インタビュー

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「夏の魔物」10回大会の開催を記念して、主催者・成田大致がリスペクトしてやまない人物と対談をおこなう「夏の魔物10回記念対談」。 今回のお相手は、筋肉少女帯・ニューロティカという、成田のパーソナリティを形成する上で重要な役割を果たしている2つのレジェンド・バンドマンから大槻ケンヂとあっちゃんことイノウエアツシが登場。成田が高校時代にニューロティカのライヴでフロントアクトを務めたことが縁で記念すべき第1回「夏の魔物」に出演したあっちゃんと、周囲から「夏の魔物」黎明期にまつわる噂を聞かされていたという大槻ケンヂ。成田のタッグ・パートナー、大内ライダーも加わり、噂の真偽がついに今回明らかに!

夏の魔物10回記念対談

――大槻さんが成田さんと「夏の魔物」の存在を知ったのはいつ頃なんですか?
大槻ケンヂ(以降、大槻): 10年くらい前に「夏の魔物」の話を“あのフェスはヤバい!”って伝え聞いていて。「ミュージシャンが会場を設営していた」とか、進行をどこどこのバンドの誰それがやることになったとか、そういう良からぬ噂を色々聞いていたんですよ(笑)。だからず~っと、「ヤバい、逃げた方が良いな」みたいな話をしていたんだけど。

成田大致(以降、成田): ガハハハハ!

大内ライダー(以降、ライダー): 逃げた方が良いって(笑)。

大槻: でもオファーをもらっていたんで、僕は旅行好きでフェス好きだしまあどんなものかわからないけど、一度行ってみたいなと思って。色んな噂が入ってくるので「本当かなあ?」というのもあったし(笑)。
――そういう噂はネットで見たりしたんですか?
大槻: ミュージシャン伝いが多かったかなあ。しかもなんか増子さん(怒髪天の増子直純)とかから聞いていて、結構話を面白くしているからさ。本当かな?って。

成田: まぁ、設営とかはさすがにちょっと膨らみすぎてますけど、大体本当ですね(笑)。

大槻: (筋肉少女帯でオファーは受けていたが)筋肉少女帯は稼働するのが重いので、難しいと。その頃、ギターの練習を始めた頃だったので、弾き語りなら行けると思って。あ、最初は橘高君と行ったのかな?

成田: そうですね。僕は「夏の魔物」初期の頃から大槻さんに出てもらいたくて。ちょうど僕が上京した年に「やついフェス」に行って、渋さ知らズを観ている大槻さんを見かけて、今しか!!と思って「出て欲しいんです!」みたいなことを伝えたんですよね。

大槻: ああ、そうだ。「いやあ、出るよ出るよ」みたいな話をして。成田君は青森の土地持ちの御曹司で、一回開催するごとに山を売っているっていう「山林伝説」みたいなのも聞いたけど。どこまで本当なの?

成田: 山は、半分本当ですね(笑)。山というかおじいちゃんが土地を少し持っていまして。それを売ってくれました(笑)。

大槻: いやあ、良いことですよ(笑)。日本人って海を越えると何をしても良いみたいな、特にバンドマンはそういうところがあるみたいなんだけど、「夏の魔物」に関していうと海を越えてもいない青森から先での出来事は、インターネットのこの時代でもそんなには伝わらないっていう、治外法権みたいなイメージがあるみたいで。

成田: (笑)。

大槻: だから絶対普通出ないだろうなって人とかも出てるでしょう?

成田: 確かにそうですね。

大槻: それは、「青森ならバレまい」みたいな何かが出てる人にもあるのかなっていう。

成田: ガハハハハ!

大槻: だって僕が出た年も声優の小林ゆうさんとNARASAKIさんと掟ポルシェさんでインチキユニットを組んでステージに出ようとしたら突然、「大槻さん待ってください!今から藤岡弘、さんの挨拶がありますので」って言われて(笑)。「はあ?」って言って後ろを向いたら藤岡さんが「藤岡、珈琲」って書いたシャツを着て「ンフフフフ」って笑っていたから「ああ、じゃあ藤岡さんどうぞ」って。普通でないよあんな方は。

成田: ガハハハハ!!!そんなことがあったんですね。

大槻: ああいう人脈というか、どういうオファーをしているの?

成田: せがた三四郎っていうセガサターンのキャラクターを藤岡さんがやっていて、それを復活させたいということで5、6年前から動いていたのがきっかけですね。

大槻: 動くって、どうやって動くの!?

成田: いや、出演して欲しいというのを藤岡珈琲を作っている会社に行って、ご本人には会えないですけど事務所の方と話をして。「じゃあフェスに何かメッセージを発信しに行きますね」って。

大槻: へえ~。日本のフェスの元祖みたいなフェスが福島であったでしょ?外道とかかまやつさんとかが出たやつ(1974年の「ワンステップフェスティバル」)。

成田: ああ、ありましたね。オノ・ヨーコさんとかも出たやつですね。

大槻: あれも、1人の青年がやりたいって言って始めたんだよね。そしたら出来ちゃったという。だから、意外と直で呼んだら人は来るんだなっていう。若者が訪ねてきて「お願いしますよ!」って言われると弱い日本人の気質が「夏の魔物」を盛り上げてるんじゃないかなあ。

成田: こうやって出ていただけるだけで、僕は嬉しい限りですね。

大槻: あともう一つ驚いたのが、最初に出たときにメインステージだったところが、次の年に出たら物販エリアになっていたという(笑)。

ライダー: ははははは!

大槻: すごい規模縮小だなあって驚いたんですよ。すごいよ、あれは!だって「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」で言ったら、GRASS STAGEが物販エリアになったくらいのことでしょ?あれはどういうこと?

成田: 規模縮小というよりは、実質的にはステージの大きさとかも大きくはなっているんですよ。昔大仁田さんが開催して大槻さんも出演されていた、「炎のバトル」(1991年に佐賀県で開催)みたいなレイアウトにしたいとずっと思っていて。それで、2013年からステージに併設する感じでリングを用意して。

大槻: そうかあ、合点が行きました。それなら仕方ない(笑)。
――大槻さんも2014年はリングの上で歌っていましたね。
大槻: リングは揺れるんですよね。あれがちょっとむずかしいところ。何がむずかしいって譜面台が倒れるっていう(笑)。意外とリングで歌うのはむずかしいんですよ。まあクラッシュギャルズとかは上手いだろうけど(笑)。クラッシュギャルズはどう?来年あたり?

成田: 良いですね(笑)。長与さんも復活しましたしね。

大槻: プロレスはいつ頃から見てたの?

成田: 小学校くらいからずっと好きです。観はじめた頃は三銃士、四天王、FMWとかの時代ですね。

大槻: FMWもあって、インディーも乱立し出した頃だ。俺、あの頃インディーに結構行ってて、面白かったんだよなあ。FMWに最初に行ったのが栗栖正伸VS大仁田厚のデスマッチで、始まって3分くらいで2人ともバラ線の落っこちて、物凄い盛り上がりだった。イス大王(栗栖)がイスでバンバン殴って。すごかったなあ。それからインディーが良いなと思って。それから、格闘三兄弟(徳田光輝、齋藤彰俊、木村浩一郎)がいた頃のW★INGを埼玉の方まで観に行ったんだよ。そしたら駅で3人組がタクシーを待ってるの。完全にプロレスに行く人たちなんだけど、そんなところまでW★INGを観に行くやつなんて人間として相当なんだけど(笑)。「うわぁ~いるなあ」と思ってその人たちを見ていたら、それがダチョウ倶楽部だったんですよ。

一同: えぇっ!?

大槻: まだ売れる前のね。お互い「あっ!」ってなって、タクシーに相乗りしたら隣に座った竜兵ちゃんが「よくこんなの観に行きますね」って言うから「いやあなたもでしょ!」って。

成田: ガハハハハハ!

ライダー: いやあ~、良い時代ですねえ。

大槻: 良い時代でした。まだジャパン女子とかあったりね。

成田: 大内さんなんて、IWA大好きですもんね。

大槻: いいよねえIWA。キニョネスとか?

ライダー: 僕がインディーにハマったのは終盤の方で、カブキさんが引退するくらいだったんですよ。
~ニューロティカ・あっちゃんが到着~
大槻: 今プロレスの話してたんですよ。昔「炎のバトル」っていうイベントがあって。お笑い芸人の鉄拳さんがまだFMWの練習生でいた頃なんだけど、ブルーハーツ、泉谷しげるさん、アンジー、筋肉少女帯が出ていて。

あっちゃん: あったね~、あったあった!覚えてる。

大槻: それが魔物の原型なんじゃないかって言ってたんだけど、昔PWCっていう団体が、ロックバンドの外道を呼んでプロレスとロックがコラボしたイベントをON AIR EASTでやったのよ。そのときがムチャクチャで、高野拳磁さんが若手レスラーを引連れて円山町でプロレスすんの。その中に高木三四郎さんもいたんだって。高木さんは、そのときに必要以上のチョークで(高野拳磁さんに)締め落されたんだって(笑)。

あっちゃん: ははははは!

大槻: それで高野拳磁さんがまた会場に戻って来ると、リングでは外道がライヴをやっていて、加納さんがギターを弾きまくっているという、もう信じられない感じで(笑)。まさにあれだよね、「夏の魔物」は。

成田: かなり近いものがありますね(笑)。そもそも「炎のバトル」も、大槻さんのコラムの中でしか想像できないものだったんで、それを読んで当時妄想してたものを具現化している感じですね。当時は映像も見れなかったんで。最近YouTubeにはありますけど。
※ページ下の動画参照

大槻: ああ、今観れるの?へえ~!(資料を目にして)あ、ロティカは「夏の魔物」に1回目から出てるんだ!?

あっちゃん: そう。1回目のトップバッターだよね。あ、トップバッターは成田君のバンドか。

成田: そうです。そもそも、こういうイベントをやるようになったのは、ロティカが青森に来た時に前座をやったのが始まりなんですよ。高2のときに「Quarter」(青森のライヴハウス)で。

あっちゃん: Quarterの方に紹介されたんです、成田君のことを。地元で頑張ってるバンドがいて、ゲストで一緒に出来ませんかっていうことで。

成田: その時ロティカがGELUGUGUと一緒に青森に来てくれたですけど、他にブッキングされてた地元のバンドが全然ロティカを知らないようなバンドだったので。「いや彼らより俺の方がロティカ好きですよ!」ってライブハウスに直訴して(笑)。どうしても出して欲しいって言って、勝手にフライヤーも作って、1人で手売りで100枚くらいチケットを売ったんですよ。

一同: へぇ~!

あっちゃん: それはすごいね。

成田: バンドも「ロティカの前座決まった!」って初めて本気になったというか、週7でスタジオ入ろう!みたいに燃えてましたね。
――そのときにあっちゃんは成田さんにどんな印象をお持ちでしたか?
あっちゃん: やっぱりお客さんをたくさん呼ぶのはすごいなと思いましたね、頑張ってるなって。やっぱり僕らなんかはツアーに行くと地元のバンドが出ることが多いんで、お客さんを呼んでくれるバンドはインパクト残りますよね。

成田: その後、東京までAXのワンマンとか観に行ったりもしましたね。その間に自主企画としてライヴハウスで「夏の魔物」という名前でイベントを立ち上げ、KING BROTHERSとかPOLYSICSとか向井(秀徳)さんとかが出てくれて。その流れで18、19歳の頃にぼんやりと「フェスやりたいな」と思って、そこから始まったんです。
――先ほど大槻さんの方から、「夏の魔物」に関するさまざまな噂を聞いていたという話があったんですが、実際に出演されたあっちゃんからすると第1回目ってどんな印象だったんですか?
あっちゃん: もう、手作りの素晴らしいフェスで。ボランティアの人がストッパー(ダイブを受け止めるスタッフ)をしてるんですけど、みんな寝てるんですよ(笑)。

一同: あははははは!

大槻: ストッパーの人が寝ちゃうんだ(笑)?

あっちゃん: そうそう、朝早いからさ(笑)。たぶんそういうことをやったことが無いと思うし、何もわからなかったんだよね。でももし頭から落ちたら命の問題だから「頑張って!」ってMCで言った覚えがありますね。

成田: そうでした。最初に出てもらったときは、スタッフなのに寝てる人がいたりとか「絶ピン(絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!)」の振付を一緒にやってる人がいたりとか、ほんと今考えるとありえないことだらけです(苦笑)。

あっちゃん: でも何もわからない手作りの感じが「ここから始まるんだな」って感じましたよね。で、後々「ああいうことがあった、こういうことがあった」ってみんな大袈裟に言うから(笑)。

大槻: もう、すごい恐ろしいフェスだって思ってたから。

あっちゃん: あ、そう(笑)?そっちに話が行ったときは?

大槻: 誘われたら絶対逃げようと思ってたんだけど、みんな盛ってるんじゃないかなって思ってきて。でもいざ出演してみると、みんなで和気あいあいとバーベキューとかしてて。楽しかったなあ。アイドルもいっぱい出てるでしょ?そういう華やかさもあって良いなと思って。
――ニューロティカが出た第1回目はまだロックバンドがほとんどでしたけど、次に出演した2012年には印象が変わっていましたか?
あっちゃん: 変わってました。1回目から考えると、大きいフェスになってる雰囲気だったかな。ガチガチして「こうして、こうやって」って言われないでも自主でやるのは第1回から変わらずに、でもちゃんとステージごとにお客さんが沢山いて、ほんわかした大きなイベントの雰囲気はしましたね。だからこちらも気張らないで出来ました。ピリピリしてるじゃないですか、フェスって。時間とか決まりがあるんだけど、ちょっと違うことをやっちゃうじゃん?そうすると怒られるし(笑)。

大槻: うん、怒られるよね、本当に。

あっちゃん: でもそれが見せ場じゃん、俺たちは?

成田: ガハハハハハ!

あっちゃん: 違うことをやってビックリさせてナンボなんだけど(笑)。「それは聞いてないですよ!」って怒られちゃうタイプなので嫌われるんですけど(笑)。「夏の魔物」はそういうのがないので、ほんわかした大地の中で。
――元々何をやっても許されるような感じというか。
あっちゃん: そう、そんな感じですね。
――出演者も他の方のライヴを観ていることがあるみたいですが、お2人はいかがですか?
大槻: ほかのフェスってね、結構出演者は観れない場合が多いんですよ。立地条件とか、出入りできなかったりとか。ただ魔物はね、仕切りが薄いから割と観れる時がある(笑)。

一同: (笑)。

大槻: それがちょっと嬉しいというか、ちょっと覗くと割と見えたりとか。コソコソっと外に行っても観れるのが良いところ。だから俺、去年出た時は後藤まりこさんは間近で観てましたよ。

ライダー: リングから観客にダイブしたやつですね。

大槻: そうそう「すげぇ~!」ってあれを遠巻きに観ていて。あれはすごいね。プロレスラーでも受け身を取れない後ろに倒れ込むってできないよね…でも俺、これは全てのフェスに言いたいんだけど、出演者ってステージで起こっていることは大抵観れないんですよ。フェスによってはステージが5つ6つあって、そのうちの3つはモニターで観れたりする。でも絶対音はその中の1つしか出てないの。とにかく出演者はその日にフェスのステージで起こってることって、まず知らないですよ。あれはフェス自体で見直すべきじゃないかと思っているんですけど。
――「夏の魔物」では特に他の出演者が何をしているのか観たいんじゃないですか?
大槻: 観たい、観たい。魔物はちょっと目を離すとROLLYさんが男色ディーノさんにディープキスされたりとか。ディープキスされたてほやほやのROLLYさんがステージに上がってきたりするからね。超面白いんだよなあ。
――お客さんと出演者の境がないという話も良く聞きますが実際どうなんでしょう?
大槻: 今から出ますっていう楽屋わき、ステージ袖とお客さんのところの仕切りが…

あっちゃん: 丸見えなんだよね(笑)。

大槻: そうそう、普通に手を振られるからね(笑)。

成田: 確かに…仕切りにはホームセンターで売っている黒いスケスケの布を設置してた気が…
――そういうところは改善してほしいとかはないですか?
あっちゃん: 別にないない、ないっすね。最初の年はそもそも周りにスタッフが誰もいなかったですからね。誰に言えば良いかわからない(笑)。

成田: ほんとすいません(苦笑)。

あっちゃん: 正直言うと、第1回のときにバスがホテルに迎えに来たんですけど、誰も点呼を取る人がいなくてしょうがないから俺が点呼取ったんですよ。

ライダー: え、点呼取ったんですか?「いますか~?」って(笑)。

あっちゃん: そうそう、俺が点呼取ったの。

大槻: あはははは!

あっちゃん: それで、点呼取ってるときに(乗る人のリストを見て)「曽我部さ~ん!」って呼んだんだけど、その頃曽我部さんに会ったことなかったから、バスの後ろの方にギターを持った人がいたんだけどローディーかと思ってて。

一同: (爆笑)。

大槻: 思うね、思うよそれ(笑)。

あっちゃん: いや、本当に知らなかったから。「こいつ寝坊だよ~」とか言いながらバスを降りてホテルのフロントに「すいません、曽我部さんっていう人を起こして欲しいんですけど」って言ってたら曽我部さんが「すいません、僕です」って来たから「マジか!?」って(笑)。

一同: (爆笑)。

あっちゃん: 本当の話ですよ。それは覚えてるなあ。でもなんとなくフェスの雰囲気はわかってたんで、会場に着いてから車の整理もやりましたよ。

ライダー: ええっ!?

大槻: やっぱり俺が聞いた通りじゃん、それ!

一同: (爆笑)。

あっちゃん: 大致のお母さんが車の誘導をやってたんだよね?一生懸命やってるのはわかるんだけどちょっと下手くそなんで、僕が車を降りて「あっち行って、はいこっち行って」とか車の整理をしましたね。お母さんも浮き足立っちゃってどうしたら良いかわからない雰囲気が出てたんで。

成田: 前の曽我部さんとの対談でも話題になったんですけど、最初の年は送迎バスも一般客の入口で曽我部さんもニューロティカも降ろしてしまって…。

大槻: すごいねえ。フェスってキッチリしてるところだともう本当イベンターがガン怒りしたりして、すっげえピリピリしてるんだけど、「夏の魔物」はそれが無くて良いねえ(笑)。まあ悪いとも言えますが。
――大槻さんがミュージシャンの方から聞いていた噂はだいたい本当だったんですね(笑)。
あっちゃん: どんな話聞いてたの?

大槻: たぶん増子さんから聞いたと思うんだけど、テントも設営したくらいのことを。

成田: いやいや、さすがにそれは違いますよ(笑)!そもそも怒髪天が出た年は屋内でしたし(笑)。

大槻: それで(POLYSICSの)ハヤシ君もそれをやったとかなんとか。

あっちゃん: ははははは!!

大槻: そういえば、内田裕也さんはどうやってオファーしたの?

成田: 裕也さんは、普通にホームページから連絡しましたね。

大槻: 本当に?やっぱり意外と頼めばみんなやってくれるんだねえ。でも、の子君が絡んだんでしょ?

あっちゃん: え、どうしたの?

大槻: 裕也さんのバンドの時、裕也さんは車にいてなかなか出てこないんだって。ロックンロールだから、最初はずっとバンドがインストを演奏してて、良いところで裕也さんがバッて出るっていう前に、の子君が出てきて叫んだっていう。

あっちゃん: へえ~やっぱり今は時代が違うんだね(笑)。

大槻: 俺の聞いた話では、それで裕也さんが帰るときに(成田が)謝りに行った?

成田: ああ、それは裕也さんがほかのステージの音がデカすぎるっておっしゃったので…。

あっちゃん: あはははは!

大槻: 音がデカ過ぎる(笑)?

成田: 要は裕也さんが出てくるまでが長かったのとかも、「ほかが終わるまで待つ」って言っていたからなんです。

大槻: ああ、そうだったんだ。でもの子君が乱入したのは本当なの?

成田: 本当ですね。

大槻: それで事なきを得て?

成田: そうですね、でも裕也さんはご機嫌で帰りましたよ。

あっちゃん: (裕也さんからするとの子君の世代は)ひ孫の時代になっちゃうのかね?もう許せる時代なのかな(笑)。

大槻: あのさ、みうらじゅんさんに聞いたことがあるんだけど、青森くらいに行くと仏像の形がおかしい、と。それはたぶん江戸で仏像を見た人が自分で覚えていて、青森で掘ったら変わってしまったっていうことらしくて。そういう伝達する上での変化というか。

ライダー: ははははは!なるほど。

大槻: このネットの時代に俺が聞いたのは「裕也さんのバンドが前奏を演奏してたら、の子君が乱入してきて“俺は内田裕也だ!”って叫んで引っ張られて行った。その後裕也さんが車で帰ろうとした時に成田君が走って行って“どうもすいませんでした!”って言ったら、“ああ、かまわねえよ”(※裕也さんの物真似で)って言った」という話なんだけど。

成田: いや、だいたい合ってますけど正確には違いますよ(笑)!

大槻: あれ~?そう聞いたんだけどなあ。これが仏像現象だよ~。

一同: (笑)。
――今年は初めて大槻さんとニューロティカが同じ年に出ることになりますね。
大槻: (出演者を見ながら)水曜日のカンパネラが出るんだ?あの子はすごいですよね。俺ね、数年前の映像を観てひっくり返って「すげえなこの子!」って思って。ちょっとリスペクトしてますよ、俺は。結構すごいことをやる若い女の子のアーティストを観るとすぐにノックアウトされちゃうんだよね。

成田: 大森靖子さんも大槻さんはかなり前からチェックしてましたよね。

大槻: 去年の魔物もすごかったねえ~!山の上を旗持って歌いながら駆け下りてくるの。

ライダー: 僕は先々月まで大森靖子のバンドのメンバーだったんですよ。バンドは解散しちゃいましたけど。去年は旗を調達しに行きました(笑)。

大槻: ああ、そうだったんだ!?あれ、どこから持ってきたの?

ライダー: あれは普通のコカコーラの屋台の旗を借りてきたんです。

大槻: あれは大森さんが、その場で旗を持って駆け下りたいって突然言い出したわけ?

ライダー: はい、そうです。「あの旗、ちょっと借りて来てよ」って。

あっちゃん: ライヴ前に?

ライダー: はい。

大槻: はあ~考えるねえ。俺、あれ観たときにさ、昔WHOとかジミヘンがフェスに出たときにWHOが先にギター壊しちゃったんで、ジミヘンが負けないように火をつけたみたいなさ。

成田: ああ~、はいはい!ウッドストックの伝説のアレですね!

大槻: (2014年の「夏の魔物」は)その前に、後藤まりこがムチャクチャやったのよ。それで、大森靖子として「ヨシ!」って思ったんじゃないかなあ。だから「氣志團万博」の時のロティカの側転に近いものがあるよね。花道を側転しながら出てくるという(笑)。

あっちゃん: 何かやらなきゃいけないかと思って(笑)。俺も同じことやってたね(笑)。

大槻: そうそう(笑)。それとあれを観て思ったのが、後藤まりこはダイブして戻されたあと、リングのコーナーポストにマイクを置いて歌ってたのよ。そしたら次に大森靖子がマイクを4つ(コーナーポストに)置いたでしょ?俺、あれはデスマッチの進化だと思うんだよ!リングをどういう風に利用できるかっていう。

あっちゃん: それもその場で考えてね?

大槻: うん。天才と天才が…。

あっちゃん: ぶつかった(笑)。

大槻: いやあ、あれは本当にすごいと思った。デスマッチの進化をその場で観たっていう気がしたから。あっちゃんも今年何かやらないと!

あっちゃん: その前後で面白い人がいればね。なんか刺激がないとできないから(笑)。

成田ライダー: ははははは!

大槻: いっぱいすごい人いるんじゃないの?あ、今年はやつい君も出るんだね。あとベッド・インも出る(笑)。ベッド・インは可笑しいんだよなあ。神聖かまってちゃんも出るね。三上寛さんも。

あっちゃん: こうして過去の出演者を見てみるとフラカンのグレートマエカワはよく出てますね。あいつは「あのイベントは~」ってよく言ってるけど、今見たら良く出てるじゃねえかよお前(笑)!

成田: 半分以上出てくれてますよ。YO-KINGさんと一緒に出てもらったり、マエカワさんだけ出てもらうパターンもあったり。

あっちゃん: 結構グレートは打上げで色々言ってるよね(笑)?

大槻: だからみんな、「旅先で面白いものを見た」って話を膨らませてしゃべってるから。さっきの裕也さんの話みたいに、「全然違うじゃん!」みたいな(笑)。

一同: (笑)。

大槻: でも「夏の魔物」は、そのうち大手広告代理店とか企業が入ってきて、所謂普通のフェスになっちゃうんじゃないかなあとか思ってたけど、そうならない上にさらに独自のフェスになって行ってるという(笑)。

成田: 結局自分の頭の中にある具現化したいものが凝り固まったロックじゃなくて。8月にメジャー・デビューするホストユニットの『夏の魔物』もフェスの「夏の魔物」もそうなんですけど、お2人にものすごく影響を受けているんですよ。大槻さんのコラムに出てくるようなフェスやユニットにしたいとか、ロティカのライヴのパッケージングにもだいぶ参考にさせていただいたりとか。

ライダー: 色んなことをクロスオーバーをさせていくグループを作るというのは難産で、この2年間でようやく形にはなったんですけど、脳内にある物を具現化して表現する、という意味ではまさにお2人が先輩だと思うんですよ。

大槻: でも色々設定があるからむずかしいよね。米米クラブ的なものをやろうとしているんじゃないの?「総合アート」みたいな。まあとりあえず人数が多いから、ギャラの取り分が少ないのが問題だね。なんちゃって。

一同: (笑)。

成田: さっきの大槻さんの話じゃないですけど、青森は実際タイムラグがあるというか色々遅れているんです。まずテレビもフジテレビとテレ東のキー局がないし。そういう青森に住んでいて妄想していた物、大槻さんのコラムを読んで想像して影響をモロに受けてフェスをやったらこうなったんですよね。好きな女の子が出来るときとかも、山口美甘子(「グミ・チョコレート・パイン」のヒロイン)みたいな子が良いとか、いまだに思っていますし。好きなことは音楽、映画、漫画、ゲーム、プロレスとかあるんですけど、青森に住んでいたからこそ「夏の魔物」はこうなっていると思うんですよ。今は上京してきて後楽園ホールに頻繁に行けるからサムライTVじゃなくて生でプロレスの試合を観れるとか。この前も中野を歩いていたらバッタリ、アツシさんに会ったりとか、高校時代の自分では信じられないことが連続で起こっていますね(笑)。今まで青森で妄想していたものが実際に現場でその熱を体感できてすぐアウトプット出来てるというか、そういうリアルタイム感はここ3年すごく速くなったなと思いますね。
――では「夏の魔物」を観に行こうかどうしようか考えている方に、大槻さんとあっちゃんからそれぞれメッセージをお願いします。
大槻: やっぱり他のフェスと全く違う、世界の中心が根本的に違う人たちがやっているフェスなので、その地軸のズレ具体が楽しめれば相当楽しいと思いますよ。

あっちゃん: 「夏の魔物」の前日に青森市内で出演バンドの方が良く呑んでいますので。僕らが出演した時はライヴの前の日には本当に同じ店でPOLYSICSとかLAUGHIN' NOSEとかTHE NEATBEATSとかに会って盛り上がっちゃって。そのままライヴでも盛り上がって、当日のライヴの後はみなさん疲れてホテルからほとんど出てきません!これが僕の統計ですね。だから前日の夜に青森市内の飲み屋でバンドマンを探して楽しんで下さい(笑)。

成田: そういえば、第1回のときにアツシさんだけ先に帰ったじゃないですか?その後NABOさんが控室で泥酔して寝ちゃって、夕方すぎに起きて1人で困っていたのをすごく覚えてますよ。

あっちゃん: ああ、そうだそうだ。大致のお父さんにタクシー代1万円もらったって言ってた。

一同: (爆笑)。

成田: そうでした(笑)山の中でず~っと「タクシー!」って手を上げてて。来るわけがない(笑)。

あっちゃん: その節はメンバーがお世話になりました(笑)。

成田: 今年も何が起こるか楽しみにしています!よろしくお願いします!!

大槻あっちゃん: よろしくお願いします!

取材・文:岡本貴之

MOVIE

INFORMATION

  • AOMORI ROCK FESTIVAL '15~夏の魔物~
  • 日程:2015/9/12(土)
  • 会場:青森・夜越山スキー場 (青森県)