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後編


中西:本当に原さんがおっしゃる通り、そこがポイントになると思います。あとは坂本選手がおっしゃったように、自分がサイドに流れてマークをつかみにいくか、真ん中を抑えなきゃいけないか。だったら自分が右サイドのサイドバックに入って水野君を前に出してやるのもいいんですけど、それでも水野選手を引かせて、自分が真ん中を抑えた方がバランスは絶対に崩れにくいですからね。あとは一対一の局面で、どっちが局地戦で勝てるかという、そういうところになってくると思いますし。
岩政:そうですね。まぁ、出るメンバーがまだ分からないですけど、若い選手がある程度多いのは多分間違いないと思うんで。そういう選手たちは、例えば今言ったような話をしてもあまり分からないんで。
中西:分からないですか。
岩政:あんまり頭では。言われたことはわかりますけど、例えば試合の流れだったり、いろんな状況なりを把握できる選手はあまりいないので。
中西:そんなことないでしょう。
岩政:いないって言ったら失礼ですけど。
原:もう始まってるの、作戦は。
中西:駆け引きがね。
原:そこを分かってあげないと。
中西:分かりました。それはだけど、岩政選手が分かっているわけでしょう。
岩政:そうですね。だからベテラン選手と比べて、ということですよ。うちのずっと出ている選手たち、ベテランの方に比べれば、落ちる部分が多いので。そこをいかに、彼らに伝えられるかというのは大事だと思ってます。
中西:セットプレーはどうなんですか? さっき話に出てましたけど。
原:ちょっと、やられているのが多いのは確かだよね。
岩政:ただジェフ戦までは多分、数カ月なかったんですよ、セットプレーが。それで、ちょっと緩みかけていた部分もあったので。ちょっとヘディングをされてても、失点はしてなかったことが多かったので。
中西:紙一重ということでしょ? 失点はしていないけど、実はヘディングは負けていたり、フリーにしていたということが。
岩政:そうです。なので、そこは引き締める意味にもなったと思うし。それは大事だと思うんですけど。やっぱりセットプレーを取れればうちとしてもだいぶ楽だし。
中西:そうですね。どうですかヘディングシュートは、岩政選手は得意ですけど、ないですね、最近。狙われてるっていうのもありますよね。
原:多分決勝はね、岩政が潰れて、違う人が出てくるとか、そういうのやりそうだな。
中西:逆に潰れかかって。
原:うん。それか、本当に潰れて入れちゃうかね。
会場:笑い
原:血だらけになって喜んでるとか。そういう感じになれば鹿島ペースかな。
岩政:今年も3 点取ってますから。そんなに取ってなくもないですけど、周りもちょっと点を取らないと、僕はフォワードでもないのに、チームの人から「もうちょっと取った方がいいんじゃないか」という雰囲気が出てくるんで、さすがに取らなきゃいけないとは思ってるんですけど。
中西:でも、怖いでしょ、セットプレーで前にいたら。
坂本:怖いですよ。
中西:別に人相とかじゃないですよ。(笑) プレーが、ヘッドが。
坂本:怖いです。一番警戒しますよね。
中西:付いていても、これだけやっぱり体が強いし。
坂本:強いですからね。突っ込んできますもんね。
中西:躊躇しないですもんね。逃げないし。
岩政:そうですね、あんまり。
中西:この間もカレン・ロバート選手(ジュビロ磐田)とトークバトルで話したら、「僕は怖くて頭からニアサイドに行けません」って言ってましたよ。彼はそういうのはまだ、ニアに入っていくときは怖い。中山選手(雅史、ジュビロ磐田)みたいにガーッと行けないって。でも,そういうのはディフェンスって結構怖いところがあるじゃないですか。点で行くときは。キーパーとの間にギリギリで入っていくときって怖いでしょ? 
岩政:去年、ポストに当たりましたからね。
中西:躊躇しない。
岩政:それでも平気だったから、もう平気かなぁという、そんな思いもあるので。
中西:あとは当然PKになるかもしれませんけど、PKの練習とかはまだしてないですか?
岩政:うちは準決勝の時にはしましたし、たまにしますね。
中西:いきなり? 
岩政:そう、ごくたまにですけど。まぁ,僕は蹴らないと思いますけど。
中西:PKはダメなんですか?
岩政:意外と成功率は高いんですけど、イメージが。やっぱり監督としては僕を使うのは怖いでしょう、多分。
中西:PK、自分ではどうなんですか? 蹴ってたってことですよね、確率が高いということは。
岩政:うーん……
中西:センターバックって結構PK蹴りますよ。
原:あのね、センターバックってね、あんまりテクニックでやらないで、ズドーンと蹴って、意外と入るんだよ。テクニシャンはいろいろやっちゃあ、外しちゃうっていうのが多いね。ディフェンダーのストッパーが思い切りドーンと蹴った方が、意外とそのまま入るというのもあるかな。
中西:蹴らないですか? もう何年も蹴ってません? 
岩政:そうですね。
中西:PKって久しぶりに蹴るのって緊張しますよね。
岩政:しますよね。
中西:しかも決勝になったら、めちゃくちゃ緊張するでしょう。
岩政:ないと思ってますけど僕は。いますからね、蹴れるやつは。
中西:誰ですか? 
岩政:野沢(拓也)、ファビオ(サントス)、アレックス(ミネイロ)は多分蹴ると思うので。フェルナンドがいないですけど。
中西:あと本山選手は蹴るでしょう。
岩政:そうですね、モトさん(本山)もいますし。
中西:最後までいるか、分からないか。
原:そういうことだよね。
中西:途中で替わっちゃう可能性もありますよね。
岩政:可能性ありますね。 
原:そういうことだよ。そういう風に考えると、ディフェンダーの方がいるんだよ。
中西:最後まで絶対、試合に出るタイプでしょう、2 人とも。替わるタイプじゃないでしょう。
原:それか、岩政が退場になっちゃうとかな。そしたら蹴れないな。
中西:それもあり得ますからね。それはやめてくださいね。
岩政:僕の場合すごくイエローとかもらってるイメージですけど、そんなにもらってないですよ。
中西:去年、2 回くらい退場してるでしょ? 
岩政:はい。
中西:ちょっとかわいそうなところもあったんですけど。
岩政:多分、ないですよ、あまり。
中西:最近は。
岩政:はい。それもイメージなんですよ。僕って結構そんなに多くないと思うんですよ、ファウルの数も。何なんでしょうね。
原:ていうか、前はやっぱり顔が怖かった。
会場:笑い
原:今の方がちょっと余裕があって。前はワーッと言っていたところを、岩政も少しニコッとするから、レフェリーもニコッとして抑えようかなという。少し学んできたね。
中西:確かにそうですね。ちょっとファウルを取られて「オイッ」とか言っちゃうと、たてつくみたいなイメージに。
原:そう。それは言ってた。だから、そこを少し抑えてきたのはあると思うよ。
岩政:抑えてる部分もありますし、結構「言え」という事もあるんですよ、やっぱり。駆け引きじゃないですか、審判との、相手との。相手がファウルして、黙っているのもあれですし。ミスジャッジと言ったら失礼ですけど、何か違うなと思ったことがあったら、言っておく方がいいみたいなことも、監督は言いますから。今、うちのチームで、あまり言える選手がいないから。キャプテンのソガさん(曽ケ端準)はキーパーなんで、あんまり審判まで言えないですから。
中西:みんな結構、おとなしいですよね。
岩政:おとなしいですね。だから難しい部分ですよ。
中西:昔は秋田豊選手(名古屋グランパスエイト)がいたし、名良橋選手がいるし、本田泰人選手(鹿島アントラーズ)がいるし、みんなガンガンくるから試合をしてても。最近はちょっとおとなしいですよね、メンバー的に。
原:そうだね。若い選手になってきてるのもあるかもね。だから、岩政がリーダーシップ持ってやれるかだね、最終ラインも。
中西:そうですね。それでガンッと引っ張って。
岩政:やってるつもりではあるんですけど、あんまり引っ張りすぎると逆に「ちょっと抑えろ」とか言われるんですよね。
中西:今度は。
岩政:ナビスコカップの予選ではキャプテンをやったりしてたんですよ。で、ここは俺が引っ張ろうと思って、ちょっとオーバーでも盛り上げてやっていたら、「キャプテンは、もう少し抑えて」みたいに、上の人に。それ以来、キャプテンをやらされてない。
会場:笑い
岩政:なんかなぁっていう。駄目だったのかなぁと思う。ちょっと寂しいんですけど。
中西:キャプテンっぽいですよね。だってユニバーシアード(2003年、ユニバーシアード大邱大会)ではキャプテンだったでしょう?
岩政:はい。で、満男さん(小笠原)がいなくなったら、キャプテンをやらせるみたいなことを言われてたんですよ。で「よしっ、きたなぁ」とか思って、試合になってみたらキ
ャプテンマークがソガさんところに置いてあるから、「あれっ、俺じゃないんだ!?」と思って。その試合の直前の練習なんかでも、「キャプテン任せたら、頼むぞ」みたいなこと言われてたんですよ、監督に。かなり拍子抜けして。
中西:ナビスコカップ決勝でキャプテンをやるかもしれないじゃないですか。
原:作戦なんだよ。
会場:笑い
中西:では質問コーナーにいきたいと思うんですけど。
客1 :昨日の鹿島対横浜戦なんですが、1 点目を横浜F ・マリノスの坂田大輔選手に取られた瞬間に、岩政選手が大の字に倒れてしまったんですけど、ゴール裏で応援してる時は、倒れられるとこっちもガクンとくるので。試合中はとにかくああいう弱みを見せないで。他の選手を手を叩きながら。
会場:笑い
中西:ですよね。確かに応援してる人が意気消沈するような倒れ方ですよね。
客1:青木選手と岩政選手の間を抜いて入れられたので、かなりショックだったのかなと思うんですけども、やっぱり弱みを見せて欲しくないですね、あそこは。
中西:僕も今日、岩政選手に会った瞬間に言ったんですけど、「坂田選手にヘディングシュートはないだろう」って。でも高かったですね、確かに。かなり高いヘディングで、しかもマリノスのドゥトラがすごい難しいタイミングでボールを上げたので。あれは上がってくると思わないですよね。しかもギリギリの脇を抜けてくるようなボールだったでしょう。
岩政:ま、かなりボールも落ちましたからね。 
中西:最後、ググッとね。
岩政:かなり上を通ったのに、高いところでヘディングしましたから。かなりいいボールではありましたけど。倒れ込んだのは僕、ビデオを見るまで知らなかったので。多分、ヘディングしたのを避けた感じで倒れ込んだだけだと思うんですけども。ビデオを見たら僕が倒れてたんで、なんで倒れたのか、僕も気づかないくらい。
中西:そんな、意識を失った人みたいな。
会場:笑い
岩政:はい、一応、励ましたりはしてたんですけど。
中西:そういう時に、キャプテンシーじゃない? ほら坂本選手も頷いてますよ。
岩政:はい、キャプテンマークを付けさせてもらえれば・・・
中西:付いてなくても、やればいいじゃないですか。そしたら「あぁ、岩政にキャプテンマークを付けさせようかな」ってアウトゥオリ監督は思うかもしれないよ。
岩政:それは、意識してます。
中西:確かにいいボールだったし。クロスがあそこからちょっときて、しかも最後があの落ち方で。坂田選手も高かったですもんね。あんまりヘディングしないのに、みたいな。
岩政:そうですね、はい。
中西:ドンピシャだったし。
岩政:そうですね。チームとしては結構集中して入ったつもりでもいたし、最近立ち上がりに失点が多いのも自覚してるので、集中してなかった選手がいたわけではないとは思いますけど。それでも入ってしまうときは入ってしまうのかなという感じですね。
中西:相手も入れようとしてるわけですからね。
岩政:今週末はその流れを断ち切って、決勝に向かいたいという気持ちはあります。
中西:立ち上がりに失点すると、試合が難しくなっちゃいますからね。
岩政:はい。
中西:昨日はちょっと2 点目も早かったですからね。
岩政:そうですね。最近、ここ3 試合連続で2 点目までが早いんですよ。それを、みんな自覚して入ってるし、ジェフ戦なんかも特にそうなんですけどね。悪くない立ち上がりで入ってるのに、点が入ってしまってるので。
中西:みんな集中してないわけじゃないですからね。
岩政:はい。
中西:意図的に倒れないように。偶然に倒れた時は仕方がないですけど。
岩政:はい、すみません。
中西:謝る会じゃないので。
客1:私が岩政選手のベストパフォーマンスだと思ったのが、国立でやったマンU 戦(2005年7 月28日、国立競技場、鹿島アントラーズ2-1 マンチェスター・ユナイテッド)で執拗なマークでファン・ニステルローイ(ルート、スペイン・レアル・マドリード、元イングランド・マンチェスター・ユナイテッド)がとうとう切れちゃって、岩政選手の後ろから思い切りお尻を蹴ったじゃないですか。あのときに岩政選手が「何やってんだ、こいつ」って感じでファン・ニステルローイを見下したような時はすごい嬉しかったので、ぜひ今度の決勝も頑張ってください。
岩政:はい、ありがとうございます。
中西:では、次はジェフのサポーターの方に。
客2:7 月、8 月ジェフは監督が替わってちょっと調子の悪い時期あったんですけども、アマルさんがベンチに座らないで、立ち上がるようになってから、なぜかジェフが強くなったような印象があったんですけど。立ち上がる事によってプレッシャーを受けたとかいうことはあったんですか? 
中西:立ち上がってるのは気づいたんですか? 今日から立ってるぞみたいな。
坂本:そうですね。気づきましたね。記者の人がずっとそれを言ってたんですよ。「全然、喋らないですね」とか「練習中はどうですか?」とか。でも、立つようになってから、調子はあがるようになったのですが。別に、立ったから・・・
中西:勝ってるわけでもないし。
坂本:そうですね。立ってもあんまり指示はそんなには出さないかなと思うんですよ。前監督の方が年の割りには結構、怒鳴ってたし。
中西:何を怒鳴ってるんですか? 選手に指示したりするんですか? 
坂本:指示も出されますね。やっぱりシステムが合わないときだとか。こっちの方がいいんじゃないかって。うちのチームはいろんなポジションをやれとよく言われてたので。そういったときに、じゃ、あいつをフォワード気味にしようとか。最近3 -5 -2 でマッチアップする相手って数少ないですからね。
中西:少ないですね。
坂本:4 -4 -2 の方が多いかなと思うぐらいなんで。そういったときに、うちもやっぱりシステムを変えなきゃいけなくなると思うし。そういう指示は頻繁にオシムさんの方から出てましたね。アマルさんは本当に言わないですね。
中西:オシムさんのときは「誰がどこにいけ」とか、「ちょっと左側に張ってろ」とか。
坂本:結構徹底してやる方ですね、オシムさんは。もう初めから誰が誰に付くということまで言うので。今はなかなかそうではなく。
中西:自分で考えろって? 
坂本:はい。オシムさんのときから言われてましたけど。試合中の指示はほとんど聞こえてこないというか、ないですね。
中西:ロッカールームに戻ったらどうですか、アマルさんは。静かですか? 
坂本:怒鳴りますね。
中西:怒鳴る!? 
坂本:ロッカーでは喋ります。で、怒鳴って。やっぱり褒めるということはそんなにないですね。
中西:例えば、昨日だったら何を言われるんですか? 昨日は前半2-0 だったじゃないですか。久永選手(辰徳、大宮アルディージャ)にヘディングでボーンと入れられたでしょう。バーに当たって跳ね返って。
坂本:後半、頭からもうストヤノフを外して、水野を入れてというシステムに変えたんで、「ここはこうやっていく」とかいうような事を。「このままだったら、5 点、6 点取られる」って言ってたし。「5 点、6 点取られたって一緒だ」って、そういう風な事を言うんです。あんまりポジティブな事を言わないし。
会場:笑い
坂本:あんまりストレートに答えを言う人じゃないので。遠回しに「あ、こういう事なんだな」って僕たちが考えないといけない。
中西:「お前ら負けてんだから、点取らないと負けるぞ」と。
坂本:そうですね。で、こうしろって事を言われて、送りだされたって感じですかね。
中西:アウトゥオリ監督はどうなんですか? ハーフタイムとかは。
岩政:ハーフタイムは・・・
中西:的確ですか? 
岩政:的確ですね。彼もよく怒りますけど。でも例え負けても、自分がやれと言った事をやれれば褒めますし、勝ってもやらなければ叱りますし。彼はどっちかというと、よくオシムさんの言う事と似てる事を言うし、練習でも全面の8 対8 のゲームとかもやったりするんですよ、アウトゥオリさんも。話を聞いていてちょっと違うのは、やっぱり勝つ事に対してはもっとうるさいですね。負けてもいいなんて、多分言わないですね、彼は。「必ず勝て」と言う。
原:あの、質問していい? トニーニョ・セレーゾ監督(前鹿島アントラーズ監督)と、アウトゥオリ監督の違いというのは、どういうところだと思う? 
岩政:一番の違いは、セレーゾは選手の目線で見てましたね。だから、彼の選手の経験上の事を中心におっしゃるんですけど、アウトゥオリさんは20代の頃からコーチ業をやってるので。
中西:指導者の立場で。
岩政:そうですね。全く観点か違うというか。守備の考え方も違いますけど。だから、選手に近いのはセレーゾ監督ですし、むしろ監督としていろんな戦略を持っているのは、アウトゥオリ監督だと思いますけど。だから、僕としては一番いいパターンというか。セレーゾ監督は練習もすごく選手一人一人に細かいんですね、指示もそうですけど。「こういう時はこうしろ」とか、クリアもいろんな種類を練習したりするんです。アウトゥオリ監督はもっとこう「チームとしてこういう守備をして」というやり方が多いので。全くやり方も違いますし、おもしろいですけどね。
中西:試合前に具体的にこういうシステムでこうして、誰を見ろとか、細かい戦術的な指示もあるんですか?
岩政:アウトゥオリ監督の場合、基本的にはゾーンなので、マークはあまり言わないですし。
中西:形とかも大体、誰がどの選手を見るとかも言わないですか? 
岩政:ほとんどないですね。最近はセットプレーのミーティングしかないですね。あとはチームとしてどういう風にやるか。モチベーションの問題ですよね。
中西:例えば? 
岩政:最近だったら、立ち上がりの失点が多い事だったりとか、そういういろんな部分で、ナビスコカップに向けてどうだとか。
中西:アウトゥオリ監督はかなり考えてるでしょうね。
岩政:あの人も結構、予想がうまいんですよ。Jリーグでも、他のチームは次の試合どこと対戦する、ここは負けるとか言うと、だいたい当たるんですよね。
中西:へぇ、でもtotoは買えないか。
原:聞いて買えばいいじゃん。
中西:アウトゥオリ監督に聞きに行くんですか? 無理ですよ。
岩政:いろんなとこは見てますね。先も考えて。
中西:経験豊富なんでしょうね。経験値が多分高いんでしょうね。
岩政:とにかくもう勝つことにうるさいというか。
中西:「勝て!」って言うんですか? 「負けるな」って感じですか? 
岩政:負けた次の週の練習は、もう怖いですね。
中西:ずっと負けてるじゃないですか。
会場:笑い
岩政:最近もう本当に怖いです。オフ明けの練習の時とか、一言も喋らないですね。ずっと見てて……
中西:黙ってるときは怖そうですね。
岩政:怖いです。「何、考えてんだコイツ」と思いながら。ちょっと怖いですけど。
中西:明日は練習? 
岩政:今回は明日、休みです。連休です。
中西:明後日が怖いんだ。
岩政:明後日は怖いですね、かなり……
中西:なんでそんなブルーになって。
岩政:でも言ってる事は正しいと思いますし。彼も自分っで言ってますけど、いろんなヨーロッパの監督の下で勉強してるんですね。だから、有名な監督の名前がよく出てくるんですけど。
中西:例えば誰が出てくるんですか? 
岩政:トラパットーニ(ジョヴァンニ、元イタリア代表監督)、リッピ(マルチェロ、前イタリア代表監督)、カペッロ(ファビオ、スペイン・レアル・マドリード監督)とか。
中西:イタリアばっかりですね。
岩政:イタリア系が多いですね。監督は「俺は自分で考えた戦術じゃないし、練習方法とか全部他の人の話を聞いてやってることだから」と言うことが多い。そこは彼なりにアレンジしてやってるんですけど、練習方法とかも理論があって、脈拍とか常に取りながらやりますし、そういうやり方というのは理論的ですから。
中西:納得していけますね、じゃあ。
岩政:そうですね。あとは走りがないんで。
中西:走りのメニューはないんですか? 
岩政:はい。キャンプでも常に常にボールを使うんで。そのへんも選手としてはありがたいなと。
中西:それ個人的にじゃないですか。あんまり走るの好きじゃないでしょ? 
岩政:好きじゃないですけど、中学は陸上部です。でも、嫌いなんでありがたいです。
中西:ボールを使った方が。
岩政:体力は落ちないですから、練習をしっかりやっていると。
中西:それも脈拍を取りながら練習やってるんですか。ボールも使いながら。
岩政:毎日。練習試合でも取ってるから、相手に失礼じゃないかというくらい、ピッピッピッピって鳴ってますから、あのハートレート。
中西:練習試合で、ハートレートをつけて。
岩政:逆に、1 週間空いたときの練習がキツいですね、一番。その間は上げても大丈夫。今は試合前日も落としちゃダメだという理論があって、「現代サッカーは」といった話をよくするんですよ。
中西:結構キツいですね、練習も。
岩政:中2 日とか3 日とかの方が楽です。 
中西:試合の方がね。1 週間あくと結構上げなきゃいけない。それは坂本選手も一緒なんじゃないですか?
岩政:ジェフの方がキツいんじゃないですか? 
坂本:練習だけの方がキツいですね。
中西:半端じゃないですか? 
坂本:いや、馴れでしょうね。前監督のときの1 年、一番最初はキツかったですね。まず韓国でやったんですけど。想像を超えてました。噂では聞いてたんですよ。そのときはミリノビッチ(オーストリア、LASKリンツ)という選手がいて。
中西:いましたね。
坂本:同じ部屋で。2 人で同じ部屋にいたんですけど、とにかく厳しい監督だってことは、聞いてたんですけど。まさかここまでということはなかったと。
中西:どんなものなんですか? 
坂本:いや、もう足が絶対止まることがないじゃないですか。
中西:練習の効率がいいってことですよね。
坂本:そうですね。ゲームをやったら他のメンバーは300 メートルを10本行ってこいとか。それが終わったら次はゲームで。それを何セットかやるんです、ずっと。考えられない。それが1 部も2 部も両方そんな感じで。素走りというのが少ないのはいいかなという感じですけど。走りの量は多いかな。
中西:ストイコビッチ(ドラガン、レッドスター・ベオグラード会長)も言ってましたよ、オシム監督が来るときに「いい監督が来る」って。「でも、死ぬと思うよ」って。
会場:笑い
中西:「大変だ」と言ってましたね。代表の合宿なのに、戻しまくってたって、食べた物を。
坂本:大学生が練習に参加したんですよ、キャンプに。吐いてましたもん。 
中西:ピクシー(ストイコビッチ)もそう言ってましたよ。
坂本:本当にそうですよね。
中西:走れないというくらいに走らされたって。だってピクシー、走らないですよ、全然。練習とかでも。でも、走ってたって、当時は。若かったんで彼も。食べた物も全部戻すぐらいに走ってたらしいですよ。超一流選手たちも。
坂本:かなり厳しかったですね。
中西:今はもう普通になったと?  
坂本:馴れですね。300 メートルと言われても結構馴れてきてるし。
中西:何秒って決まってるんですか? 
坂本:「とりあえず50秒で入れ」って言われて、50秒でゆっくり走ってると「お前ら、遅い」って言われるんですよ。決まってないんですよ。言ってるわりには。僕は意外と前の方を走ろうと思って前の方にいるんですけど、僕たちの顔を見て判断してしまうので、楽そうだなと思ったら「上げろ」と言われて、もう全然ダッシュですよね。
中西:300 メートル? 
坂本:グループとかも結構適当なんで、ゼッケンを分けて黄色があそこで、赤は向こうだとか。もう何色もゼッケンがあるので。
中西:黄色、走ってこいとか? 
坂本:そうですね。コーンがいくつか置いてあって、みんないっぺんに走ったりするときもあるんですけど。速い人もいれば、苦手な人もいるわけじゃないですか。苦手な人は「秒数決まってんだから、もうちょっとゆっくり」って言われるんですけど、僕たちはプレッシャーをかけられるので、監督に。
中西:そんなの無理ですね。
坂本:もう鬼にして。
中西:で、どんどん遅れていくんですか? 
坂本:そうですね、遅れる選手も中にはいたことも。体調を崩したり、吐いたりと。だんだん気持ち悪くなってきた選手もいた頃もありました、初めの頃は。
中西:でも今は大丈夫? 誰も遅れないですか? 
坂本:やっぱりオシムさんの下でやってる選手は大丈夫ですね。1 年目、2 年目の選手は大変だと思います。
中西:ついてこれない? 
坂本:初めは。練習もそうですけどね。ゼッケンが多いとか。
中西:考え方もついてこれないし、走りもついてこれない。
坂本:やっていいのか、やっちゃいけないのか分からないじゃないですか。走りもキツいし。
中西:それでは最後に皆さん立っていただいて、1 人ずつお話をうかがっていきたと思うんですが。まずは昨年ナビスコカップで優勝している坂本選手に、今回の決勝に向けての意気込みをうかがいたいのですが。どうですか、決勝。ついに2 週間後ですが。
坂本:そうですね。すごくワクワクして。去年とはまた違う立場でやるので、まず連覇を。ヴェルディ(1992年~1994年ヤマザキナビスコカップ3 連覇)以来ですよね。チケットが完売だということで、観に来てくれる方々に感動を与えて喜んでもらえるようなプレーができたらいいかなと思って全力で戦いたいと思います。
会場:拍手
中西:満員の国立競技場は、ちょっといいじゃないですか、気持ちも高ぶるし。
坂本:そうですね。
中西:決勝だということは意識しています?
坂本:はい。ちょっと余裕を持ちながらいけたらいいかなと思います。
中西:では、岩政選手も抱負を。
岩政:10冠目を前にして何年も達成できずにいるので、それをぜひみなさんと共に喜びたいという気持ちがあります。特に一冠も達成していない僕たち若手は、みなさんが思ってる以上に強く思っている部分もあるので、その気持ちを見せながら試合をして、みなさんに気持ちが伝わるように、ゲームができればいいなと思っています。
会場:拍手
中西:満員の国立ですから。チケットが全部売れてますから。嬉しいでしょ? 
岩政:そうですね。楽しみですね。
中西:そういう中で、ぜひとも楽しんで。
岩政:優勝して、またカシマスタジアムが満員になるように頑張りたいです。
中西:ありがとうございます。原さん、最後になりましたけど、楽しみですね。
原:楽しみだね。今の日本のサッカーの最高レベルの試合を見せてもらいたいね。これからずっと語り継がれるような、そういう試合をやってもらいたいなと思います。それで、この2 人のどちらかでもMVP でも取ってくれればね。
中西:実際ここまで2 人ともフル出場ですからね。10試合すべてフルタイムで出ている2 人ですから。
会場:拍手
原:そしたらまたここでやるか。
会場:笑い
中西:祝勝会を。祝勝トークバトル。
原:そうだね。そういう試合を期待してる。
中西:あとはこの2 人が、次のゲームで、もしくは練習でケガだけはしないように気をつけていただいて。いいコンディションでゲームを観たいですから。期待してる人もたくさんいることですから、ぜひともいい準備をしていただいて。11月3 日、素晴らしい試合を見せて下さい。今日が10月22日ですから、あと10日くらいですから。とりあえず、ジェフの方は疲れをとって。
坂本: はい、みんなに伝えます。
中西:いいコンディションで。アントラーズはどういうメンバーでくるか分からないので。多分、秘密練習が。でも、監督はナビスコカップ決勝という話はもう口にしてるわけで
しょう?
岩政:そうですね。アビスパに負けた時点(2006年10月7 日、博多の森球技場、アビスパ福岡2-1 鹿島アントラーズ)で、「残り3 試合でメンバーを決める」と言ってたんで。
中西:それに向けて。
岩政:それに向けて、今みんなアピールの時間というか、毎日の練習でアピールをしている段階なんで。僕もまず試合に出られるように頑張りたいと思います。
中西:当然出場して活躍しないと、アントラーズの勝利はないですからね。頑張っていただきたいと思います。原さんはヨーロッパへ気をつけて行ってきてください。
原:はい。
司会:それではお三方を大きな拍手でお送りください。
会場:拍手
中西:今日ここにいらした人は、より決勝戦を楽しめると思います。スタジアムに行かれない方も、ぜひともテレビで観戦していただいて。決勝戦は毎年素晴らしい試合になってますから。選手たちだけでなくて、観客も、素晴らしい試合を作る大きな要素になってくるので、みなさんもぜひとも試合を盛り上げていただいて、決勝当日の雰囲気を楽しんで。サッカーがより進化して日本代表も強くなって、ワールドカップで日本が優勝できるような国になるといいですね。その一つとして、ナビスコカップは一番歴史のある大会ですから。Jリーグの前年からやっている大会ですし、スポンサーのナビスコさんにも感謝して、これからまた素晴らしい決勝戦が行われる事を祈念して今日は終わりたいと思います。本当にありがとうございました。
司会:中西哲生さんでした。
会場:拍手

取材・構成:CREW
撮影:新関雅士