♪ ガーシュイン兄弟名義による最後のミュージカル
有名な「ラプソディ・イン・ブルー」や「パリのアメリカ人」、黒人キャストによるフォーク・オペラ「ポーギーとベス」(1935)などを作曲し、「アメリカ音楽」を形成したと言われる作曲家ジョージ・ガーシュインと、様々なミュージカル作品でコンビを組んだ実兄、アイラ・ガーシュインとの兄弟名義による最後の作品が、本作「MY ONE AND ONLY」です。1983年にブロードウェイの「セイント・ジェイムズ劇場」で開幕した本作は大ヒットを記録し、767回を上演。兄のアイラが作詞を担当し、弟のジョージが作曲したミュージカル「ファニー・フェイス」(1927)の曲を中心に、様々な作品から兄弟の曲を集めたコメディミュージカル作品となっています。
♪ トミー・チューンとツイッギーとのコンビも当時話題に。日本版は今回初上演
ブロードウェイ版は、これまで9つのトニー賞に輝くミュージカル界の至宝トミー・チューンが主演と振付を担当。本作の楽曲の元となっているミュージカル「ファニー・フェイス」で主演を務めたフレッド・アステアに負けじとタップ中心の振り付けを行い、水上のタップシーンが見所のひとつとなりました。 さらに、1960年代にはモデルとして来日し、“ミニの女王”として日本でも有名なツイッギーとのコンビも当時話題に。1985年にはトミー・チューンも含めたブロードウェイキャストの来日公演が行われていますが、日本人キャストによる上演は今回が初めてとなります。
♪ 主人公にはダンス・歌ともに定評のある坂本昌行、王道のミュージカルコメディが蘇る
時は1927年。航空機による世界初の大西洋無着陸横断飛行を夢見る主人公のパイロット、ビリーと、ロシアの世界的な水中レビューショーのスター、イーディスとの恋愛模様が物語の軸。初の日本版では、主人公のビリー役に坂本昌行、イーディス役に大和田美帆、そして、元宝塚歌劇団の男役トップスター 大和悠河、鈴木綜馬、 川平慈英といったミュージカル界の実力派俳優たちが名を連ねます。
昨年、ブロードウェイミュージカル「Pal Joey」に主演し、演劇評論家や記者をはじめとした多くの方々から高い評価を受けた坂本昌行ですが、今回はタップダンスが中心の王道ミュージカルコメディへの挑戦です。ミュージカル俳優としてのポテンシャルの高さは既に実証済みながら、まだ無数の可能性を秘めている坂本が、さらなるステージへの一歩を踏み出します。