インタビュー

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驚異的な実力を持つ女子高生シンガーとして、デビュー曲『あなたのキスを数えましょう ~You were mine~』を大ヒットさせた小柳ゆき。その鮮烈のデビューから、15年が過ぎた。歌に磨きをかけ、大人の魅力を携えた彼女が、9月10日にグラミー賞受賞歌手、ピーボ・ブライソンとのデュエット曲『Here For You』をリリース。10月には大阪・東京でのツアーも決定。新曲のエピソードや、ライブに懸ける想いを訊いた。

グラミー歌手、ピーボ・ブライソンとデュエット曲をリリース

――今年は、フジテレビの『ハモネプ♪ジャパンカップ』でアカペラ・コーラス・グループ<七色ボイス>を結成したり、新しい試みもされましたね。
そうですね。みんなでひとつの目標に向かって頑張ってくって、なんだか部活みたいな感じで新鮮でした。私はリードボーカルだったので、メンバーたちの複雑なコーラスワークに感嘆するばかり。でも、ハーモニーを生み出すための気持ちの集中のさせ方や波の作り方に、歌手同士にしかわからない感覚がありました。それってバンドと歌うときにはないものなので、面白かったですね。
――島谷ひとみさん、石嶺聡子さん、木山裕策さん、LUVのおふたり、篠原ともえさんなど、それぞれご自分の世界を持っているシンガーばかりがメンバーでしたが。
ソロ・シンガーばかりだから、感情のうねりが激しいのかもしれないですね。それに乗せられたところもあると思います。
――『ハモネプ』で、あえて挑戦したことは?
大黒摩季さんと尾崎豊さんの曲を歌ったんですけど、大黒さんの『あなただけ見つめてる』は、みんなに“ガッツリいっちゃっていいよ”っていわれたので、リードボーカルとして独走させてもらいました。尾崎さんの『I LOVE YOU』はその逆で、溶け込むことを大事に歌いました。ハーモニーの中に埋もれる感じがして、すごく気持ちよかったし、溶け込んだときはゾワッとしました。普段体験できないことだし、よい経験をさせていただきました。
――そして、9月10日にはディズニーアニメ『美女と野獣』の主題歌『ビューティー・アンド・ザ・ビースト~美女と野獣』のセリーヌ・ディオンとのデュエットでもお馴染みのグラミー歌手、ピーボ・ブライソンとのデュエット曲『Here For You』がリリースされます。スゴイ方とのデュエットですが……。
2006年に大阪で行われた合同ライブ『ドリームライブ』で初めて共演して、その後も何度かライブでデュエットさせていただいたんですけど、縁あってオリジナル曲を一緒に歌えることになりました。
――ピーボ・ブライソンさんと初めて会った時は緊張したのでは?
なんと、初対面で鼻血を出してしまって(笑)。ライブのリハーサルで初めてお会いしたんですが、大好きな曲を歌っている人だし、グラミー歌手だし、憧れの人と一緒にデュエットできるってことで、興奮したみたい。リハで歌ってる最中に鼻血が出ちゃったんです。ピーボさんはすごく丁寧な方で、ステージの上でも下でも全部エスコートしてくれるんです。デュエットキングといわれるだけあって、私の癖に合せて歌ってくださいました。
――じゃあ、レコーディングでも小柳さんがリードする感じだったんですか?
それが、レコーディングは逆だったんです。ピーボさんが先に録音したんですけど、元のメロディがわからないくらい崩したフェイクが多用されていて。そのフェイクが作り出すストイックさに驚きつつ、同時に“ハモリどうしよう!? ”ってアセる自分もいて。ちょっと大変でした。
――ライブとはぜんぜん違ったんですね。
ライブでは、ピーボさんが歌っているのを聴いた経験がある曲だったので展開が予測ができたけど、今回はゼロから作っていく作業だったので、勝手が違いましたね。
――どんな曲に仕上がりましたか。
壮大な曲になりました。ピーボさんと私の声が織りなすハーモニーを聴いてほしい。アップテンポの曲じゃないけど、前向きになれる曲だと思います。気持ちをちょっと上げてくれるんじゃないかな。

ライブは、ダイレクトに肌で感じてもらうことができる場所

――10月には大阪と東京でのツアーが決まりました。構想は固まりましたか?
実は、まだ……(笑)。今まで、けっこうスタートからアゲていくことが多かったんだけど、昨秋のツアーでスタートのテンションをぐっと抑えて、音数の少ないところから徐々に音を重ねていくっていう試みをしてみたんです。それがすごく気持ち良かったので、今年はどうしようかな~って。今、まさに悩んでるところです。
――4月に『The Luxury 2014 ツアー』を行ったばかりですけど、秋のツアーとの違いは?
『The Luxury ツアー』は、ビルボードとブルーノートで行っています。
ちょっと特別な空間ですよね。雰囲気を楽しみに来てる方やお酒とゴハンを楽しみに来てる方、お客さんの楽しみ方もそれぞれ違うと思うんです。ライブハウスやホールで“一緒に楽しもうぜ!”っていうより、“思い思いに楽しんでいただければ”って感じが近いかな。お酒を飲んで、心地よく体を揺らせる空間にできればって思って、今年はSadeを唄ってみたり。普段のライブとは違う空間になっています。
――バンドとアコースティック。歌い手にとっては、どんなところに違いがあるのでしょう。
小編成のアコースティック・ライブに初めて挑戦したのが、2007年だったんですけど、そのとき、歌を伝えることの楽しさや素晴らしさはもちろん、ライブを楽しむってことがすごく実感できたんです。単純なところでいえば、アコースティックは自分の声がききやすい。あとは、心の細かい動きがより伝えやすいと思います。でもそれって、私の心の内がより伝わってしまうってことなんです。それが、アコースティック面白さじゃないかな。フルバンドには勢いがあって、会場全体で一緒に盛り上がれて楽しいし、それぞれに魅力がありますね。
――ライブ前に気を使うことは、ありますか。
食事ですね。野菜を多めに摂って炭水化物を控えたり。でも、本番前は炭水化物とお肉を食べないとダメなんです。力が入らなくなっちゃう。パワーの源はお肉です。それも、から揚げ(笑)
――ライブの時、無意識でやってるはありますか。
なんだろう? あ、お水を口の中に含んで、そのまま立ち位置に行きます。着いたらゴクリ。なんででしょうね(笑)
――ライブの密かな楽しみは?
ハプニングは、意外と嫌いじゃなかったりします。ウィッグが取れたり、転んだりはよくあって(笑)。最後の最後、盛り上がって終わるところでリフターが止まっちゃったこともありました。それは、さすがに困りましたね(笑)
――デビュー16年目に入りますが、ライブに対する考え方って変わりましたか。
真面目になったかもしれません。ひとつひとつの場所で、とにかく多くの人とコミュニケーションを取りたいって気持ちが強くなりましたね。貴重なお金と時間をかけて来てくださる方のために、毎回同じクオリティのライブをお見せしたい。場所によって出来、不出来がないように。そういう気持ちがすごくあります。
――でも、昔より楽しくなっているのでは?
そうですね、同時にキツくもなってきてますよ。やっぱり、理想が高くなるから、そこに届かないときの落ち込み方がハンパない(笑)。でも逆に、いろんなことが上手くいった気持ちよさは、その比じゃない。だから辞められないんですよね
――小柳さんにとって、ライブはどんな存在ですか。
ダイレクトに肌で感じてもらうことができる場所。空気感だったり、歌の圧だったり、曲の持つドラマだったりもそうだけど、来てくださる方とコミュニケーションできるっていうのは、小柳ゆきっていう歌手を知ってもらえる一番大事な場所だと思えるから。

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