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後編


佐々木:ニュースをやっていて思うんですが。例えば現役時代に得た、例えば友人もあるでしょうし、自分自身のなかの強さもあると思うんですけれども、どんなものが胸を張って、「これがやっぱり、スポーツをやっててよかった」って言えますか。
ゼッターランド:長年続けてきて、自分がそのスポーツをやってきてるなかでの役割、ポジションっていうのが、段々、求められるものが変わりますよね。そのポジションをこなしていくなかで、自分が得るものっていうのも変わっていくと思うんですね。始めの頃っていうのはやっぱり、スポーツっていうのは忍耐力っていうのが重要でした。
佐々木:根性。
ゼッターランド:根性はね、いつの時代、どんなに科学が発達しても、科学、医学、いろんなことが発達しても、絶対に根性っていうのは必要だと思いますけど。どう思う。
大竹:私もそう思います。何でも、やはり新しく始めてすぐ結果って出ないことが多いと思うんですね。だから、やり続けるには根気が必要ですよね。
ゼッターランド:根性とか気力とかね。その結果を勝ち取るためには、これでもかこれでもか、まだこれでもかっていう。その前に突き進んでいくエネルギーを出していかないといけない。体力もそうですけど、その体力を上回る、体が疲れていても引っ張っていくことができるっていうのは気力だと思うんですね。これはずっと、いつ子どもたちを教えても変わらないことなんですけど、それが一つ大きいですよね。そういったところが一つ、スポーツのいいところ。それからちょうど私たちはふたりとも団体競技をね、やっててね。
佐々木:そうですね。チームプレーですよね。
ゼッターランド:そのあたりっていうのは、何て言うのかなあ。人との関わりっていうことでは、自分のこともしっかりやらなきゃいけない。でも、人のことも考えなくてはいけない。そういったところで、人間関係ですよね。やっぱりスポーツのいいところって。今、例えば通信手段っていうのは、メディアも発達してる、携帯のメールとかももう、本当に便利なんですけど。私が大切にしたいのは、人の温度っていうものを直接感じることができる、その人の体温。さっき大竹さんが言われましたけど、双子の方はお互いの顔を見れば分かり合えるって。実際、顔を見て、それ以上にわかることっていっぱいある思うんですね。それがこう、伝わってくるっていうのが、スポーツの最大のいいところかなって私は思います。それが感じられたっていうのは、今、すごく仕事をする上では、やっぱり役に立ちますよね。コーチングにしてもそうだし。
佐々木:そうですよね。
大竹:私もヨーコさんがおっしゃったように、体が疲れていても、気持ちで引っ張っていくっていうのは、スポーツで鍛えられたと思うんですけども。私はサッカーっていうスポーツを選んで、団体の、やっぱり個人スポーツではないじゃないですか。ヨーコさんもおっしゃったように、やはりコミュニケーションが大事なんですね。「自分がこうしたい」、「あなたは何を考えていたか」。そこで意見をかわして、「そうやって思ってたんだ。じゃあ次はこうしよう」っていうことが、サッカーでは全部の箇所であるんですね。たぶん、チームプレーだったら全部そうだと思うんですけど。それって社会に出ても同じことだと思うんですね。自分はこう思った、でもそれを言わないことによって、言葉を発しないことによって誤解が生じてしまったり。人を間に通してしまったことによって、自分の言いたいことと全然違うことが相手に伝わってしまっていて、誤解を招いたり。そういう言葉の大切さっていうものを、やはり私はサッカーから学んだような気がするんですね。というのも、私の人生って本当にずっとサッカーですから。その「サッカーですから」って言えるのも、サッカーを本気でやってたからなんですね。「もっともっと」って、「自分にはこれだ」っていうものでやってきていたので。そうなると人間って、絶対向上心ってみんな持ってると思うんですね。例えば仕事でも評価されたら、「もっと上のことをやってみよう。もっといいアイデアがあるかもしれない」って。やっぱり全部それって本気で頑張ろうって思えるからじゃないですか。どうでもいいって思ったら、「いいか、これくらいで」ってなってしまうと思うんですね。私はサッカーでいろんな感情であったり、コミュニケーションはもちろんそうですけれども、「頑張ること。諦めないこと。苦しくても、もっとこういう風にしてみたらどうだろうか」っていうアイデアの発想っていうものも、本当に全てサッカーから学び、そしてそれを一緒に分かちあえる仲間がいた。「これだけの達成感を持ったらこんな感情が生まれるんだ」っていうのも、サッカーから学んでいるので。本当に、「サッカーやってよかった」って。サッカーを離れた社会でも、全部同じなんですね。だからすごく、スポーツって絶対に必要なんだって。
佐々木:コミュニケーション能力とかは特に。
ゼッターランド:そうですね。
佐々木:一般の、普通に働いてるなかでも、例えば「上の先輩とうまくいかない」とか、「後輩があれだ」っていう悩みを抱えてる女性って多いんですけれど。そのなかで、会話がちょっと足りないんではないかっていう指摘はありますね。
大竹:やっぱりあれなんですね、思いやりもできるんですよ。サッカーをイメージしていただくと。例えば私がヨーコさんに、ものすごいラインを割ってしまうようなボールを出してしまった。でもヨーコさんが、出るとわかっていても、間に合うかもしれないという可能性で走ってくれた。でも結果的にラインを割ってしまった。出した私は、「しまったー。どうしてももっといいボールを出せなかったんだろう」って。でも逆にヨーコさんが走ってくれた、私が出したボールに走ってくれた。「ありがとう、ヨーコさん」って思うと、ヨーコさんのために自分は次はこういうプレーをしようって思うんですね。それが思いやりにつながるんですよね。相手を思いやってるから、例えば仲が悪くても、自分が出したボールをそうやって走ってもらうと、「あれ。なんだ、じゃあさっきのは悪気はなかったのかな」とかって。
佐々木:気が付く。
大竹:そういうのがちょっとあったり。こうやって人を思いやることもそうなのかって、サッカーで学べたなって。
ゼッターランド:やっぱり思いやりっていうところが、一つはね、人と人との関係っていうところもあるんですけど。プロでやってきて、確かに思いやりっていうのはすごくベースになってるんですけど、例えば自分がチームプレーのなかで勝手なプレーをする。それはもちろん、次の人にボールがつながらないっていうことでは、思いやりもないけれども、もっと広いエリアで見ると、チーム全体のためにならない。ということは、チームとして一つの目的、この試合に勝とうとか、この大会で優勝しようって思った時には、そこでわずかひとりの人が勝手なことをしたばっかりに、そこにたどり着けないわけですよね。で、特にプロだとより結果っていうものが多く求められるなかでは、例えグッとここで自分が我慢することによって、プロに徹することによって、チーム全体にいい結果がもたらされるっていうことがある。それが絶対大事だと思うんですね。プロ意識っていうものが、プロの選手になってより強く求められることによって、その自覚が出てきたっていうのも大きかったと思うんですよね。人間ですから、もちろんみんなと仲がいいとか、「この人のために」とは思えないこともあるかもしれないけれども、徹することの大切さっていうのはある。それも一つ学んだかな。
佐々木:まだ日本では珍しいというか、プロ契約をおふたりともなさったんですけれども。プロ契約をするということは、そこに自分を投じる覚悟ですよね。そういうときの、決断するときの迷いとか。例えば、それによって失うものもあると思うんですよ。例えば女性としての、ちょっとした幸せとか喜びとかね。やはりプロにはプロの大変さがあって、逃げられない。それで生きてくっていうところがありますよね。そこでちょっと迷うところはなかったのかなと思うんですが。
ゼッターランド:プロの選手になるって、私の場合はアメリカのナショナルチームに入った時点で。プロっていう風に聞くと、皆さん、「お金がいっぱいもらえる世界なんだ」ってたぶん直結するところがあると思うんですけれども。
佐々木:プロ野球ですとかね。
ゼッターランド:私がナショナルチームに入ったときっていうのは、バレーボール協会が、そんなに裕福ではなかったんですね。そうすると、当然発生する給料っていうのは、おそらく皆さんが社会に出ていただいた初任給よりも低かったです。これはそのときの数字、単純に比較させていただいたんですけど、低かったです。それでもプロ、なんですね。「技術に対して報酬が払われる」ということでは、「君たちはプロの選手なんだから」ってはっきり言われたんですね、そのときに。ですから、必ずしもプロの世界、それは「お金をもらうからプロ」という見方もできるけれども、プロフェッショナリズム、その道の専門家っていうことだと思うんですね。プロフェッショナリズムって言葉をちょっと辞書で引いたんですけど、そういうところがあるんですね。そうしたら、自分がその技術を、たまたまバレーボールで持ち合わせていたら、それを最大限に生かせる場があるんだったら、そこに身を投じてみようと。そこで自分がそこに身を投じたときに、例えばデートする時間がないかもしれない。でも自分にとって、どっちが価値を持ってできるものなのか。価値観ですよね。それは皆さん、それぞれ千差万別だと思うんですけど。そこでじゃあ、「もしかしたらデートする時間がないかもしれないけど、それでもいいですか」と。でもその時点での私にとっては、バレーをするっていうことが大事だった。それがプロの覚悟っていうよりも、自分がバレーと何かを比べなきゃいけないときの、価値観で決まったっていうところですね。覚悟っていうよりも。そこが大きかったな。
大竹:女子サッカーの場合は、もう、全部アマチュアなんですね。プロになりたくてもやはり資金が必要ですので、なれないんですね。女子サッカーっていうのは、人気スポーツではないので収入源がないんですね。でも、一時、女子サッカーにもいい時期がありまして。そのとき私は、今の東京ヴェルディ1969の女子版のベレーザというチームに所属していたんですけれども、ベレーザでプロ選手がふたり誕生したんですね。そのとき私は確か19歳か20歳ぐらいだったんですけど、みんなは学校に通っていたり。ベレーザというのは、ナイター練習なんですね。だから学校が終わった後に、大体6 時半ぐらいからナイターで練習をするので、学校が終わったり、仕事が終わったり、アルバイトが終わったりして、集まる集団なんですね。で、そのプロができたときに、「私も絶対プロになりたい」って思ったんですね。それは、好きなことをやって、サッカーでお金がもらえるなんて、こんな幸せなことはないっていうことがすごくあったので。プロになる条件は、日本代表選手の中心選手でなければならない。で、ヴェルディとの契約になるんですよ、ベレーザじゃなくて。私は23歳のときに、交渉の仕方とかわかないですけれども、言いに行ったんですよ、小娘のくせに。
佐々木:自分で。
大竹:いろいろ、自分で作戦練って、ノートにいっぱい書いて。「私はこれだけの成績を出しました。プロ契約をしてください」って言うんですね。そうすると「ダメだ」って言われて「えっ」って。そのときに、プロではないけれども、栄養補助費といって、月におこづかいみたいに一定額をもらえる制度もあって。そのとき私はそれをもらってたんですけど、「こんな額じゃイヤです、もっと高いのをください」って言って。交渉して、その栄養補助費としてはマックスの金額をもらったんです。でも、絶対にプロになってやるんだってまた一年間頑張って、日本代表の中心になって。次に言いに行った時はすんなり、「しょうがないな」って感じで、「頑張れよ」って形で、プロとして契約してもらいました。サッカーが好きでやってましたけど、世界を目指していますので、お遊びとはまた違うんですね。中学生の頃から修学旅行にも行かれなかったですし、試合とかぶって。監督に「行くな。試合の方に来い」って言われて。文化祭とか体育祭とかそういう行事にも出られない。でも全然、自分のなかで苦じゃないんですよ。サッカーが一番だから、サッカーが人生っていうくらいですから。で、やっとプロになれたときに、今までと何も変わらないんですけれども、お金をもらってしまってるじゃないですか。となると、やはり必然的に「みんなと同じじゃ絶対にダメだ」っていう意識が芽生えるんですね。それはお金をもらって初めて気付いたんですよ。今までと同じではいけないから、例えばみんなが学校に行ってる間とかアルバイトしている間に、「自分は午前中に何ができるだろう。トレーニングだ」って。で、追い込んで走って。ナイターの練習になったときに、走りのメニューって結構きついんですね。でも、自分は午前中に追い込んで苦しいけれども、やっぱりそのなかに入って、トップを走っていなければいけない。その積み重ねが絶対に開いていきますから。そういったことで、本当にプロになる喜びがもううれしくてうれしくて、毎日毎日。
佐々木:プロとしてのトレーニングのせいだと思うんですが、第7 問「トレーニングで太くなった筋肉を見て、寂しくなったことがある」っていう質問で、わかれたんですよね、意見が。
大竹:ヨーコさんは、本当に私と由美が初めてお目にかかったときに、「すっごい足が長い。絶対モデルさんだ。絶対スーパーモデル」ってふたりで言ってたんです。サングラスをかけていらっしゃたんですけど、近くに行ったら、「えっ、ヨーコさんだ。すっごいな、かっこいい」っていうのがもう、第一印象だったので。
佐々木:でも筋肉があっての美しさですよね。
大竹:そうです、はい。
佐々木:寂しくなるほどにはつかなかったっていう感じですか。
ゼッターランド:アメリカってね、本当に人種のるつぼって言われてますけど、チームには黒人の選手もいて白人の選手もいて、私みたいに半分白人で半分東洋がいて。いろんなチームメイトが私を含めていたんですけど。最初に、何て言ったらいいのかな。私はチームのなかで、実は一番背が低くて。
佐々木:えー。
大竹:えー。
ゼッターランド:そうなんです。それで一番痩せてたんですね。それである日ね、向こうに行って、初めてチームメイトと「週末は練習が休みだからビーチに行ってビーチバレーをしよう」ってことになって。私も水着になった、チームメイトも水着になった。そのときにチームメイトのひとりに、「ふーん。ずいぶんヨーコって細いのね」って言われたんですね。でもそれが、全然褒め言葉じゃないっていうことに気が付くまで、大体3 カ月ぐらいかかったんですけど。チームの子たちはね、みんな腹筋が割れてるんですよね。
佐々木:それだけ鍛えてる。
ゼッターランド:そうですね。
佐々木:その頃はまだ、割れてはいなかったんですか。
ゼッターランド:割れてはいなかったです。腹筋の回数もちょっと足りなかったので。まだ大学を出たばかりというのもあったんですけど。筋肉が付いていくと、当然脂肪よりも筋肉の方が重いんですよね。体重計に乗るとドンと増えてるので、「ウッ」って思うんですけど。でも、筋肉が付いて体脂肪が減っていくと、やっぱりすごく体調がいいっていうことに段々気が付いていくんです。それで体の実際の変化っていうか、余分なものが削ぎ落とされていくのがわかるわけですよ。トレーニングをやっていると、毎日、鏡で自分の体を見たりして。それが一種の快感っていうのかな。それもありましたし、私それまでね、あまり筋トレっていうものをやったことがなくて。ボールを持つことの方が多かったんですね。プレーが上手になるためには、より多くボールに触れることが一番大事だという頭があったので、練習を休むとちょっと不安になる部分があったんです。それがアメリカに行ったら、トレーニングをやる量の方がボールを持つ時間よりも増えた。そのことが最初はすごく不安だってたんですが。「本当にこれでうまくなれるんだろうか」って。それでも、やるっきゃないというのがあって。そのとき、もう本当にある日突然だったんですけど、それまで走っていてもなかなか追いつかなかったボールに、フッと追いついた。高く返ってきたボールに、それまで手が届かなかったのが届くようになった。その瞬間、「あれっ」って。そのプレーって、トレーニングの積み重ねだったんですね。結局、筋トレをやっている、体脂肪を落としていく、体を作っていくというなかで、ボールを持っている時間が以前よりも少なくなっていたにも関わらず、プレーがうまくなった。それを実感できた。確かにきつくなりましたよ、ジーパンとかも。
佐々木:ね、パンツを選ぶとき、ウエストが入っても腿が入らない。
ゼッターランド:あります。あったんだけど、プレーが伸びたんだったら。これはもう職業としては当たり前と言えば当たり前で、それが実感できたときに、悲しいとは思わなかったです。プレーができるようになって、「あ、うれしい」っていう。それがね、実感だったんですけど。奈美さんはどうだったの。
佐々木:おしゃれ心よりもプレーという感じだったんですね。
ゼッターランド:幸いアメリカには結構ね、いろいろサイズがありますから、何とかなるんですよ。
佐々木:日本にはないですよね、アンバランスで。
大竹:でも私も、ヨーコさんと同じなんですよ。世界と戦うためには、絶対にパワーなんですね、瞬発系もそうなんですけど。サッカーって上半身を使わないように思われがちですけど、上半身をすごく使うんですね。それは相手をブロックするため。で、競り合ったときに、日本人がヨタヨタッてするのは、腰と上半身、腕力が弱いから。ブロックしきれないっていうのがありますので。だから、もちろん足もそうですけれども、上半身もすごく鍛えなくてはいけないんですね。それは世界と戦ったときに、「あ、これが足りない」って実感して。自分に足りないものは、やっぱりトレーニングするじゃないですか。クラブハウスにいてトレーニングをしているときに、「見て見て、マサオが」とか、みんなでふざけて。
佐々木:マサオ?
大竹:「今日はヒロシが」って。みんな筋肉に名前を付けて、「今日はこうだぞ」とかやったりとか。あと、「ほら、見て見て。これが上がるようになった」とか。「見てこの筋肉、すごくない」とか。もうだから、はっきり言って女性の会話じゃないですよね。ある意味、競い合うみたいな。でも、ただ筋肉を付けるだけではなくて、動ける筋肉にしなければいけないので、それがまた難しいんですね。筋肉が付いて重くなってしまって、プレーが固くなってしまうってことがありますので。筋トレをするんですけど、それをしなやかな筋肉にしなくてはいけない。それでも、やはりね、太くなるんですよ。私はすごく筋肉が付きやすいので。グラウンドに出たときは、例えば瞬時のスピードが速くなったりとか、当たり負けしなくなって、体が強いって言われたりとか。それは選手としてはすごい喜びなんです。「やったね。もっともっと」みたいに思うんですけれども。私、家に帰ると双子じゃないですか。外見は顔とか一応似ていて。由美は高校卒業と同時にサッカーを止めてしまったんですね。で、すごく細いんですよ。ふたりで街とかに買い物に行くと、「あ、双子だ」って絶対に声を掛けられるんですよね。夏は、まず「なんでこっちすごい日に焼けて、こっち真っ白なの」って言われるじゃないですか。で、今度は「えーっ、太ってる~」って私は言われて。何か、足とか「えーっ」みたいな。みんなは私がサッカーをやってることを知らないから、すごい比べるんです。やはりそのときに、「あ、そうか。サッカーから離れた社会だと、誰も私がサッカーをやってるってわからないから、女性として見るんだ。しまったぁ」みたいな。そこでこう、すごい自分のなかで葛藤がありましたね。
佐々木:着る服も・・・
大竹:全然違う。
佐々木:双子でもまた違いますもんね、きっとサイズも。
大竹:はい。今もう筋肉は落ちたましたけど、それでもまだちょっとついてるんですよ。
佐々木:まだマサオはいますか。
大竹:マサオはもうもう子どもになっちゃったんですけど。体重が5 、6kg 違いますからね。
佐々木:でも、現役を止めてから、さすがにそれほどのトレーニングはできないですもんね。
大竹:全然しないです。
佐々木:先ほどの第8 問「現役時代のノウハウがあるので、ダイエットには困らない」には、おふたりとも「yes 」と答えていらっしゃいましたけど。でも自分の体格を維持するという意味では、今、日頃から気をつけていることはあるんですか。
大竹:あります。私、すっごい大食いなんですよ。
佐々木:あ、何か、イメージできるような気がする。
大竹:すっごいんですよ。例えばみんなとご飯を食べて「あーお腹いっぱい」、「えっ、もうお腹いっぱいになっちゃったの」。自分だけ食べるのは悪いから、「じゃあいいよ」ってなるじゃないですか。それで家に帰ってもう一回ご飯を食べるみたいな。
ゼッターランド:わかる、それ。
大竹:本当にそうなんですよ。そうすると、食べたらすごい太るんですよ。1 日に2kg とか平気で上下するんで。その増えたものをなくすためには脂肪を燃焼させるのに、もうジョギング。すっごいゆっくりですよ、私の場合は。
佐々木:何分ぐらい。
大竹:たぶん1 時間ぐらい。
佐々木:えーっ。
大竹:でも、全然。だってすごいゆっくりですもん。普通に女性が聞くと、「えーっ、1 時間も無理」って思うじゃないですか。たぶんそこが、アスリートだったので、「こんなにゆっくりのペースで、私は本当に怠け者だな」って思うんですけど。でもこれは、太らないために、みたいな。そういう感じで。だから、食べても新陳代謝がいいっていうのと。
佐々木:燃焼するんですね。
大竹:あとたぶん、みんなよりも頑張って走れるっていうのは。でも、これじゃ参考にならないですよね。
佐々木:ちょっと遠い話ですよね。1 時間は辛いと思う。ヨーコさん、もうちょっとこう。1 時間はかからないような方法っていうのはあるんですか。
ゼッターランド:そうですね。今、すごい仕事が不規則なので。やっぱり食べ方ですかね。皆さんもそうだと思うんですけど、「今、自分が仕事をしているなかで、できること、気をつけられること。新たに時間を作ることはできないから、普段の生活のなかで、何か見直せるものはないかな」ということを今、私もいろいろ洗い直してるんですね。例えば、食べ過ぎたかなって思うときは少し減らしてみたり、食べるチョイスを変えてみるって感じですよね。買い物に行くっていうのも。皆さんも買い物には絶対に行くと思うんですね。仮に牛乳なら牛乳を買ってくるときに、普通の牛乳を選ぶか低脂肪を選ぶか。
佐々木:ああ。大竹さん、できないって顔してる。
大竹:できないですね。
佐々木:細かい、小さな心掛けからですね。
ゼッターランド:これはアメリカにいるとき、チームメイトから教わって。少しでも体脂肪を減らす方法はないかって。最初は運動すると減っていくんですけど、それだけじゃなかなか。体質的には無理だっていうときには、じゃあほんのちょっと変えられることって何だろうって。私のチームメイトが、ルームメイトでもあったんですけど、よく3 人でスーパーマーケットに買い物に行ったときにですね、アメリカって本当にいろんなものがいっぱいある。
佐々木:しかも、スーパーが大きいんですよね。
ゼッターランド:そうなんですよ。
大竹:目が回りますよね。
ゼッターランド:そうなんです。そういうなかで買い物をして。同じに缶詰の製品が並んでいると、いちいち棚から取り出してひっくり返して見てるから、「何やってんの。早く買って帰ろうよ」って言ったら、「うーん。でも、こっちの方が少し脂肪が多いからあっちにする」とか。そういうほんのちょっとしたことなんですよね。やっぱり、アスリートクラスの我々は1 時間走ることに耐えられるけれども、なかなか一般の方は難しいし。
佐々木:苦しいですね、それは。
大竹:選手のときは、低脂肪はそうやってみんなやってますね、やっぱり。でも、あれじゃないですか。運動じゃなくて汗をかくのって、むくみが絶対に取れるので。お風呂であったまるのは、本当にこれはすごいおすすめです。私、朝、すっごい顔がむくむんですよ。「今も」とか言われたらどうしよう。
会場:笑い
大竹:そうするとすごい、朝、お風呂であったまると、顔のむくみが取れますし。でもたぶんこれってテレビとかでもやってるので、皆さん、ご存知だと思うんですけど。とにかく食べたそのエネルギーは3 日後に。例えばお肉を食べるなら、3 日後に照準を合わせるのがいいんですよね。力を発揮したいときは、3 日前に、私たちは肉とかを食べていたんですけど。だから一番いいのは、食べてすぐにちょっとでも運動できるのがいいと思うんですけど。何か特別の日のときには、やっぱりそういうね、3 日前までだったら今までと同じ食事をしていてもいいけれども、ちょっと減らしていこうかなとか。それぐらいの意識は、もしかしたらした方がいかもしれないですね。
ゼッターランド:あと、できればストレッチ。ストレッチはね、本当に。あっという間に体は固くなりますからね。
佐々木:そうですね。
ゼッターランド:「この間までここについてたのに、あら」って。曲げようとした瞬間にぎっくり腰になっちゃたりとかね。笑い話じゃなくて、あったんですよ、この間。やっぱり学生を指導してるっていうこともあって、結局そういったものを自分が行っていないとしゃべっても説得力がなくなるので。「ヨーコさん、うちらにあんなこと言ってるけど、自分はアイスクリームをいっぱい食べてるじゃない」って言われたら、あれなんで。学生も、私にとってはいい足かせではりませんけど。ちゃんとこう、ロックしてくれて、暴走しないように。「私もちゃんとしなきゃ」っていう歯止めをかけてくれてます。
佐々木:確かに。私もそうなんですけど、会社でデスクワークをしていると、お菓子があったりするんですよね、ところどころに。それをこう。
ゼッターランド:ついね。
佐々木:そういうのが大きいのかなって思いますけどね。今、環境としては、生活のリズムというのは日によって違うんですか。
大竹:私は全然違います。仕事があるときとないときでまた全然違うんですけど、淳宏選手が代表とかで遠征に行って、いなくなってしまうことが多いんですね。そうすると由美がひとりになってしまうので、すぐ実家に帰ってくるんですよ。そうすると、修学旅行をイメージしていただくとわかりやすいと思うんですけど、「おやすみー」って言ってから「ねえねえ、あのさ」って始まるんです。で、気がつくと、3 時とか4 時とかになっていたりとかして。
佐々木:不規則な毎日が。
大竹:お肌には一番よくない。
佐々木:よくないですね。ヨーコさんも。
ゼッターランド:本当に不規則ですね。やっぱり移動が非常に多いですから。ただ、選手時代を考えるとね、私たちの移動は13時間、14時間、エコノミークラスが当然なんですけど、180cm ぐらいの人間が小さくなって満杯の飛行機のなかにいて。それで時差ですよね。ほとんど真逆のね、時間だから。それを考えたら、日本国内の移動っていうのは全然。ちょっと時間が足りないぐらいなんですけど。そういうときに、不規則になってしまうんですけども、それで気持ちが焦ったりしないように。なるべく移動のなかで、どうやってリラックスできるかとか、本を読むことだったり、あるいは音楽を聞くことだったりとか。そういうのでいろいろ調整したりとか。そういうのがありますけど。どうしても不規則なのはしょうがないから、そのなかで、少しでもいいルーティーンを作れるようにするにはどうしたらいいかっていうのは考えないと。体が資本ですから。
佐々木:そうですよね。
ゼッターランド:これはもう皆さん、スポーツ選手じゃなくてもね、体が資本ですから。
佐々木:20代、30代、特に30代に入ると、非常に体って変わるんですよね。
ゼッターランド:変わりますね。
佐々木:自分の体のことを、自分でよく相談しなければいけない年齢になると思うんですが。さて、いろいろおふたりにお話をうかがってきましたが、いかがでしたか。
ゼッターランド:そうですね。今年、オリンピックでも「女性パワーが」っていう風に言われたことが多かったと思うんですけど、女性だけではなくて、やっぱり人が持ってる可能性のすごさ。オリンピックを見ていると、「ええっ、こんなことが」って思っても、やってみたらできることがあるっていう。その可能性を限りなく追求していくっていうのが、オリンピックの舞台で見られるんですけれども。それをやっぱり信じてチャレンジし続けていけたらいいと思いますね。これはもう、自分も含めてなんですけど。
佐々木:そうですね。
ゼッターランド:いけたらいいなって。やっぱり指導しているときに、「この子の持ってる才能って何だろう」って考えたときに、選手として技術はなかなか、少し限界がくるところがあるかなって思っても、また別のところで。例えば客観的に見える目を持ってるとか、データの取り方が上手とか。無駄になることって何もないと思うんですよね。
佐々木:そうですね。
ゼッターランド:それを一つの可能性としてね、見ていってるんですけど。またそれを見るのもすごく楽しい。そのなかで、「じゃあ私にもある可能性って、もっと他にもないかな」っていうのを感じるので。ずっとそれを追い求めていく、気力を充実させるようなね。そういうのができたらいいなって思いますね。
佐々木:大竹さんさっき、第4 問の「男性として生まれたかったと思ったことがある」で迷いましたよね、そう言えば。
大竹:もし、自分が男でサッカー選手だったらどうだったんだろうっていうイメージをして。
佐々木:ああ、イメージ。
大竹:そしたらもっとサッカーが生活で、もっともっと違う、「どんなプレーヤーになれるんだ」って思ったので。
佐々木:こんなプレーヤーがいいなっていう男性プレーヤーっていうのは。
大竹:皆さん本当にすばらしいと思うんですけど、三浦淳宏選手はもちろんそうなんですけど、今すごく世界のサッカーで「あーこの人のプレー、すっごい好きだな」って思うのが、ジダン(ジネディーヌ、スペイン・レアル・マドリッド)、フランス代表のジダン選手だったんですけれども、ブラジル代表のロナウジーニョ(スペイン・FCバルセロナ) 選手も。皆さん、ご存知だと思うんですけれども。
佐々木:モノマネしていただいてありがとうございます。よくわかりました。
大竹:似てましたか。あの選手のボールの持ち方といい、体が。男の選手って固い感じがするんですね。でも、すごい柔らかいところがすばらしいなって思いますね。
佐々木:筋肉の柔らかさって、見ていて何となくわかるような気がします。私、ゴルフの番組で丸山茂樹さんとご一緒だったんですけど。あのね、筋肉がないように見えるんですけど、しなやかなバネみたいな。
大竹:ゆるんでるんですよね。
佐々木:ゆるんでるような、ね。ああいう筋肉だったらよかったのにって自分の足を触りながら。
ゼッターランド:本当にでも、プレーの柔らかい選手って、じゃあ柔軟体操をやらせたとき、例えば体前屈がすごい下までいくかって言ったら、そうではないんですよね。体そのものの柔らかさとプレーの柔らかさってやっぱり違うんですよね。
大竹:そうですね。あと、関節。
ゼッターランド:関節ね。
佐々木:でも、ヨーコさんは、先ほどの質問には。
ゼッターランド:私も「yes 」って答えたんですけど。例えば、女子では行われていない競技とか。私、サッカーも好きなんですけど、野球も好きなんですよ。で、何かこう、自分たちのジャンルにない、女子野球ももちろんあるにはあるんですけど、プロフェッショナルクラスのものを体験してみたい。私は一度でいいから、キャッチャーになりたいって思って。セッターのポジションと結構ね、似てるところがあると思うんですよ。
佐々木:そうなんですか。
ゼッターランド:野球を取材させていただくときとか、よくキャッチャーの方にお話を聞くんですよ。まあ、わかりやすいんですよ。全体を見ている視野の広さ。
佐々木:女房ですからね。
ゼッターランド:だからぜひね、そういう競技をやってみたいっていう気持ちから「男性になってみたい」っていうのはあります。
佐々木:そう言えば、こういう間で話すことかどうかはわからないんですけど、女性アスリートって、現役のときに結婚する方って少なくないですか。例えばオリンピックでも。あ、マラソンではだいぶ増えてきたのかな。
ゼッターランド:そうですね。どうだろう、でもやっぱり日本は少ないですね。
佐々木:少ないですよね。どうしてでしょうね。
大竹:個人差はあると思うんですけど、もちろん出会いもそうだと思うんですけど。やはりその競技に集中している間は、なかなか目が向かない。恋愛はしたいんだけれども、結婚となると、「ウッ」って考えてしまうところがすごく多いんですね。だから結局は自分を選ぶってことになってしまう。
佐々木:結婚よりも自分を選ぶ。
ゼッターランド:アメリカでは、チームメイトの半分が結婚してましたね。
佐々木:あ、そうなんですか。やっぱり国によって違うんですかね。日本はどちかと言うと、入り込む。
ゼッターランド:まだ、求められる役割っていうのが大きいんじゃないかな。すごくいいなって思ったのは、結構外国の選手って若いうちに結婚する人が多くて。
佐々木:あ、そうなんですか。
ゼッターランド:もう、ママさん選手はバレーでもいましたし。オリンピックに、旦那さんが子どもさんを連れてきて、試合が終わったらママがコートサイドまで行ってだっこして、それで一緒に控え室に入っていく。やっぱり国の違いはもちろんあるし、それぞれ個人の差ってあると思うんですけど。日本の場合だと逆のね、旦那さんのケースはあるけど、奥さんのケースはなかなかないから。
佐々木:まだないですよね。
ゼッターランド:そういうのを見ると「あ、いいな」って思ったり。
佐々木:ヤワラ(谷亮子)ちゃんがミセスになって、今回金メダルを取りましたけどね。まだその辺は、サポート体制がないのかなっていう気がしますけどね。女性が結婚して、またプレーを続けるっていう。海外では旦那さまがコーチだったりする方も多いですよね。
ゼッターランド:そうですね。結構、陸上とかって多いと思うんですけど、何て言うのかな。お互いが独立しているというか。あるチームメイトは、結構、一年の半分はいないですからね。そうすると帰ってきたら、まさに旦那さんがハウスワイフという役割をされてるなんていうチームメイトもいて。「いいわね」なんて言ってたんですけど。
佐々木:まあ、日本もそろそろそういうスタイルができてくるかもしれないですね。では、質問コーナーにいきましょう。質問のある方、ぜひ挙手をお願いいします。
客:女子バレーをよく見るんですけど。ここで点を取られたら負ける、終わりだっていうときは、どんな気持ちでプレイしていますか。
ゼッターランド:ここで点を取られたら負けというときに、どういう気持ちで臨むか。そうですね。うーん。頭のなかを駆け巡ることって、瞬時に・・・バレーって持ってはいけない、そして落としてはいけない、非常に難しい競技だと思うんですけど。その瞬間に、それまで頭に蓄積されたデータ、それはペーパーのデータもそうですし、自分が試合をやってきた経験のその蓄積が、頭のなかに入ってるわけですよね。それを瞬時に、何のツールが今のシチュエーションでベストなのかって引き出せるかどうか。それは本当に瞬間的なことなので。ただ、説明をすると、そういうものが働いてはいるんですね。それを状況と併せて考えたりとか、これで取られたら終わりということは、客観的には見ますけれども。そのなかには、「これは絶対に取らせない」、「自分が絶対にこれを取る」。じゃあ、取るためのベストツールは何かっていうことを考えますね。引いたら負け。
佐々木:やっぱり、そこも気持ちもね。
ゼッターランド:結構大きいですね。
佐々木:そうですね。
ゼッターランド:ただ一つ、やっぱり勝負って確かに、相手をコントロールするのはある程度のところまではできますけど、全てをコントロールすることはできないですよね。そうするとやっぱり自分の手ではどうにもできないことって、必ず試合のなかには存在するので。そうなったときに、じゃあ自分が今この瞬間にできるベスト、100%っていうのは何か。それに徹してそれをやるしかない。それでもってじゃあ、相手は。それを上回るか、こっちが相手を上回るか。そこまでで、あとは神のみぞ知る。
佐々木:そうですね。では、その他に質問のある方、いらっしゃいますか。えーと、質問は、ラストですか。ではそちらの3 人で答えを一つにしていただいて。チームプレーで。
客:ずっと現役でアスリートをやって、スポーツ選手としてやっていると、終わった後に燃え尽き症候群というか、そういう風になってしまうイメージがあるんですけど。今日のおふた方の話を聞いていると、すごく生き生きしている感じを受けまして。引退後に新しい目標とか、そういうものにパッションを見つけるコツがあったら教えてください。
佐々木:じゃあ、大竹さんから。
大竹:私の場合は、結局サッカーなんですよね。私はサッカーに出会って、たぶん一生サッカーで終えていくんだろうっていうぐらい、自分で「これ」っていうものを、早い段階で見つけられたっていうのが一番大きいと思うんですね。選手としては引退しましたけれども、他にサッカーを通じてこういったことを発信したいっていうものが、すごくいろいろアイデアがありまして。そういうものを一つ一つ、形にできるかっていうのは、本当にまだわからないんですね。でも、それに近づけるために、「自分のサッカーを通じてこういうことをやろう」、あとは「自分でサッカーから学んだことを、例えばこういう形で皆さんにお伝えできるような仕事があれば」、そういうことが湧いてくるんですね。本当にまだ全然形になっていないんですけど、そうやって一つ一つやっていく。目標に向かって。できるかどうかの結果ではなく、その過程をとにかく一日一日考えながらやっていこうっていうスタンスで、今があります。
佐々木:ヨーコさんも、簡単にお願いします。
ゼッターランド:奈美さんはサッカーで、私はバレー。これがもう、人生の軸になってるんでね。やっぱり私がここまで、今日ここでね、座ってお話をさせていただいてるっていうのは、ずっとやっぱりバレーの時代を築いてこられた先輩方の歴史があるわけですよね。この流れのなかで、それによって自分が生き、生かされ、これを伝えていくっていう。それをずっとバレーというものを通して、私がこの世から消えてもですね、それはずっと継続されていくっていう。それを前の世代からやっぱり感じてるところっていうのはあるんですね。だからそのなかでやっぱり、そのよさっていうのをね、伝えていきたい。自分が生かされている恩恵を、ここだけで止めちゃいけないって思ってるんですね。それを伝えるツールって、バレーボールを教えることであったり、あるいはメディアを通して発信することであったりっていう風に思っているので。本当に、「スポーツやってると幸せなんだよ」って、私、信じて疑ってないんですよ。それしかないんですよね。だから、それをずーっと、ガンガンガンッて感じで伝えていけたらいいかなって。スポーツに携わって、やって、見に行って、触れて、「あ、私もやっぱり幸せになれる。今日、来てよかったな」って思ってくださる方がひとりでも多く増えるように。それはもちろんバレーもそうなんですけど、スポーツ界全体で、そういう風に多くの人に思ってもらえるように。少しでも、その働きができたらいいかなと思ってます。
佐々木:おふたりともそれぞれのジャンルでコーチもしていらっしゃいますし、それからメディアで伝え手として活躍していらっしゃいますし。やはりベースはサッカーであり、バレーであるっていう、その辺のところがよくわかります。それでは、あっという間の2 時間でしたが、そろそろお別れの時間が迫ってまいりました。最後に一言いただきたいと思います。2 時間ってあっという間ですね、こうやってお話をうかがってると。
ゼッターランド:本当に早いですね。
佐々木:でも、長い長い、いろんなことがあった人生なので、語り尽くせないとは思いますけれども。
大竹:でも、まだまだ、人生はこれからの方が長いですからね。
ゼッターランド:今は、人生80年ですからね。
佐々木:そうですよ。
ゼッターランド:3 分の1 、ちょっと過ぎたばかりですから。
佐々木:やはり、現役時代の礎というのが今につながってるという感じが、おふたりともしますね。
ゼッターランド:そうですね。やっぱり何か、「これ」っていうものをね、一つ持てることの幸せ。それを時間がかかって見つける人もいるかもしれないし、今もうすでに持ってる人もいるかもしれない。やっぱりそれを何か持つことが大切だっていうのを、バレーを通して教えてもらいました。
佐々木:大竹さんも、淳宏さんのような方を。
大竹:そうですね。
佐々木:マサオ君ではなくて。
会場:笑い
大竹:皆さん、一日一日、いろんな感情をきっとね、感じると思うんですけれども、常にやはり前向きに。マイナスのことを考えても仕方がないですので、常に常に前向きに、これからもお互いに頑張っていきましょう。
佐々木:おふたりとも、まだまだこれからメディア、そしてそれぞれの現場でご活躍なさると思います。本当に今日はありがとうございました。これからのご活躍もお祈りしております。
会場:拍手
ゼッターランド:皆さん、ありがとうございました。
大竹:ありがとうございました。
会場:拍手
佐々木:いやあ、私、本当に楽しくて、お話を聞いていて。たぶん皆さんもそうだと思うんですが、おふたりの横にいてね、陽の力、陽って明るい、太陽の陽ですね。その陽の力がね、グーッとくるんですよ。おふたりともしとやかに座っていらっしゃったんですけれども。そういうパワーを私ももらえてよかったです。おふたりだけでなく、皆さんもぜひこれからまた、おふたりの力をもらって、今日、楽しい気持ちで帰っていただければと思
います。本当にありがとうございました。
会場:拍手

取材・構成:CREW
撮影:新関雅士