チケットぴあインタビュー

DJ MAKIDAI from EXILE　THE SECONDとのコラボレーション作品は、DJとして可能性の広がりを感じられた経験になった。

――今作『SURVIVORS feat. DJ MAKIDAI from EXILE』は、超アゲアゲのアップチューン。まず、選曲はどのようにされたのでしょうか？

MAKIDAI：実は、かなり前に選曲したんです。いつごろだったかな……？確か、今年のツアーリハのときくらいだったと思います。THE SECONDのメンバーと僕で、かなりの数のデモ曲を聴かせていただいたんですけれど、そのなかで“絶対に、この曲!!”って全員が一致した曲がこの、『SURVIVORS feat. DJ MAKIDAI from EXILE』のデモ曲でした。SHOKICHIもいろいろトライしてくれたり、たくさんの作曲家の方々にご提案いただいたんですけれど、やっぱりこの曲が自分的にもいちばんしっくりきたんです。

――海外のサウンドというか、J-POPっぽくない曲調が印象的でした。

MAKIDAI：そうですね。THE SECONDの持つ強みと色、そして自分のルーツが織り交ざるからこそ実現した楽曲。それに、コラボレーションするんだったら、思いっきり振り切りたいという気持ちもありました。

――ちょうど今、MVの撮影中(※取材時)ですよね。絵コンテのなかに、“脳内空間”と書かれていました。どういう映像になるのかな、とワクワクしました。

MAKIDAI：近未来的な要素も持ち併せているMV。ヘッドホンをとおして耳から入ってきたサウンドが脳へ広がって、画としてイメージが湧いてくるという世界観になっています。そのイメージした画のなかにTHE SECONDも加わって……という脳内イメージが、現実の映像とリンクしていく。久保（茂昭）監督も、制作段階からすごくおもしろいアイデアをたくさんくださいました。今回のツアーで、EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014の告知映像が流れているんですが、そこでDJ MAKIDAI presents CLUB EXILEの告知映像もあるんです。実は、その映像に出てくるDJ MAKIDAIのロゴが掲げられたタワーのなかは、クラブっていう設定になっているんですけれど、あの映像もMVとつながっていたりするんですよ。キーワードを入力して入ると、あのタワーのなかの空間なんです。それと、曲の後半ではクラブをイメージしてエキストラの皆さんとTHE SECONDが一緒にパフォーマンスするシーンがあるんですが、音でもその部分では人数感がだんだん増えていくという工夫をしています。

――DJ MAKIDAIのエンタテインメントとTHE SECONDのエンタテインメントが織り交ざった、絶妙な作品に仕上がりそうですね。

MAKIDAI：ありがとうございます。たくさんの方がアイデアを出してくださったんですけれど、そのアイデアからどんどんイメージが膨らんでいった。みんなで一緒に作った、という感じがすごくありますね。音楽面だと、SHOKICHIがすごくアイデアを出してくれて、僕もそのアイデアに対して”こういうのはどう？”ってアイデアを出して……。SHOKICHIとは、何十回もアイデアのキャッチボールをしました。サウンド自体は、海外に住んでいるトラックメイカーの方が作ってくださっていたので、その方にもアイデアを投げて、返ってきて、またアイデアを投げて、返ってきて……というキャッチボールをして。完成までにすごく時間を要したんですけれど、そのぶん何層にもアイデアが重なって、すごくおもしろい作品になったと思います。

――MAKIDAIさんご自身、今作の聴きどころはどのような部分だと思いますか？

MAKIDAI：ポイントとして絞るのはすごく難しいんですけれど、あえて言うならサビと間奏ですね。自然と身体が動くようなサウンドを目指して制作したんです。サビのフレーズは、それこそ自然と身体が揺れてくるようなキャッチーさがありますし、間奏の部分は、結構何回もやり取りを重ねたので、特に想い入れが強い。こすりの部分も、難しいことをやるというよりは、どうすればこの曲がいちばん活きるのか……ということを意識して制作しました。でもやっぱり曲がいちばんなので、皆さんなりの聴き方で、頭からラストまで聴いて楽しんでいただくことがいちばんの理想ですし、うれしいですね。

――MAKIDAIさんが感じる、THE SECONDの魅力を教えていただけますか？

MAKIDAI：クラブで大音量でかかっていて踊れるような、いい意味であまりJ-POPっぽくない感じがTHE SECONDの強みですし、色だと思います。今作のコラボレーションで、彼らの持っている強みや良さをさらに引き出すことができたら、僕自身も本望です。

――MAKIDAIさんがコラボレーションするうえで、制作段階の際に心がけている部分やこだわりは、どのようなことですか？

MAKIDAI：やっぱりコラボレーション作品なので、コラボレーションしていただく相手の方を尊重すること。自分だけの意見を押し通すことは、絶対にしないようにしています。全員のアイデアや、やりたいことをいったんテーブルに置いて、そこからいちばんいい形になるように、パズルみたいにアイデアを丁寧に合わせていく。あまり最初からアイデアをキュッと絞らずに、可能性を一度広げてから、だんだんと絞っていくようにしています。

――さて、来年はEXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014が開幕します。EXILE TRIBEエンタテインメントが、さらに広がりを見せますね。

MAKIDAI：そうですね。“EXILE TRIBE”というものが誕生し、EXILEとは別の形で、EXILE TRIBEとして自分自身に何かできることはないかと考えたときに、EXILE TRIBEに属するグループとDJ MAKIDAIがコラボレーションすることで、何かEXILE TRIBEに還元できたり、互いに相乗効果をもたらすことができるんじゃないか、と強く感じました。やっぱり、お互いを刺激し合いながら作品を作って発信することで、EXILE TRIBE内にいい相乗効果をもたらすことができると思う。それに、やるからには世のなかの方々に”手に取ってよかった”と感じていただけるようなものを形にして届けていきたいと、心から思っています。来年は、DJ MAKIDAI presents“CLUB EXILE”もありますし、楽しみにしていてほしいですね。

――これからのDJ MAKIDAIとしての展望はどのようなものでしょう？

MAKIDAI：これまで“Love”“Dream”“Happiness”を大テーマに、3部作をリリースさせていただきました。1作目はDOUBLEさんとコラボレーションさせていただいた『Real Love』、2作目は青山テルマさんとのコラボレーション『Dreamlover』、そして3作目がHappinessとコラボレーションした『Really Into You』。すべてカバーなんですが、昔から愛されている名曲を、世代を超えてカバーし、曲に新たな息吹を吹き込むことで、互いに新たな輝きを放てるように……そんなコンセプトを過去3作には込めて、いったん着地して。DJって、既存楽曲をミックスして、それらを長くつなげて……たとえば3分の楽曲だったら60分にして、ひとつの世界観を作る。そして会場にいる方々とその世界観を共有する、ということが基本のスタイルだと思うんです。でも、今作のTHE SECONDとのコラボレーション作品は、既存楽曲のミックスでもなくカバーでもない。完全にオリジナル作品を制作したので、DJとして可能性の広がりを感じられた経験になりました。今後DJ MAKIDAIとしては今作の経験を糧に、洋楽の既存曲をミックスするだけというよりも、さまざまなアーティストの方とコラボレーションさせていただいて、都度オリジナル作品を作っていきたい。そして、すごい先になってしまうかもしれないですけれど、そのオリジナル曲だけで1枚のMIX CDを作ることができたらおもしろいんじゃないか、と考えています。MIX CDのもとになる作品を作ることで、それをミックスしたらより色濃い作品になりますし、日本のアーティストから世界に発信できる可能性につながるかもしれない。海外にいるDJが”こんなカッコいい曲があるんだ！！”って、クラブで流してくれたり、サンプリングしてくれたり、ミックスしてくれたらうれしいですよね。そうすることで、EXILE TRIBEに属する若い世代の子たちや、子どもたちに、DJとしての新たな道しるべを提示することにつながったら、DJ MAKIDAIとしての冥利に尽きます。夢は広がるばかりです。

――素敵ですね。それでは最後に、MAKIDAIさんは常に音楽に触れているイメージがあります。MAKIDAIさんにとって、“音楽”とはどのような存在なのでしょう？

MAKIDAI：生活していくうえでの必需品ですね。いつでも音楽をかけています。“よし、聴くぞ”と気張って聴くのではなく、ごく自然に聴いているので、本当に生活の一部。音楽って不思議な力があると思うんです。気分を高めることもできるし、テンションが落ちているときに聴いて励まされることもある。悲しいときに聴いて、泣くこともできれば、友達やたくさん人がいる環境で聴いて、音をとおしてつながりを確かめ合うこともできる。それぐらい音楽には、さまざまな可能性があるんですよね。この世界に音楽があって、本当によかったと感じています。だから僕も、そう思ってもらえるような作品を作って、発信し続けていきたいですね。

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