水内:さあそして、「J2の年間48試合より、J1の年間34試合の方が楽だ」。これはどうですかね。美尾選手は今シーズンは「ヤマザキナビスコカップ」がありますけど。あまり考えたことないですか。 美尾:あまり大きく考えたことはないですね。 水内:やってみないとわからないですからね。逆にこう、J2の戦い方を朴選手にアドバイスするとしたら? 美尾:そうですね、やっぱり長いシーズンが続くので、同じチームと4回やりますよね。多分、最後の方はミーティングも短くなってくると思うんですよ。 水内:なるほどね。 美尾:まぁ、柱谷(幸一)監督は同じぐらいミーティングしてたという話なんですけど。でも相手がどうとかというより、やっぱり自分たちのチームがどういうふうに乗っていけるか。勢いというのが結構あると思うんで。 水内:最初から最後まで、ずっとトップでしたからね。 美尾:去年はそういう形で行けたんですけど、本当に勢いに乗れた部分が大きかったんで、すごくそれは大事かなと思います。 水内:同じ相手と4回戦うっていうのがね。 美尾:「もういいだろう」っていうヤツいますからね。 水内:そうですよね。さすがに名前も覚えるっていいますからね、知らない選手でも。朴選手は何か不安なこととか、聞きたいこととかあったら。 朴:4回相手と戦ったら、何ていうか「もうええやろ」というか、顔も見たくないっていうのあります? 美尾:めちゃくちゃ顔見たくないですよ、ホントに。 水内:ちょっと苦手意識も出てくるんだ、やっぱり。 美尾:多分、得意なというか「苦手じゃないな」という気分になれば逆にいいと思うんですけど。本当に苦手意識が1回目、2回目でついちゃうと、「あいつとやりたくないな」と思うときがあります。 水内:それじゃヴィッセル神戸は、そういう意識を最初に持たないようにして。 朴:そうですね、勢いで。 美尾:勢いは大事だと思いますね。 水内:長いですからね、本当に。最初に勝ってても、やっぱり2回目、3回目になると変わってきますからね。 美尾:そうですね。僕らも去年、第1クールはずっと勝てたんですけど、第2クール目からはちょっとバタバタしてきたんで。やっぱり何回もやることによってバレちゃったりとか、そういうことがあったんで。 水内:J2は守備的ですからね。朴選手はそのへんも。 美尾:そうですね。守られたらどうやって打開していくかが重要やと思うんで。 水内:實好選手、下村選手は大丈夫? 俺たちはJ2の経験がないけどっていうような。これは、からみようがないですから、2人はね。そして、「昨年、関西のJリーグは他の地域に比べて盛り上がっていた」という質問には全員YESでしたけど、やっぱり優勝できたっていうのはね、實好選手。 實好:はい。嬉しかったですね。 水内:盛り上がっている感はありました? どのへんから「ちょっといいんじゃないか」という実感がありました? 實好:う~ん、何て言うんですかね。 水内:盛り上がってましたよね? ましたか? ……あんまりなさそうですね。 会場:拍手 水内:でも、観客が入るようになってきたでしょ、ガンバ大阪はだんだん。 實好:そうですね。声援が最後の方はどんどん大きくなってきたんで、本当にすごく力になりましたね。 水内:セレッソ大阪もダービーは、長居スタジアムでやっても満員でしたよね。 下村:はい。かなり雰囲気が良くて素晴らしかったです。 水内:どうですか、やっぱりダービーって特別ですか? 下村:去年5回やったんですよね、ガンバ大阪と。 水内:J2の4 回より多いじゃないですか。 下村:だから正直、天皇杯で古橋(達弥、セレッソ大阪)が対戦相手のくじ引いたと思うんですけど、「マジかよ、またガンバ大阪?」ていうのはあったんです。 水内:そうなると、ガンバ大阪の方がセレッソに対して相性は良かったんだよね。 下村:抜群に。 水内:西澤だけがガンバ大阪と相性いいんだよね。 下村:結局勝ったのは1回だけです。最後の天皇杯の時(2005年12月24日、長居スタジアム、セレッソ大阪3-1ガンバ大阪)に。 水内:なるほどね。でも、優勝戦線にそうやって2チームが加わってくると違いますよね。あとはヴィッセル神戸も「J1に残らなきゃいけない」っていう意味では盛り上がりましたよね。 会場:笑い 朴:そうですね。 水内:どっちかしかないから、これは。 朴:そういう意味では盛り上がりました。 水内:どうでしたか、最後はもう負けられないという状況が何試合か続いて。 朴:ホンマに1試合、1試合トーナメントみたいな感じでずっとやっていましたけど、結局落ちちゃったんで。 水内:トーナメントのつもりでやらなきゃいけなくて、いきなり初戦負けとかあると、また次への切り替えがね。でも、ヴィッセル神戸もお客さんがたくさん入って。 朴:そうですね。サポーターがすごくたくさん来てくれて嬉しかったです。 水内:そういう意味では1年で復帰しないと。 朴:頑張ります。 水内:で、京都パープルサンガは昇格を果たしたわけですけど、どうでしたか、京都の方は? 美尾:京都の方は盛り上がってましたね。まぁ、やっぱり……どうですかね。 水内:言った後で、ちょっと違うなって気づいたの? 美尾:いや、盛り上がってましたよ。やっぱりガンバ大阪とか、J1とはちょっと違いましたけどね。関西のサッカー界という意味で盛り上げてくれてたと思うんで。でも、一番大きかったのは阪神タイガースの優勝のおかげじゃないですかね。スポーツ界が盛り上がったかなっていうのは……まぁJ2優勝じゃね。 会場:笑い 水内:なるほどね。全然違うじゃない。しかも阪神はどっちかというと大阪寄りじゃない。 美尾:そうそう。大阪寄りなんだけどちょっと京都も入れちゃおうかなと。でもやっぱり、J2ですけど優勝したこともそうですし、いろんな方から応援していただいたのはすごく感じました。 水内:最初から結構トップを走っていたから、「今シーズンは大丈夫だろう」っていうようなサポーターの考えもあったんですかね。そんなことないですか? 美尾:どうですかね。 水内:そんなことない? 心配だった? 美尾:僕もだいぶ心配だったんですけど。 水内:それは誰に対して? 監督ですか? 監督じゃなくて? 美尾:でも本当に結果が出たんで、すごくよかったです。 水内:そしてダービーの話もしましたけど、「同じ関西のクラブとの対戦は、他のクラブとの対戦より気合が入る」。朴選手は大阪のチームと対戦すると、意識はしますか。 朴:そうですね。近いとアウェイでもサポーターがすごくたくさん入るので、そういう意味ではすごく意識します。 水内:やっぱりホームでは負けたくないっていう気持ち? 朴:そうですね。ホームでももちろん、どっちでも負けたくないです。やっぱり近いチーム同士でやるとなると、負けたくないという気持ちは大きいですね。 水内:朴選手はヴィッセル神戸ですけど、ガンバ大阪とセレッソ大阪とどっちがイヤでした? 朴:ガンバ大阪ですね。セレッソ大阪には1回勝って(2005年3 月6 日、神戸ウイングスタジアム、セレッソ大阪1-3 ヴィッセル神戸)、その前にも勝っていたイメージがあったので。ガンバ大阪には全然勝っていない。ガンバ大阪に対しては負のオーラが出てます。 水内:ガンバ大阪と当たった時には「ダメかな」と。そういうのが出ちゃうんですかね。 實好選手はヴィッセル神戸と当たったときは「ラッキー!」ですか。 實好:いや、僕自身はそんなことないですけどね。関西のチーム同士でやると、サポーターの方がすごく熱くなってくれて、何か感じますよね。「今日は熱いな、ちょっと違うぞ」と。じゃ俺たちも負けずに…… 水内:ホントにそう思ってやってる? 實好:ホンマですよ。感じます。 水内:じゃ、セレッソ大阪的には、ヴィッセル神戸と戦うときには? 下村:昨シーズンの開幕がヴィッセル神戸戦(2005年3月6日、神戸ウイングスタジアム、ヴィッセル神戸3-1 セレッソ大阪)なんですけど、その時はチームがすごい悪い状況だったんで。僕らはその前のシーズンに降格争いを体験していて、その気持ちを僕はわかっていたんで、死にもの狂いで来るのが怖かったですね。 水内:でも、それは降格したくないチームと、優勝争いしなきゃいけない、勝たなきゃいけないチームの違い。プレッシャーというのはやっぱり違いますよね。 下村:そうですね。僕らもある程度楽しんでできたところもあるんですけど。 水内:美尾選手は今度J1で戦う大阪両チーム、どこを意識しましょうね? 美尾:去年はダービーという試合に関わっていけなかったんで。大阪の2チームは強いチームなんで、チャレンジャーという気持ちを忘れずにやっていかないと。ダービーは海外でも盛り上がるものだと思いますし。やっぱり選手も、観ている方々も盛り上がっていくべきものだと思うので、僕らが盛り上げていかないと。大阪は盛り上がると思うんですけど、京都もその中に入って盛り上がっていかないと、という気持ちですね。 水内:武田さんはどのダービーが気になりますか? 武田:それは近くの関西のチームと戦えば、「自分たちが関西で一番だ」というプライドがありますから、気になりますよね。ただやっぱり、関西でガンバ大阪がリーグ優勝したことで、ガンバ大阪を中心に皆で切磋琢磨してレベルが上がれば。高校サッカーも前は静岡だったけど、今は九州地区が切磋琢磨していってレベルが上がってるじゃないですか。だから、関西はガンバ大阪が優勝したことによって全チームが盛り上がって、チームの色、サッカーのスタイル、それと選手のキャラクターがしっかり出てくれば。「自分たちのチームはこういうチームで、他と違う」という関西の4チームが色をしっかり出してもらえば、観てる方も楽しいよね。以前、ヴェルディ川崎はブラジルで、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)はアルゼンチンのサッカー・スタイルで戦うからおもしろいといわれてましたけど。そういうチームのカラーと、選手の個性をもっと出していったら、さらに盛り上がると思います。 水内:Jリーグが始まって13年経ちますけど、何十年か経ったときに「あのチームとあのチームが当たったけど、あの試合がすごかった」なんていう話ができるといいですよね。ヴィッセル神戸も早く戻ってきてください。 朴:はい、頑張ります。 水内:ぜひ関西のこの4チームで、歴史的な戦いをしていかなければいけません。この4人でというわけにはいきませんけど、4チームでね。 美尾:4人で頑張りますか? 毎週1回ゴルフやったりとかね。 会場:笑い 美尾:「ダービーだ!」なんてね。 水内:さあ続きまして、「監督との相性はいい」という質問がありました。なかなか「悪い」とは言えないですけどね。じゃ、まず美尾選手、柱谷監督はどうですか。 美尾:いやもう、しっかり可愛がってもらってて。監督が来た時くらいから、試合に出られる機会が多くなったのもあるんで。やっぱり、やりたいサッカーが浸透してますし、個人としてもだいぶわかってきたんで。そういう意味では相性はいいかなと思っています。 水内:監督とよく会話はしますか? 美尾:そうですね。サッカーのこともそうですけど、私生活のこととかもいろいろ話をします。 水内:下村選手は、小林伸二監督とは? 下村:そうですね、ここで言えることと言えないことがあるんですよ。 水内:じゃ、言えないことの方をお願いします。 会場:笑い 美尾:言えないことを聞きたいですよね。 水内:そんなこと言われたらね。 下村:いや、それは言えないですよ。でも小林監督が来て、僕をボランチで使ってくれて、自分自身も変われた部分があるんで、それは評価したいです。 会場:笑い 水内:今かなり“上”から来ましたね。下村選手みたいに「よし、小林伸二いいぞ」と。「俺を使っていいぞ」と。でも、まぁ使ってもらってますからね。そういう意味では。 下村:その期待に応えると。 水内:下村選手は今年で4シーズン目。小林監督は今2年目、今度3年目? 下村:シーズン途中で1年半前ぐらいに来たんで。 水内:あ、そうか。その前の監督は誰でしたっけ? 下村:2004年の初めムズロビッチ監督だったんです、数試合だけ。 水内:その監督とは今イチでした? 下村:う~ん、言葉が通じないんで。僕は顔が外国人っぽいんで。 水内:下村選手は純粋な日本の方ですか? 下村:いや、僕は日本とオーストリアのハーフです。喋れそうなんだけどあんまり喋れないんですよ。 水内:でも少しは喋れる? 下村:いや、喋れないんですよ。 水内:英語? ドイツ語? 下村:ドイツ語です……今、監督の話ですよね? 水内:小林監督とは話が通じるからいい? 下村:ちょっと難しい時があります。たまに試合前、真剣にミーティングしてる時に、監督が相手チームの外国人選手の名前を間違えるんですよ。 水内:プッと笑っちゃうし。それ「監督違います!」って言うんですか、やっぱり。 下村:いや、突っ込めないですよそれは。その時、確か隣りに森島さんがいて、ホワイトボードで説明してるの見ながら横目で見合って。 水内:小林監督って、ちょっと天然な感じですか? 下村:いやもう、バリバリ天然ですよ。 水内:僕も何回かお話ししたことあるんですけど。 下村:テレビの取材とか、インタビューだとかなり真面目に喋ってる印象があるんですけど、普段はかなり面白いです。 水内:朴選手は? バクスター監督とは相性は良さそうですが? 朴:そうですね。言葉も英語なんで……あんまりわかんないです。 水内:今の展開だと「言葉も英語なんで大丈夫ですけど」って言うのかと思った。 朴:これからのシーズンをやってみないとわかんないです。まだ来てから短いんで。 水内:去年もいろいろ。成績が悪いとどうしても監督交代がありますけど、4回くらい代わりました。レオンも来ましたよね。 朴:そうです。レオンは短くて、泰さん(三浦泰年、元ヴィッセル神戸チーム総括本部長)も1試合やりました。 水内:武田さん、何笑ってるんですか? 泰さんの1試合の監督どうですか? 武田さんも1試合なら監督やりたいでしょ? 武田:俺はまだ監督やりたくないよ。ちゃんとした哲学と、ちゃんとした自信がないと。今、監督の話を聞いていて、やっぱり監督はみんな表と裏があるなぁと思って。だって漢字を間違えたりカタカナを間違えたりするのって、俺がクイズ番組で間違えてるのとたいして変わんないことだからね。 水内:いや、それは違いますよ。 武田:見ていてやっぱり監督ってそうなんだなと勉強になった。 水内:武田さんは多分こういう風に言われるタイプですよ。 会場:笑い 水内:武田さんも自分で気づいてないかも知れないけど、結構天然ですからね。 武田:でも、監督になったら、今までサッカーしかやっていないのに、いきなり書いたり、戦術を述べるんだから。そうなると思うよ。 水内:でもある程度、小学校、中学校、高校と勉強してきてるんだから。 武田:高校卒業してからやらないでしょ。やる? 書いたりとか。書く? やらないでしょ。 水内:書く? ってそんな。普通はやってますよ。朴選手も今度はバクスター監督ですけども、一番最初の監督は誰だったの? 朴:去年ですか? 松永監督です。 水内:松永さんはどうでした? 朴:すぐいなくなっちゃったんで。 水内:それはやっぱりオーナーの意向が? 朴:はい。 水内:どうですか、オーナーは。一番興味あるんですけどね。 朴:オーナーはまぁ、「スピード、スピード」だけに。 水内:そうですよね。焦ってますよね。 朴:そうですね。すぐ変えちゃったみたいな。 水内:絶対に田尾監督(安志、前東北楽天ゴールデンイーグルス監督)の方がよかったですよ、もう1年。もう1年、田尾さんの方が絶対いいよ。 美尾:それ野球、野球。 水内:それじゃなきゃ、去年から野村(克也、東北楽天ゴールデンイーグルス監督)さんに頼んでおけばよかったのにね。まぁ、でもそれだけチームを強くしたいっていう気持ちがね。 朴:その気持ち、情熱は熱いと多分思いますね。 水内:それにしても、新聞見てても何しても、見ればわかるだろうって。カタカナも書けないですかね。 武田:そういうけど、監督になるんでS級講習やってるけどなかなか書けないぞ、お前。 水内:いやいや、それはおかしいですよ。それが書けないのは、僕の中では岡野雅行(浦和レッズ)しかいないですから。あと森島(寛晃、セレッソ大阪)ね。モリシと岡野レベルですよ、それは。 武田:いや、難しいんだよ。監督の勉強やってるけど、なかなか難しいぞ、練習も。 水内:確かに選手になめられちゃうもんね。そういうのは、柱谷監督はないですか。 美尾:そうですね。たまに読めない字がありますけど。 水内:それは字が汚いっていうこと? 美尾:でも、割合すごくわかりやすいですね。字もそうですけど、名前もそうですし。しっかり書けてるって言ったら上目線になっておかしいですけど。すごいしっかりしてるなと。大変だと思いますけどね。 水内:そして、西野監督(朗、ガンバ大阪監督)は? 苦労が見たまんま、何か最近わかってきましたけど。どうですか、4年目? 今度5年目? 實好:そんな感じですかね。 水内:どうですか、西野監督は個人的に。 實好:個人的には大きいケガをした後に来てくれた監督で、そこから僕を結構使ってくれたので、僕自身は大好きな監督です。 水内:いろいろあったけど。 實好:ええ、いろいろありまして…… 水内:西野監督はどうですか、やっぱり熱い監督ですか。結構クールな監督? 實好:クールですね。やっぱり天然もだいぶありますけどね。 水内:そんな感じですよね。例えば? 實好:自分が言ったことを忘れるっていうんですかね。これ言ってもいいんですかね。この間のグアム・キャンプの前日ですかね、「パスポートがないんだよ」って。 水内:それは空港に着いてから? 實好:前日ですよ、前日。「どこにあるんだよ」って。 水内:それって、選手に言ってもしょうがないですよね? 實好:どうも、時間が来ないと開かない金庫か何かに預けていたようで、「ちょっと開けてもらってよ」。 水内:それ、ちょっとモノマネが入ってるのね。 美尾:軽くモノマネ入ってましたね、今ね。 實好:で、まぁ無事に行けたわけですね。 水内:そういうことを忘れちゃうんですね。 實好:それを空港で監督に言ったら、「俺のペースだろ?」って言ってました。 水内:なるほどね。それも認めながら。 實好:はい。 水内:そんな監督のもと、皆さん頑張ってますけど。そして「今年、Jリーグで優勝するのはうちのチームだ!」と。それはもうみんなYES と言ってましたが大丈夫ですか、美尾選手。 美尾:やっぱり自分のチームが一番強いという自信でやっていこうと思いますし、やってきましたし。関西ではガンバ大阪もセレッソ大阪も、ヴィッセル神戸も今回J2に落ちちゃいましたけど、素晴らしいチームなんで。僕らも去年落ちちゃったので何も言えないんですけど、でも優勝を狙ってやっていきたいなと思います。本音と建て前というところもあるんですけど。 武田:監督はテレビで「残留」って言ってた。昨日見たけど。 会場:笑い 水内:最初の時期は、そういう気持ちもあると思いますけどね。 美尾:それは大事だと思うんですけど、やっぱり自分の気持ち的には優勝を目指して。その中でしていければなと。 水内:實好選手は? やっぱり優勝ですか。 實好:そうですね。僕自身ガンバ大阪でプレイしていて、本当にみんなうまいですからね。「こいつらうまいな~」と思いながら練習してますから。それにつられて。 美尾:お父さんの気分みたいな感じじゃないですか。 水内:古いタイプの人間だからねぇ。 實好:それを見ながら「俺もあんなふうになりたいな~」と思いながら、いまだにやってます。 水内:じゃ優勝できると。 實好:はい。できると思います、うまいですから。 水内:セレッソ大阪は? 去年、目の前から逃げていったタイトルを今シーズンは。 下村:そうですね。やっぱりタイトル取りたいのもあるんですけど、もう一つ、昨年から負けなしの記録が続いているんで、それもちょっと意識したいですね。 水内:そのまま続けたいと。まぁ負けないということですよね、要はね。 下村:そうですね。引き分けばっかりであれなんですけど。 水内:引き分け3試合やったら、1勝2敗と同じですからね。でも優勝を目指して。 下村:そうですね。それとタイトルを取れるように。 水内:朴選手はもちろんJ2優勝? 朴:絶対にJ2で優勝して、J1に上がれるように頑張ります。 水内:やっぱり優勝して上がりたいですよね。 朴:そうですね。2位ももちろんいいですけど、やっぱり優勝。一番上というのは一番いいと思うんで、優勝したいですね。 水内:そして最後の質問、今度は代表の話になりますけど「日本はドイツ・ワールドカップでベスト16以上には入れる」。まず美尾選手から。 美尾:そうですね。メンバー的にも素晴らしい選手がいっぱいいますし。難しい戦いにはなるとは思うんですけど、自分の希望も込めてと言ったらおかしいですけど、やっぱり決勝トーナメントに進んでもらいたいと思いますね。行ってもらわないと困りますよね。頑張ってもらいたいです。 水内:實好選手はどこに期待しますか。 實好:やっぱりうちのチームから代表に行っている、ドイツに行きそうな選手に頑張ってもらいたいですね。 水内:加地(亮)選手と宮本選手と、遠藤(保仁)選手。 實好:はい、活躍してほしいですね。 水内:大丈夫ですかね、ベスト16。 實好:大丈夫でしょう。モーマンタイです。 武田:一番心配だな。 水内:下村選手は? みんなそうなんですか? 下村:あの……不安はありますね。 美尾:本当はネガティブです。まず心配事から解消しないとね。 下村:そこから入れば、後でポジティブになれる。 水内:ちなみにどこが心配ですか。 下村:やっぱり中盤ですね。誰が入るのか。結構人数が多いじゃないですか。 水内:組み合わせっていうことですか? 下村:真剣な話になってますね。 水内:いやいや。誰が出たらいいと思います? もしボランチ2人の前2人だったら。 下村:……わかんないです。 水内:組み合わせがうまくいくかどうか。 下村:というところだと思いますね。不安はあります。 美尾:結局ネガティブになりましたね。 水内:ベスト16に行けるかどうかっていったら、行けないかもしれない? 下村:一応、可能性はある。 水内:「行けたらいいな」という。朴選手はどうですか。 朴:僕も「行ける」っていう方に上げたけど、よくよく考えてみたら結構相手が強いなと。 水内:そうですよ、オーストラリア、クロアチア、ブラジルと。 朴:だから、行ってくれた方が嬉しいですね。まぁ多分、厳しいんじゃないかな~と思いつつ。 水内:それで、武田さんは無理だろうと言いましたけど。 武田:言ってないって。勝ってもらわないと。日本のサッカーはまだ世界から見れば「日本でもサッカーやってるんだ」ぐらいにしか思われてないけど、今回またワールドカップで決勝トーナメントに行けば、世界の人たちが「日本はサッカー強いんだな」と、海外に行っても見直されるから。日本人が来ると「何だ、日本人」と見下すでしょ。それがすごく癪だったから、そういう意味でも活躍してもらいたいし、「世界クラブ選手権」が今年も12月にあるんですけど、今年はJリーグのチャンピオンチームが出ることになるので、ひょっとしたらバルセロナ対日本のチャンピオンチームということもある。それもぜひ頑張ってほしいなというのはありますけどね・・・・・・聞いてるのか? 水内:聞いてる、聞いてる。ですよね。やっぱり行ってもらわないと困るということで、本当に頑張ってもらいたいですけどね。これから質問コーナーに行きたいと思います。 客1:うちには4歳のサッカーをやっている息子がいるんですが、選手の皆さんは小さい頃からボールを蹴り始めて、サッカー少年だった頃の実力というか、チームで頑張っていたというエピソードがあれば教えてください。水内さん、武田さんもお願いします。 水内:僕は一番うまかったです。小学校からやってましたけど、やっぱりみんなそうだと思うけど、きっと学校では常に一番、チームでは一番という中で、高校ぐらいからいろんな人が集まってきて。僕は全国大会で實好くんとか同じ年で出てましたけど、前の年に南宇和高校は優勝していて、「こんなスゴイやつがいるのか!」って高校の時に思いましたし。ね? 名波(浩、ジュビロ磐田)選手なんかもそうですけど、上には上がいるなぁと思って早く辞めました。 会場:笑い 水内:でも、夢見てやってましたからね。本当にラモスさんもそうですけど、日本リーグも観てましたし、リトバルスキー(シドニーFC監督、元ジェフユナイテッド市原)にも憧れてましたしね。一緒にサッカーをやれたのも本当に幸せでしたね。好きでやっていたら絶対にいいことがあります。ただ、一番うまかったです。美尾選手は? 美尾:そうですね。僕もやっぱり一番うまかったですね。今振り返って、あのときが全盛期だったかなって。 水内:何年生ぐらい? 中学? 美尾:いや、小学校ですね。好きなことを好き勝手にやっていたというのもあると思うんですけど。サッカーを始めたのが幼稚園の年長ぐらいなんですけど。結構ずっとボールを蹴って、水内さんなんかを見て。本当ですよ。僕が小学校の時に試合に行ったところで、水内さんは高校生で、地元が一緒ということで観させていただいて。「水内すげ~な~」って言って。 水内:たいがい呼び捨てなんだよね。俺も「武田すげ~な~」って。 美尾:その時、水内さんが海苔を食ってたんですよ。俺も海苔を食ったらいいのかなと思って。 会場:笑い 美尾:本当ですからね、これ。 水内:あっそう。海苔食ったらいいぞ。 美尾:それを自分の気持ちの中で「頑張ろう」って。別に海苔が好きなわけじゃないですけど。小さいときはテクニックとか、本当にサッカーを楽しんでやっていたかなって。それがやっぱり、今に繋がっているんじゃないかというのはありますね。 水内:實好選手は? 實好:そうですね。僕も一番うまかったですね。それから高校になって彼と会ったときに、こんなにうるせぇ奴がいるのかなと思いました。以上です。 水内:すいませんでした。全然、実力のこと言ってくれないの? 實好:別に。 水内:頑張ってね。1年でも長くね。下村選手は? 下村:僕は小さいときは体が小さくて、だから逆に全然ショボかったです。小学校、中学校くらいは小っちゃくて。高校生で体が大きくなり始めて、徐々にという感じなんですけど。どっちかというと雑草組ですね。 水内:でも、体は小学校、中学校だと大きいだけで、速いだけで何とかなっちゃう可能性もあるし。そういう意味では、やっぱり高校生になってもやっていたということがね。やり続けることが大事ですからね。 下村:そうですね。 水内:何年生から始めたんですか。 下村:幼稚園ぐらいからボールは蹴り始めてて。土地柄もあって、僕は札幌出身なんですけど、スキーをやったり、テニスをやったり、いろんなスポーツを経て、またサッカーに戻ってきた感じです。小学校3年からまた本格的に始めたんですけど。 水内:運動神経は良かった? 下村:いや、そうでもないです。球技はあんまりできないです。 水内:……今も球技やってるよね? 下村:はい。 水内:結構頑張ってると思うけどなぁ。 下村:ちょっと不安です。 水内:その不安が逆にいいんですよ、下村選手は。 下村:そうですね。ネガティブからポジティブに。 水内:「俺に任せとけ」「俺はこのままでいいんだ」っていうよりは、一歩引いてそういう気持ちが、今のプレイに繋がっている。素晴らしいですよ。朴選手は? 朴:やっぱりボールとずっと遊ぶというか、そういうのが大事だと思うんですよ。リフティングとか、ドリブルの練習とか。 水内:そして、武田さんは小さい頃リフティングばっかりやってたから、リフティングが下手になっちゃったんです。 会場:笑い 水内:武田さんは何歳ぐらいからやってたんですか? 武田:静岡県浜松市で小学校1年生からサッカーやってて、ジュビロ磐田の中山選手が藤枝市で、小学校からライバルで。テクニックはなかったけど、50mが小学校の時に5秒9とか、6秒切ってたんだよね。だから、陸上部からスカウトが来て。ゴン(中山選手)もその時はヘタだったね。面影ありますよね。 会場:笑い 武田:ゴンは小っちゃい頃はトラップがヘタで。でも、「負けない」という気持ちだけはあって。小学校の頃、よく大阪の枚方FCとか、京都の紫光クラブとか、神戸FCとかに試合に行って、神戸ポートピアに泊まったりとか、そういう思い出はあるね。よく関西の方に来てましたね。 水内:どうしたらうまくなれますかね? 武田:いや、わかんないですよ。小学校の時にすごいうまい選手って、だいたい中学校でやめちゃうことが多いし。どっちかというと小学校の時にあまりうまくなくても、とにかく頑張ろうとか、そういう気持ちの強いヤツの方がいいのかなと思いますね。 水内:やっぱり好きじゃないとね。自然とプロになったでしょ、皆。もちろんプロはめざすけど。 美尾:毎日、毎日ボールを蹴っていたらこうなったという感じですね。だから、子どもに強制はしない方がいいと思いますけど。好きで本当にやりたいと思えば、きっとうまくなると思うんでね。そうすれば、僕以外のこういう素晴らしい選手になれると思うんで、頑張るように言っておいて下さい。 水内:それでは最後に一人一人、今日のイベントの感想をお願いします。 美尾:このイベントは自分自身も楽しくやらせていただきましたし、こういう素晴らしい選手の方々と、武田さんと水内さんも含め、すごく面白い話ができたんで、本当に良かったと思います。ありがとうございます。 会場:拍手 實好:楽しい時間を過ごさせていただきました。本当に感無量です。 水内:違うだろ。 實好:楽しかったです。 会場:拍手 下村:実際、こういうトークバトルをやるのは初めてだったんですけど、関西のチームが集まって、サポーターの方も隔たりなく集まる会ということで、僕らも楽しんでできたので、これが活性化に繋がればいいと思います。頑張りますので、応援お願いします。 会場:拍手 朴:すごく楽しかったですし、またこういう機会があれば、ぜひ呼んで欲しいなと思いました。ありがとうございます。 会場:拍手 水内:武田さんは? 武田:関西に来て、実際に選手と一緒にこうやって話をすると、やっぱり会ってみたら応援したくなるよね。そういう意味で選手のことも本当によくわかったし、こういうサポーターの方々がいて、選手もいるということで。僕は選手を卒業しましたけど、1年でも多くピッチで頑張って欲しいと思いますね。 会場:拍手 司会:京都パープルサンガの美尾敦選手、ガンバ大阪の實好礼忠選手、セレッソ大阪の下村東美選手、そしてヴィッセル神戸の朴康造選手でした。皆さんもう一度大きな拍手をお願い致します。 会場:拍手 司会:さあ、ここからは武田さんもよろしければ最後までおつきあいいただいて。 水内:ここから僕たちのトークバトルが始まります。何から話しましょうか。 武田:お前の結婚について聞きたいな。 水内:いいですよ。結婚、早くしてくださいね。司会やってあげるから。 司会:今シーズンもいろいろ楽しみも多いと思うんですけど、あっという間に今週末Jリーグが開幕ですよ。 水内:楽しみですね。totoやりたいです。 司会:totoもまた新しいシステムになりましたね。 水内:そうですね。 司会:Jリーグも今週土曜日いよいよ開幕。ガンバ大阪対浦和レッズで2006年シーズンの開幕なんですが、さらにその翌週、3月12日はすぐにセレッソ大阪対ガンバ大阪(3 月12日、長居スタジアム、セレッソ大阪-ガンバ大阪)。大阪ダービーが組まれています。2週連続で熱いJの戦いが繰り広げられるということで、今年はぜひ、驚きと感動のありえない瞬間をスタジアムで体験していただきたいと思います。 水内:ありえない瞬間か。僕はガンバ大阪の試合に来週来ます。 司会:ここまでのお相手は「ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2006 Vol.49~関西4クラブ 2006Jリーグタイトル独占宣言?!」ということでお送りして参りました。ゲストは武田修宏さん、そしてホストは水内猛さんでした。どうもありがとうございました。 会場:拍手 取材・構成:CREW 撮影:新関雅士 |
|