中西:それは別にいいんですけど。ちゃんと戦ってる人から見たら、ちゃんと選手を見てるよね。ちゃんと力がある選手を選んでると思う。 宮澤:我那覇選手(和樹、川崎フロンターレ)が選ばれました。どう思う? 鄭:納得です。 会場:拍手 中西:僕は、ちょっと早いかなと思ったけど。 会場:笑い 中西:僕は伊藤選手(宏樹、川崎フロンターレ)か中村選手(憲剛、川崎フロンターレ)ならわかると思ったんだけど、我那覇選手はもうちょっと後の方がいいかなと。結果を出してるから、選んでるんですよ。 鄭:すごくちゃんと選手を見てますね。 中西:だって、J2の試合も海外も見てるんでしょ。すごいんですよ、あの人は。めちゃめちゃ見てるんですよね。 宮澤:とにかく選手のモチベーションを上げるらしいよ。若い選手は「この監督についていけば自分は伸びる」って。自分の良さを引っ張り出してもらえるから。今回代表には選ばれてないけど、羽生(直剛、ジェフ千葉)なんて大変だったらしいよ。とにかく1 つパスすると「走ってこい」って言われて。新しい練習になって、「こういう風にやるんですか?」って1つパス出すと、「そのパスが弱いから走ってこい」って。で、何日か経ったある日、「今の代表選手とお前はあんまりレベルが変わらないんだから、もっと上を考えていいんだぞ」って。毎回「走ってこい」って言われてる選手に。 中西:そういうのうまいですよね。でも、「走る」っていう基準では僕は選んでないような気がしますね。身長を見ても、ディフェンスは高いんですけど、中盤から前の選手はほとんど全員175㎝以下ですよ。我那覇選手は大きいけど、山瀬選手(功二、横浜F ・マリノス)だって、田中選手(隼磨、横浜F ・マリノス)だってそんなに大きくないでしょ。長谷部選手(誠、浦和レッズ)は177㎝だけど、鈴木選手(啓太、浦和レッズ)だって。みんなそんなに大きくないですよ。それを見ると、俊敏性があって技術がある選手。 宮澤:そうだね。ずっと言ってるからね、「日本人らしく」って。 中西:思ったんですけど、DFの選手は抑えなきゃいけないから大きい方がいいけど。例えば僕らが試合に出て、相手がでかい選手でマテラッツィ選手(インテル)みたいに192㎝とかあったらやりやすいですよ。それよりも165㎝とか170㎝、例えば田中達也選手(浦和レッズ)が近くにきたら、捕まえづらくてしょうがないと思いますよ。脇抜けるんだもん。 宮澤:背にしたら見えないじゃない。ホントに小柄な選手が入ってくると。 中西:でもね、ああいう選手を後ろから抱えちゃうと、ファウルになっちゃうんですよ。僕は絶対そっちの方がいいと思いますね。ファウルもらえるならその方がいい。しかも、さっきの脇の下を抜けられるっていうのは、かがんだら絶対に抜けられるじゃないですか。そういう俊敏性。 宮澤:でも、求めているのはそっちだね。 中西:クイックな選手。 宮澤:それを常に出せる田中達也選手ね。角度が変えられるし。 中西:角度が変えられるって大事ですよ.岡野選手(雅行、浦和レッズ)は速いけど、長い距離で速いじゃないですか。バイエルン・ミュンヘン戦(7月31日・埼玉スタジアム、浦和レッズ1-0 バイエルン・ミュンヘン)ですごいドリブルしてましたけど。 宮澤:岡野選手も年を取ってすごくうまくなったね。 中西:力の出しどころがわかってますよ。この間一緒に飲んだら、どこで飲んだらいいかわかってた。 会場:笑い 中西:「ここは飲まなくていい」とか。 宮澤:でも、ベテランになって考えるでしょ、サッカー。 吉田:そうですね。悪い言い方ですけど、いかに要領良くやるかみたいな。 鄭:考えるのは必要ですね。 中西:岡野選手が言ってたの、「速かったけど、止まれることが速さを生む」って。ピタって止まるとゼロじゃないですか。ゼロからパッと走れば速く見える。例えば100 が80に落ちても、ゼロから40まで走った方がね、間が大きいじゃないですか。80とゼロならその差が80ですけど。そういう風に変えれば。昔は速い選手って止まれないんですって。 宮澤:ボールを置いて行っちゃう速い選手もいたしな。 会場:笑い 宮澤:ホントにいたよ。「おいおい、ボールは?」って。 中西:方向転換が速くできる俊敏性っていうのは、たぶんオシム監督が選んでいるひとつの基準なのかな。だって山瀬選手も止まるのうまいし、キュッと止まって右足も左足もボール扱えるし。後ろに背負ってもうまいし。 宮澤:でも、チームが活性化するでしょ。新たに発表になったの4人だっけ? 中西:5人です。新しく入ったのが栗原選手と中村直志選手(名古屋グランパス)と、山瀬選手、田中達也選手、坂田選手(大輔、横浜 F・マリノス)、これで18人です。 宮澤:そうするとダービーは横浜が疲れてるな。 会場:笑い 中西:吉田選手は、マリノスでフロンターレとは対戦してないですよね。 吉田:あんまり記憶にないです。 中西:ですよね。フロンターレどうですか、吉田選手から見て。 吉田:J2から上がったときくらいから、すごくいいなと思ってて。 宮澤:いいサッカーしてるよね。 吉田:そうですね。石崎監督がJ1に上げて、次の監督が来て、いい外国人が来て、今は優勝争いしてるし。 宮澤:安定感があるよね。同じメンバーで。 中西:守備が安定してるんですよ。後ろの3人が強いですよ、ホントに。佐原選手(秀樹)が入っても、米山選手(篤志)が入っても、箕輪選手(義信)が入っても。 鄭:俺が思うには、フロンターレは代表予備軍がすごく多いんです。実力はあるんだけどまだ選ばれていないだけであって、隠れた選手も多いから。 宮澤:谷口選手(博之)とかな。U-21で選ばれて、ケガして帰っちゃったな。 会場:笑い 鄭:昨日もずっとグラウンド走ってました。 宮澤:練習に行ってさ、「谷口どこ行った?」って一生懸命見てたら、「帰りました」って。「何で?」って聞いたら、前の試合で太股かどっかの打撲だって? 鄭:そういうキャラクターなんですよ。 宮澤:あの伸びしろはすごいじゃない。相当おもしろい選手じゃない。 中西:トークバトルやったら全然しゃべんないんですよ。 鄭:でも、ファン感謝デーの舞台で「モー娘。」踊ったし。キャラはすごいですよ。 中西:彼は横浜 F・マリノスのユース出身だからね。21歳か。 鄭:とりあえずボール1回さわったら、相手1回さわります。 会場:笑い 宮澤:ボランチだからね。「仕事した」っていう気になるんだよ。 中西:谷口選手はもともとフォワードなんだよね。だから吉田選手の話じゃないけど、点取る感覚が1回取るとよみがえってくる。 宮澤:福西(崇史、ジュビロ磐田)的なところもあるな。中村選手もいい選手で。 中西:中村選手はいいですよ。僕は3年ぐらい前から「いい」って言ってました。 宮澤:「今日の中村選手は何をやるんだろう?」っていう感じの印象で見られるようになってきたよね。 中西:右足も左足もボール扱いがほとんど変わらないんですよ。あと、フリーキックがあんなにうまくなってると思わなかった。いきなり蹴ってるし。 宮澤:チームにいい外国人が来たときとか、相乗効果でうまくなることがあるんだよ。日々いいプレーを見てるから。 鄭:自分より全然うまい人がいるから、まだまだ上に行けるなと思います。 中西:僕もグランパスにいたときにストイコビッチが来て、みんなうまくなった。毎日ストイコビッチのプレイ見てると、僕のところでもヒールパスしてたもん。ホントですよ。できるようになるんですよ。しかもヒールパスって、普通相手の後ろに走り込むから前後 も走るじゃないですか。でも、ストイコビッチがヒールパスするからみんな走るようになるんですよ。そうするとパスコースが増える。で、ピクシー(ストイコビッチ)よく切り返ししてたじゃないですか。そうしたら、僕とかも切り返しができるようになってましたね。いい選手が来ると、すごくいい影響を及ぼしますよ。 宮澤:フロンターレはそういう意味では今1位だもんな。 鄭:入るまで、まさかフロンターレが1位になるなんて思ってませんでした。 会場:笑い 中西:僕も思ってなかった。今回、鹿島、レッズ、ガンバと3試合やって、よく2勝1敗で行ったと思いますよ。この3つは苦しいかなと思ったんですけど。 鄭:前半は強いチームとやりませんでしたからね。 中西:そう。チーム内の雰囲気はどうだった? 鄭:マルクスがいなくなったじゃないですか。これは響くなと思ったんですけど、新しくマギヌンが来て。最初は全然合ってなかったんですけど、うちのチームが外国人頼みじゃないっていうのもあって、それで他の個人の力で勝った。 宮澤:マルクスは下から決めに行くタイプだもんね。マギヌンはそういうふうに言われてるんだけど、俺は作るタイプなのかなって見えたりするんだけどな。 中西:まだちょっとわからないですよね。 宮澤:FWとしてどっちがやりやすい? 鄭:僕はマギヌンの方がやりやすいですね。 宮澤:やっぱり。出してくれるイメージがある? 中西:タメ作ってくれる? ボール持ったときに。 鄭:それもあるし、裏に抜けますしね。 中西:この間、点取ったとき(7月26日・等々力、川崎フロンターレ3-2 ガンバ大阪)も裏に抜けたじゃない。2列目からボール触りながらの飛び出しが向いてるのかなって思いますけど。 鄭:マルクスと違った良さがありますね。 宮澤:いなくなって良かったっていうこと? 会場:笑い 宮澤:今、ヴェルディだっけ? 鄭:ヴェルディです。 中西:まぁ、ライバルが多いですから。我那覇選手もだけど、黒津選手(勝)もすごくいい選手ですからね。他のチームならスタメンで出られるような選手ですから。 鄭:絶対出られますね。 中西:すごく勉強になるでしょ。 鄭:自分とタイプが全然違うし、裏への抜け方とかすごくうまい。 中西:背後への抜け方とか、ボールの奪い方とかうまいよね。 鄭:はい。「この人には勝てねぇな」と思います。 中西:ダメじゃん、それ。黒津選手はいつか絶対出てくると思いますね。すごいいい選手。 宮澤:そういう伸び盛りのフロンターレと、横浜 F・マリノス。ダービーどうする? 中西:メンバーはどうするんですかね。この間の3-5-2 で行きますかね。 吉田:恐らく3-5-2 で行くと思うんですけど。 中西:あんまりここで多くを語ってもね。 吉田:そうですね。 会場:笑い 宮澤:そのほうがやりやすいじゃん、たぶん。 吉田:北海道キャンプでもずっと3-5-2 でうまくいってて、エスパルス戦(7 月19日・日本平、清水エスパルス1-0 横浜 F・マリノス)で負けて。いつもは内容では圧倒してたのに、エスパルス戦では内容でも圧倒されて、最後に点取られて負けて。悩んだあげく4バックにして。 中西:ちょっと変えたのが悪い方、悪い方に行っちゃってる感じだね。 吉田:そうですね。でも、まだリーグ戦半分終わってないですから。 中西:そんなに焦る必要もないし。去年を見たらわかるんですけど、フロンターレのこと悪く言うつもりはないですけど、1リーグ制で長いリーグっていうのは、必ずトップがたたき落とされるんですよ。なぜかというと、トップを走ったチームは全部のチームが標的にしてくる。そこを落とさないと自分たちが上に行けないから。研究してくると思うんですよね。このチームはどこからボールが出てきて、どういう組み立てになってるか。フロ ンターレも今はトップに立ってるけど、これから少しずつ研究されていくと思う。去年の鹿島アントラーズもずーっと突っ走って、もう独走だったじゃない、完全に。でも、勝てなくなって、ガンバも突き抜けて。もうこのまま行っちゃうだろうと思ったら、また降ろされて大混戦になって。パッと最後ひとつ抜け出したじゃないですか。上に立ったチームが完全に抜け切る力は、今のJ リーグにはどのチームもないから。上のチームをたたいていけば、マリノスはまだ全然わかんないと思いますよ、ホントに。 宮澤:でも、この時点で6敗してるのは大きいな。今まで早い時期にこれだけ負けたのもなかなかないよね。そろそろリーグを制するためには、限界になっちゃってるよね。 中西:この8月、9月でかなりきつくなってくると思うんで、僕は選手層がものを言うと思いますよ。 宮澤:それはね。選手がいるもんね。 中西:いっぱいいますよ。清水選手(範久)も坂田選手(大輔)も久保選手も、前の方いっぱいいるじゃないですか。 宮澤:いるなあ。 中西:吉田選手と組める選手もいるし。そのへんはやっぱりね。 宮澤:代表に選ばれた選手も増えて。 中西:明日練習行ったら、活性化してるよ。でも、代表の選手はいないか。 会場:笑い 吉田:「またケガ人か」とか思っちゃいますね。 宮澤:重なったときがあったねぇ。12、3 人ケガしたんだったな。 中西:あり得ないですよね。 宮澤:アウェイの試合で、岡田監督が「俺のチームは今、横浜にいるんだよ」って。何言ってるのかなこの人と思ったら、それくらいケガ人が多くて、そういう意味かって。 中西:ケガ人で1チーム組めちゃいますからね。それを考えたら、マリノスはわかんないと僕は思う。 宮澤:でも、ダービーっていうのはわかんないゲームだから。相手がどういう順位であっても意識して。海外なんかは特に、「ここだけには負けられない!」みたいな。 中西:僕はさっきオープニングでも言ったんですけど、マリノスとダービーマッチやれるなんて嬉しいですね。僕は現役時代に練習試合しかしてもらえなくて。子安のグラウンドでお願いして、いつも負けてるんですね。同じ舞台であのユニフォームと戦えるっていうのはすごく嬉しいし、等々力にマリノスが来てくれるっていうのも嬉しって感じはありますね。だって、実際近いじゃないですか。東横線マッチみたいなもんですよ、これは。 会場:笑い 宮澤:ホントそうだよな。 中西:ね? 僕だって最初フロンターレに来たとき、ずっと桜木町に住んでましたから。 宮澤:桜木町。おお。 中西:家がなくてホテルに住んでて、毎日桜木町から小杉に通ってたんです。 宮澤:家がなくてホテル住まいだ? 俺は今、家がなくて探してんだよ。探したらイビチャ・オシムの家があったんだよ! 会場:笑い 中西:支度金が出てじゃないですか。 宮澤:支度金だ?? 俺なんか敷金・礼金だよ。 会場:笑い 中西:マンションに住むよりも、ホテルに住んだ方が敷金・礼金がなくて安いんですよ、実は。光熱費もいらないし、車場代もいらないんですよ。 宮澤:外国人選手を呼ぶときには、ホテルに住ませるよな。 中西:当時僕らは、等々力の野球場の外野の芝生で練習してたんですよ。苦しいことやってるんですよ、僕らはホントに。スタジアムに人がいなくて、ガソリンスタンドに行ってポスター貼ってくださいって頼んだら、「どこのチーム、これ?」って。「フロンターレです」、「そんなチームは知らない」って。いやホントですよ。僕は最初からいるけど、富士通がフロンターレになった次の年からだから。ポスター貼ってもらって、タダのチケット渡して。それでも試合行ったら、ガラガラですよ。500 人しかいないとヤジが聞こえるんですよね。 宮澤:聞こえるよなぁ。 中西:コーナーキックのときにやたら聞こえるの、ヤジが。 宮澤:そういう話はね、我々の時はいっぱいあるよ。 中西:そうでしょ。それって誰かなぁって聞いてると、身内だったりするんだよね。 会場:笑い 中西:ホントですよ。 宮澤:東京の西が丘サッカー場の息子の泣き声。試合終わったらおでこはらして、俺の氷のう使ってるみたいな。どっちが試合やったんだって。 中西:僕らはまだ、西が丘でJ2の試合やってますからね。それを考えたら、等々力に平日でも2万人入るんですよ。 宮澤:そうか。うまくいったなぁ、等々力。 中西:僕らが地道に商店街まわって、もちつき大会とかやったんだもん。春夏秋冬の祭りとか行事とか。今もやってるでしょ? 鄭:いろいろやってます。 宮澤:今の選手達って、やっぱりホームとアウェイって気持ちが全然違う? どう? 鄭:俺は1年目で、今まで観客の入った試合って出てないんで。例えばアウェイでブーイングが来るとするじゃないですか。逆にそれが力になります。「やっとこの場に立てたな」みたいな。 中西:サポーターからブーイング浴びると嬉しいでしょ。 鄭:すごく嬉しいです、はい。 吉田:やっぱりホームでは勝ちたいと思います。特にサポーターの前で勝ちたいとは思いますね。 中西:あれだけサポーターが足運んでくれて、みんなでいい試合見せないと、次にまた来てもらえないと思うじゃないですか。 宮澤:大切なゲームだとプレッシャーもかかったりもするけど、選手にとっては家から近いとか、生活の上でもやりやすい? マリノスはホームでもホテルに入るの? 吉田:僕らは入ってます。 中西:フロンターレは入ってないでしょ? 鄭:入ってない。 宮澤:そういったところから行けるっていうのは、ね。俺はホームっていうのは好きだったね。すごくリラックスして。アウェイでホテル行くのも、たまにはいいよ。ホームでもホテル入っちゃうと、全部ホテルだから行ってみたいところがあったから。もう慣れちゃってるか。 吉田:そうですね、慣れてますね。 中西:もう12年やってますから。 宮澤:そうだな。そんなこと気にしてたらできないもんな。 中西:僕は等々力がすごく好きで。今の等々力のフロンターレホーム側のコーナーのところって、めちゃくちゃ人がいるでしょ。昔はあそこに3列くらいしかいなかったんだよ。3列で固まって縦にいた。そのくらい少なかった。あそこにあんなにいっぱい人がいると感慨深いね。まさかあそこで、僕がTシャツ売るとは思わなかった。 会場:笑い 宮澤:なんか、売ってるらしいじゃない。 中西:あんなところで自分で物を売るとは思わなかった。 宮澤:自分でデザインとか、生地も選んでるんだろ、それ。 中西:僕の話はいいです。でも、ホントにJ リーグはマリノスもフロンターレもお客さんが入るからいいですよ。入ってないチームと少しずつ差が出てきたじゃないですか。 宮澤:ちょっと分かれてきたね。でも、努力はしてるから。何とか粘ってきているみたいなところはあるな、みんな。J リーグってそもそも、普通の企業と違って倒産しない。企業はお互いがつぶし合って倒産してしまうけど、J リーグは逆にそれを作らないような経営をしてるから。 中西:運命共同体ですからね。 宮澤:それは素晴らしいと思うけど、じゃあ努力しなくてプロのチームが成り立つかといったら成り立たないよね。 中西:だから、お客さんに来てもらうことが一番。自分たちが給料もらってるのは、サポーターの方がお金出してチケット買ってくれるからだからね。それは本当に感謝しないと。 宮澤:「鄭選手がサポーターを呼べる選手になるか」っていうことだからね。そういうことだから。 中西:ハーフタイムショーじゃないよ。 会場:笑い 宮澤:それもホームですから。でも、これだけ力のある選手が出てきた! っていうことで、それでゴール強襲だからね。 中西:でも、愛すべき選手ですよ。僕も今日で会うのまだ2回目なんだけど。 鄭:しかも、1回目はステージの上です。それだけですから。 中西:妙に親近感がある。実家が近かったりとか。同じ名古屋だから。 鄭:家から15分。名古屋育ちだから。 中西:そう。実家が15分くらいしか離れてないんです。僕もグランパスにいたから。試合観てても、「頑張れ!」と思いたくなる選手です。僕、この間親戚の方みんなに会ったんですけど、ファン感謝デーで親戚の方が出店で韓国料理を作ってくれたんですよ。 宮澤:そういう協力がいいんだよ。アットホームな。それがホームだよ。 中西:ああいう親戚を大事にした方がいいですよ。 鄭:はい、わかりました。 中西:吉田選手、監督はどうですか。プレッシャーかかってるじゃないですか。「ここで負けたら……」っていうくらいの気持ちもあったと思うんですけど、かなりプレッシャーかかってましたか? 吉田:そうですね。監督もすごいプレッシャーだったと思うけど、選手もやっぱりすごいプレッシャーでしたね。「負けたらどうしよう」って考えちゃうんですよ、そういうときって。いいときってマイナスのこと考えないですけど、悪いときは本当にマイナスにしか考えないから。「もし点取られたら」とか、最後のフリーキックで「もしこれが入れられたら」とか。それで本当に入れられちゃったりするんで。 宮澤:やっぱり、残念ながら本当に起きる、調子が出てないときは。 吉田:そうですね。ちょっと前の試合なんですけど、名古屋戦(5月3日・豊田スタジアム、横浜 F・マリノス1-1 名古屋グランパス)とかも1点入れて「よし、勝てる!」と思ってたら、最後フリーキックになって。「これ、まさか入れられるんじゃないか」と思ったら、本当に入れられて同点とか。けっこうそういうのが起こるんですよね。 宮澤:試合終わって通路を歩いてたら、マリノスの社長が、「ミシェル、たかだか2連敗や3連敗でここまで消極的になるのか?」と俺にいきなり聞くんだよ。「選手は連勝するとすごくでかい心臓になるけど、連敗したらすぐちっちゃくなって気にし始めますから」って言ったら、「そういうもんか」って歩いていったよ。そういうもんだよな。 吉田:そういうもんだと思いますよ。 中西:そうすると、ミスを恐がるんだよね。僕も現役時代そうだったけど、自分が調子悪いと、自分のミスが失点に直結するのがイヤなんだよね。戦犯になりたくないんです。自分がミスするのを避けよう、避けようとすると、安全第一で全部リスクのないパスになっちゃう。だから、大事な勝負っていうときにスルーパス出したいとか、裏に出したいっていうときも、何となくどんどん安全な方になっちゃうんですよ。 宮澤:特にビッグクラブで今までタイトル獲ってるチームは、そうなったときにとんでもないプレッシャーを背負うよな。サポーターからも。「責任」っていうことだよね。だからビッグクラブは強くなるんだよね。 中西:そういうのってありました? みんながリスクを背負っているように見えなかったんですよ。背負ってることは背負ってるんだけど、ちょっと大事にしすぎてるなっていうか、ミスを恐がってる。 吉田:そうですね。やっぱり、まずミスしたくないって考えますね。 中西:あと、連敗すると自信がなくなるんだよね。でも、それもいい経験なんだよね、フロンターレとしては。昇格したシーズンとしては、存分に活躍したし。ああいうところに立ち会って良かったなと。 宮澤:なるほど、なるほど。 中西:吉田選手も、悔しい思いをした後の方がまた燃え上がってくるものがあるんじゃないですか。 吉田:そうですね。まぁこれ以上は落ちないと思うんで、もうとにかく上がっていくだけです。まだ優勝も狙えるし、諦めずに頑張ります。 会場:拍手 宮澤:そうだよ。ホントにこのチームがやってくれないとおもしろくならない。 中西:諦めというか、できないと思ったら絶対にできないですよ。諦めなかったらわかんないですよ。 宮澤:J リーグが再開して、またここでちょっとブレイクがあるけれど。再開したときにマリノスがどこまで来るか? それとも、「おいおい、来てくれないの?」みたいな。そういう楽しみがあるけど、それを来させないようにね、フロンターレも。 会場:笑い 中西:本当に今度のゲームは、どっちにとっても大事なゲームだと思うんですよね。マリノスは絶対に走らせちゃいけないだろうし、フロンターレとしてはマリノスに勝つっていうことは自信にもつながるから、やっぱりそこは大事にしないといけないけど。フロンターレにとっては、難しいゲームになるでしょうね。きっとね。そこらへんが楽しみですけど。 宮澤:勝ち点がフロンターレ34、浦和レッズ33、ガンバ大阪33。まだ、こうだもんな。 中西:まだ全然。ちょうど折り返し前くらいですよ。 宮澤:このへんからスタート切って、本当のダービーらしいゲームをね。 中西:そうですね。見たいですね。 鄭:今までと違った雰囲気ですよね、ダービーって。お互い必死ですから。 宮澤:何かサポーターの中にも意識があるだろうね。 中西:いや、あると思いますよ。東横線ですから。 会場:笑い 宮澤:そういう意識はないから。チャンピオンをこれから目指していく中で、数々のタイトルをものにしてきたチームが「よーし、やってやる!」っていうところを見せてやらないと。 中西:これから歴史を積み重ねていって欲しいダービーなんで。いいゲームして欲しいし、あとは「ナビスコカップ」の準決勝で勝てば、決勝でマリノスとフロンターレが当たることだってあるじゃないですか。そこでも見たいし。「ナビスコカップ」の方も頑張ってもらいたい。 鄭:見たいですね。 宮澤:見たいですね? 中西:お前はベンチから見なさい! 会場:笑い 鄭:言った先から違和感感じました。おかしいな。逆に今、我那覇さんが代表に行ってる分、チャンスあるし。 中西:そういうチャンスも出てくると思うし、吉田選手も頑張って試合に出ていただいて、ダービーで。 宮澤:吉田選手はここであんまり無理しないように。そうしたら必ず体は戻るから。 中西:僕もそう思います。面と向かって言うと恥ずかしくて言えないですけど、やっぱり選手って、チームの状況が変わると、自分のプレイもそれに合わせなくちゃいけないから少なからず時間がかかるし。さっきミシェルさんが言ったように、自分のパフォーマンスと自分のイメージが重ならないときって絶対あるんですよ。それがいったん離れて、30歳前後でまたピタッと一緒になってくるんです。 宮澤:そのときに無理しちゃダメ。でかいケガしちゃうと苦しくなる。俺もずーっとトレーナーのベッドで寝てて、練習できなくなって、今言ったそのギャップができて、思ってることと表現が全然違って来ちゃった。そうじゃなくて、そこは回り道しておいて、イメージが合ったところに行けばいい。 中西:「こんなのは俺じゃない」と思って、無理したプレイをすると絶対にケガするから。無理しないで、少しずつ自分のイメージに合ってくるのを待ってる方が、たぶん僕はいいと思いますよ。 宮澤:30歳過ぎて見えてくるから。2人のオヤジのたわごとですけどね。 会場:笑い 中西:余計なお世話ですけど。ここからまだまだキャリアを積み重ねて欲しい選手だし、J1とJ2両方やってる選手は少ないんですよ。しかもそれで昇格を経験している選手も少ないから、いろいろなところで活躍して欲しいし、マリノスでも当然活躍して、頑張っていただきたいですね。 吉田:頑張ります。 中西:ちょっともう時間が来てしまったので、質問コーナーに移ります。
客1:スポーツ選手として、気にして食べている食事はありますか。 中西:僕はサントリーの「黒烏龍茶」です。メチャメチャ痩せたもん。発売から3ヶ月ぐらいしか経ってないんですけど、僕ずーっと毎日飲んでるんで痩せた。太らない。本当に女性の方におすすめしたい。食中に飲むといいですよ。ちょっと小さいペットボトルで、食事中に飲むといい。脂の吸収を抑えてくれる。特定保健用食品なので、ちゃんとした効能もあるし。太らなくなりましたね。特に焼肉とか食べに行ったりしても、全然。ご飯ものとか食べるときもいいですよ。太りたくない人は、ぜひ。僕はそれですごくやせたんで。 鄭:じゃあ、僕も試しに。 中西:鄭選手はいいでしょ。 宮澤:スポーツドリンクどんどん飲んで強襲よ。 中西:やっぱりキムチとか? 鄭:僕は韓国人だから、おやじとお袋が「キムチ、キムチ、キムチ! キムチ食べろ!」って。 中西:かなりいいらしいですね。何かの成分がすごいいいらしいですよ。 宮澤:食欲をそそるよな。 鄭:辛いもの食べると食欲が増すから。練習からクタクタになって帰っても、キムチ見るだけでも食欲増進ですよ。 中西:それはたぶん鄭選手だけだ。 鄭:チームで俺だけですよ。 中西:でもホント、夏場とかいいよね。 鄭:はい。僕、家からキムチを送ってくるんですよ。お母さんが作ったやつを。それをいつも寮で食べて、「幸せ~。お袋の味」って。 宮澤:味が各家庭で違うんだもんな。 中西:どうなの? 鄭:いや~、やっぱり店とは違いますね。店はいろいろ工夫してあるんですよ。ごま油入れたり。そういうのじゃなくて、ホントにもう本場のキムチっていう感じで。 中西:キャベツのみとか? 鄭:白菜と唐辛子。 中西:僕、キャベツとレタスと白菜、区別つかないから。 鄭:詳しくはちょっとわからないですけど、やっぱり店で出てくるのとは違うんですよ。 宮澤:各家庭の味があるの? 向こうでは。 鄭:そうですね。漬け方によって、時間とかで全然味が違う。昔からそれを食べて成長してるんで、それを食べるだけで自分の原点に戻った感じ。 中西:へ~え。 宮澤:そういうものあるの、いいよね。 中西:何かキムチをおいしく食べる方法とかないの? 鄭:サンチュってあるじゃないですか。サンチュにご飯と焼き肉とタレとキムチで食べるとおいしい。 宮澤:それ口に入るの? 会場:笑い 中西:たくさん入れなきゃいいじゃない。僕もひとつあったんで言おうと思ってたんですけど、焼肉屋さんに行ったら必ずやるんですけど、キムチをカルビと一緒に食べる。カルビもちょっと脂が多めの方がいいんですよ。で、カルビを焼いて、タレをつけない。タレをつけずにそれとキムチを一緒に食べたらおいしいから。絶対食べてみて。僕はこれを食べるために焼肉屋行ってますから。高い安い関係なくて、本当にどこに行ってもすごくおいしい。キムチは白い芯の部分と、柔らかい部分を少しずつ入れて。キムチの酸味が脂を消してくれるんですよ。すごく食べやすくなるし、すごく消化も良くなるから。やってみて。感想は僕のホームページまで。 宮澤:それを狙ってるな、お前は。 中西:本当においしいですよ。おすすめ。酒飲みにもおすすめ。 宮澤:吉田選手は? 吉田:食べ方ですか? 中西:食べているもの。 吉田:チームに栄養士さんがいるんで、嫁とかがけっこう聞いたりして、体にいいものとかをまねしてます。 宮澤:今さ、選手ってサプリメントとかは使ってる? 中西:摂りなさいっていうチームは、いっぱいあるじゃない。 吉田:マリノスは、サプリメントとかもすごく契約してます。チームですごいです。 鄭:去年僕も、実はフロンターレに入る前にマリノスの練習に参加してたんですけど、練習でサプリはすごいですね。あと、冷蔵庫のジュースが飲み放題なんですよ。 会場:笑い 宮澤:フロンターレはお金ないのか? 中西:フロンターレだって飲み放題じゃないけど……。 鄭:フロンターレは冷蔵庫の中に薄めたゲータレードとかあるんだけど。 中西:お前、ゲータレードが不満なのか?? 鄭:不満じゃないですよ。要するに、コンビニだったら冷蔵庫から商品を取ってお金を払うわけです。マリノスは、冷蔵庫を開けて新品をそのまま持ち帰れるわけです。 中西:言いたいことは、マリノスはコンビニみたいに350ml の缶とか陳列されて並んでるけど、フロンターレは1.5 リットルのペットボトルをみんなで飲んだりしてるから違うっていうことでしょ。 宮澤:それはダービー的にはどっちがいいんだよ。 会場:笑い 鄭:フィフティ・フィフティ。 宮澤:もう少し話そうか。差がつくまで。
中西:吉田選手は奥さんが作るもので、夏はこれがいいなと思うものとかありますか。 吉田:何ですかね。 中西:食欲が落ちないタイプですか? 吉田:夏は豚肉系が夏バテにいいって。 宮澤:好き嫌いなし? 吉田:基本的にないです。 中西:じゃ、豚キムチ。 宮澤:ユッケみたいなの食べる? 中西:僕も好きですけど、夏はやっぱり内臓が消化しきれないっていうところがあるじゃないですか。いたみやすいから。若干避けてました。 宮澤:海外行くと、そういうのあるんだよな、甘くないユッケとか。今だに肉の食べる量とか落ちない? 吉田:いや~、でも落ちますね。若い時は焼肉だけで満足してましたけど、今はご飯もみたいな。 鄭:僕は22歳でもう食が細くなってきましたから。焼肉屋とか行っても、昔はご飯大盛りどんぶり5杯とか食べてましたけど、今は1杯が限界。 中西:中学生とか高校生の頃は食べられるよね。僕も小学校5年生のときはご飯10杯とか食べてた。 鄭:10杯? 宮澤:食べなきゃいけない指導をされたから。 中西:朝からご飯5杯食べて、夜ご飯10杯食べてた。家じゃどんぶりだけど、合宿とか行くと茶碗がすごい小さいじゃないですか。 宮澤:小さい。あっという間になくなる。 中西:だから10杯食べた。 鄭:「1 年は残り物全部食え」って言われました。 宮澤:合宿中「流し込め」って言われたもんな。「食べないと倒れちゃうから、何でもいいから流し込め!」って。「飯って流し込むものなんだ」って。 会場:笑い 中西:僕がいた小学校のチームとかは、「中西はご飯10杯食ったからプロになれたんだ!」って。関係ないよ。 会場:笑い 中西:そういうイメージがありましたよね。 鄭:「練習中に水飲むな」っていう時代ですよね。 中西:僕は水飲ませてもらえない時代。 宮澤:そうやって育った人が、マリノスのクラブハウス行ったらジュースをタダでもらえるんだから、そりゃ響くよな。 鄭:1 本どころか2、3本カバンの中に入れて持って帰りましたよ。 会場:笑い 宮澤:何でマリノスにしなかったの? 鄭:いや、マリノスはダメでした。リアルな話、2、3回練習呼ばれたんですけど、最終的にダメでした。で、フロンターレにギリギリセーフで入りました。 宮澤:そこまで具体的な話は俺あんまり聞きたくないよ! 鄭:そうですね。でも、マリノスは入れなくて良かったです。何でかっていうとハーフナー・マイクがいるから。 宮澤:背の高いヤツは平山も含めて絶対に許せないんだな。(笑) 鄭:ハーフナー・マイクの高さには勝てないなと思って。今年初めてハーフナーマイク入ること知って、「うわ~、良かった」と思って。あれ一緒だったらちょっと。 宮澤:でも、絶対に負けないっていうのはあるだろ。 鄭:それはありますけど、端から見てると、驚異的な高さだなって。一緒に練習したんですよ。 宮澤:ディドコーチ(横浜 F・マリノスGKコーチ)がでかいでしょ。ハーフナー・マイクでしょ。そこにディドの奥さんまでくっつくと、「すんごいな~」って。みんなサッカー選手に見えちゃう。 中西:ディドは僕もグランパスで一緒だったじゃないですか。その時にマイクもよくグランパスの練習場に来てたんです。当時小学生だったんですけど、その時からデカかった。170㎝くらいあったもん。「絶対プロサッカー選手になるな」ってみんなで話してて、こんな早くプロになって。しかも帰化しちゃってるから、代表にもなれる。U-19にも入ってるじゃないですか。 宮澤:ディドにちょっと聞いたら、「息子と一緒のベンチに入ってるってどう?」、「いや全然気にしない」、「ウソつけ。ナーバスになるだろ?」って。試合終わったら必ず「息子さんどうだった?」って聞くじゃない。「全然ダメ」、いいと思ってても「全然ダメ」。 中西:ディドさん息子には厳しいけど、メチャメチャいい人じゃないですか。今度Jリーグの監督になるためのS級取ったじゃないですか。監督だとどうなるのかなと思って。 宮澤:ディドは日本のS級取ったの? 中西:そうですよ。 宮澤:僕とB級一緒に行ったの。そのときに言葉は全然問題なかったんだけど、指導を受ける教官の言葉がわからない。ここまでやらされるんだったら無理だって言って帰った。同じクラスだったんだよ、ディドと。オランダで取ったのかな。最後の研修はオランダだけど。 中西:S級にいましたよ。 宮澤:そろそろやろうかなって、最近ちょっと火がついてきたんだ。 中西:今頃ですか? 宮澤:もうやってるんだ。いろいろなところで教えたりしてるから。 中西:宮澤さんは? フランス料理でもいいですよ。 宮澤:フレンチ? フレンチないねぇ。フレンチで育ったんだけどね。フレンチって言っても、皆さんが思ってるようなのではないけど。でも、うちはフォークとナイフだったよ。 中西:感じ悪いですねぇ。 会場:笑い 宮澤:畳の部屋も何にもないし。でも、俺は弁当持っていって。みんなで箸で食べるようになって、全部日本食を食べてきたから。ただ、確かに小さいときは肉は多かった。結婚してから全然変わったね。和食になったよ、思いっきり。和洋折衷っていうのかな、どっちも行けるんだけど、家ではやっぱり和食が多いかな。 中西:夏は何ですか、おすすめ。冷や麦? 宮澤:冷や麦もうまいよね。納豆はほとんど毎日。 中西:納豆好きなんですか? 宮澤:大好きだね。水戸納豆とか。違うメーカー言った方がいいかな? 会場:笑い 中西:誰に気使ってんですか。僕はひき割りの方が好き。 宮澤:しらすに大根おろしと醤油かけてね。 鄭:納豆にキムチ入れるとおいしいですよ。 中西:おいしい、おいしい。 宮澤:キムチには世話になってるよ、うちは。僕の高校2年の時のキャプテンは韓国の方。その頃チームに2人外国人がいるなんて珍しいでしょ。すごく違う国なのに仲良くなっちゃって、いつもキムチもらってた。その人、今焼肉屋やってるんだけどね。たまに行くんだけど。キムチにはうるさいよ。でも、食事は大事。 中西:たくさん食べてください。 宮澤:すごい盛り上がったな。 会場:笑い 鄭:栄養学的なことより、気持ちの問題ですよ。 宮澤:哲生言ってくれる? 何でこの話になったんだっけ? 中西:食事です。一応司会なんで。では、次の方。 客2:オフの過ごし方などはどんな感じなんでしょうか? 中西:ミシェルさんは? 宮澤:俺は関係ないよ。また長くなっちゃうからな。 中西:鄭選手は? 鄭:僕はオフのときは前日に仲のいい人と食事に行って。 中西:吉原選手と? 鄭:いや、いろいろ。呼んでもらったりして。 宮澤:彼女いないの? 鄭:彼女いません。 中西:すごい反応早かったけど。 宮澤:だって年頃だもんねぇ~。俺がキミの時はなぁ……ない、ない。 中西:ミシェルさんとかグラス回してそう。 宮澤:ブランデーか? 鄭:オフの日は基本的に趣味のDJなんです。 中西:そうそう。この間ファン感謝デーのときのプレゼントにおすすめCDとか持ってきてたんです。 宮澤:あ、そう。 中西:自分でいろんなCD作ってる。 鄭:自分でつないでみたり。 中西:「それ、いらないだろ?」って思ったんだけど。 鄭:サッカー選手なんだからスパイクとかプレゼントすればいいのに。 中西:「僕がリミックスしたCDです」って。CDとか、ウォークマンとか、全然サッカーに関係ない。 宮澤:回したりはしないんだ。 鄭:してますよ。大学のときにターンテーブル買って。使いまくりましたね。 中西:完全に風貌とは違いますね、相当。DJ。 宮澤:踊りは好き? 鄭:踊りは昔ちょっとブレイクダンスをやりたいなと思って、ブラックミュージックの世界だから。音楽とダンスはセットだから、学生時代ステップのビデオを借りて練習やってみたんですよ。あれって手つくじゃないですか。そうしたら手で体重を支えるから親指の爪の間が切れて、生活に差しつかえがあって1 日でやめました。 宮澤:でも、そういう好奇心はあるんだね。へ~え。意外だったなぁ。 鄭:英会話もやってます。 宮澤:英会話?? 鄭:昔からラップとか聞いててわけわかんないから、英語を知りたいなという気持ちがずーっとあって。プロになってフリータイムが増えるじゃないですか。時間を無駄に過ごすのがすごくイヤだから。 中西:いいことですよ。僕も鄭選手くらいのとき、毎週家に英会話の先生呼んでやってた。 鄭:駅前留学です。 吉田:僕もやりましたよ。 宮澤:でもサッカー選手は、ちょっと安くなるんだよね。足が速いからタダだとか。 会場:笑い 中西:あとパソコン教室も行った方がいいよ。 鄭:パソコン持ってます。 中西:ブラインドタッチとかできるの? 鄭:ブラインドタッチできます。 中西:パソコンも打てるサッカー選手。 宮澤:僕はパソコンいじったことない。 中西:僕もパソコン教室行ったりとか。 宮澤:哲生も好奇心強いんだよね。 中西:辞めた後の準備ですよ、第二の人生の。おやじにいつも言われてたんですよ。「お前、サッカー選手はできても30歳までなんだから、その年数分だけ金稼がなきゃいけないんだぞ。60歳まで働くんだから」って。 鄭:常にサッカー選手は将来に不安を抱えながら生きてる。 中西:そうだよ。毎日不安だよ。いつクビになるか、いつも不安だったもん。 宮澤:俺は一生不安だからもう別に。 会場:笑い 鄭:60歳まで現役? 中西:オフは休まなきゃいけないけど、空いてる時間は大事に使った方がいいですよ。 鄭:いつも親に言われてたのが「生きた金を使え」だったんですよ。英会話とかは自分のためになるじゃないですか。血となり肉となり。 宮澤:じゃ俺に投資してみろ。 鄭:フランス語ですか。 宮澤:「なんも、しゃべれまへん!」 中西:それ関西弁じゃないですか。吉田選手はオフのときはどうですか。おしゃれだから、買い物とか好きなんじゃないですか。 吉田:買い物はそんなに行かないです。 中西:ファッション誌に出たりしてるじゃない。 吉田:出てましたっけ? 中西:出てますよ。 宮澤:雑誌のモデルでデビューしたんだもんな。サッカー選手もそういうのにバンバン出ればいいんだよ。 中西:何か休みの日は他にやってないんですか? 吉田:子どもがメインですね。自分一人で行くときはゴルフとか。アウトドア系ですね。 宮澤:チームメイトと行く? 吉田:マリノスのチームメイトはゴルフやらないんで。 中西:僕と行きましょう。 吉田:行きましょう。 中西:僕は先週3ラウンドしましたからね、あっ今週だ。 宮澤:エネルギッシュだよね。 中西:僕、休みだったんですよ。 宮澤:パソコン持って。 中西:パソコンなんか持っていかないですよ。 宮澤:どこでも仕事やるっていうイメージあるけどな。 中西:好きなことを仕事にしただけですよ。ゴルフも好きになったから仕事をしたいなあって。 宮澤:それでまた東京都の1部かなんかでプレイやってるんだぜ。90分走ってるんだよ。バカじゃないの。 中西:東京都の3部リーグは35分ハーフだから70分なんですよ。 宮澤:でも、70分だよ。70分っていったら60分より多いんだからね。 会場:笑い 中西:もう! それでは最後に一言ずつ。まずはミシェルさんから。 宮澤:楽しい時間を過ごさせていただきました。1 日も長くやって欲しい選手と、これからのJ リーグを支えていくような選手になってくれれば。この空間を一緒に味わって最高だったと思うようになるか。頼むぜ。ダービーはやっちゃってくださいよ。 中西:あとはミシェルさんの「J リーグタイム」を楽しみにしていただいて。 宮澤:今日はどうもありがとうございました。 司会:宮澤ミシェルさんでした。ありがとうございました。 会場:拍手 中西:では、鄭選手。どうでしたか、トークバトル。 鄭:昨日の晩は眠れませんでした、緊張して。でも、本当に楽しかったです。休みを返上する価値がありました。 中西:そう言っていただくと嬉しいですね。最後にダービーへの決意を。 鄭:必ず、点を入れますので、みなさん応援してください。 中西:期待しています。そして、吉田選手。あんまり話さないかなと思ったら、かなり話してくれて。 吉田:そうですね。途中、中西さんがかなりフロンターレびいきだったので。 中西:そんなことないですよ。 吉田:いえいえ、今日のトークバトルではフロンターレに負けたけど……。 中西:負けてないよ。 吉田:いえ。でも、ダービーでは必ずマリノスが勝ちますので、みなさん応援よろしくおお願いします。 中西:ぜひ、がんばっていただいて。それで、一日も長く現役をやっていただけるように。がんばってください。今日は本当にありがとうございました。 司会:両選手、そして宮澤さん、ありがとうございました。大きな拍手をお願いします。 会場:拍手 司会:中西さん、あっという間でしたが、盛り上がりましたね。 中西:ホントに。今までと違う感じでよかったです。ここでちょっと告知をさせていただきたいんですけど。今度、フロンターレがやっと10周年を迎えて、マリノスさんには遠く及ばないんですけど、10周年記念イベントということで9月17日、OB戦をやることになりました。うちのチームに在籍していた選手で、向島建さんとか、桂秀樹さんとか、アウグストとか相馬直樹くんとか、僕も出るんですけど。日曜日のジュビロ戦の前座試合としてやりますので、中西がどのくらいボールを蹴れるか見に来てください。実際、現役時代はサッカーヘタでしたから、あんまりうまくはないですけど、一応当日は僕がいたときのユニフォームを復刻で作って、もうできあがってます。僕は14番で。裏見て、「中村憲剛」ってなってないか心配だったんですけど、「NAKA」まで合ってて、ちゃんと「NISHI 」になってて良かったな~って。こういうこともやってます。良かったら見に来てください。僕も一応体調万全にして頑張ります。 司会:そのOBドリームマッチに向けて、またいろいろと調整もあると思いますけど。 中西:サントリーの黒烏龍茶のおかげで痩せたんで、調子いいんですけど。本当にサッカーは現役時代が終わっても楽しいです。あとは、先週もフロンターレのスタジアムに行って自分でTシャツを売ってきたんですけど、スタジアムに行っていい雰囲気作りをしてくれるのは間違いなくサポーターの方々で、いいサポーターの方がたくさん足を運んでくれるからこそ選手もいいプレイができると思います。今後ともぜひともみなさん、スタジアムの方に足を運んでいただいて、一人が一人ずつ連れてくればスタジアムが倍になるということで、より盛り上がっていくと思うので。特にフロンターレもそうですけど、日産スタジアムはでかいですから。1人が3人くらい連れて行っても入れますからね。どんどんお客さんを増やすことによって、選手たちもいいプレイを見せてくれると思いますし、選手達にもいいプレッシャーになりますし、また選手たちの力にもなるので、日産スタジアムも等々力スタジアムに足を運んでいただいて。すばらしい叱咤激励をこれからもスタンドから送ってください。あと、僕の解説がダメだったら言ってください。 司会:またスタジアムに行けば、中西さんのオリジナルTシャツも販売しているそうなのでぜひ。 中西:来週スタジアムにいますので、2時間前からバックスタンドの真ん中にぐらいに行ってますので、よかったら顔出してください。本当にこのダービーが今後とも10年20年続くように、フロンターレは謙虚な気持ちで、優勝なんて言ってますけど、ずっとJ2に落ちないように。謙虚な気持ちを持って、こういうダービーを続けていって欲しいなと思います。 司会:すばらしいゲームを期待しています。皆さん今日はどうもありがとうございました。中西哲生さんでした。どうもありがとうございました。お疲れさまです。 会場:拍手 司会:来週8月12日、土曜日ですね。もう1週間を切っております。真夏の神奈川ダービー、本当に楽しみです。両チームから日本代表選手も選ばれております。代表戦が8月9 日にあるんですけど、その後に行われます真夏の神奈川ダービー、この両チームにとっては本当に楽しい1週間となりますが、ぜひみなさんスタジアムの方に行って、熱い声援を送ってください。そして、暑いとは思いますけど、記憶に残るいいゲームを期待したいと思います。本日は本当にみなさんお忙しいところ集まってくださってありがとうございます。そして進行もスムーズに進めることができました。皆さんのご協力あってのことです。みなさん、本当にどうもありがとうございました。 会場:拍手
取材・構成:CREW 撮影:新関雅士 |