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後編


中西:あとは、普段は何してるんですか、休みの日とか。茶野さんが答えちゃダメですよ。阿部さん、なんでしゃべんないんですか。普段とか休みとか、練習をやってない時間。今日みたいに午前中練習で、午後ないとか言ったら。阿部さんがまずやりたいなっていうのは。寝る以外で。ゲームとかするんですか。
阿部:ゲーム、たまにします。
中西:「ウィニングイレブン」。
阿部:はい。
中西:ありがとうございます。
阿部:「ウィニングイレブン8」。
中西:僕が解説やってるゲームなんですけどね。でも、今日はあまりしゃべらないですね。
茶野:しゃべり出すとちょっとね。
中西:しゃべり出すと感じが変わっちゃう。話を元に戻しましょう。質問3 「練習量はどこにも負けない」。負けないですか。
茶野:絶対負けないですね。
中西:どのくらいやってますか。1 対1 をオールコートでやってるのは、見ててかわいそうなんですけど。
茶野:あり得ない。
中西:僕もあり得ないって思ったんですけど、冷静に考えると、それもありかなと。
茶野:いやあ。
中西:ただ単に素走りするんだったら。僕は現役のときに一番イヤだったのが、「じゃあ3000m走ります」、「競争」っていうのが一番イヤだったんです。
茶野:ああ。
中西:例えば、12分間走。競争、イヤでしょ。それだったら1 対1 でオールコートの方が絶対いいでしょ。
茶野:そっちの方がいいですね、そう考えると。
中西:でしょ。だから僕はいいなって。でも、この練習はちょっとってありますか、阿部さん。1 対1 のオールコートはどうですか。
阿部:まだ、ボールを使った方がいいので、素走りやるより。
中西:やっぱそうだよね。練習が長いとか、これがイヤだとか。
茶野:長いのはどうなんだろう。2時間ぐらいがちょうどいい。
中西:ダラダラ3時間やるよりはいいよね。ピシッとやった方が。
茶野:高校のときは3時間、4時間やってましたけど。
中西:やってましたよね。多いのは練習量というか、練習の回数じゃないですか。一回の練習量っていうよりは。休みがない感じじゃないですか。
茶野:個人的には休みたい。
中西:休みたいでしょうね。朝から夜まで休みたいでしょ。
茶野:丸一日。
中西:さっき話したんですけど、外国人監督、ベンゲル監督もそうなんですけど、今日午前中の練習が終わって、明日の練習が午後からだったら、「24時間休んだだろ、お前」と言うんですよ。それで一日。
茶野:そういう考え方。
中西:「どこが一日だよ」って。
茶野:「半日じゃねーかよ」。
中西:僕も言ってた。本当、そうなんだよね。「それだけ時間があれば回復するだろ」って言われて。「お前らはサッカーをするために毎日生きてるんだから、それでいい」。
茶野:オシム監督もそうです。
中西:言うでしょ。
茶野:「休んでも、何も学ぶものはない」。オシム語録ですけどね。
中西:でも、おもしろいこと言いますよね。
茶野:すごい人気があるんですよ、会見が。
中西:嫉妬してるんですか。
茶野:いや、そんなことはないっすけど。記者の人がおもしろいって。
中西:おもしろいですよ。
茶野:記者会見に出たいくらいですもん。どういう感じなのか。
中西:僕も選手のときね、監督の記者会見とかって知らなかったんだけど、今は取材する立場じゃないですか。監督、こんなおもしろいこと話してたんだって、初めて気づいたことがある。現役のとき、もっと聞いてればよかったって。しかも新聞に載るのなんて一部じゃないですか。阿部さん、聞いてますか。
阿部:聞いてます。
中西:監督のそういう語録って気になるんですか、気にならないんですか。オシム語録。
阿部:あんまり気にならないですね。
中西:「阿部語録」を作ってほしいって感じですか。
阿部:いや、あまり使えないです。
茶野:使える。意外といいの持ってる。
中西:持ってますか。
茶野:おもしろい。
中西:おもしろいっすよ。今日はなんでそんなに話さないんですか。なんか、自分の言いたいこととか、ありますか。
阿部:言いたいこと…いや、ないです。
中西:先生に怒られた生徒じゃないんですから。オシムさんが言ってるなかで「ああ、これはいい言葉だな」というのはないですか。
阿部:さっき茶野さんが言ったんで。
中西:「休んでも、学ぶものはない」。それは直接言われたんですか。
阿部:はい。「休みがほしい」って代表して監督に言いに行ったときに。
中西:あ、言いに行ったんですか。
阿部:選手代表で。
中西:でも僕もいつも言いに行ってたよ。僕がキャプテンをやってたときに、監督に最初に「意見があるときは言いに行きます」って僕、言ったんですよ。「じゃないと監督も嫌われますから」って。ちゃんとね。「嫌われてうまくいく監督もいますけど、少なくとも日本人は嫌われたらうまくいかないと思います」って言って。ある時シーズン半ばに選手がすごく不満を言うわけですよ。特にメンバーが固定してなかったんで、非難ゴウゴウだったんです。そうすると、誰が何て言ってたかは言わずに「選手はこう言ってます」って。主語は付けずに。「選手が疲れてます、休ませてください」と。そうやって言いに行った方がうまくいくと思います。それでダメならしょうがないけど、言わずにそうなるよりは。それで休みになることが結構あったし。それは大事じゃないですか。
茶野:言いに行っても変わんないんですけどね。
中西:そうなんですか。
茶野:僕も一緒に行ったりするんですけど。去年、僕が選手会長だったときに、キャプテンと、あと坂本と。
中西:またその3 人。
茶野:言いに行ったんですけど、撃沈しました。
中西:何て言われたんですか、そのとき。
茶野:手で「シッシッ」って。これ一つです。で、「失礼しました」って。
中西:3 人で行って、「なんだ、お前ら」みたいな。
茶野:「どうした」みたいな。「疲れてるので、午後の練習、休みにしてもらえませんか」って言ったら、手で。
中西:たぶん、監督はまだ選手のことを子どもだと思ってるんですかね。成熟してないと思ってるんですかね。そういうところは。
茶野:そういう部分もあるし、「もっとやらなきゃダメなんだ」っていう愛のムチだと思って帰ってきましたけど。
中西:でも、この間いっぱい休みをもらったじゃないですか。何日間ぐらいあったんですか。
阿部:2 週間。
中西:14日間でしょ。丸々休みじゃないんですか。
茶野:うーん、僕と阿部は・・・
中西:あ、そうか。ふたりとも行ってたもんね。じゃあ、その話しよう。質問8 「日本代表、五輪代表での経験は、ジェフで生きている」。すごく考えて「yes」にしてたけど、ふたりとも。阿部さんは今回、初めてというかやっというか。今まで不運なことが重なって世界大会に出られなかったんですけど、アテネオリンピックはどうでしたか。世界レベルの戦い。言ってたじゃないですか「絶対に出たい。今回だけは絶対に出たい」って。出られて、どうでしたか。
阿部:そうですね。出たことなかったので、パラグアイ戦('04年8月12日、日本3-4パラグアイ、カフタジョグリオ競技場)でピッチに立てた瞬間はうれしかったですね。試合が始まるまで、とにかくケガをしないようにしていましたから。事前の合宿でもそうですし、本当にケガだけはしたくないなって思ってました。
中西:実際に出て、今まで出たどんな大会よりもリーグ戦よりも厳しい感じでしたか。
阿部:はい。
中西:で、どうでしたか。今までとはレベルが違うっていう感じはしましたか。
阿部:世界大会が初めてだったので、パラグアイ、イタリア('04年8月15日、日本2-3イタリア、パンテサリコ競技場)、ガーナ('04年8月18日、日本1-0ガーナ、パンテサリコ競技場)もそうですけど。
中西:やっぱり強かったですか。
阿部:強いには強いんですけど。すごい差があったようには感じなかったんですけど、でも結果で負けてるんで、やっぱり認めざるを得ないかなって。
中西:その中ですごく活躍したと思うんですけど。自分のセットプレーが世界に通用したっていうのは。やれるって感じですか。それともまだちょっと厳しいかなって。
阿部:毎回決めてるわけじゃないので、これから2 本に1 回、そういう確率で入れば武器と言えるかなと。
中西:セットプレー以外の部分はどうですか。ボールの速さとか、雰囲気に飲まれていないとか。
阿部:初めてにしては。
中西:落ち着いてましたね。
阿部:スタンド、ガラガラでしたから。
中西:オリンピックの試合って難しいですよね。あれだけ大事な大会で、あれだけみんな一生懸命やってきて、準備して、さあ開幕したぞってなったら、ガランガランだもんね、スタジアム。テンションを上げるの難しいですよね、逆に。見てて悲しいなって。でも阿部さんを見てて、落ち着いているように見えました。オリンピック、見ましたか。
茶野:見ましたよ。
阿部:見てないでしょ。
茶野:見た見た。
中西:だって、イタリアのときの阿部さんのフリーキックはすごかった。
茶野:あれは、もう。ちゃんと目に焼きついてます。
中西:本当にすごかったよね。テレビの前でガッツポーズしたもん。
茶野:僕もガッツポーズしました。
阿部:本当ですか。
中西:僕はしました、こうやって。日本テレビで見てましたけど、「ズームイン!! SUPER」の前に。3 時か4 時くらいに、確か。
茶野:眠たかった。
中西:眠たかった。で、もう一本あったじゃないですかフリーキック。あれもすごくいいボールでしたよね。本当にすごいよね、右足。さすがチタンが入ってるだけあるよ。
茶野:ハハハ。
中西:しなりが違う。俺、思うんです、キックに関して言えば、歴代の日本人の中で、右足では一番ですよね、100 %。
茶野:そうだね。
中西:絶対そうだよね。だから、そういうのを伸ばしていけば、代表もあるんじゃないですか。ふたりで代表。
阿部:ないです。
中西:狙ってないの。
阿部:いや、そんなことはないですけど。
中西:遠いと思いますか、まだ。
阿部:…中間?
中西:俺は思うんですけど、近いと思っていたら近くなると思いますよ。遠いと思ってたら、たぶん遠くなっちゃうんじゃないかな。
茶野:意外とチャンスは来る。
中西:しかもちゃんと、ポテンシャルを知ってるじゃないですか、ジーコさんは。ワールドカップ最終予選とか、セットプレーがかなり重要になってくると思うので。アジア予選とか、アジアカップ('04年7月17日~8月7日)のときすごかったでしょ。セットプレーが多かったもんね。阿部さんボーッとしてますけど、大事ですよ。期待してるんですよね、僕らは。
茶野:誰にも負けてない。
中西:サイドチェンジだって、いいボールが行くもんね。本当に。右のサイドチェンジのボール。すごいボールが行くもん。蹴れない、あんなボール。
茶野:受けてる坂本がびっくり。
中西:「はえーよ」って。でもあれって武器だよね。左から、村井(慎二、ジェフユナイテッド市原)君からもらって、ズドーンッて行くパス。
茶野:村井も目を覚ましますよ。
中西:村井君、寝てるんだ。
茶野:もうヘロヘロになってる。
中西:でも、村井君とかも代表に呼んでもいいんじゃないですか。
茶野:あれはもう近いと思います。
中西:俺も何で呼ばないのかなって思うんです。あと、櫛野(亮、ジェフユナイテッド市原)君。この間、重良君の誕生日のときに会ったんですけど。すごいいい人でした。かっこいいし。何も悪いところがないよね。
茶野:背も高いし。
中西:すごくもてるんじゃないの。あれで代表になんか入ったら、大変なことになると思うもん。でも今のJ リーグでの1 年間の活躍を見たら、絶対に櫛野君が一番いいと思う。
阿部:僕も去年からそう思ってます。
中西:櫛野君も安定もしてるし、スーパーセーブもするし、フィードも早いし、キックもいいから。なんで呼ばないのかなっていつも思う。全く呼ばないから、好きじゃないのかなって。だってそうでしょ。
茶野:確かに、それは。
中西:自分が好きだから呼ぶんだもん、みんな。好きな選手を呼ぶでしょ。感情的に好きとか嫌いじゃないですよ。選手としてですよ。昨日もジェフのサポーターの方に言われたんですけど、「何でジーコは鹿島アントラーズが好きなんだ、鹿島の奴を呼ぶんだ」って言われて。それは別にジーコが鹿島が好きだからでしょ。
茶野:しょうがない。
中西:オシムが代表監督になったら、ジェフの選手をいっぱい呼ぶかもしれないし。オシムが代表監督になるって、この間スポニチの一面に出ましたね。「マジ?」と思って。
茶野:俺も「マジで?」って思った。
中西:新聞を見たらオシムって書いてあったから、ちょっとガッツポーズしそうになったもん、若干。別にジーコが悪いとかじゃなくて、僕はベンゲルやオシムのように理論派の人に監督をやってほしいという思いがあって。でも、茶野さんはどうでしたか、代表に初めて選ばれたとき。その前のカテゴリーで小・中・高・大・オリンピックで、代表に選ばれたことはありましたか。
茶野:ないです。
中西:ですよね。
茶野:初めてです。ディフェンスにケガ人が出たんで、追加召集があるって耳にして。
中西:そうですね。
茶野:そのときにアルビレックス新潟戦だったんですけど、たまたまジーコが観にきてて、そのときに得点とアシストして。試合が終わってストレッチしてたら、「サッカー協会の人が話があるから」って裏の方に呼ばれて。
中西:「何だ何だ」って。
茶野:「ちょっと急な話なんだけど、あさっての遠征から来てくれ」って。
中西:えーっ! ビビるよね、それ。
茶野:で、すぐパスポートを用意して。
中西:持ってたんですか。
茶野:持ってました。持ってなかったら行けなかったんですけど。すぐに行く準備をして、2 日後に出発。
中西:いきなり東欧へ。行ったらいきなりスタメンでしたけど。緊張する間もなかったって感じですか。
茶野:なかったです。
中西:でも、よかったじゃないですか、パフォーマンスも。
茶野:中途半端でした。
中西:でも、得点するのなんて稀だからね。
茶野:そうですね。でも全然、自分のプレーじゃなかった。
中西:雲の上でやってるみたいですか。
茶野:そうですね、フワフワしてて。
中西:代表のユニフォームを着た感じはどうなんですか。
茶野:そうですね。初めてのことだっので。阿部とかはね、もうずっと。
中西:選ばれてるじゃないですか。どうですか、見てて、阿部さんは。
阿部:うれしかったです。
中西:極力コメント短くしてますね。でも、やっと選ばれたって感じですか。
阿部:思いましたし、青いあのユニフォームを着るのはやっぱり、それだけでも気持ちが変わりますし。
中西:ああ。
阿部:背負ってるものがあるのかなっていう風には思いますけど。
中西:自分もやっぱり代表のユニフォームを着てからジェフに戻ると、気持ちが変わるというか。
阿部:変わっちゃいけないと思うんですけど、青いユニフォームっていいなって、たまに。
中西:黄色いユニフォームがイヤだって言ってるんですか、まさか。
阿部:いつも黄色を着てるので、たまにはバリエーションとして。
中西:ジェフの方、青いユニフォームを作ってほしいそうです。でも確かに、昔から。ジェフユースもそうですもんね。黄色だったじゃないですか。茶野さんは市船のときは白と青ですもんね。でも、青は着なかったんですよね。白ですよね。
茶野:両方、着ました。
中西:あ、2試合目が青? いや、1試合目が青で、2試合目が白。着てどうでしたか。何か重みっていうのは感じましたか。
茶野:そんなには。自分に余裕がなかったので。それどころじゃなかった。
中西:2試合ともですか。
茶野:はい。
中西:チェコ('04年4月28日、日本1-0チェコ、スパルタクプラハ)、どうでしたか。
茶野:どうだろう。メンバー的にはすごい。
中西:ヨーロッパ選手権のメンバーでしたね、完全に。
茶野:ミラン・バロシュ(イングランド・リバプール)もいたし、ヤン・コラー(ドイツ・ボルシア・ドルトムント)もいたし。コラーはデカい。
茶野:デカい。
中西:2m2cm 。
茶野:あれにはまいりました。
中西:見上げるよね、2m2cmって。ヘディング勝てないよね。
茶野:ダメモトで飛んでましたから。 
中西:代表に行って何か変わりましたか、やっぱり。
茶野:う~ん…
中西:周りが変わるでしょう。周りの見る目が変わるでしょう。「日本代表の茶野さん」となるじゃないですか。周りはそう思ってますよ。
茶野:そうですか。
阿部:変わります。
茶野:何が。
阿部:変わりました。
中西:どういうところが変わったんですか。前より責任感が出てきたとか、ひと回りもふた回りも大きくなったとか、落ち着いた感じがあるとか。
阿部:落ち着いた感じはありますけど、よりサッカーを楽しく思えて帰ってきて、ジェフで楽しそうにやってるという。ハンガリー('04年4月25日、日本2-3ハンガリー、ザラエジェルツェグ)戦、チェコ戦から帰ってきてからは、本当に別人みたいに。
茶野:そんなことないない。
中西:本当ですか。
阿部:別人でした。
茶野:ないない。全然違う。
中西:普通だったんですか。
茶野:普通でした。
中西:本人は普通でも、周りは違うかもしれないですよね。
茶野:坂本が一番、意識してた。
中西:今日、坂本さんも呼べばよかったですね。「なんで俺だけ呼ばれねーんだよ、トークバトル」って言ってませんでしたか。
茶野:それ、言ってた。
中西:「どーして俺が呼ばれねーんだよ、お前らだけで」。「たぶん、代表に選ばれてねーからだな。ふたりとも代表に選ばれてるから」とか。
茶野:そんなことはないですよ。
中西:いや、絶対に劣等感を味わってる。何かかわいそうですよね、今日、ひとりだけ仲間はずれで。
茶野:呼んであげればいいのに。
中西:誰に。僕、思うんですけど、一回呼ばれると、次が気になるじゃないですか。これで次、呼ばれなかったらどうしようとか。毎回、そう思いませんか。
茶野:確かに。
中西:今日発表とかだと、気になるでしょ、絶対。
茶野:よく発表のときにチームじゃなくて、友だちから教えられるんです、メールとかで。チームが一番早いと思うのに、友だちの方が早いんです。「代表、おめでとう」って。
中西:本当ですか。
茶野:はい。通知が遅いんですよ。
阿部:終わってから、来るんです。
茶野:そう。帰ってきたときに机に置かれていたりする。予定表とか。
中西:遠征の行程表とか。
茶野:そう。わかった瞬間に教えてほしい。
中西:でもね、ジーコは今までと違うんですよ。僕もこの仕事になって知ったんですけど。今までは前々から各チームに打診してあって、こういう選手を代表に出しますというのが事前にいろいろあったんです。だから、前の日にわかってたんです、「お前、選ばれるから」って。そしたら「あ、選ばれるのか」って誰よりも早く知るわけじゃないですか。今は違うんですよ。ジーコの場合は。だから何て言うんですかね。それをネット配信してるんですよね、インターネットで。いろんなサイトがあるんですけど、それを見てれば、その人が一番早いですよ。
茶野:だから友だちからメールが来るんだ。
中西:会見を聞いてて、記者の人がパパッと打って、ホームページにアップしちゃうんですよ、サイトに。そうしたらその瞬間に招集選手がわかるじゃないですか。その瞬間に見てればすぐメールを打てて、誰よりも早い。だからチームが負けちゃうんです。チームも記者会見に行けばいいんですよね。で、すぐにメール打って。iモードで。
茶野:そうしてもらいたいですよね。
中西:でも、選ばれてますよね、ずっと。
茶野:ギリギリのラインで踏ん張ってます。
中西:代表に行って得るものってやっぱり大きいですかね。他の選手の影響とか。
茶野:ツネ(宮本恒靖、ガンバ大阪)の英語がすごく上手い。あと角度ですかね。
中西:角度。
茶野:振り向く角度がキマってるんですよ。
中西:決まってるの。
茶野:っていうか、カッコいいんですよ、やっぱり。カッコよく見えるんです。
中西:阿部さんもそう思うんですか。
阿部:あー角度ですか。思います。雑誌とか見ると。
中西:どういう感じですか。
阿部:何か、撮る角度かな。
中西:あ、得意な角度があるわけね。こっち側から撮ってくれみたいな。
阿部:カッコいいんですよね。
中西:英語もできるし、頭いいしさ。僕の後輩なんですよ、彼も。同志社大学の経済だったんですよ。学校一緒なんです。でもすごいのは彼は同志社の経済に行きながら、ガンバ大阪だからね。プロ選手をやってたからね。恐ろしいよね。で、卒業してるからね。僕なんか体育会系サッカー部にいて、ギリギリ卒業だから。全然違うなって。話してても、頭いいなーと思うし。
茶野:ね。
中西:じゃあ、どんどん時間がなくなってるので。もうあと30分しかないんです、実は。今、2 位ですよね。優勝したいですね。どうですか。
茶野:優勝したいですね。
中西:阿部さんもしたいですよね。
阿部:したいです。
中西:1st ステージ、確か8 節ぐらいまで2 位だった。その後が1 勝5分1敗かな。
茶野:引き分けが多かったですね。
中西:失速したって感じなんですけど。去年と今年と、内容的にどうですか、中から見てて。勝ってるゲームを引き分けられたりとかもったいないですよね。
茶野:僕が悪いんです。
中西:話が終わっちゃうじゃないですか。
茶野:集中力が途中で切れちゃうことが多かったので、守備が。
中西:届かないわけじゃないですよね。もったいない負けじゃないですか。
茶野:もったいないんで、試合が終わった後、すごい後悔するんです。
中西:それ以上にオシム監督は後悔してると思いますよ。ものすごい後悔。
茶野:めちゃくちゃキレるんですよ。
中西:どんな風にキレるんですか。
茶野:でも怒って当然かな。
中西:何でこんなバカバカしいミスをして負けるんだとか。よくベンゲルもキレてましたよ。エビアンのボトルをバーンって地面に投げて、2 つに割れてました。しかも試合中とかでも。本当に怒ると怖い。
茶野:よく怒られます。
中西:僕もすっごい怒られた。鹿島戦のときなんかね、5-0 だったかな。マジギレしてました。ハーフタイムでキレて、「お前ら帰れ。お前らプロか。辞めろサッカー」って。こんな優しい言い方じゃないですよ。マジで怒ってました。グランパスがまだダメな頃ね、最初の。ベンゲル監督が来たとき1勝9敗とかだから。最初の10試合。そこからずっと勝ってたんですけど。マジで怖かった。だから真剣に怒られると、こっちにも真剣さが出てきますよね。絶対にミスできないという、いいプレッシャー。論理的に怒られるのも大事なんですけど、感情的にマジで怒られるのも大事じゃないですか。だって集中力が切れたりする単純なミスは直すしかないもんね。そういうのを直せば、2nd ステージはいけるんじゃないですか。9 月11日はよくキレなかったですね。
茶野:本当だったら、あれは同点にされて。
中西:パターンですよね。
茶野:そういうパターンでしたけど。
中西:阿部さんは真ん中だったね。どうでしたか、9 月11日は。そういうこと、考えてたんですか。
阿部:0 で勝ちたいなっていうのは。
中西:でもまあ、坂本選手が。まさかこんなに今日、坂本選手の話をしてるとは、本人は思ってないと思いますよ。大いに盛り上がって。でも1 点取られて、あそこで崩れそうになるじゃないですか。そのときどうでしたか、真ん中で。
阿部:逆に、坂本さんには悪いんですけど、坂本さんは退場しちゃいましたけど、それでチームがまた一つになれましたね。
中西:ほお。
茶野:坂本が悪いってことだ。
中西:今の問題発言。
茶野:報告しておきます。
阿部:坂本さんも含めてってことですよ。
中西:冗談、冗談。でもオシムさんが、この後どれだけジェフにいるかわからないですけど、オシムさんがジェフのことを変えてくれたと思うんです、僕は。そういう意味では、それに報いるためにも優勝というタイトルがほしくないですか。
茶野:そうですね、今までまだタイトルを取ってないのが、ジェフとガンバなので。
中西:そうです。
茶野:ガンバよりも早く。
中西:今、トップですけど。ガンバは。
茶野:まあ、まだ当たってないんで、ガツンとやります。
中西:阿部さんはどうですか。タイトルはほしいですよね。僕らもそうだったんですけど、ベンゲル監督が1 年目のときに最後に天皇杯で優勝して、それが初タイトルだったんですけど、そのときもグランパスが強くなったことを証明したかった。本当にそういう気持ちでやってたんですよ。僕たち、強くなったんだって。2位とかじゃだめなんです。タイトルを取ると強くなったと認められた気持ちになるんですよ。
茶野:2 位も最下位も一緒なので。
中西:おおっ! 頼もしい。タイトルは今シーズン、一個はほしいですよね。
阿部:オシム監督がいる間に取れたらいいなと。
中西:お願いします。質問11の「2nd ステージの優勝はいただく」に「yes 」の札を躊躇しながら挙げてたのが気になりますけど。でも、そういう気持ちはあると思いますし、当然。すばらしい監督が育ててくれた。練習は大変できついけど、やっぱりそれをやっているがために、本当にいいプレーに結びつく。茶野さんが代表に選ばれたのも、大きく貢献してるんじゃないですかね。サポーターの方々もね、優勝を味わいたいですよね。
会場:拍手
中西:いいもんですよ。本当にいいもんだと思いますよ。苦労したら苦労した分だけいいものだと思うので。これだけタイトルを取ってないので、たぶん、その喜びは格別だと思います。特にリーグ戦は格別だと思うので。しかも最後の2ステージ制ですからね。
茶野:そうですね。
中西:チャンスあると思うので。ぜひとも集中を切らさないように。ふたりで仲良く。うちの大輔君とも仲良くしてください。期待しています。では質問コーナーにいきたいと思います。
客:おふたりが考える市原サッカーの魅力というのはどういうところにありますか。
中西:阿部さんどうですか。
阿部:フォワードだけで攻めるわけでもなく、グラウンドを全員で守備をして。ディフェンスも上がりますし。
中西:ディフェンスも、クロスボールに文句を言われる。
阿部:それから、出てる11人だけじゃなくって、途中から出る選手もそうですし。
中西:ベンチにいる人も含めて、チーム一体に。一体感のあるサッカーをやるということですよ。全員が走って走って走りまくる。
阿部:でも、去年よりは走ってないと思うんですね。だから去年みたいな、また見に行きたいなと思われるサッカーをしたいですし、オシム監督が来てからそういうスタイルでやってきたので。今は走って考えて、勝つためにひとりひとり何ができるか。そういう考えでやってるので。そんな感じですね。
中西:茶野さんはどうですか。
茶野:全員が一体となって動き回るというのは、他のチームにはなかなかないことなので。
中西:僕が見てて思うのは、すごく流れがいいなとは思います。はまったときはすごくきれいな攻撃になるじゃないですか。全員が長い距離を走ってるし、それにピタッとボールが合うと、きれいだなと思いますね。泥臭く走ってる割には、ボールがきれいにつながってるというか。フリーランニングしてるから、スペースもたくさん空くし。
茶野:自然に体が動いちゃうんですよね。
中西:いいじゃないですか。否応なしに動く。
茶野:オシム監督に感謝してます。
中西:そういうサッカーですね。あとは、阿部選手のフリーキックとかね。
茶野:それは大きいですね。
中西:それも僕はウリだと思いますし。茶野さんのイエローカードもね。それは冗談ですけど。守備は一生懸命にやると。全員が一体となったサッカー。それでは次の質問にいきましょうか。それでは阿部選手に選んでもらいましょう。
客:おふたりは代表から戻っても、すぐに練習試合に出場するなどハードスケジュールを送っているのですが、そんなおふたりにとって、活力の源はどういったところにあるんでしょうか。
中西:いい質問ですね。活力源は何ですか。何が楽しいですか、サッカー以外で。サッカ
ーが楽しいですか。
茶野:サッカー楽しいですね。
中西:やっぱりそうですよね。それ以外で何か楽しいこと、ありますか。さっき阿部さんはゲームをやってるとかって話が出ましたけど。
阿部:もっともっとうまくなりたいという思いがあるから、オシム監督のきつい練習にも耐えられるかなと。
中西:やっぱりさっき言ったみたいに、ジェフで優勝したいし、代表に選ばれてワールドカップに出たいという気持ちもあるでしょ。
阿部:ワールドカップはテレビでとかビデオでしか見たことがないので。オリンピックとはまた、違うものじゃないと困りますし。
中西:違うでしょう。お客さんは間違いなく入ってます。閑散とはしてないと思います。そりゃあもう、満員ですわ、確実に。茶野さんはどうですか。茶野さん何だかんだ言って、サッカーが好きですよね。
茶野:何だかんだ言って好きですね。きつくても、帰ってきてすぐに試合でも。やっぱり自分がやらなきゃいけないことは、これしかないので。これをやってなかったら、何をやってたかわからない。
中西:それくらいサッカーに没頭してますよね。今、代表に行ってますけど、代表に出られないときもありますしね。そういうときは、その思いをチームにぶつけたいっていうのがあるじゃないですか。代表でレギュラーポジションを取りたいという気持ちもあるだろうし。ワールドカップ予選には絶対に出たいですよね。
茶野:とりあえずメンバーに入りたいっていうのもあるし。一回でもいいので、その中で結果を残したいっていうのがありますし。
中西:ふたりとも、サッカー好きですね。どんどん新しい世界を最近知ったからじゃないですか。阿部さんはオリンピックを知ったし、茶野さんも代表に選ばれて海外に行って試合に出て強いチームと対戦して、より強いサッカーを見ちゃうと。
茶野:やりがいがあります。
中西:力を蓄えて、まずはジェフで優勝ですね。「ぴあPresents ジェフユナイテッド市原 トークバトル Supported by 君津住宅」もそろそろお別れの時間がやってきました。あっという間の2 時間という感じなんですけれども。
茶野:時間が経つのがすごく早くて、楽しかったです。
中西:よかったです。じゃあまた、やってくれますか。次回は坂本さん込みで。
茶野:込みで。でも、トークにならないと思うんですよね。ひとりでしゃべりっ放し。
中西:でも、おもしろいじゃないですか。これからもまた代表でも頑張ってください。
茶野:ありがとうございます。
中西:そして阿部さん。
阿部:はい。緊張しました。
中西:緊張しましたか。
茶野:猫かぶってる。
中西:でも比較的、しゃべった方かなとは思いますけど。
茶野:頑張ってましたね。
中西:これからも、トークバトルがあったら来てくれますか。こうやってみんなの前で話しをしてみていかがでしたか。
阿部:たまに話してて、頭が真っ白になりました。
中西:でも、こうやってファンと触れ合う機会も、みんなも応援に来てくれるし、いいんじゃないですか。チームの力にもなるし。ぜひともまた来てください。
阿部:はい。今度はもっとしゃべります。
中西:でも今日、たくさんしゃべったと思いますよ。大丈夫です。ぜひ来てください。お願いします。ジェフの2nd ステージ優勝を、心からお祈りしておりますので。ケガだけには、おふたりとも疲れてますから、気を付けて。頑張ってください。
茶野:頑張ります。
中西:どうもありがとうございました。茶野さんは前に一度、テレビの番組では一緒になったことがあったんですけど、今日はいろいろ話が聞けて。やっぱりしっかりしてますね。賢いというか。いろいろ考えてるなというのがあるので、話してて楽しかったです。阿部さんはよく番組で僕と一緒に出てたりするんですけど、ふたりで話すときはもっといろいろ話してくれるんですが、みんなの前だと緊張してましたね。でも、その割には話してくれましたかなと思います。今日、初めてジェフのトークバトルをやったんですけど、どうでしたか皆さん。
会場:拍手
中西:なるべく選手が普段しゃべらないことを引き出して、また違った面をファンの方に聞いてもらえればと思います。またジェフでもやっていきたいと思いますし、あとはここにいる方々に積極的に足を運んでいただければと思います。さっきサポーターが少ないっておっしゃってましたけど、ひとりがひとりずつ連れていけば、倍の人数になりますから。9 月11日は8000人ぐらいでしたけど、ひとりずつ連れてくれば1 万6000人。このシーズンから、ホームタウンが市原市と千葉市になりましたし。1 万9000人入るスタジアムもできます。そのスタジアムがちょうど1 万6000人入れば、いい感じなんじゃないですか。皆さんがひとりひとり、新しい方を連れてきていただいて。「観に行こうよ」と。そうすればジェフのファンもどんどん増えていくでしょうし。やっぱり選手にとってファンの方がスタジアムに足を運んでくれることが力になっていると思います。優勝に向かって、最後、力になるのはサポーターの力ですから。2nd ステージ優勝して、またこういう場を設けたいと思いませんか。そのときはオシム監督にも来てもらって、選手にも来てもらって。ジェフがチャンピオンシップ戦う姿を観てみたいですし、オシムさんというすばらしい監督にタイトルを取ってほしいなとも思います。ぜひとも皆さん、優勝させてあげてください。今日はありがとうございました。

取材・文:CREW
撮影:フレンダー田中