映画『ライチ☆光クラブ』について
- ―― 今回は、『ライチ☆光クラブ』でテーマソングを担当されたHAKUEIさんと、ジャイボ役を演じられた間宮祥太朗さん、お二人の異業種対談企画が実現しました。早速ですが、映画『ライチ☆光クラブ』はお二人から見て、どんな作品になったと思いますか?
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間宮:
僕はこの映画に参加させていただくにあたって、初めて漫画を読ませていただいたんですが……漫画をまず読んでその後に台本を読むと、全然イメージが違うんですよ。文字だけで見ると、結構キツい物語なんです。漫画って、2次元の独特のポップさみたいなものが加わるから、結構サラっと読めるんですよね。でも台本で文字列だけで読んだとき、ト書きを読むと「このシーン、思ったよりすごいことやってるんだ!?」ってなるんですよ(笑)。そういう意味では、今作は漫画へのリスペクトもしつつ、脚本から感じたような生々しさというか……リアリティみたいなものが出せたんじゃないかと。改めて漫画を読んだ後に映画を観ても、映画の方がエグみが出ているかと思います。
HAKUEI: 俺は、この『ライチ☆光クラブ』という漫画作品ができたときから今までに、何十回も読んでいるんですよね。ソロプロジェクトとして同名の音楽ユニットをやっているので、歌詞を書くときなどに読み返すことが多くて。間宮くんの思ったこととも少し共通しているけど「これが本当に生々しい映像になったときに、耐えられるのかな?」って思った。結果、出来上がった映像を観たらすごくバランス良く作ってあって。もちろんエグいしグロテスクなんだけど、なんか漫画っぽいというか……ちゃんと残酷なファンタジーに見える。キャスティングの完成度もすごいし、ずっと携わってきた作品なので、うれしかったですね。 - ―― では、今回の映画の中で一番の見所シーンはどこだと思いますか?
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間宮:
見所というよりは、作品のギアとなっている箇所が、カノンが初めて出てくるシーンだと思うんですよ。ライチがカノンをさらってきて、ライチの足元に倒れているカノンの寄りを初めて見るシーン。僕はこの映画の中で初めて光が出てくるシーンだと思っていて。今作にはいろんな変化とか驚きが散りばめられていると思うんですけど、あそこのシーンがいちばん大きく空気が変化したシーンだと思うんです。まさにマンガそのままのカノンの寄り、アレを内藤監督は見せたかったんだろうな、って。
HAKUEI: 俺はさっき言った、ゼラとジャイボのシーン……あれはやっぱり一番見所かな。本当に生々しいし。僕はこの作品の中ではジャイボが一番好きなキャラなんですけど、本当にジャイボってまっすぐなキャラクターだと思うんですね。役柄的には悪役(ヒール)なんだけど、すごく愛おしいというか。器用そうに見えてすごく不器用なんですよね。間宮くんが演じたジャイボにもすごくリアリティがあったから。あのシーンがすごく映えたよね。