中西:続いて「前半戦で対戦して予想外だった選手、チームがある」という質問について聞きたいんですが、本田選手は誰ですか。 本田:選手じゃなくてチームですが、ヴェルディと柏レイソル。メンバーから見ても、現在の成績は予想外。 水内:そこにいるチームではないということ。 中西:ヴェルディは今、14位。でも2位と勝ち点6差だよ。2ゲーム差。 水内:でも1位と15差だからね。 中西:5試合分でしょう。 山田:5試合負けてくれますか? 会場:笑い 水内:自力でっていうことになると、鹿島が負けないと他は取り返しようがないからね。 中西:今日はそういう企画だからね。負けますか? 本田:まぁ負けることもあるでしょう。 水内:去年はマリノスとジュビロとの11点差くらいを、後半でレッズがひっくり返してますからね。そういうことを考えれば、1年通してダントツというのは、ありますかね? 本田:まだ3分の1ですからね。 水内:鹿島の成績次第ですけどね。 中西:レイソルも順位が下すぎるよね、17位。 本田:そうですね。いい選手がいて、能力も高いですしね。それだけでは勝てないのがサッカーの難しさなのかと思いますけど。 中西:岡野選手は予想外だったチームは? 岡野:川崎フロンターレがすごくいいなと。 中西:でしょ。 岡野:確かにブラジル人選手がいいけど、あそこまで勝つとは思わなかった。すごいですね。 中西:ジュニーニョ、すごいでしょ? あれは反則だよ。 水内:休みの後、ちゃんとチームにも合流してるしね。 会場:笑い 中西:前回のトークバトルの時、僕は福田正博(解説者、元浦和レッズ)さんに「ジュニーニョすごいですよ」って言ったんですよ。で、レッズとフロンターレの試合(2005年3月12日、等々力陸上競技場、川崎フロンターレ 3-3 浦和レッズ)の時に福田さんが来ていて、ハーフタイムの時に会ったら「哲生、ジュニーニョすごいぞ!」って。 会場:笑い 中西:「だから言ったじゃない」って。 水内:あの試合、ジュニーニョ、すごかったですね。前向いたら止められないしね。 中西:全然止まらなくて。福田さん、「お前の言ったとおりだ!」って。 水内:去年はJ2だったから、なかなか見る機会がなかったじゃないですか。 中西:「だから去年からずっと“すごい”って言ってたじゃないですか」って言ったら、福田さん、「初めて見た、本物を見た」って。 本田:開幕前の練習試合でフロンターレとやったんですけど、その時から「これはマズイな」と感じてました。 中西:もうファウルじゃなきゃ止められない。 本田:もう2人でやってますからね、前を。 中西:加速したら止まらないですもんね。だから、フロンターレはロスタイムに点を取られすぎでもったいないですね。 水内:それは監督(関塚隆)も言ってましたよ。 中西:僕のせいでもあるんだけど。僕がロスタイムに点取られて。フロンターレは伝統的にロスタイムに弱いんですよ。だからもったいない。 水内:結果的にはこういう順位になっているけど、それは修正しがいがある。 中西:誰か予想外だった選手とかいますか? 岡野:……、 水内:あんまり選手の名前とか知らないから。 会場:笑い 岡野:ホント分かんないんですよ。いつも相手の名前も分かんないんです。 水内:こいつ漢字も読めないから。「山田」とか「本田」とか簡単なのは分かるけど、レッズにいなかったら「闘莉王」なんて漢字で名前書いたら「う~ん、誰かな」。 中西:テレビで試合結果とか見ないんですか? 岡野:見ますけど、あんまりサッカー雑誌とか見ないから。だから、新しい選手は顔は見たことあるけど名前はわからない。 本田:18、19歳の選手なんか分からない。 中西:年齢が自分の半分ですからね。 本田:メンバー表を見ても、正直半分ぐらい分からない。 中西:岡野選手、J1が18チームあるって知ってます? 岡野:わかりますよ。それわかんなかったらヤバイよ。 中西:全チーム「言え」って言われたら、言えますか? 水内:「書け」っていったら書けないですよ。 会場:笑い 岡野:書けないねぇ。「フロンターレ」とか、そういうカタカナの方が分かんないかもしれない。 水内:カタカナね。小学校低学年だから。 岡野:まあ、でも大体、言えますよ。 水内:Jリーグで10年以上やってるんだから。 岡野:そんなこと気にしてやってないし。 中西:宮沢選手は予想外のチームは? 宮沢:予想外というか、すごいと思ったのは大宮アルディージャですね。 中西:大宮は強いよね。現在8位で勝ち点17点。 宮沢:味スタで対戦(2005年5月8日、味の素スタジアム、FC東京 3-3 大宮アルディージャ)したとき、3-2 で勝てるかなと思ったら残り10秒で追いつかれて。止められるかなと思ったんですけど。 中西:あれはちょっと落ち込んだね。3-1 になったとき、ちょっと緩みました? 宮沢:選手は3点取っても最後まで頑張ろうと思っていたんですけど。大宮に関しては手堅いですよね。 中西:何がいいと思いますか? 宮沢:意思統一されていますよね。 中西:ユニットで動いてますよね。 宮沢:そうですね。 中西:他にこの選手はすごいと思ったのは? 宮沢:大黒(将志、ガンバ大阪)選手ですね。ワールドカップ予選前のハットトリックはうちですから(2005年4月23日、万博記念競技場、ガンバ大阪 5-3 FC東京)。 会場:笑い 水内:大黒が活躍できたのは… 宮沢:うちのお陰ですから。 中西:あのときの大黒選手の左のボレー、すごかったですよね。 水内:彼は中山(雅史、ジュビロ磐田)のいい時と同じで、固め打ちもできるからね。なんかでも、もっとプラスなことを聞こうよ。 中西:なんとかして宮沢を盛り上げる会。テレビとか見たりする? 宮沢:けっこう見ますね。見て落ち込んでます。まぁ再開後のリスタートが大事なので頑張ります。 中西:山田選手は予想外のチームは? 山田:フロンターレとサンフレッチェ広島が意外でしたね。けっこういい完成度だと思います。徹底してますよね。 中西:広島は大宮に似てるよね。 山田:そうかもしれない。意志統一がしっかりしている。 中西:集団が個を凌駕している。 山田:その集団の中に、桜井(直人、大宮アルディージャ、元東京ヴェルディ1969)みたいなややこしいのがいて。 中西:水内さんは? 水内:対戦したことないから分からないけど…。 中西:俺たち、ずっと前に引退してるから。 水内:大宮とフロンターレは、それぞれ監督が「目標は残留だから」と言いながらもチームとして完成された試合をしているなと思いますね。外国人選手もいいし。大宮はクリスティアンにしても、ジュニーニョにしても。特に三浦さん(俊也、大宮アルディージャ監督)っていうのは、トゥットが調子悪かったらはずして。外国人だからといって、優遇したりしない。 中西:しかも、ベンチからもはずしますよね。 水内:そうそう。「調子が良ければ使う」というのを徹底しているから、周りの選手たちもすごく充実感があると思うんですよね。 中西:そうじゃないと、けっこうくさりますよね。 水内:でもそれは、みんな経験していると思うんですよ。 中西:外国人選手も平等に扱うと、監督の信頼度は上がりますよね。「外国人だから、とりあえずベンチに入れておこう」みたいなのがないでしょ。 水内:特にフォワードなんて、2トップなら1人は必ず外国人になってしまうから。永井(雄一郎、浦和レッズ)なんか相当イライラがたまってると思うけど、ヤツは頑張ってるんですよ。そういう意味ではくさらない。 中西:選手のコントロールの仕方が上手いですよね。 水内:三浦さんや、関塚さんなんかも、選手と会話してるなっていうのを感じますね。どこのチームもそうかも知れないけど、すごくそれを感じるいいチームだと思いますね。選手のモチベーションが維持されているというか。 中西:すごいなと思ったのは、フロンターレで試合に出ていない選手がスタンドで見ていて、出ている選手が点を取るとマジで喜んでいたところ。普通は自分が試合に出ていないと、そういうことはあんまり喜べないからね。ひとつの集団になっている証でしょう。 水内:勝っているチームはそういう雰囲気があるんだけど、勝てないときにどうするかが難しいね。選手は大変だし、監督はもっと大変でしょう。 中西:僕の予想外の選手は長谷部(誠、浦和レッズ)選手だね。最高です。ぜひ代表に入れてほしい。スーパーだよ。 岡野:長谷部は「マコ様」ですからね。 中西:確かに。ルックスもいいし。 岡野:浦和では長谷部専用の写真集も出てますからね。びっくりしちゃった。全部、長谷部なんです。でも、やっていて本当にいい選手だと思うし、必ず欲しいところにパスを出してくれる。タイミングもいいし、コースもいい。 中西:僕がミッドフィールドでいい選手だと思う基準は、トラップもパスも大事だけど、スペースがあったらそのスペースに運べる選手。長谷部はすぐ運ぶじゃないですか。で、運んで前に選手が出てきたら必ずパスを出しますよね。ディフェンスを引き出しておいてパス。あれができるのは日本では長谷部選手だけじゃないかな。 水内:卓也も得意だよなー。 山田:そうすかね。 水内:長谷部はこれからの選手だし、期待したいですね。 中西:あとはアントラーズをどう止めるかということを聞きたいんですけど。山田選手、どうすればいいですか。ヒントはアントラーズ対ヴェルディ戦にはあったと思うんですよ。あのときはどういうスカウティングで? 山田:僕らはいつも相手をあまり気にしないでやるので。 中西:相手の良さを潰すよりは、自分たちのサッカーをやるということですね? 山田:アントラーズだから特にというのはないですね。 中西:アントラーズとしては、ヴェルディみたいにボールを持ってるチームのほうがやりやすいですか。 本田:僕が思うには、攻められている方がやりやすいですね。ポゼッション率が高い方がボールが回せますけど、意外に攻め疲れもある。あんまりコメントできないですけど、どちらかというと。 中西:どっちもできますよね。宮沢選手はアントラーズをスカウティングすると? 宮沢:やっぱりタレント性のある選手が多いので、1対1というよりは集団で守りたいですね。 中西:僕から見ていると、アントラーズは日替わりで選手が活躍するのがいいですね。深井正樹選手とか、野沢拓也選手とか。そのへんはうまくいってますよね。 本田:みんなくさらずに準備してますからね。そこは僕が、まだ現役選手ですけど、指導者ばりに若い選手に指導してますから。 中西:いいなあ。 本田:もちろんみんな試合には出たいんだけど、チームというのはこうあるべきだと教えていかないとチームは成り立たないですからね。 中西:こういう選手がいるから、若い選手もちゃんと活躍できているんですよね。 本田:若い選手のモチベーションが維持できてますね。紅白戦のBチームで僕はいつも「BチームはAチームに行くのが目標であって、くさってても試合には出られないからここでいいプレイしてアピールしろ」ということはいつも言ってる。 中西:若い選手のモチベーションってむずかしいですもんね。ベテランの選手がそう言うとさぼらないでしょ。 本田:さぼったらまた言うし。 中西:しかも、自分がさぼらない。 本田:さぼらないですね。説得力がなくなりますから。 中西:そうすると、若い選手もちゃんとやりますもんね。 水内:そういうことは、監督やコーチが言うよりも選手が言うのがいちばん効きますしね。これからはしていかなきゃいけなくなるでしょうね。 中西:山田選手が代表に行ってもそうじゃないですか。藤田俊哉(藤田、名古屋グランパス)選手なんかアジアカップ(2004年7月17日~8月7日、中国)のときもそうでしょ? 山田:そうですね。率先して引っ張っていましたね。 中西:代表でサブの選手が練習でも頑張るようになったじゃないですか。ああいう雰囲気を作ったのは、藤田選手だと思いますよ。 山田:藤田さんは当たり前にやるから、それがみんなに浸透したというか。 水内:岡野はまた違うタイプで盛り上げる。 本田:それぞれ役割分担があるからね。 水内:岡野はヴィッセル神戸へ行ったりして他のチームを見てきて、レッズに戻ってから変わりましたね。兄貴分的になったというか。試合に出てなくても盛り上げてるしね。いいベテランになった。 中西:おほめの言葉が出たけど、そういうこと考えているんですか? 岡野:考えてはいないけど、まぁ「昔はわがままだったな」と。神戸に行って「初心を俺は忘れてるんじゃないか」と思って。レッズに帰ってきてからすごく新鮮な気持ちになって、試合に出られなくても自分の立場でできることがあるって考えるようになりましたね。若手に何を教えようとかそういうのはないんですけど、自然とそうなりました。自分が若い頃ひどかったから、たとえば永井(雄一郎)とかがキレた時も、「あぁ、そういうことあったなぁ。まぁまぁ永井」ってそういうこと言えるから。言うと永井も「そうですね」って。 会場:笑い 水内:監督やコーチに言われるよりも選手に言われると、言われた選手もすごく助かるし、「また次やろう」ってなれるから。 中西:さっき宮沢選手は、1ステージ制にはまだ違和感があるって言ってましたけど? 宮沢:なんか先が見えないなぁと思って。 会場:笑い 中西:前を見て話しましょうよ! 水内:まだ3分の2あるんだから。 中西:今の岡野選手の話を聞いて「頑張ろう」と思ったでしょ? 「俺もいいことあるかも」って。先が長いときこそ上を見ないと。でも、僕は1ステージ制のほうがいいと思いますよ。見やすいし、本当の力が出てくるし。僕はFC東京は力があると思ってますよ。 水内:一番困るのは、順位が下で先が見えないっていうことで、下ばっかり見てしまうこと。 中西:変なプレッシャーになりますからね。本田選手は1ステージ制どうですか。 本田:僕は1ステージ制のほうがいいと思いますけど。 中西:1996年に一度、1ステージ制をやっていますが、難しいですか? 本田:むずかしいですね。 中西:ずっといい調子ではいけないですもんね。 本田:勝ち点3を取りにいくのか、引き分けの勝ち点1を大事にするのか。勝ち点1をどう考えるかですね。 中西:山田選手は1ステージ制はどうですか。 山田:先が長いというより、僕らは1試合1試合の勝負で考えているから、次の勝負のこととかあまり考えていないから。終わってみてどう感じるか、正直わからないですね。 水内:1試合1試合を前向きに戦っていくということですよね。 山田:初めてなんで、正直よくわからないんです。 中西:僕はJFLでもJ2でもずっと1ステージで戦っていたんですが、シーズンが長いと取り返しがきくんですよね。強いチームは絶対落ちてくるし、下のチームは上がってくる。だから一番面白い。1年間のトータルで考えれば、J2なんて同じチームと4回あたるんだから。1ステージ制で対戦が2回なら、充分浮上できると思うね。さあそして、リーグ再開に向けて準備万端か。本田選手、逆に鹿島の不安な部分ってありますか? 本田:代表組のモチベーションとコンディションがすごく心配ですね。今回のコンフェデレーションズカップはみんなあまり試合に出ていないし、逆に帰ってきてからすごく頑張っているし。小笠原(満男、鹿島アントラーズ)もレギュラーをとったわけでなく、当落線上という意識があるせいか、コンディションを保とうという意識が高いですね。 中西:チームの好調の要因は何ですか? 本田:去年と特に変わってないですけど、意識の問題だと思います。攻めている時間でも守備の意識を持っているし。共通意識が全体に浸透していますね。代わって入った若い選手の理解度も高いですね。 中西:守備が安定していますよね。 本田:全体的に守備の意識が高いから、危ないときにはみんな帰ってきますからね。押し込まれているときは、全員で凌ごうというか。それは去年から言い続けていたことですけど。 中西:本田選手、監督みたいですね。 本田:監督はそういうことは言わないから。 水内:でも、大事なことですよ。選手がそういう意識でいるっていうことは。 中西:岡野選手、レッズは追撃できそうですか。 岡野:最初が大事ですね。そこで勝てると勢いに乗れるし。うちもけっこう勢い系の選手が多いので。アントラーズ戦までにある程度差を縮めて、直接対決で確実に倒せればチャンスがあるかなと。それまででつまずいていると、アントラーズ戦の時にみんな焦ってしまうので。 中西:ケガ人はどう? 岡野:そうですね。だいぶ復帰してきてみんな体調はいいみたいです。まぁエメ(エメルソン)はまだ帰ってきてないけど、いつも通りなんで。逆にヘンに合わせて帰ってくるとケガでもするんじゃないかって心配になる。 ※イベント後、7月11日にカタール・アル サドへの移籍が決定。 水内:まぁ試合には帰ってくるでしょう。 中西:極論ですけど、いなくても勝たないとね。 岡野:逆にいないときこそ勝っておかないと。去年セカンドステージで優勝して、今年は難しい年だと思うし。でもアントラーズやジュビロはそれを毎年続けてきているわけですからね。 水内:宮沢さん、FC東京が浮上していくために一番必要なことはなんですか? 宮沢:単純に点を取ることが大切ですね。決定機を確実に決めるかどうかで全然違うので、中断明けのセレッソ大阪戦はみんなで協力して頑張りたいですね。開幕戦ですから。 中西:山田選手、他の選手はどうですか? 山田:調子いいですよ。ケガ人も何人かいますけど、みんな上向きです。 中西:本田選手はどうですか、恐いチームはありますか? 本田:恐いチームはレッズですね。代表でも一緒だったけど、岡野がこういうコメントが言えたということに驚きました。これがチームにも浸透していくわけだから、これはやられたなと。 会場:笑い 中西:僕はやっぱりマリノスとジュビロが恐いと思うんです。絶対この2チームは来ると思うんで。アジアチャンピオンズリーグが終わって、代表が帰ってきて、どれだけ巻き返せるか。力は安定しているし、セットプレイからも点取れるし。 水内:あとはアントラーズに「落とさない戦い」をされたらどうしようもないね。 中西:もうこれからは鹿島包囲網になってくると思いますよ。 水内:隆行(鈴木、鹿島アントラーズ)にコンフェデ行く前に「どう?」って聞いたら、「レッズとマリノス次第じゃない?」って。「自分たちはもちろん頑張るけど、彼らが来るのは予想できる」って。あとは大黒(将志、ガンバ大阪)を見てると、Jリーグで結果出してれば代表へつながるというのもわかるので。 中西:それでは質問コーナーに行きましょう。 客1:僕は今の日本代表のFWには、田中達也選手や大久保(嘉人、マジョルカ)選手を使うといいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 中西:僕は監督じゃないからね。どんな選手を使うのかは監督の好みもあるので、FWの選択は変わると思います。基本的には監督が決めることですから。でも、それがサッカーの楽しさというか、いいところだと思います。 客2:代表やクラブチームで常に決定力不足が言われていることについてお聞きします。先日のコンフェデのブラジル戦で俊輔(中村、レッジーナ)がロングシュートを決めました。あのシュートは海外ではいいシュートだったという評価ですが、日本国内では単に「あの距離から打った」ロングシュートという評価のような気がするんですが、日本のシュートレンジは海外よりも狭いのではないでしょうか。 中西:たぶんシュートレンジっていうのは、遠くから打てれば打ちたいし、打てるのがベターだけど。中村選手のシュートに関していえばあそこから打てる選手だから打ったのであって、打てない選手なら打たないので、「打てる」と思った中村選手の判断が良かったわけです。ただし、打てるキックを持っていないと、「打とう」という意識にはならないわけで。みんなそれをめざしてすごく練習しているんですよ。ですから、みんながあそこから決められるようになって、そういう意識を持つ選手が増えれば、日本はもっと強くなれるはずです。 客3:シーズンオフに浦和レッズがバルセロナと対戦(2005年6月15日、埼玉スタジアム、浦和レッズ 0-3 FCバルセロナ)したり、FC東京がユベントスはと対戦したり(2005年6月7日、味の素スタジアム、FC東京 1-4 ユベントス)、Jリーグのチームがいろいろな海外のクラブチームと親善試合をしましたが、海外クラブとJリーグのチームの一番の違いはどういうところですか。 岡野:ボールの持ち方ですね。「ここは行く」とか「行かない」とか、みんなが意思統一できていて、やることがはっきりしてます。ボールをまわす時間帯とか、勝負の時間帯とか無意識にできていますね。ボールの取りどころもわかっているので、僕らは走り回らされて疲れさせられました。 宮沢:ゴール前の決定率が違いますね。ジャストミートしますし、「そんなに簡単に点が入っちゃうの?」っていう感じでした。 水内:決めるべき人がちゃんと決めるし、決める技術がしっかりしていますよね。仕事がはっきりしている。 岡野:ボールを持った人に対して必ず三角形を作るし、フォローが2つくらいある。 中西:僕、バルセロナのスタッフチームの練習試合に出たんですけど、ライカールト(フランク、バルセロナ監督)監督とかコーチとか、めちゃめちゃうまいですよ。そもそも1歩が大きいからボールが取れない。 岡野:ドリブルとかもかなり前から仕掛けられて、足が長いから引っかかっちゃうんだよね。 中西:それでは、時間となりました。本日のトークバトル、最後に皆さんからひとことずついただいて終わりにしたいと思います。じゃ、まず山田選手から。 山田:2時間長かったですけど、貴重な話が聞けてよかったです。自分のチームの秘密はバラさなくてよかったです。 中西:まずケガを治して後半戦頑張って下さい。宮沢選手。 宮沢:お陰で前向きな気持ちになれました。 会場:笑い 中西:このコメントが欲しかった。でも、本当に気持ちだと思うんですよ。 宮沢:そうですね。サポーターのためにも頑張りたいです。 中西:期待しています。そして、岡野選手。 岡野:また「あいつは漢字読めないぞ」って野次って下さい。 中西:またぜひ、来て下さい。本田選手。 本田:2時間楽しみました。再開直後の6試合が大切だと思うので、優勝します。 水内:いまは鹿島が独走していますけど、Jリーグを盛り上げるためには全チーム頑張ってもらって、優勝するのはどこであれ、混戦になってもらいたいなと思います。選手はキツイと思いますが頑張って下さい。 中西:今日は皆さん本当にありがとうございました。 会場:拍手 中西:今日はいつもとちょっと違う感じで選手をお迎えしてのトークバトルでしたが……、山田選手はもっと面白いんだけどね。ホントはもっと話すんですけどね。今日はどうしたんだろう。ケガしてるせいですかね。でもいろいろな話が聞けましたし。再開後すぐに6試合もあり、Jリーグでも「HOT6」と位置づけてますが、相当大変だと思います。暑さもあって、本当に厳しいと思いますけど、Jリーグが盛り上がらないと日本サッカー全体も盛り上がらないですからね。みなさんもここに来たことをきっかけにしていただいて、「Jリーグを観に行きませんか」と1人が1人を連れて行ってください、倍の人がスタジアムに行くわけですから。スタジアムでも楽しいイベントいっぱいやっていますし、僕もフロンターレ対セレッソ戦で等々力競技場に行って、自分でデザインした洋服を販売します。やっぱり、夏はビアガーデンじゃなくてJリーグ。昼間からビール片手にサッカー観るのも楽しいですよ。ぜひとも会場に足を運んでいただいて、楽しんで欲しいと思います。今日の選手をスタジアムで観れば、また親近感もわきますしね。ぜひともこれからもぴあトークバトルならびにJリーグに足を運んでいただいて、サッカーを楽しんで下さい。今日はどうもありがとうございました。
取材・構成:CREW 撮影:新関雅士 |
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