インタビュー

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9月にニュー・アルバム『FACT』をリリースした清木場俊介。清木場節たる、熱い言霊と唄は、包容力を増し、しかしソロとして唄をはじめた頃と変わらぬまっすぐさで届いてくる。10月からは、アルバムを引っ提げてのツアー「清木場俊介 ROCK&SOUL 2015 “FACT”」がスタート。包容力たっぷりの今作をこのツアーでどう見せてくれるのか楽しみだ。今作のこと、そしてツアーへの意気込みを聞いた。

今の自分をすべて表現した、最新アルバム『FACT』

――ニュー・アルバム『FACT』も、熱い曲が揃って充実した内容ですが、リラックスして制作できたアルバムだとお聞きしています。そういった心境になったのは、なにが大きかったんでしょうか。
30代となって、これまでは30代ということを意識しすぎて書いたところがあったんです。ちょっと背伸びをしたというか。こういうメッセージを伝えていったほうがいいのかなっていうことを、まだ探しているところだったんです。今、35歳になって、ようやく年齢なりのアルバムが仕上がったかなと。今まではどちらかというと、未来を見ながら描いていたものが多かったんですけど、今回は「今の自分をすべて出した」という感じですね。
――前作からの時間のなかで、自分の心持ちと帳尻が合ってきたということだと思いますが、今、30代半ばとなって見えてきたものはありますか。
“攻めまくらない”、というところですかね。20代はかなりがむしゃらに走ってきたので、30代は落ち着いてみようかなと思っていたんですが。前作『MY SOUNDS』でいきなりは落ち着けないので。徐々に緩めていったところ、ちょうど最近ようやくゆっくりになってきたという感じですかね。
――そうしたなかで『FACT』の曲を作っていきながら、今の自分のモード感がいちばんわかった曲はありますか。
それぞれの曲でテーマがあるんですが、この先、核になるだろう曲は「人生」だという気がしていますね。『FACT』のなかではいちばん最後に作った曲で。自分と対峙していく過程で、じゃあ“攻めまくらない”とはなんなのかと、それは守りたいものがあるからだと思った。これまではひたすら"攻めまくって"きたんですけど、守ることに対しての攻め方を学びたいなという思いで作った曲ですね。

攻めるって結局、弱いから攻めてしまうんですよね。ただ攻め続けていると、いつか、なんのために攻めているのかな?とわからなくなる時期もあるんですよ。そのなかで、守るものや大事にしたいものがあれば、立ち止まることもできるんだなっていうのをやっと感じてきて。両方必要なんですけどね。怖いゆえに攻めるという姿勢もあるし、弱いから攻めることなく守ってしまうというような。でも段々と、強くなってきた感がありますね。守るべきものに対する思いが。
――今、この先40代へと向かっていく中で、思い描く40代の理想像があるんでしょうか。
「人生」という曲は、まだ育っていないんです。年を重ねて、自分が育っていくと同時に曲も育っていって、40になった時に、過去の自分にこういうことが言えるところまで成長していきたいです。大事なのは、続けることだと思うんです。昔は早く30代になりたかったんですけど、やっと今、30半ばにさしかかって30代をわかりかけてきているので。40代になりたいというよりは、この30代をしっかり生きることで40代に向かっていけるのかなと思いますね。

先を描き、唄い続けることで、曲が育っていくということ

――さまざまな曲が揃った『FACT』ですが、なかでも「Shining」はサウンド的にはブルージィな香りで、これまで以上に大人の雰囲気が漂う曲ですよね。
そうですね。今作の「人生」や、前作の「One and Only」もそうなんですが、自分が大人になって唄っているイメージを描いて、書いていたんです。30歳の人間が40歳を目指して唄う唄っていうのは、40歳になっても唄えるんですね。だから僕はいつも、これを40歳で唄っていたらかっこいいだろうなっていうのを目標に作るんです。今は、さっき言ったように、まだ曲が育っていないんです。だからファンも戸惑うかもしれない。戸惑うんだけど、僕は40歳を見ているから、その頃になればファンも自分のなかで曲を育ててくれると思うんですよ。僕はテレビとかメディアに出て売れるというよりは、ライブという場で、聴いて、感じて、10年、20年唄っていくから意味が分かるというか。だから音楽の形が、もしかしたら他の方とは違うのかもしれないんですけど。最初のアルバム『清木場俊介』の「唄い人」で、"僕は僕の唄いたい唄を唄う"と書いたんですが、その覚悟は、10年続けてくるとよりわかるんです。この「Shining」も、大人になって唄うとより渋いだろうなというのは、イメージしながらやっていますね。
――今作では、打ち込みのR&B曲「Memory」や、バラード「君の幸せ」などの甘い曲がフィットするヴォーカルも印象的ですね。
これまでの作品とも聞き比べたりしたんですが、このアルバムは全体的に優しく唄っているんですよね。よく長くやっていると、年々声に渋みが増すというじゃないですか。僕の場合、自分で聴いていても優しくなってきているなと感じて。リラックスしているからというのもあると思うんですけどね。
――終盤にくる「Cry」もとてもエモーショナルでいい曲ですね。
これはすごく好きで、ライブで必ずいい場所にくる曲ですね。アルバムの曲順を決める時にもライブをイメージして決めるので。このままこの曲順でライブをやってもいいように作っていますね。

ライブハウスとホール、各々を活かして『FACT』を伝える

――10月24日(土)の神戸国際会館こくさいホールを皮切りに、全国ツアー「清木場俊介 ROCK&SOUL 2015 “FACT”」がスタートしますが、『FACT』を引っ提げどんなツアーにしていきたいですか。
まずはこのアルバムをしっかり伝えて、ファンと一緒に形にできればいいライブになるんではないかと思いますね。今回は、そんなに本数ないので、追加公演20本くらいしようかなっていうくらい(笑)。
――できることならば一年中ツアーをしていたいような?
唄は好きなので、本番が始まる前までの精神状態がいちばんきついんですけどね。1か月前からトレーニングに入って欲を絶って、本番が始まる前がピークなんですが、いざライブが始まると、すごくフリーになるんです。お仕事なんだけど楽しいっていう。それまでは、欲を絶つのでまったく面白くないんですよね。
――今回、ツアーとしてなにかテーマにしていることはありますか。
今回はライブハウスとホールが両方あるので、ライブハウスはライブハウスでの面白さ、ホールならホールならではのものを見せたいですね。その切り替えが、自分の中でどのくらいできるかっていうのが、ひとつ左右されると思いますね。僕としてはライブハウスもホールも、両方好きだし。今年はライブハウス・ツアーをしてきて、やっぱりライブハウスっていいなって思えたんですよね。今までは、ホールでライブをやることへのプライドがあったんですが、最初はライブハウスからスタートしたので、やっぱり楽しいんですよね。その分ホールは、より演出ができてショーとして見せられるので。違うもう一人の自分になれるようで、楽しいですね。

INFORMATION

  • 清木場俊介 ROCK&SOUL 2015 “FACT”
  • 2015/10/24(土) ~ 2015/12/20(日) 全国

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