あなたたちの国の団結力に脱帽だった
- ――2011年、東日本大震災直後で公演キャンセルが相次ぐ中、来日してくれました。そのときの気持ちをきかせてください。
- ポール:最初は安全性、それは”自分たちの”というよりは”来てくれるお客さん”の安全が確保できるかを真っ先に考えて、プロモーターとたくさん相談をした結果、残念ながら仙台公演だけは実施不可能だったけど、その他の所は逆に歓迎してくれるから、本当にライブが出来るんだったら来て欲しいと言われて、それで来日したんです。
最初、果たしてロックを聴く雰囲気になってるかどうか懸念もありましたけど、 実際来てみたらみんなすごく楽しんでた様子だった。バックステージに来てくれるミート&グリートのときに語られる被害の状況はすごく切実で、あまりにリアルでグッときちゃったりしたんですけど、そういうことを通してよりファンと近づけた気がするので本当に来てよかったと思います。 - ――かねてから”第二の故郷”と言ってくれるほど日本に親近感を感じていただいてるようですが震災後にその印象に変化はありましたか?
- エリック:最初はニュース映像で震災の様子を観て、あまりの被害に自分たちもすごいショックを受けた。僕はその気持ちを伝えたくて「THE WORLD IS ON THE WAY」という曲を日本のために作ったんだけれども、あのときはどちらかと言うと、あまりに自分の力のなさにどうすればいいだろうと思った。
“きっと全世界がみんなあなたたちのことを心配してるよ”という気持ちで書いたんだけれども、実際に一番強かったのは日本人で。そのあとの団結力、絆が本当に素晴らしくて。つい最近も映像で、震災を受けた街の復興の様子を観たんだけれど、人々の心の中には永遠に傷はあるかも知れないけど、街の外観はこんなに早く美しく蘇ったんだってびっくりした。あなたたちの国の団結力に脱帽だった。 - ――日本との距離はさらに近づいたということですか。
- エリック:もうこれ以上近づけないくらい(笑)。それくらい元々リスペクトと愛は持っていたので、それはどんどん大きくなっているけど、これ以上近づけないくらい近い気持ちだ。