中西:ファウルを取られた時は、審判に文句言ってましたけど。 那須:はい。 中西:あれはファールじゃないですよね。 那須:そうですね。 中西:選手的にはね金田さん、オールスターでも本気でやってますからね。 金田:そりゃそうでしょ。みんな狙ってるよね。 中西:みんなMVP になろうとしてるじゃないですか。那須さん全然そういう気なかったでしょ。 金田:いや、狙ってるよ。 那須:ちょっと。セットプレーで何点取れるかなって。 中西:セットプレーで取れなかった。MIP でも100 万円だったのに。 那須:そうっすね。スリーバックの真ん中がどんどん上がっちゃうから(笑)。 中西:そんなこと言ったら、オリンピックだって上がるよ。 那須:いや、お祭りのときはより自由に。 中西:普段は闘莉王選手が行くじゃないですか。行くなって言うんですか。 那須:状況を見て。行くなって言うときもありますし、闘莉王自身が、俺に言ってくれって言ってくるんで。サイドだからバランス見れるじゃないですか、全体的に。闘莉王は首振らないと見れないので。両方見ないといけないし。だから俺とか逆のセンターバックに、上がるなとかそういう指示をしてくれっていうのは彼自身言ってます。 中西:コミュニケーションですよね。まあ、昨日(オールスター)もガンガン行ってましたね。那須さんはとりあえずセットプレーで狙う、みたいな。 那須:狙ってます、それはやっぱり。点を決めた者勝ちなので。 中西:確かに。でも、三浦(淳宏、東京ヴェルディ1969) 選手のフリーキックはすごかったですね。 金田:あれはすごかったなぁ、弾道が。変じゃない? あれ。誰かに当たってるよな。 那須:当たってないです。 金田:当たってなくて、逃げる? 中西:揺れるボールを蹴れるんです。 金田:あれ、本当に当たってないの。 那須:全然当たってないです。 金田:変な球だよね。 那須:練習から普通に蹴れるんで。 中西:ボールを足の甲に乗っけて、前に押し出す感じらしいですけど。無回転のボールを蹴れるんですよ。そうすると揺れて落ちるんですけど、あと縦回転も蹴れるんですよ。しかも浮いてるボールじゃなくて置いてるボールですよ。 金田:すごいね。 那須:みんな見て驚いてました。びっくりしてました。 金田:驚くよな。ほんまにすごいなって思うよ。現役のバリバリが側で見てすごいって言ってるんだから。 中西:番組でやってもらったんことがあるんですよ。普通の運動靴で、スパイクじゃなくても無回転のボールが蹴れるんですよ。あり得ないですよね。回転したボールは蹴れるんですけど、普通は無回転のボールって蹴れないんですよ。三浦選手は意図的に蹴れるんでびっくりしました。これはすごいシュートだなと思いましたね。キーパー、一番取りにくいんですよね、あんなに揺れちゃったら。 金田:すごいな。わし、近所やから教えてもらうよ。それをサッカースクールの子どもに伝えよう。 中西:あれはかなりすごい。びっくりしました。さあそして、質問5 「久保選手のインタビュー対応には、ひとこと言いたい」っていうのがあるんですけど。これはどうですか。でも、普段はしゃべるでしょ。 坂田:全然しゃべりますよ。 中西:しゃべりたくないんですかね。 坂田:しゃべってるときに、次、何しゃべったらいいかわからなくなるらしいですよ。で、しゃべんなくなる。 中西:まあでも普段はしゃべるということで、次に行きましょうか。質問6 「昨年の完全優勝は自信になった」。そりゃ自信になりましたよね。聞きたいんですけど、マリノスに岡田監督が来て、さらに強くなったじゃないですか。元々強かったんですけど。何が変わったんですか。 坂田:メンバー。 会場:笑い 中西:そういうことじゃなくって。監督変わってどうですか。 坂田:戦う気持ちがすごい。マリノスはプライドが高そうな選手が多いチームだったんですよ。オレがユースの時に、トップチームで練習やってもあんましゃべんないで、淡々としてた。 中西:そうですか。 坂田:監督が代わってから、そういうのじゃなくて、戦う気持ちを前面に出すようになって。すごい強いチームになったと思います。監督代わってから、ガラリと変わった。 中西:そんなに違うんですか。 坂田:外国人監督だと、何言ってるのかわかんないですよね。選手ひとりひとり、戦う気持ちがそこまで出てこない。 中西:その点岡田監督は、選手全員ちゃんと見てますよね。 坂田:見てます。 中西:こいつ、俺のこと見てんのかよっていう監督っているじゃないですか。 坂田:外国人監督ってやっぱりありますよね。結果残さないといけないんで。 中西:コミュニケーションはやっぱり取るんですか。話したりしますか。 坂田:監督とはほとんど話さないです。 中西:でも、監督はちゃんと見てくれてるなっていう意識はあるんでしょ。 坂田:それはあります。 中西:話さないのに。 坂田:監督は、向かってくる奴は見捨てないっていつも言ってるんで。 中西:サテライトの試合だったりとか、練習試合だったりとか。 坂田:逆にどんな試合でも、気を抜いたプレーをしたらダメだと思うんで。 中西:見透かされちゃう感じですか。 坂田:全体的に、みんないつも緊張してる。 中西:練習も試合もすごい集中してやってるって感じですか。 坂田:練習が一番変わりましたね。 中西:どういう練習してるんですか。 坂田:前は外国人の監督とかだったら、普通に練習して、気を抜いてループシュートとかしてたんですけど、今はできなくなりました。 中西:ループシュートができないんだ。魂がこもったシュートじゃないとやばいと。 坂田:そうやって隅々まで言ってくれるから。 中西:これはやっちゃダメ、これがいいプレーだとか言ってくれると、こっちもやりがいありますよね。あとは、練習の中でプレッシャーがかかったりとか、しっかり寄せたりとか、球際に厳しくいったりとかってことですか。 坂田:めちゃ変りました。 中西:パッと見て、今までと全然違うなっていうのがわかる感じですか。 坂田:わかるよね。 那須:うん。 坂田:やってる自分が一番違うんですけど。例えば前の日、たまたま寝るのが遅くなると、次の日、練習が本当にきつく感じるくらいだから。 中西:本当に、練習に全てを集中して。 坂田:前の日から。 中西:早く寝なきゃいけないとか。那須さんは眠そうですけどね、今。昨日の疲れがあるかと思いますけど。 那須:大丈夫、大丈夫です。 中西:どうですか、岡田さんは。 那須:岡田さんは坂田の言う通り、選手をひとりひとりよく見てくれるんで、そういうのが結果につながってるのかなって思いますし、そういうのが最後まで諦めるなっていうのにつながってると思います。 中西:最後まで諦めるなっていうのはいつも言ってるんですか。 那須:そうですね。 中西:若手の選手とベテランの選手の扱いが違ったりしますか。 那須:全く同じですね。どの選手にも言いますし。そういうことをしないから、若手も「見てくれてるんだ」っていう気持ちになりますし。 中西:さっきも言ってましたけど、メンバーが変った。質問7 「安貞桓、中西永輔選手ら、オフの戦力補強で刺激を受けた」。受けましたか。 那須:僕はすごい受けました。ちょうどそのとき代表に行ってましたし、早い段階から試合もあったので、永輔さんはボランチもセンターバックもできるんで。 中西:同じですよね。 那須:そうですね。危機感がすごいありましたし。とりあえず代表で見せないと、チーム戻っても、ポジションがなくなっちゃうんで。 中西:安貞桓選手はどうですか。 坂田:すごいです。シュートがめっちゃ、やばいっす。 中西:何ですかね。全然違いますよね。 坂田:45度の角度で、両方とも。 中西:右も左も。何か学べそうなところはありますか。 坂田:シュートを学びたいんですけど、たぶん足回りの筋力がすごいんですよ。 中西:筋力の差。昔からそうですけど、金田さん、安貞桓のシュートはレベルが。 金田:安貞桓はモノが違うっていうのはよく聞いてたけどね。実際、エスパルス(清水)にいたころのフィジカルコーチの松永(英機、甲府ヴァンフォーレ監督)が全然違うって。潜在的なパワーだとか瞬発力系とかパンチであるとか。たぶんそれを言ってると思うんだけどね。それプラス、精度の高さっていうのかな。45度。そういうところだと思うけど。 中西:あと右足でも左足でもボールをキープできるじゃないですか。左に背負って右足でできるし、右に背負って左足もできるし。左足のアウトサイドの扱いとかってすごいうまいじゃないですか。珍しいですよね。あんな左右均等にキープできて、シュートも左右均等で。チームに馴染むのは時間かかんなかったですか。最初違和感あったんじゃないですか。 坂田:最初、俺ら代表でいなかったんですよ。いつの間にか馴染んでた。 中西:いつの間にかかみ合ってた。残り5 試合ぐらいから、かみ合い始めたのかな。安貞桓は最初はやりやすかったですか、一緒にやってて。 坂田:最初はやりにくかったんですけど、段々。 中西:どういうところがやりやすいですか。 坂田:キープできるし、周りにとって怖い存在だから、自然とマークが集まって。 中西:タイプ的にはいいかもしれないですね。久保選手はどうですか。 坂田:やりやすいですね。全部競ってくれるから。 中西:競ってくる選手がいると楽ですよね。自分が競らなきゃいけないのって大変ですけど。競ってくる選手がいるとこぼれ球狙えるし。どっちとも合いますよね。那須選手の方は中西選手が入って、若い選手が入って。いろんな選手がいますし、刺激を受けますか、やっぱり。 那須:すごい刺激受けましたし、去年からそうだったんですけど。やっぱり途中から柳想鐡さんが来てボランチやってて、ポジション奪われるんじゃないかってみんなに言われてたんで。いい刺激を受けながらずっとやってて。今年も永輔さんが来るってことで。 中西:来るって決まったときどうでしたか。俺いるじゃんみたいのは。 那須:いや、そういうのはなかったですけど、まあでも。 中西:苦しくなるな、今年は、みたいな。 那須:いい刺激は受けられるなと思いましたけど。 中西:那須さん的にはボランチとセンターバック、どっちがいいんですか。 那須:どっちも楽しいですね。 中西:ボランチやって、怖さはないですか。 那須:最初はもう全然周りが見えなくて怖かったですけど。 中西:僕は、受けたら全部バックパスしてました(笑)。怖いですよね、ボール受けるの。でも、那須選手受けてるじゃないですか。 那須:やってるうちに全然視野とか変わってきますし、すごい楽しいですね。ボールいっぱい触れますし。 中西:僕、ボール来ないでほしいと思ってました。「いらない、いらない」みたいな。あまりボール触りたくなかった、下手だから。とりあえずピクシー(ドラガン・ストイコビッチ、元名古屋グランパス、現セルビア・モンテネグロ・サッカー協会会長)に預けとこ、みたいな。じゃあ、ボランチの方が好きですか。 那須:どっちも楽しさが違うんですよね。 中西:左足は得意なんですか。 那須:得意になりましたね。最終予選とかでずっと左をやってて。すごい自信になったっていうのがありますし。 中西:なんであんなに左蹴れるんですか。だって本来は右じゃないですか。スリーバックの左をやってて、左もうまいですよね。 那須:左はずーっと練習してたんで。右も左も。 中西:ディフェンスで、右利きで、あそこまで左がうまい人っていないですよね。急にうまくなったんじゃなくて、昔から左も蹴れてたんですか。 那須:そこそこは蹴れてましたけど、そんなに。 中西:最終予選で新境地を切り開いた。 那須:最終予選の前っていうか、去年の1stステージの途中ぐらいから。ボランチやってからですね。 中西:坂田さんから見て、那須選手、どんどんうまくなってますよね。 坂田:うまいっすね。 中西:ディフェンスでボール取られないですし。代表にも呼ばれるんじゃないですか。最近、僕そう思ってるんですけど。那須選手、このパフォーマンスでずっといけば選ばれると思いますよ。ケガしないですよね、本当。ガッチンガッチン当たってるのに。 那須:プロに入ってからケガしない努力はしてますけど。ケアとか。 中西:裏ではそういうこと、やってるんですね。 那須:それなりに。 中西:例えば、こういうことやってるってことありますか。 那須:普段の練習からそうですけど、筋トレとか。筋力アップはケガ防止につながりますし。あとはストレッチとか。疲れてきたときにしっかり体を休めたりとか。 中西:このふたりはこれから伸びていってほしい選手なんで、ケガが一番怖いじゃないですか。 金田:ちゃんとケアしてね。栄養、休養、トレーニング。このバランスですよ。わかってるよね、彼らの話を聞いてると。 中西:金田さんは現役のとき、気を付けていたことはあるんですか。 金田:何もないですよ。ちゃんと飯食って寝るっていうのがすごい大事。栄養と休養がすごい大事ね。これはだから、今だとそういうことを言われて育ってる選手たちが多いと思うけど、俺らのときは何となく自分たちで気がついたらって感じでね。でも歳取ってからしかできなかったね、僕は。若いときはやっぱりめちゃくちゃするじゃない。で、やっぱり28、9 歳のときぐらいに、自分にはサッカーしかないし、大事なものだなっていう思いが出てきて、選手寿命を5 年ぐらい延ばしてくれましたね。それは経験値としてありますよ。 中西:そういうときに、今言ったみたいに食事とか休養とかっていうのを考えて。 金田:多少はね、考えましたよ。 中西:あとは何か。金田さんはよく削られるポジションだったじゃないですか、ドリブルすると。 金田:それはちゃんとかわせるかどうかの話で。トロい奴は滑ってくるでしょう。ケガさせないと止まらないわけでしょ、僕は。 中西:はい。 金田:そういうのは相手にしないから。 中西:すごい自慢が今、入ってました(笑)。でもそうですよ、僕は金田さんの現役時代を見てましたけど、本当に止められない。 金田:昔はファールが当たり前やったじゃないですか。 中西:そうですね。 金田:イエローカードがなかったでしょ。出なかったよ、ほとんど。今は選手が守られてる。当たり前のことだけど。 中西:確かに昔に比べたら、ファールの判定は厳しくなりましたもんね。 金田:昔はもう、ボール関係なかったでしょ。それでファールでしか止まらないでしょ、僕。 中西:自慢、その2です(笑) 。 金田:本当そうよ。正々堂々ときて、止められる選手はいなかったと思う。外国人も含めて、マジな話。……、嘘ですよ、嘘。冗談よ、冗談。 中西:でも、削られたりするじゃないですか。ケガとかしなかったんですか。 金田:僕はあんまりなかったですね。ただ一つだけ、恥骨骨折したんですよ。今で言う恥骨結合炎ってやつ。 中西:ああ。 金田:あの頃はまだ病名もなくて、ドイツにちょっと症例があるぐらいで。1 年間ぐらい、サッカーできなかったことがあったのね。あれこれ針打ったり何やったり。結局、恥骨についてる筋肉が強くて、骨をはがして、恥骨が折れるわけですよ。レントゲンを撮って、そういう症状がありますよと。だから中田(英寿、イタリア・ボローニャ)は心配だね。あれがひどいとなかなか治らない。 中西:治しようがないですよね。僕も一度なりましたけど。 金田:日本の中でボクが一番最初やと思う、恥骨結合炎。その後、流行ったんやけど。 中西:流行ったんですか。 金田:マジな話ね、昔治す方法がなかったでしょ。針を打っても治らんし。針打ってるトレーナーに「もう大丈夫やろ。もう痛ないやろ」って言われても、めちゃくちゃ痛いんですよ。でも言えないでしょ、毎日打ってもらってたら。「いやあ、少しよくなりました」って、全然よくなってないのに。だからある本に、今でも忘れないけど星のマークを患部に当てたら病気が治るって書いてあって。 会場:笑い 金田:いやいや、ほんまやで。それぐらい僕は思い詰めたんだから。29歳のときだよ。それぐらい処置のしようがないから。パッと本屋にそれがあって、それをここに付けて。何笑っとん、那須。ほんまなんよ。それを一週間ぐらい付けて寝たことあったもん。全然治らんかった。破って捨ててやったけど。ほんまに冗談抜きよ。 中西:僕もそれになったときに、「大丈夫だろ。痛くないだろ」って言われても痛いんですよ。歩けないんですよ。 金田:特に滑るところでグッて伸ばしたら痛かった。寝てても、痛くて起きるの。 中西:うんうん。本当に恥骨骨折ってそうなんですよね。全然起きられない。横向きでしか寝られない。 金田:寝れない。 中西:今も横向きしか寝られなくなりましたね。 金田:今も痛いでしょ。だって、完全に治ってない。ジムに行っても足のトレーニングできないもんね。 中西:僕は治りました。 金田:大したことなかったんじゃない。 中西:軽かったと思います。 金田:14、5 年経ってるけど、治ってないもんね。 中西:僕も半年間全くできなかったですよ。 金田:あ、そう。すごい痛いのよ。 中西:でも本当に、ケガとか恥骨結合炎とかって気をつけた方がいいですよ。 金田:ただ、気をつけて予防できるかって言ったら……。 中西:できないですよね。僕がなったのは、左足のクロスボールが苦手だったので、クロスボールを蹴る練習をずっとしてて。踏み込んで、股関節をくっと曲げるじゃないですか。ねじり込むじゃないですか。そういうキックの練習ばっかりやってたら、なりました。今でも蹴れないですね。では、次の質問10「苦手なチーム(選手)がいる」っていうの聞きたいですね。いいですか。言いたくない? どういうタイプがイヤなんですか。 那須:基本的に千葉がイヤです。 坂田:闘莉王、千葉だよ、闘莉王。 那須:違う。千葉のチームはちょっと、アウェイでやるとき弱い。 中西:データ的には。あっちのホームがイヤだとか。 那須:何か雰囲気的に。 中西:雰囲気的に? 那須:変な意味ではなくて、ファンの雰囲気とか。そういうのがやりにくいなって。 中西:でも、他もみんなアウェイじゃないですか。 那須:何となくっすよ。 中西:市原の臨海(市原緑地運動公園臨海競技場)と柏の葉がやりにくいんですか。 坂田:やりづらいっていうか、負ける。 中西:終わってみたら、「あれ、負けた」みたいな。何でですかね。 金田:何で負けるんかな。雰囲気がイヤなんでしょ、那須が言ってるように。アウェイのサポーターの雰囲気だとか、スタジアムの雰囲気だとか、街の雰囲気だとか。 那須:そこまで言ってないですよ。 金田:そうとうイヤなんだろうなと思って。 中西:選手は? この人イヤだなって。でも、自分のチームのディフェンスってイヤでしょ。松田選手とか那須選手とか。 坂田:やったことないからわからないですけど。 中西:練習でやるじゃないですか。1対1でマークに付かれるとイヤだと思いませんか。 坂田:イヤですね。 中西:近寄られたくないってことですか、やっぱり。 坂田:スキンシップはあんまし。 中西:でもチームのディフェンスきついでしょ、一緒に練習していて。みんなけっこう厳しいから、逆にいい練習になるっていうのはありますね。チームの中でいいディフェンスがいるから。那須選手がイヤな人は、坂田選手? 那須:マリノスのフォワード陣が敵だったらイヤだなって、いつも試合のときに後ろから見てて。味方でよかったなって。それだけ頼りになりますね。 中西:後ろの選手が前の選手を信頼してるじゃないですか。「いつかきっと決めてくれる」って。 那須:いつか点を決めてくれてるんで、実際。 中西:若い選手もいっぱい出てきてますよね。それだけ競争も厳しいし。ディフェンスもフォワードにいい選手がいれば、いい練習になるんじゃないですか、チームの中で。 那須:そうですね。でもゲーム形式とかではあんまり敵になることがないんで。同じチームになって。 中西:相手のチームにはイヤな選手いませんでしたか。言いたくない? この選手に付かれたらイヤだ。今、いなくなった選手でも海外の選手でもいいんですけど。あんまりいない? 那須:(うなずく) 坂田:(うなずく) 中西:それすごいな。ボクは、すぐ正対する選手が嫌いだったんですよ。振り向こうとする選手が。1 対1 になると負けるので。だから絶対前を向かせないように止めて、バックパスさせようといつもするんです。それを振り払ってクッと前を向かれるとイヤなんですけど、そういう選手は。 坂田:ガツガツ来られるのは苦手ですね。 中西:でもガツガツ来る人って、けっこう裏とか甘かったりするじゃないですか。 坂田:簡単に前を向かせてくれる選手だったらやりやすいかな。 中西:那須選手は? 那須:あんまり意識したことないんで。 中西:じゃあ最後にいきましょう。質問11「04年シーズンの年間優勝は横浜F・マリノスだ」。「yes 」って当たり前ですけどね。マリノスは今さっきも言いましたけど、いいチームですか。サポーターはどうですか。お客さんもいつもたくさん入ってるし、うれしいですよね。すごい力になるじゃないですか。那須選手、どうですか。 那須:そうっすね。去年よりは少しはレベルアップしてるだろうし、もっとレベルアップできるように2nd ステージも頑張りたいと思います。 中西:それでは、質問コーナーにいきたいと思います。 客 :尊敬する選手はいますか。 坂田:京都(パープルサンガ)の田原(豊)君。 中西:何でですか。 坂田:わかんないっす。 会場:笑い 坂田:尊敬してるのかどうかもわかんない。急に名前が言いたくなったので、田原君。 中西:本当に尊敬してる人はいないんですか。コイツはすごいなとか。 坂田:じゃあ、俊輔君。 中西:「じゃあ」って。始まる前に中村俊輔選手から電話がかかってきて、隣に那須選手と坂田選手がいるよって言って代わったんですけど、いじめられてました。いじめられてたっていうか、かわいがられてた。中村選手、ものすごい真面目に練習するじゃないですか。あの姿をみんなに見せたい。彼は本物のプロだよね。みんなすごいんだけど。 坂田:すごいっす。 中西:めちゃくちゃ狭い部屋で筋トレなんかも追い込んでやってるし。よくそこまでやれるなって。自分ひとりじゃ辛いじゃないですか。それに食事のことも考えてるし。彼はすごいですよね。一緒にやるとまた、わかりますよね。人間的にもすばらしいし。 那須:僕は個人的にはロベルト・バッジョ(元イタリア代表)が好きです。 中西:初めて聞いた。ロベルト・バッジョ? 全然タイプ、違うじゃないですか。 那須:タイプとかじゃなくて、人間的に好きなんですよ。人間っていうか、あの歳までできてるじゃないですか。ずっとトッププレーヤーで。大ケガをしてもあそこまでできるっていうのはすごいですし、そういうところが。そこまでできるのは並大抵じゃない努力をしないといけないだろうし。そういう意味で。 中西:ディフェンスとして誰か目標にしている選手とか。ああいうタイプになりたいなっていうのは。 那須:あまり。 中西:那須大亮っていう無二の存在になると。大事なことですよ。では、次の方。 客:お互いのかっこいいと思うところと、かっこ悪いと思うところを教えてください。 中西:いい質問ですね。では、坂田選手が思う那須選手のかっこいいところ。 坂田:いつも前髪がちょっと目にかかってるんですよ。うざそうだなって思って。 会場:笑い 中西:確かに。それは丸坊主の反動ですか。 那須:いや、違う。この前たまたま、坂田が前髪触るから「ふんっ」って振り払ったら、ネタにしてる。 中西:那須さんの考える坂田さんのかっこいいところは。 那須:それは全てっすよ。 中西:例えば。 那須:真剣に。こう、何か練習とかしなさそうに見えるじゃないですか。口でもペラペラいらんことまで言ってるじゃないですか。だけど、サッカーに対してはすごい真面目。すごい感心しました、見てて。口ではいろいろ言ってるけど、やるときは本当にやってる。 中西:手を抜かないってみんな言うよね。サッカーに対する姿勢って、坂田選手すごいよね。 那須:後ろから見ててもよく走りますし。 中西:逆に坂田選手から見て、那須選手のかっこ悪いところを。 坂田:じゃあ、夜なのにサングラスかけてるところ。 会場:笑い 那須:違う。それもこの前。 中西:太陽も照ってないのに。 那須:真っ黒なやつじゃないですよ。 坂田:よく見えない。 那須:見えてます、全然見えます。 坂田:おしゃれの域超しちゃってる。 中西:辛辣なコメントが出ました。じゃあ、那須選手から見た坂田選手のかっこ悪いところ。 那須:この口。 中西:言葉? 照れ隠しですよ。 坂田:そうっすよ。 中西:本当、そう。真面目に見せたくないとかね、一生懸命やってるのを見られると恥ずかしいとかね。 三崎:どうもありがとうございました。もっと質問聞きたいところなんですが、残念ながらお時間となってしまいました。 中西:これだったら4 時間ぐらいできますね。 三崎:もっともっと楽しい時間を過ごしたいところなんですが、残念ながらそろそろお時間となってしまいました。あっという間でしたね、中西さん。 中西:一瞬でしたね。今日は早かったですね。その辺でご飯食べながら話してるようでしたけど、すごい楽しい話が聞けました。 三崎:おふたり、どうでしたでしょうかね、この「ぴあトークバトル」は。 那須:楽しかったです。 中西:また来てくれますか。 坂田:いつでも。 中西:ありがたいですね。金田さんもぜひまた。それでは最後にひとことずつご挨拶を。 金田:今日は本当に貴重なお時間をいただいてありがとうございました。彼らふたりは本当に有望な若手で、今からオリンピックも当然ありますけど、先程申し上げたように、これから代表、あるいは海外、彼らのサッカー人生は今後すごく豊かになっていくと思います。皆さんのサポートあっての話です。ぜひこれからも応援よろしくお願いいたします。 会場:拍手 中西:坂田選手。 坂田:今日はこのように皆さんと楽しめてよかったと思います。またこういう機会があったら、ぜひ那須とふたりで出たいと思います。またそのときはよろしくお願いします。 会場:拍手 那須:こんなにたくさん集まっていただいて、本当にありがとうございます。個人的にすごく楽しめたので、またこういう機会があれば、坂田とやりたいと思います。 中西:ぜひ、ふたりでいらしてください。 那須:ありがとうございました。 三崎:本日のゲスト、坂田大輔選手、那須大亮選手、そして金田喜稔さんでした。 会場:拍手 中西:いやあ、おもしろかったですね。 三崎:そうですね。私も裏でずっと聞いてたんですけど、笑い過ぎて涙が出そうになりました。 中西:楽しい話はするんですけど、ふたりとも基本的に真面目ですね。サッカーを真面目に考えてる。今の若い選手は、サッカーを真面目に考えていて、サッカーのために全てを捧げていこうっていう意識がすごい高いんですよね。ああいう風に人を笑わせてたりしてサービス精神旺盛だなって思うんですけど、本当に真面目でいい選手ですし、プレーも素晴らしいし、本当に感心します。金田さんがさっきおっしゃってましたけど、選手をサポートしてくれるのはサポーターの方々ですし、あのふたりには素晴らしい声援を送ってほしいと思います。これからサッカーがもっともっと楽しく見られるように、彼らにも頑張ってほしいですね。皆さんもぜひ、身近なサッカーを知らない人に、一緒に競技場に行ってもらって、もしくはこういうトークバトルに一緒に来てもらって。例えば今日、初めて坂田選手と那須選手を見た人は、彼らの試合を見たくなると思います。スタジアムで見る彼らは、本当に素晴らしいですから。そういう形で、ひとりでもサッカーを見る方々を増やしていきましょう。日本サッカーの未来は、皆さんの力を必要としています。僕はテレビであったり、伝える方の立場でもっとわかりやすく、よりおもしろくサッカーを伝えていきたいと思っています。皆さんもサッカーがより文化的な営みになるように、一緒に頑張っていきましょう。今日は本当にありがとうございました。 会場:拍手 三崎:今日は楽しいお話ありがとうございました。中西哲生さんでした。 会場:拍手 取材・文:CREW 撮影:フレンダー田中 |
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