに似ている部分は間違いなくあるんで。僕は一緒に合宿とかやってほしいんですよ。けっこういい刺激になと思うんで、お互い。やっぱり同じ日本代表ですし、世界レベルでできることとできないことの判断とかね。さっきも清宮さんと話していたんですけど、サッカーのディフェンスのやり方と、ラグビーのディフェンスのやり方ってほとんど一緒なんですよね。僕も聞いてびっくりしたんですけど、ゾーンで守ったり、マン・ツー・マンで守ったりいろいろ細かいことはあるんですけど、意識はやっぱり一緒なんだっていうことがわかったんで、そういうことは絶対プラスになると思います。
今泉:特に日本の場合は、一つのスポーツしかできないシステムじゃないですか。ニュージーランドに行くと、夏はクリケット、冬はラグビー、サッカーやりますから。例えばニュージーランドの代表にジェフ・ウイルソンっていう選手がいたんですけど、ニュージーランドのクリケット代表でもあったんです。
中西:アメリカに行けば、大リーガーでありながらアメフトやって。
清宮:俺もプロゴルファーなろうかと思ったよ。
中西:ラグビー選手をやりながら。
清宮:そう。シーズンがちょうどズレてるから、いけるんじゃないかって。
中西:本気でゴルフやってたんですか。
清宮:やってない。
中西:なぁんだ。ラグビーは特に競技的にもサッカーと似てますしね。僕は栗原(徹、サントリーサンゴリアス)君と飲んだりしますけど、サッカー選手にキックを習えば良いのではって、バカだから思っちゃうんですけど。でも、それも何かヒントになんのかなって思ったりとか。
今泉:ちょうど今、早稲田のスポンサーをやってくれてるアディダスがですね、CMでイングランドのスタンド・オフのジョニー・ウィルキンソンとベッカム(デヴィット、スペイン・レアル・マドリー)が、キックを蹴るシーンがあるんですけど。まさに今話したようなことを、すでにもう見せたりしてますんで。実際に交流すれば、もっとお互いにわかるところってあると思うんですよね。サッカーはそうやって蹴ってるんだ、ラグビーはそうやって蹴ってるんだって。もっと積極的に。
清宮:大学はあるよね。僕は教育学部体育学専修というところを出てるんですよ。で、クラスメイトにいろんな体育会系がもちろんいて。
中西:いますよね。
清宮:クラスメイトに小宮山(悟、メジャーリーガー)とかね。サッカー部とかウェイトリフティングとか、みんな学生チャンピオンになっている人、いっぱいいるんですよ。体育のサッカーの授業って言ったら、サッカー部の、ヤンマーに入った奴とかエスパルスに入った奴とか。
中西:同期は誰ですか。
清宮:松山(吉之、名古屋グランパスコーチ)とか。
中西:けっこういますよね、早稲田。後輩にもいますよね。
清宮:けっこういます。サッカーを教えてもらいましたよね。こうやって蹴るんだって。じゃあ、ラグビーボールを持てきて、プレスキックはこうやって蹴ればいいとかね。小宮山とキャッボールして、カーブはこう上げるんだよって。それはあまりラグビーには生きないですけど。
中西:でもそういうのは。
清宮:よく体育会系のなかでやってましたよ。レスリングの奴とタックルの練習とかやるんですよ。そいつも当然、レスリングでチャンピオンになってた、日本チャンピオン。160cm ぐらいしかなくて。お前ぐらい余裕で押さえこんでやるよって。でもやってみると、全然歯が立たないですよね。
中西:ホントですか。倒されちゃうんですか。
清宮:倒されるし、バック取られるし。こういうタックルがいいだろ清宮って、教えにくるんですよ。体がここで、こう力をかわすんだとか。そういうのをずっとやってました。
中西:いいっすね。
清宮:だからラグビーの練習にレスリング部の練習メニューが入ってきたりとか、やってましたね。
中西:日本のスポーツが世界と戦っていく上ではすごく必要な結束かもしれないですね。次の質問、核心に迫っているんですけど、第4 問「いずれは、自分がワールドカップ日本代表を率いたい?」。「YES 」を上げてくださいよ。
清宮:コメントしたことないんですけど、どこでも。
中西:とりあえず上げてくださいよ。
会場:拍手
中西:僕だって率いたいですよ。サッカーの日本代表率いたいですもん。あり得ないですけど、僕は。
清宮:率いたいとは全然思ってなかったんですけど。
中西:思ってなかったんですか。
清宮:思ってなかったですね。ただ、生でワールドカップ見ちゃったから。
中西:見ちゃったらどうなっちゃったんですか。
清宮:いやあ、やっぱりいいじゃないですか。2 試合見たんですよ。オールブラックスとイタリアの試合をメルボルンで見て。その後タウンズビルに行って、ジャパンとスコットランドを見たんですけど。本当にこう、何て言うかな、世界の舞台はこれかぁみたいな。試合に感化されたわけじゃなくて、その雰囲気に。
中西:まだ、予選リーグですよね。
清宮:決勝戦みたいでしたよ。7 万人入ってました。
中西:鳥肌立ちますよね。逆に、率いたくないと思っていたときは、何でそう思っていたんですか。
清宮:あんま魅力がないからですかね。
中西:日本代表自体に、まだ。
清宮:はい。
中西:でも、やっぱりすごく魅力を感じた理由は、ワールドカップの雰囲気ってところですか。じゃあ、この1 カ月ぐらいで劇的に変わったということですね。
清宮:そうですね。
中西:今泉さんは知っていたわけですよね。
清宮:言ってないですよ。今ここで、初めて言いました。
今泉:遠征には一緒に行きましたけど、オーストラリアに。今のは初めて聞いた。
清宮:僕と2 人でいると、勝手にずーっとしゃべってるんですよ。僕がしゃべろうかなって思っても、機関銃のようにガーッときてますから。
中西:そうなんですか。
今泉:まあ、いろいろと。
清宮:ずーっとしゃべってますよ。
中西:何をしゃべってるんですか。
清宮:いやもう、宇宙人の話から。
会場:笑い
中西:何でオーストラリアで宇宙人の話、するんですか。
清宮:何でも来いですよ。ザ・雑学。
中西:でも僕、一緒に飲みに行ったりするんですけど、あんまり宇宙人の話とかイラクの話とか出ないんですけど。今泉さんは、今、どっちを上げたんですか。
今泉:え。私は「yes 」です。
中西:率いたいですよね。
今泉:気持ちはあるんですよ。実際できるかどうかはわからないですよ。
中西:わからないじゃないですか。伝説のフルバックなんですから。
今泉:過去じゃないですか。
中西:それは清宮さんだってそうじゃないですか。
清宮:僕はまあ、あれですけど。彼ね、たかだかプレスキックじゃないですか。いやいやそうなんです。あれ、誰が蹴ってもいいんですから。
中西:そういうことは。
清宮:それで、コイツがプレーヤーとしてどうだったかは置いといて、キック一つで会場、当時5 万5000人満パンになるんですけど。キックで会場の5 万人の掛け声、野次もあったと思いますけど、声を掛けられる選手ってそうはいないと思いますね。
中西:僕が見ていて、とんでもなくすごかったですよ。
清宮:コイツがすごいんじゃなくて、声を掛けられるこいつがすごかった。
今泉:褒められてんだか、けなされてんだかよくわかんないですけど。
清宮:お前はただ蹴ってるだけじゃない。
今泉:それがまあ、仕事でしたからね。
清宮:ラグビー界でね、それほど声援を受けた選手ってコイツだけですよ。あと松尾雄治(元日本代表、元新日鉄釜石)さんが引退するとき、足をひきずって拍手されたけど。
中西:そのキックは入るキックですよね。
今泉:あんま入らない。
中西:何でですか。
今泉:けっこうあれですよ。あのとき5 歩下がって4 歩やるんで、時間があくんだけど。
中西:わかってますよ。みんな数えてたじゃないですか。
今泉:みんな疲れてると、あれで休めるから。
中西:みんなで「1 ~、2 ~、3 ~」って言ってたじゃないですか。僕見てました。
今泉:会場の皆さんは知ってる?
中西:たぶん知らないんじゃないですか、10年以上前ですよね。
今泉:13年ぐらい前。
清宮:愛すべき男ですね。
中西:今率いたいっていう気持ちがあるっていうのは、清宮さんと近い部分なんですか。それとも俺がこうするみたいな。
今泉:やっぱり今の日本代表を見ていると、戦う姿勢っていうのがあまり感じられないなと。もし自分がスタッフで入れたら、戦うっていうことはこうだよっていうことを浸透させていきたいなって。
中西:具体的には?
今泉:今年、ニュージーランドの学生代表が来たんです。で、ニュージーランド特有の試合前のハカってありますよね。日本選抜はそれを受けなかった。でも早稲田の学生は、腕を組んでいって、前に出て行って、目の前でニュージーランドのハカを受けたんです。それは僕らが10人制の日本代表のとき、マレーシアでマオリ代表に予選で勝ったんですよ。そうしたら、決勝でもう一回当たって、向こうがそのハカを本気でやってきた。そのときに僕ら前に出ていって、目の前で、相手にツバをかけられ、殴られながらも受けたっていう覚えがあって。戦うっていう姿勢というのは、そういうものだと話していたので。ただ、あって見てるんじゃなくて、俺たちは負けないぞと。そこからもう始まっているんだというのを意識として浸透させていきたいなと。それをやってうまくいったかどうかはわからないですけど、早稲田はニュージーランドの学生代表に勝ちましたから。
中西:そういう意識を持つ、注入したいっていう気持ちがある。清宮さんは今率いたい気持ちがあるっておっしゃいましたけど、ただ、漠然とした気持ちでやりたいっていう気持ちになったっていう段階ですか。
清宮:「yes 」、「no」で聞かれたら「yes 」。
中西:すごく大きな一言ですよね。
清宮:でも、選ぶのは僕じゃないし。僕っていうか、誰か知らないけど。
中西:今までだったら、もしオファーを受けてもやらないって言ったわけですよね。
清宮:そのまんま答えたことはないです。
中西:じゃあ今後オファーされたら、受けてもらえる感じなんですか。
清宮:まあ、どうでしょうか。
中西:いやいやいや、はぐらかして。
清宮:やりたいとやるとは違うと思うからね。
中西:まあ、そうですけど。タイミングもあるし、そのときの自分の状態もあるし。
清宮:今監督が変わっても、何も変わらないので。
中西:ラグビー界全体がどういうふうに進んでいくかってことがやっぱり大事ですか。
清宮:そうですね。サッカー界の真似をしないといけないよ。
中西:サッカー界もいきなりこうなったわけじゃなく、一歩ずつ階段を上がってきて。
清宮:向井(昭吾、前日本代表監督)さんを見てると、あれじゃあ誰も力出せないよって感じですよね。あの状態で監督を受けてしまったことが、今回、結果が出なかったことっていう気もしますが。もし僕だったら、同じ状況では絶対にやらないですし、同じ回答を出してないと思いますけど、結果は別にしてね。でも、時間かかっちゃいますよね。
中西:何が一番足りなかったんですか。代表強化日程とか?
清宮:いや、そういう日程とかは枝葉の話で、監督っていうのは、プレイも見れば、チーム全体のマネジメントをやる人。でなければ、強化につながらない。
中西:全権委任っていう。
清宮:そうですね。我が愛する阪神タイガースの前監督、星野(仙一)さんのように。
中西:選ぶところも含めて、チームコンセプト作る上での。
清宮:金の使い方も含めて。
中西:海外遠征もどこに遠征して、どことテストマッチするか、そういう日程調整も含めて、全てを委任。
清宮:それを約束できれば、ちゃんと監督としての仕事は果たせるんじゃないかな。
中西:監督の仕事を果たせる段階までいってなかった。やっぱり日本のサッカー協会自体も、清宮さんがすごくいいこと言ってくださいましたけど、段階を経てきていると思いますし。ドーハの悲劇でワールドカップに出られなかったときからちょうど10年間、今劇的に変化したわけですけど。今回のワールドカップで敗退したことをやっぱりよかれと思わず、変わっていってほしいと思う。
清宮:ドーハの悲劇と今回の4 連敗はね、イコールの結果を導き出せるものだと思ってるので。
中西:進んでいく先が見えたっていうのもありますよね。この舞台でもそうですし、いろいろなところで皆さんがメッセージを発信していくことによって、可能性をすごく感じたわけじゃないですか。近くにサッカーというすごくいい見本があると思うんで。うまくリンクしていくのも、清宮さんと同じで、一つの手かなと思って。
清宮:僕は絶対にそう思いますね。あと、やっぱりラグビーをやっているプレーヤーだけじゃなくって、応援しているサポーターたちも何かアクションを取らないと何も変わらないと思います。ラグビーを盛り上げられないって言ってるけども、NHK 公共放送に対して、何か動きましたかみたいなね。例えばサッカーのワールドカップで、放映権が高いから放送しませんって言ったら、日本中のサッカーファン、NHK に苦情、クレームでしょ。
中西:当然、そうなるでしょうね。
清宮:ところが、世界の三大イベントと言われているラグビーのワールドカップを全く無視するNHK 。NHK の方いらっしゃないですよね。僕は義理の親父がNHK なんです。
中西:それはフォローに入ってるんですか。
清宮:ラグビーを愛する人として、やらなきゃいけない行為だと思うんですよ。何で放送しないの、何でスポーツニュースでさえ扱わないんだ。
中西:今回第1 戦が生放送じゃなかったっていうのは、地上波がね、僕はショックでしたね。CSであれば生放送で見られる環境にあったと思うんですけど。やっぱり地上波でも生放送で見られるようになってほしいなっていうか。大学ラグビーだけじゃなくて、トップリーグだけじゃなくて、いろんなところでいろんなアクションを起こして、日本代表に対して負けたら監督代えろとかっていうのも、当時のサッカーサポーターはしてましたし。やっぱり厳しくも温かい目で意見を発していくっていうのがこの場を借りて、ラグビーファンの方々にお願いしたいですよね。