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後編


青島:山本さんの経験が、ジュビロで活かされないわけないんですけれど、ひとつだけ敢えて言わせていただくとすると、やはり代表チームというのは非常に短期間であるレベルの選手が集まってきて、また帰って行くという形態のチーム構成ですけれど。クラブチームでやると、しかも今シーズンは1シーズン制ですか?
山本:そうです。
青島:1 シーズン制でじっくり戦う形になるときに、随分違う面も出てくるのかなという気がするんですけれど。
山本:1シーズン制になって、ひとつは我々のチームというのは、特に3月は3月5日にF ・マリノスと対戦して、その3日後にACL(AFC チャンピオンズリーグ2005)の試合(2005年3 月9 日、中国・深●(※土へんに川)があるんですね。それはホームもあるし、中国や韓国でアウェイの試合もあるし、その中で、Jと間の水曜日にACL をやって、またJリーグと、もう3日に1回試合が続きますので、その選手の質も層も上げていかねばなりませんし、タフな選手も育てなくてはいけませんし。我々、代表選手が多いですから、その後空いているところが、代表選手はワールドカップ予選やフレンドリーマッチで、全部やるとなると試合の数が16~17試合ぐらい、代表レベルだとあるので、コンディションをうまく作っていくのが、ものすごく重要だと思うんです。夏までは本当に選手を疲労を起こさせない、無理をさせないような形で。代表の選考は夏以降は終わりますので、もう僕は5月6月のシリーズでワールドカップ出場が決まってですね、最後のイラン戦(ワールドカップ・アジア地区最終予選、2005年8 月17日、日本- イラン)だっけ?
井原:そうです。
山本:それが消化試合になっているような状態になれば、我々のチームとしてはそこから追い上げられる。春は代表をしっかり応援しつつ、上位にくいついていきながら、秋以降、新しく入ってきている選手も、その頃にはもう馴染んでいると思いますので、爆発的な力を出せたらいいなと思っています。
井原:そうやってコンディションがすごく重要になって、3月は代表試合もありますし。その中で、いろんな選手の補強とかジュビロもいろんな噂とかも出ていたりしますし。キーパーは川口(能活、元デンマーク・FCノアシェラン)とか。村井(慎二、ジェフ市原)選手とか茶野(隆行、ジェフ市原)選手とか入るんではないかという情報も流れていますし、そのあたりはどうか僕は聞きたいなと思っているんですけど。
青島:ぜひぜひ。先ほど「是が非でも獲得したい選手がいる」という質問では、「いやそれは大丈夫です」という答えがあって。現状の戦力でいけそうだという手応えは感じてらっしゃるんでしょうけど、実際補強という面ではいかがですか?
山本:世界を見据えたときに、年齢構成に多少イビツなところがあるんですけれど、今いる選手たちに不満は全くないです。現在残っていた選手は全員オファーさせてもらいましたし、その全員が戦力だと思って、若手に期待もありますし、ベテラン選手もそのポテンシャルの高さプラス、まだまだ磨き上げられる。そういう意味では全員が戦力。その中で他のクラブからどうしてもという話は幾つかあるんですけどね。今いる選手たちをもう一度、さらにレベルアップできる自信もありますし、選手たちもそれだけのポテンシャルを持っているし。それとプラス、新しく川口能活選手が来ますし、崔龍洙(チェ・ヨンス、元韓国代表)も入団が決まっていますし。実際はこの二人だけが今決まっていまして、その先の、今の話は、これからまだ先の話で……。
青島:後で皆さんからの質問で出てくるんじゃないんですか? 本当のところ誰を獲得するか?
山本:現状の選手たちにすごく満足しています。レベルアップできると思うし。ただ、今この1 年間のいろんなデータの分析をしているんですけれども、その中で見えてきた課題があることも事実です。それをどう埋めていくかという部分で。まあ、目指しているところが世界に向かっていますから、その基準で考えると、やらなきゃいけないところはたくさんあるとは思うんですけれど、それは1 年でできることと、数年かかることと、その辺りをしっかりと一貫してやっていく。ただ、皆さんに夢を持ってもらえるようなクラブであり続けないといけないと思っています。
青島:わかりました。うまく逃げられましたね。第6問は「サポーター・地元社会へのリクエストがある」という質問、「はい」というお話をされたんですけれども、これは後ほどに皆さんとのやりとりにでてくると思いますので、後ほどに回させていただいて。いよいよ時間もなくなってきたので、核心に迫っていきたいのですけれども。第7問目が「2005年、ジュビロ磐田の先発メンバーは大きく変わる」。うーん、どっちかな。それから第8問目は「2005年、ジュビロ磐田のプレースタイルは、変わる」? 少しずつ、という話がありましたけれども。「メンバーは大きく変わる」というここでとりあえずまず、現状という意味で言うのであれば、去年はファーストステージが2位、セカンドステージが13位という中で、そして天皇杯もジュビロは惜しかったんですけれども、決勝までいかれたという中で、今、現状のチームというのをどのように把握されていらっしゃるのですか? 先ほど、お話も出ました現場での例えばマイナスの部分もあると思うんですけれど。
山本:ひとつは、ACLが早くからスタートしたということで、他のチームよりコンディションがいい形でスタートしている。そのACLとJリーグの過密スケジュールの中で、徐々に選手がどうしても疲労してくるところで、全体の低下につながってくると思うんですけれど、それを来シーズンは1年をトータルで考えていかないといけないところはあると思うんです。で、実際に、これを言うとジュビロの弱点が見えちゃって、あまり……。
青島:あっ、そうか、そんなこともありますね。
山本:言えない部分もあるんですけれど。例えば失点でいうと、昨年はやはり、セカンドステージを全部洗い直してみると、75分から90分の失点がすごく多いですね。
青島:後半のしかも後半。
山本:後半の75分から90分の失点が多かったら、追いつかれるか負けてるという。最後の15分ってところで勝負が決まってきますので、そこでの失点が他の時間帯に比べると倍以上に増えちゃっている。こういうところで1つ1つ、いろんなデータが集まってきたので、改善しなくてはいけない。今、この段階で改善をしなくてはいけないことと、1月24日からトレーニングが始まるんですけれど、そのトレーニングの中で、更に、少しずつ戦術的な部分で改善すること。あとコンディションの部分で改善すること。技術的なことも当然ありますし、そういうものをしっかりと、考えてやっていけば。まあ、課題はいくつかありますけれどね、ヘタに言えない。
会場:笑い
井原:僕も昨シーズンで、ファーストはよかったんですけど。その後、セカンドでは得点力が上がらない部分もあったと思いますし、やっぱりスピードある攻撃というか、ダイレクトプレーからの攻撃という、その精度であったり、回数がすごく少ないのかなという印象がジュビロに対してあるんですよ。ボールはどんどん回るし、ポゼッションはある程度高いんだけれども、ただゴールが生まれない。で、カウンターをくらって失点するケースが多い。その前年はジュビロ磐田は速い攻撃もできて、だからこそよりポゼッションを活かした攻撃もできたと思うんです。やっぱり、そこがポゼッションのサッカーだけに片寄ってしまっている気がして。「プレースタイルは少しずつ変わっていくだろう」ということですけれども、フォワードも崔龍洙を補強しましたし、どういうふうな形で、そのあたりは変化するのか……。しゃべってくれないんだと思うんですけれども。
会場:笑い
井原:僕らは周りから見ると、そういうところはありますよね。
青島:ですよね。
井原:フォワ-ドで前田遼一、グラウのツートップなのか。ゴンも怪我したりしたんで。ただ、スピードでガンガンいくタイプではないし、ダイレクトから一発という攻撃が少なくなってきているので、そのあたりが考えなければいけない部分なのかなと。
山本:得点が少ないということに関して。三大得点源というのはまずひとつはダイレクトプレーですね。ボールを奪ってから15秒以内の得点というのが圧倒的に多い。これは僕が入る前の磐田が得点を取った時間を見ると、28秒とか30何秒とか、ボールを徹底的に回した末に点になっている。現状は15秒以内に増えてきていますね。それが今変わってきている部分で、ポゼッションのよさを活かしながらやっていきたいと思いますし。それとサイドからの攻撃ですね。サイドを崩しての得点というか、サイドのクロスからの攻撃というのが次。もうひとつはリスタートですね。これがほとんどの得点を占めているんで。これがバランスよく点にならないと。やはりリスタートからの得点がセカンドステージでは少ない。チームの得点の30~35%はリスタートから生まれるはずなんですけれども、それがすごく少ない。まあダイレクトプレーはもっと少ないんですけど。あとサイドの崩しの中で右サイドの崩しはすごく多いですね。
青島:この辺り、まずは意識の問題というところから入る部分が多くなるんですかね。
山本:エリアごとにいろんなパスの起点を全部調べていますので。こういうエリアでいい仕事ができる選手が、ここでこの選手がこういうラストパスで走ったとか、攻撃のパスの起点は全部調べていますので。どこのチームも研究して全部潰しにきますから、片寄った形だけしかないと、そこを押さえられるとものすごくきつくなりますからね。バランスをとって、どこからでも崩せるということがものすごく大切ですね。
青島:山本さんはなかなか言いにくいこともあるでしょうけれども、井原さん、例えばね、崔龍洙が入ると考えたときに……。
井原:はい。
青島:例えば、その攻撃的な布陣を考えたときにね、ゴンちゃんがいたり、藤田俊哉選手とかはどういうふうに置けるのか、そのあたりはどんなふうに考えますか?
井原:崔龍洙を先発に使う、使わないは監督が判断されることなんですけれども、崔龍洙を活かすのであれば、サイド攻撃の精度が欲しい。真ん中だけでは崔龍洙もきびしいと思うので。彼の高さやゴール前の嗅覚には素晴らしいものがありますから。右サイドだと、西(紀寛)が昨シーズンは途中で怪我をして、その怪我がチームを潰したところも少しありました。そういうサイド、特に右は西がいた方が精度が高かったと思うんですけど、左サイドは山本さんもおしゃったように攻撃力が少ない。俊哉がやっていることもあったんですけど、俊哉は左サイドに回っても真ん中でもプレーできるけれど、もともと左サイドでドリブルでかけあがってクロスボールを上げる選手ではないので。そういう部分で、サイドのプレーヤーの具体的な補強選手の名前が挙がったりしたと思うんですけど、両サイドをうまく使えることで真ん中も活きますし、ポゼッションも活かせる。もちろん、前をどういうメンバーにするかというのは、そのポジションの組み合わせによって決められていくことだとは思うんですよね。
青島:今日の話に出て、「レギュラーはない」ってことですし、ACLを戦っていく中で層も厚くしていかなければならないというなかで、では誰だという固定しての話は、むしろそれに反する話になってしまうと思いますけれど。間違いないのは完成度という線に向かうということになるんでしょうね。
山本:そうですね。本当に高いレベルで皆が切磋琢磨して、対戦相手によってメンバーも多少変わったりすることもあるでしょうし。さっき言った、すごい過密スケジュールなんですよ。海外から帰ってきて、中1日でJリーグに出なくてはいけない。それはもう、2日前に海外で試合したチームと、1週間調整してきているJリーグのチームとでは大きな差があるわけじゃないですか。
青島:はい、はい。
山本:そういうコンディションでもって、2日間と1週間の差、それは勝敗を決定づけるような差になりますから。そこはもう全力で優秀なスタッフがやってくれる、それだけでは補えない部分が出てくるので、その部分の層の厚さというか、すごく難しいし、戦い方がものすごく大事になってくる。そういう意味では、相手によってだとか、流れの中で、例えば90分、60分、45分だったら充分監督の話も聞けるだろうと。そういう、ぎりぎりで戦うことになると思うんですよ。
青島:そうでしょうね。
山本:JとACLですごく厳しい戦いになると思うんです。そういう意味で、難しい準備になると思うんですけれど。逆にそれをやっていく過程の中で、僕は選手が伸びていくと思っているんです。その先の本当に世界に通じるクラブ作り。将来的に長い目で見たときにここでチャレンジすれば、必ずそこに大きなチャンスが出てくると思います。
青島:クラブ会報誌でですか、前田選手あたりは「毎日過密スケジュールで自分はうれしい」と。「どんどん試合に出て自分をアピールしたい」と。
山本:そういうタイプの選手もいるんですよね。練習の方が力を発揮できるタイプもいる、冷静になったときにコンディションがガクっと落ちる選手もいるし。ま、そういう部分もしっかり掴んで、スタメンをみていきたいですね。
青島:それから、井原さんは中山選手とは親友ですけれども、彼はあと15年ぐらいはやるんですかね。
井原:「40になってもやるよー」って言ってましたけどね。「パパになったし」とか言って。
青島:この間も天皇杯でおいしいところ、出て来てしっかり取りますからね。
井原:そうですね。あのあたりは流石ですよね。やっぱり交代で出てきても、ああいう場面で雰囲気を変えたり、という仕事ができる。だからそれだけ準備をしっかりしていると思いますし。
山本:本当に準備はすごいですよ。頭がさがる。それから、僕らもかなりヘビーなんですよ。スタッフのミーティングが1時間、2時間前からスタッフミーティングがあって。彼はそれと一緒の時間かそれより前か、2時間ぐらい前に来ているんです。朝10時の練習に8時には来て、自分の身体の手入れをしているわけなんです。こういうのはやはり、若い選手が見て、いろいろなものを学ぶと思うんですよ。それがジュビロの伝統だと思うんで。そういうふうになっていってもらったらいいな、と。鑑ですね。本当に悪い箇所が一杯あるわけです、その練習に100%で出るために、その2時間を費やして、いろんなところを温めたり治療したり、そしてもうアップが始まる5分前ぐらいに自分で走って身体を温めたり、そこから練習に入って。その姿は本当にすごいと思うんです。「あと15年やる」と言うのも、本当にやれちゃえそうだから。
青島:やってほしいですけれど、もし15年してまだゴンちゃんいたら、その時は監督も相当難しいでしょうね。でも彼ならやりそうな感じですよね。
山本:本当にそう感じ取れるくらい、すごいんで。1年でも長く、若手の見本であってほしいなと思いますよね。
青島:「おーい、井原またやろうぜっ」とか言ってるじゃないですか。
井原:いや、もう自己管理は本当に僕がいるときから、監督がおっしゃった形で、帰るのは一番最後。今もそうだと思います。練習する前にいろいろ補強して、練習して、「これで練習出来るのか?」と思うくらいの補強とか。僕も一緒にやっていたら、僕が疲れちゃったりして、そういうこともありましたけど。
青島:そいういう話を山本監督からも聞くとますますこれからも、ゴンちゃん、出来る限り頑張ってほしいと思いますが。我々から言わせていただくと、中山選手はジュビロの象徴的な選手だと思うんです。日本のサッカーを象徴する選手という存在でもありますが、彼も38、7歳?
井原:37ですね。
青島:そして、他の選手を含め、ジュビロの場合は、例えば前から言われてきているけれど、かなり年齢的に上がってきている。そのへんの世代のバトンタッチというのが、ひとつ鍵になるというのは前から言われていますけれども。そのあたり、監督はどんなふうにとらえていますか? 選手として、次の世代へのバトンタッチといいますか。
山本:しっかりと身体作りをしていけば、どの選手もまだまだ輝けるプレーができると思うので。それを選手が1 年やって、その結果、また来季考えることであって。そういう最善のフォローはしていきたいなと。我々はトレーナーだとかドクターだとか、いろんな優秀なスタッフを抱えているんですけれども、そこも日本の中でもトップだと思うんです。スタッフの熱意ってものすごく重要なんですよ。そういうスタッフのもとで選手がもう一度、輝きを取り戻してくれる1 年に必ずできると思います。
青島:別に、悪意があるわけではないですが、若干ネガティブな意味を含んで山本監督に伺ったんだけれども。井原さんも30半ばまでやられたわけだけど、そこまで選手としてやっているってことは、いかに自己管理ができていて、そして情熱を失わないで日々を送れているサッカー選手かどうかというわけだから、そこまでの選手がいるというのは、環境を含めてでしょうけれど、あるべき姿ですね。
山本:若い選手もベテランが退いてくれるのを、指をくわえて待ってちゃいけないと思うんです。それでは成長はないと思うし、今こそベテランを抜いて、ピッチに立てる時間を増やして、その先に日本代表が見えてくる。今度は日本代表なんですよ。
青島:ですよね。
山本:そこで、若い選手が出ていけるようになったときには、そのまま日本代表に行けるようなクラブにしたいなって思っているんですけれど。
青島:井原さんどうですか? やはり30歳あたりからちょっとどこか変化してくることってあるじゃないですか? そのあたりいかがでしたか、リアクションは?
井原:そうですね。30くらいで一度そういうことを感じることはありましたけれども。こんなに疲れが抜けるのが遅かったかな、コンディションがなかなか戻らないなとか。ちょっとした傷とか捻挫とかケガがなかなか回復しないというのが、30歳ぐらいからあるんで。そこでどうやって自分を克服して、コンディションを維持していくかが大切だし、ジュビロでれくらいの年齢になっていく選手が多いわけで、代表クラスの服部年宏とか名波浩とか藤田俊哉とかね。
青島:はい。
井原:あのあたりが皆、中心ですし、田中誠もそのくらいの年齢になってきたので、その選手たちがどこまでしっかりとコンディションを維持してやっていくかというのが、やっぱりジュビロの成績にも関わってくると思うし、そこにどんどん割って入ってくる若手といういうのも必要になってくると思いますけれどね。
青島:でしょうね。ACL で戦いながら、というスケジュールが入ってくると。
山本:今年、代表戦から帰ってきて2日後の試合ってすごく多いんですよ。来シーズンは、バーレーン(2005年6 月3 日)だとか、北朝鮮(2005年6 月8 日)もあるし、イラン(2005年3 月25日)も。アウェイ戦でものすごくきつくなる。
青島:はい。
山本:そういう過密スケジュールの中で2試合をこなして帰ってきて、じゃあJリーグ。さっと使えるかっていうと、相当コンディションに気をつけないと、パフォーマンスが30~40%目減りした状態でピッチに立って勝てるような世界じゃないですから。そのへんのコンディションは大事ですね。
青島:守備の要というか、ゴールキーパーの川口能活君も来ることが決まったんですけど。
井原:それは大きいですよね。
山本:彼は15歳ぐらいの時から世界で戦ってきたんで、もう15歳の時の性格そのまま育っちゃいましたね。
青島:熱いですからね。このトークバトルはシリーズでいろんな場所でやっているんですけど、野球の回だったり、ラグビーの回だったり。その第1回目は私と金子達仁さんと川口能活君、小倉隆史君が出まして。その前後だったか、能活君と食事をしたときに、たまたまあのマラソンの解説で素敵な声の増田明美さんがいて、「あなたかわいいわね。顔はかわいいけど、しっかりしているわね」って。増田さんがものすごい勢いで川口君を激励していましたんで、川口君がもし悩んでいるような時があれば、増田明美を呼んできますよ。
会場:笑い
青島:彼もヨーロッパでやって、いい意味で苦労した部分もあって、そこで日本に戻ってきて、どんなふうにやってくれるのかというのが本当に楽しみ。ワクワクしているんですけれど、どうですか?
山本:彼は地元の出身ですし、ずっと苦労もしてきたんで、人間的にすごく優しい。ああこいつ、ものすごく成長したなという感じで。この前、本人に言ったのが、「お前、ずっと親孝行してこなかったんだから、親孝行して、毎日地元のローカルテレビに映るから、富士のお父さん、お母さんがお前の元気な姿を見れるから、親孝行だと思ってジュビロ磐田で一緒に、頑張れ」と。
青島:大事なことですよね。
山本:富士の方が黄色に染まっていたんですけれど、急に水色になっちゃって。
青島:そうですか。
井原:でも能活君、山本さんが監督だからジュビロに入ったんですよ。山本さんが監督でなかったらジュビロに移籍してなかったかもしれない。ずっと海外だったし、向こうでひと花咲かせてやろうと思って、ずっと日本ではやらなかった部分があるので。それが山本さんが監督になられたということで、ジュビロで頑張りたいと。もちろんワールドカップ・ドイツが控えているからっていう気持ちもあったと思いますけど。
青島:代表戦もありますんで、いいコンディションで頑張ってもらいたいです。さあ9問目は「2005年、Jリーグチャンピオンは、ジュビロ磐田である」。これはもう躊躇なく「はい」。そして10問目も「2005年、12月の世界クラブ選手権に出場する(アジアチャンピオンになる)」ってところも「はい」と答えていただきました。もう当然、そこを狙っていただきたいと思いますけれど、そうなってくると監督からも話が出ましたけれど、やっぱり世界基準のサッカーというものを用意しなくてはならない。そういうものを目指していく必要があるんですけれども。山本さんに伺う前に井原さん、その世界基準のサッカー。日本はJリーグがスタートして、そしてワールドカップにも行った、自国での開催もあった。という中で本当にサッカーのレベルが上がってきていると思うんですけれど。今まだ欠けているもの、そしてこれからの日本サッカー界がどういう進歩をしていくことで世界基準に追いつけるんでしょうか。
井原:そうですね。Jリーグもすごくレベルは上がっていると思います。ちょっとしたことの積み重ねだと思います。ひとつひとつのプレーをとっても、まだ世界とは差がちょっとある。その辺りで少しずつ精度を高めていくことが、世界基準のサッカーにつながっていくことだと思います。僕はすべての部分でちょっとずつ差があると思うんで、スピードだったり、テクニックだったり。そういう部分を少しでも高めていくこと。後はそういう経験の部分というものも、まだまだ日本のサッカー、世界と対戦する機会が増えてはきましたが、代表レベルだけじゃないですか。それをクラブチームでもそうやって、世界のクラブチームと対戦することが今、夏に海外のクラブから招かれて対戦できるようになってきましたが、今まではほとんどなかったですから。そういう経験というものが所属チームでもできるようになってこないと、世界との差が自分の中でも計れない。そこで対戦して感じるものもあるし、そういう経験をもっとしていかなくてはならない。アジアの選手権が世界につながっていくのは本当に素晴らしいことだと思うし。経験というものを世界基準として伝えていくこともすごく重要なことじゃないかなって思うんですけれど。
青島:そうですよね。日本サッカーはそこを目指していかなくてはならないし、今そういう流れを汲んできていると思いますけれど。山本監督からも、監督就任をちょっと悩んだことがあったけれど、引き受けた一番の理由はやはり、ジュビロというチームが世界で戦える可能性を十分に持っているチームだ。そして今シーズン、そのチャンスをもっているチームだから、そこに賭けたいという話が冒頭にあったわけですけれども。今年どんなふうに戦っていきますか。山本監督:世界に出て行くためには、アジアで勝たなければいけないわけで、アジアの分析やスカウティングが、すごく大事なテーマになってくる。あとは戦いでいうと、ほんの小さなプレーの良かった悪かったという部分で、勝敗がひっくり返る世界。本当にお互いの隙を突きあうような世界が、世界基準だろうし。そういうところを逃さないように突いていかなければいけない。一方でゴール前の両ペナルティエリア内の質の差というのは、これは本当に世界とそこに差があることは顕著ですね。アテネオリンピックのイタリア戦でオーバーヘッドで入れられたんですけれども。まさか後ろにずれたボールをオーバーヘッドするかというような、なかなか練習しないと出来ないですよね。立ち上がりの早い時間で身体がフレッシュだったんで、あれがうまく出来た。要するに得点の70%がワンタッチなんです。一回しかボールに触らないワンタッチシュート。あそこで止めていたら、絶対にディフェンスが間に合っているんですよ。でも止めたら時間がないというところを、トレーニングなんかで常に積み上げていって、ああいうズレたボールを支配する。あれはセンタリングが少し行き過ぎて、後ろに入ったんですけれど、それをヘディングできないんで、戻ってオーバーヘッドしたんですけれども、そういうようなトレーニングが、その1 点で世界で勝ち上がってくるプレーになる。ああいうものが増えれば。例えばクロスが入りました、止めました、打ちました、入りました。その止めている時間がないんです。止めた瞬間に確率が10%になるかも知れない。それをワンタッチでボレーで打てば、入る可能性がある。要するにシュートを打つチャンスということです。自分が無理な状態でも、ワンタッチでゴールを生み出せるような体勢でプレーできるのは、これから育成の部分から変えていかなくてはいけない課題だと思いますね。両ペナルティエリア内の質を上げることで、障害が消去できる。中盤にスペースがあったときのプレーの質というのはすごくいいですね。海外で活躍している選手には、中田英寿を筆頭に、中村俊輔(イタリア・レッジーナ)や稲本とか海外に出ていった人たちは、ほとんど中盤の選手ですね。そこは日本人のスキルで十二分に出来る。けどゴール前では自由にやらせてくれない。
青島:なるほど。
山本:ゴールキーパー、ディフェンダー、フォワードを含めて、なかなかそこで海外で世界基準の活躍ができる選手がいないから、世界との差があるんです。
青島:なるほど。
山本:ディフェンダーとか、アタッカーとか。やっぱり韓国の選手に聞くと、一番恐れられているのが、高原(直泰、ドイツ・ハンブルガーSV)。あいつが一番怖い。やっぱり、それだけの選手がヨーロッパで活躍できるんです。そういうのを見ていくと、やはりそこの部分の質はかなり上げないといけないと思っていますし。ゴンちゃんが30歳を過ぎてから得点王を2回もとって。前田遼一なんてまだまだこれからです。
青島:そりゃそうですよね。
山本:西野(泰正、ジュビロ磐田)も良くなってきましたし、カレン(ロバート、ジュビロ磐田)も育てなきゃいけないし。カレンはメディカルチェックを受けて、明日1 月9 日からカタール遠征(カタール国際ユース大会、2005年1 月14日~26日)に出ますので、昨日、大熊清監督(U-20日本代表監督)に電話をして「ビシビシ鍛えて」と。
会場:笑い
山本:大久保にしても、田中達也(浦和レッズ)にしても、あのへんは皆15~16点は取っているので、そのくらい取れるようになってくれると、彼も代表に呼ばれるようになるだろうし。
青島:サッカーといわず、どのスポーツでもそうでしょうけれども、世界で戦うとなれば、まずはやはりフィジカル的なスピード。足が速いとか技術的に速ければ、チャンスが作れるわけですから、フィジカルなスピード。それと、プレーに無駄がなければ速いわけですし。そして、やっぱり判断の速さ。
山本:判断の速さというのは、最初は頭で考えているんですけれど、それが反射的に出来るようになっていくくらい、オートマチックに出来るようになっていくと。多分、野球のダブルプレーとかでも、二塁から一塁に投げようとしたとき、サードランナーが飛び出したら、投げる方向を変えたりできるわけじゃないですか。
青島:はい。
山本:ああいう判断の速さ、プラス柔軟性みたいな。頭の中の、結局、頭の中なんですよね。
青島:ええ。
山本:結局、頭の中から指令が出て身体を動かすわけで、やはり頭の中が柔軟でスピードがないと、きついですね。そこの駆け引きですよね。
青島:井原さん、そういうのっていうのは、実際それをやってのけるプレーヤー、こんなところからシュートを打つのか、このぐらいで抜いてくるのかとか、実際に目の前で見てて感じたことはありますか。
井原:個人の能力として、最終部分はあるかもしれない。あとは、やっぱりパスの受け手と出し手との関係があると思うんですよね。二人のアイコンタクトなど、そういうものはサッカーをすごく大きく左右すると思うので。チームとしての意識が全体にどれだけ浸透しているか、どれだけいいチームワークでお互いの考えていることをわかり合えているかというのがすごく重要になってくると思う。やっぱり、ジュビロの選手たちはそういう部分が優れている、それが強みだと思います。どういうプレイがしたいか、どういうパスがほしいか、お互いが共有する雰囲気がありますし、わかりあえている選手も多いと思うんで、そのへんはぐんぐん高めてほしいなと思います。
青島:さあ、時間があっという間に経ってしまって、残り30分を切るぐらいになってしまいましたけれど、でもこの勢いでいくと、終わるのが朝8時くらいになってしまいそうなんで……。
会場:笑い
青島:Jリーグのチャンピオンを目指す。そして世界クラブ選手権にも当然行くんだ、というお話がありましたけれど、今シーズンの目標、そして、これからに向けてのジュビロの目指すところというのを、お聞かせ願えませんでしょうか。
山本:日本の国内では常に優勝するというのがジュビロの使命ですし、その中から世界に羽ばたけるように。クラブの方針が、世界で戦えるクラブを目指しているわけですから、ピッチの中はもちろんですけれども、ピッチの外の部分ですね。会社全体もそうでしょうし、取り巻くサポーターを含めた環境も、アウェイのチームが来たときに、この街はやっぱりすごいなという街であってほしいと思いますし、そういうところを改善していくことも我々のすごく大事な仕事だと思っていますんで。全体がレベルアップして初めて世界に近づけるんじゃないかなと思います。そういう夢をさらに追い続けていきたいと思います。これは長期的に時間がかかることですから、まずは来シーズンの大きな目標に向かって、24日からのトレーニングを充実させて目標を達成したい。そして12月に皆さんと一緒に、1 年頑張ってきた皆さんに大きなプレゼントができたらいいなと思います。ジュビロ磐田を皆さんに誇りに思ってもらえるようなクラブにするように、頑張っていきたいと思います。ご支援をぜひよろしくお願いします。
会場:拍手
青島:力強いお言葉をいただいたところで、それでは会場にいらしたサポーターの皆さんから、「山本さん、これはどうだ」、あるいは「井原さん戻って来い」みたいな話。
山本:いいですね。
青島:どんなことでも結構です、時間の許す限り皆さんの質問を受けていきたいと思います。
客:ベテランの選手と一緒に真剣に紅白戦をやっていると、きっと若手の皆さんには「俺のプレーで怪我をさせてはいけない」というマイナス的な気持ちが働くんじゃないかなという気がします。そこでひとつ、若手のための真剣勝負の練習試合をぜひ増やしていただきたいと思います。ぜひ若手を山本さんの素晴らしい指導力で伸ばしていただきたいと思います。
青島:若い選手たちへの評価といいますか、お願いということになるかと思いますが。
山本:優秀な若手が来シーズンも入ってきます。やはり試合の経験の場というのは、サテライトリーグはすごく少ない。来季に関しては、実戦の場が若手にすごく少ないです。基本的に、Jリーグの次の日に試合に出なかったメンバーは必ず試合をさせる予定です。サブのメンバーを含めて、若手と一緒に、必ず試合を入れていこうと思っています。そこがアピールのチャンスで。サブで行った選手が、例えば九州や広島へ行って帰った次の日が試合なわけです。そこでやっぱり明日の試合のための準備を、移動の時間も仕事なんですよ。明日、いいプレーをすればその次のスタメンが見えてくる。そういう環境の中で、ゲーム勘を養わせたいと思います。そのためにトップとサテライトをしっかり分けて試合の場を増やして、そういう中で紅白戦もそうですし、リーグ戦の翌日の試合もそうですし、週の半ばにサテライトメンバーだけで試合をやれる機会を増やしていきたいと思います。名古屋とか東京あたりにも日帰りで試合に行かせるような方向で、その中から這い上がってきた者が、僕は本物だと思っていますので。チャンスがあれば、午前・午後としっかりとやれる時間が取れると思うので、しっかり鍛え上げて、長期的なところで言うと将来のジュビロを彼らに支えてもらわなくては困るので。貴重な意見をありがとうございます。
青島:ありがとうございました。
会場:拍手
青島:では続いてそちらの方。お願いします。
客:千葉の市原市から来ました。オリンピックの予選から山本監督のファンになりまして。今、代表の話がちょっと出ましたが、2010年のワールドカップの指揮をとるのは山本監督しかいないと私は思っているんですけれども。今後、代表監督の復帰についてどのようにお考えになられていますか?
青島:もう話は2010年まで行きました。
山本:遠いところをありがとうございます。市原の方から選手が入るんじゃないかと噂にはなっているんで、万が一そういうことになったときにはよろしくお願いします。非常にありがたいお話ではあるんですけれども、2010年のピッチに先日のアテネのチームだとか、このジュビロからたくさんの選手がピッチに立ってくれたら、すごく僕は嬉しく思います。そのためには与えられた仕事を、ピッチの中でも外でも、やり甲斐のある仕事を与えられていますので、まずはこの中で世界に通じるクラブを作ることが一番の今の使命だと思っています。まあ不器用でそんな器用な方ではないので、まずは与えられた仕事を精一杯やった先に、自然の流れの中からいろんなことが見えてくるんじゃないかと思います。今は短期的にも長期的にも、このクラブが世界に誇れるようなクラブになることを、まずは目一杯頑張りたいと思います。ぜひジュビロを熱く応援していただけるとうれしく思います。よろしくお願いいたします。
青島:非常にソフトに語っていただきましたが、私、一応、通訳します。「絶対にやります」ということです。
会場:拍手
山本:万が一そんなことになったら、ジュビロの選手をみんな連れて行ってしまうかもしれないから、すごく偏ったチームになってしまって、うまくいかないと思います。
青島:さあ、次で最後にさせていただきます。
客:岐阜から来ました。ジュビロもACLでいろいろな外国に行くことがあると思うんですけれども、ここは、皆さん、ぜひ来てくださいというような国と、ここはきついなという国を教えてくれるとうれしいです。
青島:サッカーの選手・スタッフはいろいろな国に行ってますよね。
山本:そうですね。普通、行けないようなところにかなり足を運んでいます。
青島:井原さんは。
井原:中東のUAE とかでオリンピックの予選をやりましたけど、中東の国は結構いい国が多いですよ。
青島:いいんですか。暑くて砂漠で大変だというイメージが強いんですが。
井原:でも、やっぱり産油国はやはりお金もありますし、すごく街は整備されていますし。綺麗なスタジアムもあって、サッカー選手じゃないとなかなかそういう国に行く機会はないんで行けて良かったなと思います。
青島:何カ国ぐらい行きました?
井原:わからないな。
青島:普通わかりますよ。わからないというのは相当行っていますよ。
井原:中東の中ではレベルは分かれますけれども、行って負けた経験のあるイランとかは行きたくない国のひとつに入るくらいですかね。
青島:行ってよかったかって、選手の場合は、勝ったか負けたかによりますからね。
井原:そうですね。あとはヨーロッパのサッカーの先進国はどこに行ってもよかったですね。行って大変だったのは、北朝鮮に僕は2回くらい。
青島:今度日本が行きますけれど、どうですか?
井原:大変だと思います。僕の時は、あんなに近いのに中国経由で行って、帰って来て。
青島:山本さんは、ここ良かったな、きつかったな、という所ありますか?
山本:きつかったところはたくさんありますけれどね。トルシエが一緒だったからというのもありますけど。冗談ですよ。
会場:笑い
山本:試合中にナイジェリアで停電しちゃって。照明が4 基あって、向こう側の2基を残して消えちゃったんですけれど、そのまま試合が続行されて。向こう側からはよく見えるんですけど、こっちが攻めていくとあまり見えない。そんなこともありましたし、中東は行ったらびっくりするようなアラビアンナイトの世界のような。すごく治安が良くて、イスラムの戒律が厳しい。我々にとっては行ってみると過ごしやすかったり。あとヨーロッパ、南米、サッカーどころは、サッカー好きにとってはこたえられないワクワクすることがいっぱいあるんで。行ってみると、ブラジルとアルゼンチンってこんなに仲が悪いのかとか。地理がすごく勉強になります。世界一広い川、ラ・プラタ川といって、こっち側がウルグアイ、向こう側がアルゼンチンで、川なのに向こう側が見えないとか。
青島:へー。
山本:この国は何年にできたとか、いろんなことで勉強になるってことはあると思う。だからサッカーを通して応援に来ていただいて、ジュビロも世界に出ていきますんで、その国をひとつずつ憶えてもらうと、ゆくゆくは地理の先生にもなれる。
会場:笑い
青島:ぜひ旅行代理店にお勤めいただくか、貯金を山ほど貯めていただくか。でも応援にいくのは楽しいですよね。そういう目的があって行くのは。
山本:今度、ベトナムと中国と韓国がACL で一緒のグループなんで、韓国はソウルから100キロくらいの水原という町で。深●(※土へんに川)は香港のすぐ隣なんで、香港経由で行った方が。
会場:笑い
山本:あとベトナムはですね、ホーチミンとハノイの真ん中の地域で、ホーチミンかハノイでやってもらいたいなって、今思っているところです。
青島:ちなみに3月9日が中国です。それから4月20日が韓国。5月25日がベトナム。各地へおこしください。お休みとってスケジュールあけて。いやあ、伺いたい話は一杯あるんですけども、もうあっという間でした。それでは最後に今日の感想と、最後に一言ずつお願いしたいと思います。
青島:ではまず、井原さん。今年のジュビロに対して、また山本監督へのエールをお願いします。
井原:そうですね。ここ2 年、F ・マリノスがチャンピオンになったり、昨年のセカンドシーズンではレッズが優勝したり、僕が所属していた3 チームのうち2 チームがチャンピオンになったんですが、ジュビロはその前はよくて、3年前はタイトルをとってくれていたんですが、今年になって、もう一度、強いジュビロに復活してもらいたいですね。なんとかタイトルを取って、そしてアジアでACL も取って、ぜひ世界クラブ選手権につなげていただきたいと思います。より強いチームを目指して頑張って欲しいと思います。今日は短い間でしたけれども、皆さんありがとうございました。
会場:拍手
井原:ジュビロを解説するときは辛口にしたいと思います。
青島:私、先ほど質問の中で聞かなかったことが、地元への皆さんへのお願いというか、リクエストを聞き逃したんですけれど、それも踏まえて、皆さんへのメッセージを監督からお願いできますでしょうか?。
山本:本当に今日は寒い中、かけつけてくれてありがとうございました。皆さんの温かい気持ちをしっかり受け止めて、この1年、頑張っていきたいと思います。皆さんと一緒にこのジュビロが、日本のサッカーの新しい歴史を世界に向けて築いていきたい。そしてそれを皆さんと一緒に喜び合えたら最高です。なんとか目標に向かって、すごく大きな目標なんですけれども、充分それが手に届くだけの戦力が整っていると思いますので、この戦いを通して、皆さんに夢と感動を与え続けられたらと思います。12月に一緒に喜び合いましょう! 本当に今日はありがとうございました。
会場:拍手
青島:ジュビロではファンへのサービスがいろいろありまして、“勝ったら企画”というのがあるようですね。勝つと地元の商店街からクーポンが出て、安く食事ができたりする。
山本:よくお店に行くと言われるんですよね。
青島:そういう意味でも頑張っていただきたいです。いいお話を台無しにしてしまった青島です。
会場:笑い
青島:どうもありがとうございました。どうぞ大きな拍手をお願いします。
会場:拍手
青島:本当に世界をずっと相手に戦ってきた二人ですから、お話が尽きない。山本さんも本当にいろいろな経験をジュビロで活かせたときには、ジュビロも違うかなと思いますね。山本さんの言葉で「勝負、試合は準備がすべてだ」とおっしゃっていたのが非常に印象に残っています。それはコンディションもそうだし、相手に対する研究もそうだし、もう試合になったらやるしかない。やはりどれだけその前にきちんと準備をするか、というところが勝負を決する、という話を山本監督はいろんな場面でしているんですけれど、何事もそういうことだと思うんですよね。本番になったら誰でも頑張りますし、勝ちたいわけですけれども、本当に勝ちたいのであればその前にどれだけ準備をするか。それに向かってコンディションを整えて、やっておけることをきちんとやっておけるかどうかしかないわけですからね。いよいよ始まる今シーズン、山本さんがどんなチームに、さらに高いステージまで引っ張り上げていくのか、本当に楽しみです。そしてそれだけのタレントが十分にいるチームですから、楽しみです。今日は本当にありがとうございました。
会場:拍手

取材・構成:CREW
撮影:新関雅士