インタビュー

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10月3日、超満員のオーディエンスを集めて初めての野音公演「ひとり×3000」を成功させたハルカトミユキの2人が、早くも2016年に向けて走り出している。来年2月には東京、大阪、名古屋でのワンマンも控えている2人に、勝負の年=2016年に向けての決意を訊いた。

ありのままの自分でいられた野音のステージ

――野音でのフリーライブから一ヵ月以上(取材時)経ちますが、振り返ってみて今はどのような思いですか? 当日の会場は開演前から客席にお客さんが溢れかえっていて、ライブの盛り上がりもハルカトミユキ史上最高と言えるものでしたよね。
ハルカ: ステージに出ていく瞬間まで、どのくらい人が集まってくれているかがわからなかったから、本当に開演するまでは怖かったんですけど、自分の想像を超えて多くの人たちが集まってくれていて。正直に言うと、『安心した』というのが最初の感情でしたね。安心したと同時に、それまで張り詰めていた緊張から解放されて、今の自分たちのありのままの姿を見せることができたと思います。ライブ直前まで、必死にライブハウスや路上ライブで告知をしてきたので、性善説じゃないですけど、どこかで『みんな来てくれるんじゃないか』って信じていたところはあったんです。でも、実際に満員のお客さんを目の当たりにして、本当に嬉しかった。

ミユキ:もう感謝しかないですね。こんな私達の為に時間を割いてくれたこと。必死な私達を見て、何か伝わったのかも、とちょっと何かを信じたくなりました。お客さんに自分たちの一生懸命が伝わったってことが何よりも一番嬉しくて。きっと、これからも一生懸命さをちゃんと伝えていけば道が開けていくかもしれないって。

ハルカ: 野音の前に私たちがチケットを手渡しすることができたのは、すごく限られた数の人でしかなかったけれど、その限定された場所の限定された熱意のようなものが、その場その場では小さいんだけど、どこかでその場にいなかった人にも伝わっていったのかなって思うんです。結局、私たちの表現や歌で出来ることって、基本的に“一対一”のものでしかなくて。でも、その“一対一”のキズナはもしかしたらとても強いものなのかもしれない、それがいつの日か積み重なって何千とか、何万とか、そういうものになっていくんじゃないかって。そういう日を夢見てこれからもやっていけるんじゃないかって思いました。
――ハルカトミユキの音楽って、もちろん陰では努力をしてきたと思いますけど、人前に立った時にはわりと涼しい顔をしてきた表現だったと思うんですね。でも、そこでこれだけ意識が変わってきたということは、今後の表現に与える影響もすごく大きいかもしれませんね。
ハルカ: 大きいですね。最初は、あまり他人に必死さを見られるのに照れや恥ずかしさもあったんですよ。自分自身、他人のそういうものを見るのも好きではないし。でも、そこを突き破ってみてわかったことがたくさんありました。

ミユキ:野音では、これまでで一番“素”の状態でステージに立てたと思います。お客さんもとても盛り上がってくれた。それどころか、お客さんにライブを作ってもらって、あの日のライブが成立したのかな、って思う。だからこそ『もっとお客さんを圧倒するようなライブをやりたかった』って悔しさもあって。あれだけ大きなステージで、たくさんのお客さんを前にして演奏をする経験ができたからこそ、自分たちにとって新たな課題も見えてきて。

新たなるストーリーの幕開け

――野音はゴールではなくて、新たなスタートだったということですよね。あの場で、来年に向けていろんな発表もありましたね。
ハルカ: これまでを振り返っても、自分たちにとって大きな転機となってきたのはいつもライブだったんですよね。今回も、やってみてわかったこともたくさんあって。私たちって、今の日本の音楽シーンにあまり似た人がいないんですよね。
――確かにそうですね。
ハルカ: だから、何を目指したらいいのかわからなくなる時もあって。そんな中で、やっぱり今回の野音は大きな目標だったし、今回のステージ上で発表した、来年もう一度同じ野音のステージ立つ(2016年9月24日)ことも、そこまでの1年の間に47都道府県を回ってライブをすることも、自分たちなりの新たなストーリーを始まりにしたくて。
――来年の野音はフリーライブではないわけですからね。それは大きな挑戦ですよね。
ハルカ: そうです。来年の野音こそが本当の意味で“野音でライブをやる”ことだと思うし、これからの1年間が本当の勝負だと思ってます。

ミユキ:このままの自分で、また野音のあのステージに立てるとは思ってなくて、それまでに47都道府県を回って私達のことを知らない人達に、一人一人、歌を聴いてもらうことが大事だと思うから。当面の目標は来年2月(2月6日)にやる赤坂BLITZですね。そこでどれだけいいライブをできるかってことに今は集中しています。

新曲「LIFE」にハルカトミユキが込めた思い

――9月30日にリリースしたミニアルバム『LIFE』と同じタイトルでありながら、その作品には入ってなかった「LIFE」という曲を10月の野音の最後に初披露して、11月25日に配信リリースすることになりました。この曲には、どんな思いが込められているのですか?
ハルカ: 野音にどのくらいの人が来てくれるかわからなかった。もしかしたら、100人くらいかもしれない、って思ってて。でも、実際に来てくれた人たちに向けて、野音の最後に新しい歌を歌いたいって思ったんです。“この夜が終わった瞬間から、また一人一人別の道を歩いていくことになるけど、またいつか必ず会おう”ってことをどうしても伝えたくて、それで作った曲です。ここが終わりであり始まりでもあるということを、この曲でも歌っていて。今の自分たちの思いがストレートに詰まった曲になりました。
――あの日の野音で初めてハルカトミユキのライブを見た人も多かったと思うんですけど、その一方で、これまでのリスナーの中には「ハルカトミユキって変わったね」って思ったリスナーもいると思うんですよ。そういう人たちに、何か言いたいことはありますか?
ハルカ: 私もリスナーとしてはそういうタイプなんですよ(笑)。そのアーティストがデビューしたばかりのタイミングで好きになったとしたら、そこからちょっと変化しただけでも、それを簡単に受け入れられなかったりして。でも、そういう時の自分のことを考えてみると、それって結局ものすごく狭くて浅い、自分の世界の中だけの話なんですよね。だから、“変わった”と言われるのは仕方がないと思うけど、音の表面だけじゃなくて、ちゃんと深い部分まで聴いてくれているのかな?って。自分では、変わりたいと思っているのに、実際はそんなに変われていないと思うんですよ。ダメなところも、不器用なところも、卑屈なところも、全然そのままで。むしろ、変われるものなら変わりたい(笑)。
――(笑)。
ハルカ: 自分が変わったと思うのは、以前の自分に比べて、今は圧倒的に必死だってことですね。ここで必死にならなきゃ、私は失くなっちゃったと思うから。

ミユキ:私たちの表現が変わったとしたら、これまで照れて隠してた部分を、むき出しにしてるとこなのかな、多分。今の方がちゃんといろんなものに向き合ってるし、もがいているって実感がある。
――確かに。ここにきてどんどん表現がむき出しになってきてるし、活動のスピード感も上がってきてますよね。
ハルカ: 12月から、早速全県ツアー LIVE TOUR 2016 'LIFE'も始まるので、どう変わったのかみんなに見てもらいたいです(笑)。

ミユキ:2月の東京と大阪と名古屋も是非来てください!

文:宇野維正

MOVIE

INFORMATION

  • ハルカトミユキ LIVE TOUR 2016 'LIFE'
  • ◆2016/2/6(土)
  • 赤坂BLITZ(東京都)
  • ◆2016/2/20(土)
  • umeda AKASO(大阪府)
  • ◆2016/2/21(土)
  • アポロベイス(愛知県)

PROFILE


-digital single- [LIFE]
2015.11.25 リリース

日比谷野音フリーライブ当日の朝に書き上げ、アンコールで披露。
名曲との呼び声高かった新曲が、ブラッシュアップされ待望の音源化!

-digital single- [LIFE]


DIGITAL LIVE ALBUM
「ひとり×3000 LIVE at 日比谷野外大音楽堂20151003」
2015.12.23 リリース

'あの日'の感動を詰め込んだ、本編全14曲完全収録!

「ひとり×3000 LIVE at 日比谷野外大音楽堂20151003」

詳しくは公式サイトへ
こちら

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