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毎回、様々なスポーツを熱く語り合ってきた「ぴあトークバトル」が2005年7月19日(火)、約4年ぶりに大阪で開催された。ホストにお馴染みの中西哲生氏、ゲストにガンバ大阪から宮本恒靖選手、セレッソ大阪から森島寛晃選手と吉田宗弘選手を迎え、直前に迫った「大阪ダービー」をメインテーマに盛り上がった白熱のトークの模様も完全掲載!!

ぴあトークバトルスポーツ快楽主義VOL.44 
「激突必至!大阪ダービー ホンモノはどっちや?!」

supported by協力:
梅田ステラホール

前編

<ホスト>
中西哲生
'69年、愛知県生まれ。同志社大から'92年に名古屋グランパス入り。'97年に川崎フロンターレへ移籍してからはキャプテンをつとめ、'00年にはチームをJ1昇格へ導いた。Jリーグ通算95試合7得点。現在はスポーツジャーナリストとして「ニュース23」(TBS系)、「GET SPORTS」(テレビ朝日系)などに出演中。

<ゲスト>
宮本恒靖(ガンバ大阪)
'77年、大阪府生まれ。同志社大学経済学部卒。ガンバ大阪ユースから'95年にガンバ大阪入り。同年6月24日の柏レイソル戦でJデビュー。インテリジェンス溢れるプレイでディフェンスラインを統率するチームの要。日本代表ではキャプテンを務める。人気・実力ともに、今や日本サッカー界に欠かせない存在。

森島寛晃(セレッソ大阪)
'72年、広島県生まれ。東海大第一高から'91年ヤンマー(現・セレッソ大阪)入り。前身のヤンマー時代からセレッソ一筋。J1昇格、J2降格、ステージ優勝を目前で逃すなど、セレッソの全歴史を体験している「ミスター・セレッソ」。日本代表にも長く選出され2度の「W杯」を経験、12得点を挙げている。

吉田宗弘(セレッソ大阪)
'74年、大阪府生まれ。茨城高、慶応大を経て'97年柏レイソル入団。'99年4月10日ジュビロ磐田戦でJデビュー。同年のヤマザキナビスコカップで優勝に大きく貢献し、脚光を浴びる。その後、'03年にガンバ大阪、今季からセレッソ大阪に移籍し、レギュラー定着を果たした。

司会:こんにちは。今日は本当にたくさんの人にお越しいただきましてありがとうございます。ぴあトークバトル、それではお待ちかねのゲストの方をおよびする前に、本日のホスト役をお呼びしたいと思います。ぴあトークバトル、本日のホスト役は、スポーツジャーナリストの中西哲生さんです。
会場:拍手
中西:こんにちは。すごいですねぇ。何がすごいかわかってないでしょ。
司会:カメラ?
中西:じゃなくて、僕いつもトークバトルをやっているからわかるんですけど、客席がほとんど女性なんですよ。
会場:笑い
中西:なかなかないですよ、こんな女性ばっかりの回って。ジュビロでもやりましたし、マリノスでもやりましたけど、こんなに女性が多いトークバトルはなかなかないですよ。
司会:中西さん、今日はピンクのポロシャツでセレッソカラーですね。
中西:最初にお断りしておきます。ガンバの方は怒っているかも知れないんですけど、僕が今日この格好をしてきたのは、ツネ(宮本恒靖、ガンバ大阪)のせいですね。この間、ワールドカップ予選(2005年6月8日、タイ・バンコク、日本2-0北朝鮮)で出場を決めた次の日に、僕がスポーツコーナーをやらせて頂いている「News23」(TBS系)に宮本選手と大黒選手が出たんです。で、最初に宮本選手と会ったんですけど、僕の大学の後輩なんですよ。しかも同じ学部という。たまたま会って、大学の話をしたいなと思ってたんです。そうしたら、スタジオで会った瞬間に「哲生さん、男はやっぱりもっとピンクを着るべきですよね」って。「何言ってんの?」って聞いたら、たまたまその前にファッション誌で「中西哲生がユナイテッドアローズで20万円服を買う」っていう企画をやったんだけど、それを見たって。その企画で、僕が「男はもっとピンクを着るべきだ」って言ってたんですよ、最後に。
司会:なるほど。
中西:いちおうそういうフリがあったんで、ピンクを着ていこうかなと思ったんです。
司会:ということで、皆さん大変お待たせしました。シーズン中の忙しい中で来ていただ
きました。さっそくお呼びしたいと思います。ガンバ大阪、宮本恒靖選手!
会場:拍手&歓声
司会:セレッソ大阪、森島寛章選手&吉田宗弘選手!
会場:拍手&歓声
中西:どうですか、この人。
宮本:ありがたいですね。
中西:期待に応えて、ピンクを着てきたんですけど。
宮本:聞いてましたよ。
中西:今日は何かNHKに出てて。
宮本:そうなんですよ。
中西:そして、森島選手。トークショーを一緒にやるの初めてですよね。
森島:そうです。
中西:昔ぴあトークバトルに出る予定だったのにドタキャン(2001年6月24日、Vol.13に出演予定ながら、日本代表招集のため欠席)したって? 今日はその分もよろしく。
森島:ドタキャンじゃないですけど。今日は頑張ります。
中西:吉田選手、どうですかトークショーは?
吉田:ちょっと緊張してます。
中西:どうですか、女性ばっかりで。
吉田:ツネのファンが9割くらいいるんじゃないの?
会場:笑い
中西:では今日はこのメンバーでお送りします。もう一度ご紹介します。ガンバ大阪の宮本恒靖選手、そしてセレッソ大阪の森島寛晃選手、吉田宗弘選手です。どうぞよろしくお願いします。
司会:ここで、本来ならばもうひと方、ガンバ大阪の大黒将志選手にお越しいただく予定だったんですが……、残念ながら前節で負傷してしまったということで、本日は大黒選手からメッセージを皆さんにいただきましたので、私が代読させていただきます。
「今日は皆さんにお会いできるのを僕も楽しみにしていましたが、急遽、出演できなくなり、申し訳ありません。17日の清水戦(2005年7月17日、万博記念競技場、ガンバ大阪3-3清水エスパルス)で左ふくらはぎを打撲しました。23日の大阪ダービー(2005年7月23日、万博記念競技場、ガンバ大阪-セレッソ大阪)にぜひとも出場したいので、残念ながら今日は自宅で安静にしたいと思います。僕も楽しみにしている大阪ダービー、ぜひゴールを決めたいと思います。万博で会いましょう! ガンバ大阪 大黒将志」
会場:拍手
中西:どう、その後?
宮本:いや、あんまり話してないです。たぶん大丈夫だと思いますけど。
中西:次の試合に出るために今日は休んだわけですからね。
宮本:そうでしょうね。
司会:ということで、大黒選手の早い復帰を願いたいと思います。さあ、それではさっそく参りたいと思います。ぴあトークバトル恒例、10の質問。YESかNOでお答え下さい。

質問宮本森島吉田
第1問 大阪ダービーは他の試合より燃える。YESYESYES
第2問 負けることは想定外だ。YESYESYES
第3問 ガンバ大阪/セレッソ大阪の試合結果・・順位はいつも気になる。YESYESYES
第4問 ガンバ大阪/セレッソ大阪に絶対負けたくない選手がいる。YESYESYES
第5問 正直、ダービーはやりづらい。YESYESNO
第6問 アントラーズの独走は予想外だった。YESYESYES
第7問 現在の順位には満足している。NONONO
第8問 今季、対戦して予想外だった選手・チームがある。YESYESNO
第9問 ナビスコカップ優勝を狙っている。 YESYESYES
第10問 今シーズン、最後に笑うのは自分達だ。YESYESYES

司会:ということで10の質問が終わりましたので、これをふまえてこれから中西さんにバトンタッチしたいと思います。それでは、よろしくお願いします。
中西:森島選手は当然「大阪ダービーは他の試合より燃える」にYES と挙げてましたけど、大阪長いですもんね。

森島:長いですね。
中西:いちばん長いですもんね。もう15年ぐらいですか。僕が同志社大学4年の時にヤンマーのサッカー部(セレッソ大阪の前身)とよく練習試合したんですけど、変わってないですよ。
会場:笑い
森島:何が?
中西:まず体型。原点回帰です。
森島:いやぁ、難しい言葉使われても。
中西:いやいや、髪型もね。もともと若いんですけども。
森島:いえいえ。
中西:その時に僕は大学4年生じゃないですか。森島選手は3つ下なんですけど、ヤンマーに森島選手が入ってきて、当然有名なんですけど、試合やってたら滅茶苦茶うまくて。大学生がいきなりボロボロにやられてしまったんです。あの頃と比べてどうですか。体動きます? キレとか。年齢からくる衰えとかあるじゃないですか、やっぱり。
森島:はい。
中西:でも、運動量とか落ちたりしてないですか?
森島:あの、若干下がり気味です。
中西:後ろから見ていて、吉田選手はどうですか。
吉田:動きももちろんなんですけど、守備もすごくしてくれるから。
中西:よくしてますよね。
吉田:僕よりも2歳上なんですけど、全然そんな衰えというか、年を取っているという感じはしないです。
会場:笑い
森島:でも、いつも「オジさん、オジさん」って言ってましたよ。
吉田:それでも、プレイでは全然それを感じさせないのがすごいなと思います。
中西:今シーズン、キャプテンは全試合に出てる?
宮本:出てないですよ。今年はキャプテンじゃないし。
中西:でも、相手から見ていて森島選手はどうですか。代表も一緒じゃないですか。
宮本:そうですね。2002年ワールドカップの長居のゴール(2002年6月14日、長居スタジアム、日本2-0チュニジア)は忘れられません。
会場:拍手
中西:今日は森島選手を持ち上げて下さい。
森島:気持ちよく帰りますから。
中西:あれすごかったよね。
宮本:あの時はね。
会場:笑い
中西:あの時「は」って何、「は」って。
森島:腰の回転が。
中西:体のキレもあったよね。
宮本:いや、今もです。
森島:「あった」って終わったみたいにいわなくても。
中西:そういうつもりはないんですけど。でも、僕は先週等々力(7月17日、等々力競技場、川崎フロンターレ3-2セレッソ大阪)に行って、久しぶりに生で観て、「カッコいいな」って思って。
森島:でも、点取ってないですけどね。
中西:点を取ることだけが仕事じゃないじゃないですか。
森島:でも、点欲しいですね。
中西:今シーズン何点ですか?
森島:1点。
会場:笑い
中西:でも、もともと点取りすぎなんですよ。中盤の選手としては取りすぎというぐらい、点を取ってないですか?
森島:チャンスはけっこうあるんですよ。「その割には」とよく言われるんですよ。
中西:吉田選手、後ろから見ていて「あれは決めて欲しかった」っていうのありました?
吉田:う~ん、そんなにたくさんはないですけども、まぁ、はい、あの……。
中西:あんまり気を遣わなくてもいいですよ別に。ちゃんと言いたいこと言ったほうが。
吉田:何回かはありますね。
中西:何回かあった。でも今年、キャプテンとして全試合出ていますけど、森島選手どうですか。
吉田:やっぱりセレッソでのキャリアも長いし、チームをなごみのキャラでまとめてくれていると思うし。
中西:なごみキャラなんですか?
吉田:僕は今年からセレッソに来たので、森島さんは代表でずっと活躍していて、すごい選手だっていうイメージがあるじゃないですか。でも全然、何ていうのかなぁ、すごく気さくな人だし、しゃべりやすいし、人をなごませる雰囲気を持っていますね。
中西:森島選手とは?
宮本:俺が初めて会ったのは、17歳の時に日本代表選抜の合宿に呼ばれて。鹿児島の空港で一緒になったんです。モリシさん(森島寛晃)だってわかったんで、「森島さんですよね」って話しかけに行って。俺、高校生でタクシー代なかったんで、「森島さん一緒に行ってください」みたいな感じで言ったら。気さくに「あ、いいよ」って。
森島:僕、貸し1個作ってますね。
会場:笑い
森島:タクシーに乗せてる。
宮本:ありがとうございます。
中西:忘れてたでしょ。いくつ違うんですか、ここは?
宮本:4歳。
吉田:僕はツネの2歳上で、森島さんの2歳下。ちょうど真ん中。
中西:吉田選手はガンバ大阪にいたから、宮本選手のキャラクターもよく知ってるんでしょ。僕は知ってますけど。
吉田:何かもう、ちょっと。目で「あんまりヘタなこと言うなよ」みたいなサインが。
会場:笑い
中西:何でそういうこと言うの!
宮本:その前に、ちょっとつま先立ちが気になるんですけど。
会場:笑い
中西:さっき言ってたんですよ。ツネが来る前、先に僕たち3人で会場に入って、宮本選手の話題になって。「常に周りを冷静に見ている人ってイヤですよね」って言ったら、本当に見てたね。見られてたね。
会場:笑い
吉田:そのへんは抜け目ないですよ、本当に。
中西:僕なんか初めて会った時、もうイメージができあがっていたんで。サッカーも私生活も常に完璧じゃないですか。
宮本:そんなことないです。
中西:完璧じゃないところってあるんですか。
宮本:まず自分で自分のことを知ってます。
中西:自分のダメなところってどんなところ?
会場:笑い
吉田:僕も知りたいです。ロッカールームに入ってくる時点で、もう「宮本」っていうキャラクターができてます。
中西:作ってる?
宮本:いや、いや。
吉田:「お疲れさまでした」って帰る時も背中が「宮本」。本当に。
会場:笑い
中西:車に乗るまでずっとそういう感じですか?
吉田:たぶんそうだと思います。
中西:で、車の中だと普通の状態に戻るんですか?でも、ストラーダ(パナソニックのカーナビステーション)があるか。
会場:笑い
宮本:この間、送ってもらいました。
中西:あのCMはどうなんですか?
宮本:いや、ちょっとわかりにくいかな。テレビ編とカーナビ編に分かれてるのわかってます?
中西:え、僕1回しか見たことないんで。でも、あの大黒選手もいいなあと思ったんですけど。
会場:笑い
宮本:そうなんですよ。
中西:キャラが絶妙ですね。あのまんまですか。
宮本:まんまですよ。ちょっと緊張してましたけどね。
中西:緊張してた。
宮本:あいつなりに。
中西:「ハイ」って言うシーンが。
宮本:「ハイ」が、もう言われへんかったり。
中西:そういう意味か。
宮本:「え、お前、言えよ、今のタイミングで」とか。
中西:それはいいんですけど、車に乗っている間もいつも気が張っている感じがしますよね。
吉田:僕から見てると、ちょっとリラックスできてない感じがしますね。
宮本:そんなことないんですけど……。
中西:一番リラックスしている瞬間って?
宮本:家のお風呂に入っている時。
中西:家族と家にいるときとか。
宮本:そうですね。僕は吉さん(吉田)と2年過ごしましたけど、こんな感じでした。
吉田:でもね、何か人のあらを探して、掘り出そうとしてるね。2年間ガンバにいて何が心残りかって、二川(孝広)選手のキャラを引き出せなかったのと、宮本ツネのこのクールなところを、もう少しくだけた感じにできなかったっていうのが少し心残りです。
会場:笑い
中西:森島選手から見てどうですか? 代表とかで一緒にやってて。
森島:僕もあんまりおちゃらけたところを見たことがない。
中西:でしょ? みんなそう言いますよ。
森島:見てみたいですね。キャラを変えてほしい。
会場:爆笑
中西:変えますか、今日から。ちょっとお茶目な部分を出して。
宮本:お茶目……、よくわかんないですね。
中西:お酒なんか飲みますか?
宮本:飲みますよ。
中西:やっぱり赤ワインとか白ワイン?
会場:笑い
中西:ビールよりシャンパンとか。
宮本:ちなみに昨日はちょっとビール飲みました。
吉田:どう見てもツネがワインで、森島さんと僕は焼酎とかビール。
会場:爆笑
中西:だいたい今日ここに来る格好が違いますよ。ツネは白のジャケットだけど、ほかの二人は……。
吉田:俺はNHK出てないですから。
中西:この間ちょっとテレビに出たんですけど、白はなかなか似合わないんですよ。これが似合うのはやっぱり宮本選手。
会場:笑い
宮本:いや、これ安いですよ。自分が買いたいものを買った後にさっと店を出ようとしたら、目にとまって。それで、ノセられて。
中西:ノセられるんですか?
会場:笑い
宮本:しかもまだセール3日前だったけど、「セールの価格にしておきますから」って言われて。
中西:それで買うの?
宮本:買うでしょう?
中西:僕は買うのが仕事だから。
吉田:僕は買わないですね。堅実なんです。
宮本:堅実ですよね、ホント。
中西:何? 言って言って。もう違うチームでしょう。
宮本:ガンバで貸金庫を広めたのは吉さんですから。
吉田:広まってる?
宮本:あんまり広まってない。
吉田:でも、僕が借りてるって言ったら、皆が借りるようになった。
会場:爆笑
中西:良かったね。
吉田:良かったです。僕の場合は独身で、家にいない時間が長いじゃないですか。以前ガンバにいた新井場(徹、鹿島アントラーズ)っていう選手が空き巣に入られたっていう話を聞いたんですよ。パスポートを盗られたりとか。そんな話を聞いたんで、盗られるようなものはそんなにないんですけど。
中西:いやぁ、あるはず。堅実ですからね。
宮本:「貸金庫を貸してくれへん」とか、ロッカーとか風呂場で言うんです、そういう話を。
吉田:貸金庫も別にみんな借りてると思うんですけど、空いてなかったら借りられないから。
中西:そりゃそうですよね。
吉田:数に限りがあるから。
宮本:何で貸金庫の話になってるの。
会場:笑い
中西:いや、そういう話を聞きたい人もいるかも知れないじゃないですか。
吉田:貸金庫ってキャラですかね、僕。
中西:でも堅実なんでしょ。
吉田:貸し金庫借りてると、堅実なんですかね。
中西:他にも堅実なところあるの?
宮本:あとは語学学校。まぁ僕がECCのCMやってたんですけど、あれで選手がけっこう行くようになったんですよ。でも、途中で断念する人が多かったんですけど。吉さんは2年目も契約更新して。
中西:スゴイですね。
宮本:そのへんは第2の人生への備えというか。
中西:慶応大学ですからね。
吉田:それで堅実なんですかね。
宮本:モリシさんも入ってきてください。
森島:今日はいろいろ勉強になってる。セレッソではまだ貸金庫は流行ってない。
中西:それは新しいキャラで行こうとしているからじゃないですか。
吉田:僕はガンバとキャラ違うので。その前に在籍した柏レイソルとも違うし。それはそれでガンバのキャラだったんで。
中西:セレッソではどういうキャラでやってるの?
吉田:おとなしいです。
森島:おとなしいですね、今は。猫かぶってる。
中西:ガンバではおとなしいところ、ありました?
宮本:2年目からはけっこう出てきました。まぁ1年目は様子見てるかな。2年目から、最後の方はすごかったですから。
中西:じゃあ、もうちょっとですか。
吉田:いじってくれる人があんまりいないんですよ。
宮本:いじって欲しいんですよ。
吉田:いじって欲しいというわけじゃないんですけど、そういう風に振られると出せるんです。でも自分からはなかなか。俺はたぶんツネもそうだと思ってるんです。みんながからんでいくと、けっこういい味が出ると思うんですけど、自分からはキャラをくずさないんだと思うんです。僕から見た感じでは。本当はくだけたいんですよ。
中西:決めつけられてる。
吉田:もっとくだけたキャラで行きたいんですけど、なかなか自分からは。今、難しいじゃないですか。
中西:ムリでしょう。
吉田:ムリですよね、どう考えても。
中西:女性誌とかに出てるんですよ。違うんですよ、やっぱり。
吉田:だから、誰かがからんであげると良さが出てくる。いいスルーパスが出たら決められるみたいな。
会場:笑い
中西:それはたぶん違うと思う。
吉田:もっとくだけてもいい。
宮本:いやまぁ、からんできたらからみ返しますよ。
中西:おっ!
宮本:確かに、あんまりからんでくる人がいないですね。
吉田:でも、本当は来て欲しい。
中西:じゃ、僕が行っちゃっていい?
宮本:全然大丈夫です。
中西:東京にいればもうちょっと一緒にご飯とか行けるのに。
宮本:そうですね。東京に行く機会とかあったり、中西さんが大阪に来る機会があったら。
中西:電話番号教えたけど、1回も電話してきたことないでしょ?
宮本:はい。メールは3通くらいもらいましたけど、以来ぱったり。
中西:あんまりメールすると申し訳ないかなと思って。何か寄せつけない空気があるんですよ。
吉田:そうなんですよね。
宮本:でも、吉さんがいなくなって、ちょっとさみしさを感じましたね。
中西:行ったのがセレッソで。
宮本:キャンプとかでレギュラーを張り出したっていうのを聞いたら、みんな「お~」みたいな感じになって。最初なかなか結果が出なかったときも、吉さんがずっと守っていってっていうのを見てて。ガンバとしては、「吉さん頑張ってるな」と盛り上がってました。
中西:喜んでいるんですよ、やっぱり。
吉田:ありがとうございます。
森島:頼もしいですよ。頼りっきりです。
吉田:でも、みんなにいろいろ助けてもらってるんで。
中西:いい人っぽい。
宮本:今、作りましたよね。標準語でしたもん。
吉田:森島さんにもすごく助けてもらってるし。点決められた後とか、すごく盛り上げてくれるんですよ。
中西:そうなんだ。
吉田:「ボール、俺に渡せ」みたいな形で。「落ち着いてやればいいから」みたいな感じのことを言ってくれますね。
森島:切り替えが早いから。ちゃんと後ろからみんなに声かけてくれる。元気づけられますよ。
中西:僕も森島選手を元気づけようとした瞬間があったんですけど。
森島:……?
会場:笑い
中西:セレッソがフロンターレに負けて優勝できなかった時があって。2000年のファーストステージ最終節でフロンターレとやって、延長でフロンターレが勝ってたんです。僕はベンチにいて、あれがJ1で出た最後の試合(2000年5月27日、長居スタジアム、セレッソ大阪1-2川崎フロンターレ)。僕、延長後半から出たんだけど、その1分後にVゴールが決まって。で、セレッソが負けて優勝がなくなって号泣してたんですけど。うつ伏して、号泣してた森島選手を立たせようとしてたの僕ですよ。覚えてないでしょ。
森島:全然。ヘコんでました。
中西:僕ずっと、抱き抱えようとしてたんですよ。一番最後までヘコんでて。あのとき立たせようとしたの僕ですよ。
森島:ありがとうございます。
会場:笑い
中西:ありがとうって言われる話じゃないですけど。でも、あのとき、それぐらい落ち込んでたでしょ。
森島:だって、最後の最後。言っては何なんですけど、あの時フロンターレ、順位的にもぶっちぎりの最下位でしょ!? 何とか勝たせて欲しかったですね。
会場:笑い
吉田:でも、それがスポーツのいいところですね。
森島:コメントしづらいですね。
中西:でも、あの時は絶対僕らも入れ替え戦をやりたくないじゃないですか。能活(川口、ジュビロ磐田)選手からも電話かかってきて、「頑張って下さい」って。国立でひと足先に試合が終わってて(2000年5月27日、国立競技場、横浜F・マリノス2-0ジェフ市原(現ジェフ千葉)、マリノスが優勝して。
森島:絵的にはドラマチックな展開になりました。
中西:森島選手的にはちょっと耐えがたい展開。
森島:非常に厳しい。
中西:あれで勝っていれば、史上初のJリーグ関西チームの優勝だったんですからね。
森島:そうですね。ガンバより先に行きたいなと。
会場:笑い
中西:関西のチームが一番Jリーグ優勝に近づいた瞬間でしたからね。今もまだどこも優勝してないですけども。
森島:ちょっとガンバがいい位置にいますけどね。
中西:ガンバは調子いいですね。
宮本:そんなことないです。まだリーグ戦の半分ですからね。とりあえず2位で。
中西:勝ち点差4ですからね。
宮本:いっとき10くらいありましたから。まぁ、でも最終的には競って、最後まで行けたらいいなと思います。
中西:この間(2005年7月17日万博記念競技場、ガンバ大阪3-3清水エスパルス)ちょっともったいなかったですね。
宮本:そうですね。
中西:得点を取り消されたりとか。でも、最近4試合取ってますね。実際どうだったんですか。
宮本:アラウージョ(ガンバ大阪)のことですか?
中西:この間(7月17日)は僕、等々力にいて途中経過を見てたんですけど。試合終わった瞬間にガンバの本日の得点者が放送されたとき、「ツネ、また点取ったな」と思って。4試合で3ゴール。「また点取ったよ」って思いませんでした?
森島:思いました。気になりますから。僕1点ですから。
会場:笑い
森島:ディフェンダーやん。僕、立場ないです。
中西:負けてるじゃないですか。
宮本:さわったんですよちゃんと。後からボールが来て、自分がいて、その前にチョ・ジェジン(清水エスパルス)がいたんです。で、ジャンプするときに「上に来そうやな」と思ったんですね。だからジャンプして、当たったのはわかったんですけど、当たる前に誰かがここにいたのはわかったんです。
中西:ちょっと濃い顔の人。
宮本:で、パッと見たら入ったんで。「あ、俺さわったし俺のゴールやろ」って思って。
中西:僕も思うんですけど、さわったんでしょ、絶対。
宮本:さわりましたよ。
中西:で、アラウージョ選手もさわったんですよね。アラウージョ選手がこっちにいたらアラウージョ選手のゴールに見えるんですけど。で、ツネのゴール取り消されてるじゃないですか。試合が終わったらアラウージョのゴールに入れ替わってる。僕、次の日の朝に「ズームイン」のスポーツニュースをやっていたんです。そしたら、そのニュースの原稿が「ゴール宮本恒靖」になっていたんです。しかもカメラも宮本恒靖を追ってるんです。ガッツポーズしてたから。
会場:笑い
宮本:自分でさわったから、自分のゴールやと思ってるから、その時点で。で、喜んで、ヤットー(遠藤保仁、ガンバ大阪)の方をチラッとみて。アシストしてくれた人への感謝の目線ですよ。で、見たときアラウージョがけっこう喜んでたんです。
会場:爆笑
宮本:「あれ?」と思って。でも、スタジアムDJが「宮本恒靖の得点です」って言うから「俺やな」って。
中西:思いますよね。
宮本:で、試合終わったらアラウージョの得点になってたんで。
中西:それちょっとへこみますよね。
宮本:いや、いいっす。
中西:その後の失点がなければ。
宮本:勝っていたらいいんです。
中西:でも、あそこまで連勝してて、それが止まっちゃったじゃないですか。それがイヤじゃない?
宮本:そうですね。いろんなことがあったゲームなんで。
中西:例えば?
宮本:空振りしたりとか。
中西:まぁ、そういうこともあります。
宮本:吉さんはわかると思うんですけど、直結するんですよ。自分たちのミスが。
中西:それは僕も直結してましたよ。
宮本:モリシさんはわからんと思うんですけど。
中西:わかんないですか?
宮本:どっちかというと、自分のところに来たボールを2本ぐらい決めればいいくらいでしょ。
中西:イヤな言い方。
森島:そんな感じですね。
宮本:サッカーで得点王のシュートの確率を見たときに、決定率がだいたい3割以下なんですね。2割6分の確率なら、けっこう決めてる方の選手なんですよ。
中西:さすが、よく知ってますねぇ。
宮本:モリシさんの確率は見てないですけど。まぁ、そういうポジション柄しかたないなぁと。
中西:なのに99発うまくやって、1発ミスしただけでも、もう僕たちのせいだもんね。
宮本:そうですね。
中西:よくあったもん。あんまり言いたくないですけど、入れ替え戦とか人生かかった試合でミスしたりとか。キーパーもそうですよね。1発ミスしたら「キーパーで負けた」とか言われるじゃないですか。
吉田:そうですね。けっこうやってます。
中西:やってます?
吉田:やってますね。去年の大阪ダービー、僕がガンバにいて、セレッソと試合したとき(2004年10月2日、万博、セレッソ大阪7-1ガンバ大阪)も、ちょっとプレゼント的なゴールで1点取ったんですよね。
森島:その後、7点入れられて。
会場:爆笑
吉田:でもまぁ「しょうがない」って割り切る部分も大事だと思うんですよ。ミスした後で取り返せる訳じゃないから。そうなった時も気持ちを切り替えて、それ以上失点しないように心がける方が大事だなと最近は思います。
中西:いいこと言うねぇ。
宮本:つま先立ちですけど。
会場:爆笑
中西:いつもつま先立ち?
吉田:リラックスできてないのかも知れないけど。
中西:なるべく、いつか指摘し返せるぐらいの方がいいと思うよ。
吉田:ツネの方が僕より若いですけど、どっしりしてますもんね、けっこう。どこにいても座り方とか落ち着いてて。僕とかモリシさんとかこうチョコンって座ってるけど。
森島:そうそう。
会場:笑い


後編へつづく

取材・構成:CREW
撮影:田浦薫