夏の魔物10回記念対談 第2弾
- ――「夏の魔物」に出演したのはROLLYさんの方が早いんですね。
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成田大致(以降、成田):
ROLLYさんが2009年(THE 卍で出演)で、人間椅子が2010年に初出演ですね。
ROLLY: 僕はマネージャーから、青森にすかんちのことがすごく好きな青年がいて、その彼がロックフェスを開催しているので出てくれないかと言われている、という話を聞いたんです。「青森にそんな青年がいるなんて!」と驚きましたね。まあでも基本的に、「自分に何かをしてほしい」と言って下さる方がいるならば、出来る限り誠心誠意応えたいので。レッド・ツェッペリンとか四人囃子さんとか、子供の頃自分が好きだった音楽を咀嚼して次の世代にバトンを渡して行かないといけない、という使命に燃えているので、僕がやってきたことに共感してくれる人がいるならば、という気持ちで出演させて頂きました。
成田: ありがとうございます!!
ROLLY: THE 卍で出演したんですけど、青森まで車で着いて細~いガタガタ道を行って。確かその時は雨が降っていたんですよ。
成田: そうですね、大雨でした。
ROLLY: 雨が降って、そのグジュグジュの道をガタガタガタガタ…。「こんな所で…どんな目に遭わされるんだ!?」って。 - ――その頃は開催場所がまだ現在の夜越山スキー場ではなかったんですね。どんな会場だったんですか?
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成田:
日比谷野音みたいなコロシアム型の、常設のステージがあって。そこで5、6回くらいやったんですけど、ROLLYさんが初めて出演してくれた年は大雨だったんですよ。
ROLLY: ようやく会場の裏に着いたんですけど、雨が降っていて地面がグジュグジュだから、そこからロンドンブーツで車から出るのが嫌で仕方なかったんだけども、意を決して降りて。そこで成田君と初めて会いました。そしてそのバックステージでは、青森で獲れたのであろう新鮮なホタテ…
大内ライダー(以降、ライダー): またホタテの話が出ました(笑)! - ――ホタテの話は対談ゲストの方から必ず出ますね(笑)。
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ROLLY:
新鮮なホタテやらビールやらが豊富に出されて。ちょうど僕がホタテを発見したあたりで、KING BROTHERSとか僕らにとってはコワモテな…パンクの洗礼を受けた方々がいて怖くて。
和嶋慎治(以降、和嶋): ルーツが違うんだよね?僕らより向こうの方が怖いと思うんですよ。
成田・ライダー: (笑)。
ROLLY: そうそう。歳だけは我々の方が全然とってるくせに、(立ち上がって直立不動で)「あ、はじめまして!どうぞよろしくお願いします。ホタテ、もらっても良いのでしょうか?」って。
一同: (爆笑)。
ROLLY: でもホタテはすごく美味しかったです。その次の年だったかな?三上寛さん、灰野敬二さん、頭脳警察という、ものすごい組み合わせもあったね! - ――その2010年には人間椅子が初出演していますね。和嶋さんは成田さんとは青森出身の先輩後輩にあたるわけですが。
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和嶋:
何年か前からオファーをもらっていたんですよ。でもツアーが重なったりしてタイミングが合わなくて。それと、地元青森の人が頑張ってやっているというのは最初の頃から聞いていて、すげえなあと思っていて。出ているバンドも普通じゃない人たちが出ているんで、なんとなく気にはなっていたんです。それでなんとなくリサーチしてみたんですよ、出ているバンドマンたちに。そしたら、ぶっちゃけなかなか仕切りが悪いという話を聞いて(笑)。
ROLLY: はははははは!!噂にはね!?
成田: すいません(苦笑)!
和嶋: でも何故かというと、それは手作りでやっているからだという話を聞いて。それは逆に面白いと思ったんだよね。本当にやりたい人が手作りでやっているということを聞いて、たとえ仕切りや段取りが悪かったとしても、やっぱり協力したいと思いだしたんです。それで2010年がちょうど出れるタイミングだったので。そのときに「ROLLYさんとも一緒にどうですか?」というお話も頂いたので、これはもう是非、ということで。
ROLLY: それが、2010年?
和嶋: はい、2010年ですね。
ROLLY: (突然大声で)えぇ~!?それが2010年なんだ?2015年ですよ、今!
成田: そうです、もう5年前とは…(笑)。
和嶋: (2010年に出た時は) 全然ちゃんとしてたし。きっと年々良くなって来たんだと思うんだよ。なおかつ、もぎりする人もたぶん成田君のご家族がやっているわけ。お母さんとかおじいちゃんとか。その感じもすごく良いと思ったんだよね。本当にやりたくてやってるんだって。パッションを感じたんですよね。それで楽しい気持ちで参加させてもらって他のステージも観て。みんながあまりにもすごいからこっちも燃えたんですよね。僕らのルーツはハードロックとかですけど、僕らなりのエネルギーを出したいなと思ってすごく楽しくやりましたよ。
ROLLY: 僕は最初に出たときには、青森のこういうイベントだから「みんなの度肝を抜いてやろう!」と思ってTHE 卍で出たんだけど、すっごくダークな感じというか、1曲10分くらいのすごい長い曲をやったら、ビックリするほどウケなくて。
一同: ガハハハハ!
和嶋: ウケそうだけどね(笑)!?
ROLLY: その時もゆらゆら帝国とか怖そうな人たちがいるから、我々もとにかくチビらせようと思ってやったんだけど、ダメだったね!
和嶋: 俺は最初に出演したとき、ロケーションが素晴らしいと思ったんだよね。森田町野外円形劇場(※2010年の会場)、すごく綺麗だったんだよ。素晴らしいと思った。湖とかがあったよね?
成田: はい、会場の後ろにありますね。
和嶋: それを日中に観た時に「地球じゃない」って思った。なんか別の星みたいだと思って。まあ出ている人たちが地球人じゃないような人たちが多かったのもあるかもしれないけど(笑)。
一同: (爆笑)。
和嶋: 綺麗な景色の中で、なんか別のところに来たんじゃないかという気がしたよ。普通じゃない人たちが普通じゃないパフォーマンスをしているのは。すごい空間だなって感動したんだよね。
成田: 2010年は天気が良かったですね。この年は2Days開催で、1日目はとあるバンドが殴られたりとか色々問題が起きたんですけど。
和嶋: ああ、その伝説の年がこのときか!
成田: そうなんです。だから1日目にそういうトピックがありすぎて、2日目のものすごくハッピーな感じ、超成功したフェスとしての姿が誰にも語られていないという(苦笑)。今日初めて語られましたよ(笑)!
ROLLY: 一応、聞いておこうかな?
一同: (笑)。
成田: 1日目に若手バンドが20組くらい集まって、僕も事前のインタビューで「ごちゃごちゃ言わんと、誰が一番強いか決めたらええんや!」みたいに煽ったんですよ。それで…ちょっと大内さん説明お願いします!
ライダー: なんで俺が(笑)。まあ社長(成田)が「本物だけが生き残って、偽物は淘汰されるであろう」的なことを言ったんですよ。
和嶋: 結構シビアなことを言ったね(笑)。
ライダー: 当時流行っていた総合格闘技の煽りVみたいな感じで。そしたらあるバンドがそれに反応して「あ~僕ら淘汰されるんですよね~」みたいになって。
成田: シニカルなのを売りにしているバンドがいて、皮肉めいた無気力試合みたいなライヴをしたんです。そうしたら他の若手バンドがみんな怒って。
ROLLY: そんな怒ったんだ!?待てよ、逆にそれは興味があるね。
和嶋: 普通は燃えるじゃないですか?そういうことがあると。そこで逆に拗ねちゃったみたいな。
成田: 1日目にでてくれたほとんどのバンドは、その煽りにいい風にのってくれたというのか。最高のライヴをしてくれたんですよね。ただ、そのバンドは、誰がどう見ても無気力なライヴをして。持ち時間が終わっても、ダラダラダラダラと。そのバンドの出番がトリ前だったので、トリの僕のバンドを出したくなかったんでしょう。しまいには「やる気がありませ~ん」みたいな感じのことをMCで言ったから、それまでの出演者たちがダーッてステージに上がってきて。みんな若いんで「こいつらふざけてる!」ってなって。昔の新日本プロレスの乱入みたいになったんですよ。で、最終的にそのバンドのボーカルが殴られたんです。
ROLLY: ステージで!?それすごいよね…。
和嶋: まあロックフェスだよね!
ROLLY: それをもっとアピールした方が良いね!
成田: いやいやいや(笑)!
和嶋: その年はそれが一番話題になったもんね。そんなことなかなかないよね。
ROLLY: 昔、ジミヘンとかが出てた「ワイト島ポップ・フェスティバル」ってエマーソン・レイク・アンド・パーマーがデビューしたフェスあったでしょ?あれでチケットを買えない若者が「ただで見せろ!」と殺到して暴徒と化してフェンスを破って入ってきた、と。お金を払って入っている若者も、ただで入った若者もいて大乱闘になったんだけど、その責任者は君くらいの若い青年だったわけ。そいつがステージに上がって「今こういうことが起こっている。これはロックフェスティバルだから、喧嘩はやめてくれ。全ての責任は自分が取るからみんな入ってくれ!」と言ったんだよ。自分はこれの賠償をするために一生働かなくてはいけないかもしれないけどそれでも良いんだ、と。それで「みんなロックを楽しんでくれ!」というシーンがあるんだよね。今その乱闘話を聞いて…
ライダー: それを思い出したわけですね。
ROLLY: うん、まあその場にいなくて良かったなとは思うんだけど。
成田: ガハハハハ!
ROLLY: ただ今からしてみると、その話はあって良かったなあって。なんか良い話だよね。
和嶋: それこそ、自分たちで作ってるイベントっていう気がするよね。イベンターがいたらそんなことはあんまりないから。
ROLLY: 君はその乱闘になったときにその中に入ったの?
成田: いや、乱闘の中には入らなかったんですけど、乱闘が終わってひとこと言わなくちゃいけなくて、しょっぱいことを言っちゃったんですよね(苦笑)。
ライダー: え、なんて言ったの?
成田: あんまり覚えてないんすけど「こういうバンドがCoccoさんより人気があるなんて世の中どうかしてる」みたいなことを。
ライダー: また問題になるようなことを(笑)。
和嶋: あんまり丸く収まらないよね(笑)。
成田: そうなんですよ。そこで火に油を注いでよりネット上でヒートを買ってしまったという(苦笑)。
ROLLY: そういう若いときのことを思いだすと「穴があったら入りたい」という気持にもなるじゃない?
成田: はい、本当そうですね、、、。
ROLLY: でも成田君がまた10年20年経って「あのときのことは良い想い出だなあ」ってなるから、たくさん恥をかいて良いと思う。
成田: ありがとうございます(涙)。
ライダー: 当時はちょうどツイッターとかが流行り出した頃で、結構間違った形で広まったというか。そのバンドは人気のあるバンドで知名度もあったんで、影響力もあるじゃないですか?それで「僕らこんな目に遭いました」って言ったことで「夏の魔物」や成田大致の評判が一気に悪くなってしまったんです。
ROLLY: そうか、でも大丈夫。何故なら僕は今までこの話を知らなかったから!
成田・ライダー: ははははは!
ROLLY: でも僕は成田君や「夏の魔物」にすごく愛着があるし、その事件があってからもずっと続けているという美しさがある。
和嶋: そう、それがなによりだよ。続けているというのはすごいことだよ。
成田: 毎年そのバンドにオファーは出しているんですけどね…。
和嶋: お、いいじゃないですか!それで和解するというのはひとつのプロレス的展開で。
成田: はい!ぜひ出て欲しいんですけどね。 - ――他にお2人が「夏の魔物」で印象に残っていることはありますか?
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和嶋:
僕の想い出としては、僕らのバンドはアンプの電圧を上げているせいで電気的に結構ナーバスなんですよ。だからよくステージ上でトラブルという。電源が落ちるんだよね。
ROLLY: ああ~、ありましたね。
和嶋: ROLLYとやったときも飛んだよね。もちろん悪い意味で言っているじゃないよ?電源が飛ぶけど、それで動揺せずに僕らもやれるというか。トラブルを楽しみながら毎年やれる感じがすごくある(笑)。ROLLY with 人間椅子でやったときも、たぶん2人のアンプの電位差というの?位相が合ってなかったと思うんだよ。だからそばに寄ると落ちちゃったんじゃないかな?僕らがROLLYの曲でバックをやっていると、必ずある曲の1番のBメロに差し掛かると飛ぶということがあって。それで繰り返し演奏したんだよね。
ROLLY: そうそうそう。
和嶋: でもお客さんがすごく盛り上がってくれて。「次は完奏できるか!?」ってやるんだけど、また同じ場所にくると電気が飛んで(笑)。
ROLLY: それでとうとう、電源が直るまでアコースティックでやろうということになって。僕は結局アコギを持って行ってお客さんの中に入って行って歌ったりしたなあ。そうだったそうだった。
和嶋: そうそう。エアギターをやったり写真撮影会をやったり。それをやれるROLLYと僕らはプロだな、と(笑)。ああいうのも、デカいコンサートだとじつは結構ピリピリする感じだけど、こういうイベントだとハプニングが楽しくなるんだね。お客さんも楽しんでるし。
成田: その年、ROLLYさんは何回もいろんなステージに出てくださったんですよね。
ROLLY: そうそう。大槻さんとのアコースティック・セッションにも出たね。当初、出ることになってなかったんだけど、会場で突然出ることに決まったんだよね。 (※2013年・夏の魔物での話。『大槻ケンヂ・橘高文彦』にゲストとしてROLLY・和嶋が飛び入り参加)
和嶋: そうそう。「せっかくだから出てよ」って(笑)。
ROLLY: じゃあやろうということになって。会場にあった、ものすっごい暑い小屋でみんなで練習してやったんだよ。
和嶋: すっごい暑い楽屋でしょ(笑)?プレハブの。その場で譜面見て合わせて出たよね。
ROLLY: でもそういうのが醍醐味ですよね。
和嶋: それがいきなりできるのが、こういうイベントだもんね。
ROLLY: あと、成田君が所属する『夏の魔物』のみなさんのプロレスのステージのセコンド役で出て行ったら、適役のゲイ(男色ディーノ)が出てきて「ブチュ~!」って何度もやられて…。あれはもう、最高だった。 - ――前回の対談に出て頂いた大槻ケンヂさんがそのシーンを「夏の魔物」の想い出のひとつとして語っていました(笑)。
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ROLLY:
あ、観てたって?じつは僕、子供の頃はプロレスのファンで。当時はジャイアント馬場にジャンボ鶴田、悪役にキング・イヤウケアというレスラーがいて。ものすごくプロレスがその当時自分の中で流行っていたんだよ。だから悪役に「ブチュ~!」とされるというのはすごく本望だった。普通のロック・ミュージシャンの人は嫌がると思うんだけど。
成田: それは出てもらった甲斐がありました(笑)。ほかにもこの年はROLLYさんには中川翔子さんのステージでもギター弾いていますから、計4回出てくれました。
ROLLY: 4回出たのか。僕は自分の出番が終わると、山の一番上の方に行って、全体をこう(立ち上がって腕を組みながら)見渡すのが好きなんだ。
和嶋: 僕はバンドで来てるから片付けとかあったりして、そんなには他のステージを観れてないんですけど。ただケータリングのところにみんないるから、そこで挨拶したりはしますね。知ってる人がどんどん増えているというか、やっぱり同じ波長の人が集まるよね(笑)。
成田: うちのフェスがきっかけで、毛皮のマリーズ(当時)の志磨さんと西さん(越川和磨)に再会してましたよね?
和嶋: あ、そうそう!それはすごい僕の中では大きな想い出だった。まだ毛皮のマリーズがメジャーデビュー前に、僕は彼らと同じバイトをしていたことがあったんです。人間椅子は苦節10何年という売れない時代がありまして(笑)。そのときに僕がやっていたのが製本屋さんの仕事で、出来た雑誌をトラックに乗せる肉体労働なんですけど、朝8時くらいから夜9時くらいまで毎日やってて。でもこのバイトを3年間やったら腹式呼吸ができるようになって急に声が出るようになって、握力もついたしやって良かったなと思ってるんだけど。そのときに、長髪でいかにもバンドマン風の奴がいるな、と。
成田: ははははは!
和嶋: そのときは毛皮のマリーズのことを知らないからね。で、俺はたまたまモーターヘッドのTシャツを着てたんだよ。それで休憩時間に煙草を吸っていたら、チラチラこっちを見ていたから、「たぶん俺のこと知ってるな」と思ったんだけど、話しかけようかなって思っているうちに彼らは短期のバイトですぐにいなくなっちゃったんです。でも頑張ってバンドをやってるような感じだったから「ああ、話しておけば良かったな」って後で心の中で思っていて。その後共通の知り合いがいて名前も知ったんだけど、その2年後くらいに「夏の魔物」にマリーズが出るって聞いて、ようやくそこで挨拶ができると思って楽しみにしていたら、途中の東北自動車道のサービスエリアでバッタリ会って。「あのとき一緒にバイトしたね」ってそこで初めて会話できたんです。
※詳しくはこちら⇒ http://www.tkma.co.jp/ningen-isu-25th-2/
成田: 感動的ですね、、、!
和嶋: ケータリングがまた楽しいんだよね。色んな人が歩いているから。言ってみれば珍獣みたいな人たちが(笑)。
ROLLY: 珍獣(笑)!
和嶋: ロックやってる人ってそもそも変わってますけど、中でも選りすぐりの変わってる人たちが出ているイベントですからね、「夏の魔物」は。なんか普通じゃないんだよね、みんな。 - ――お客さんも、歩いていると出演者の人たちが普通に歩いていてビックリしているみたいですけど。
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和嶋:
混沌と出来るフェスですね。導線があいまいだからかえって良いと思いますよ。
ROLLY: 僕は結構、もろにお客さんのいるところにいるのが好きなの。
和嶋: あえて行くんでしょ?
ROLLY: いや、別にそれでチヤホヤされようというつもりはなくてね(照笑)。
成田・ライダー: ははははは!
和嶋: 25年もやってて、いまだにそう思ってるのかと思った(笑)。
ROLLY: いやさすがにそうじゃなくて(笑)。自分自身が相変わらず“小僧”なのよね。中学生のロック小僧みたいな気持ちでそこに入りたいんだよね。渦中に入って行ったり、一番上の方まで行ってみたり、色んなところから観るんだよ。雑木林みたいな遠いところからステージの音を聴いたりするのも好きだね。それで、客席にいて観てるとどうなると思う?
成田: え…?。
ROLLY: 出たくなるのさっ!
成田・ライダー: ははははは!
和嶋: ああ、でもそれは同じ!出番が終わった後だと「ああ、もう一回出てえ!」って思うよね。
ROLLY: 出たくなる。何回でも出たくなる。だから普通の人だと自分の出番以外は出ないかもしれないけど、僕は声を掛けられたら曲を知らなくても出るね。 - ――近年はアイドルが出たりプロレスがあったりトークコーナーがあったり映画を上映したりと、普通のロックフェスとは一線を画したイベントになっていますよね。
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和嶋:
そうそう。"サブカルチャーの祭典"的になってますよね。
ROLLY: うん、それが他にはないところだよね。
和嶋: 毎回、出してもらっているとパワーアップしているのを感じますよ。お客さんもどんどん増えていると思うし。前は青森の、東北の果てのロック・イベントっていう認識だったと思うんだ、全国的に。でも今はロックの他にもアイドルが出たりアンダーグラウンドの人が出たり、色んなカルチャーのイベントだっていう認識に変わってきてると思いますよ。他のイベントにはないテイストがあるもん、やっぱり。
ROLLY: そういう意味で言うと、最先端を行ってますよね。最先端を行きつつ、ノイズの人達やアイドルが出たりするわけだから。本当にすごく変わってるね。
和嶋: 俺は、大致君てそういう嗅覚がすごく鋭いと思うんだよね。これからカルチャーで先端に行く人をかぎ分ける嗅覚が鋭い。 - ――フェスだけでなく、成田さんが所属するユニット『夏の魔物』でも、お二人は参加されていますが。
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成田:
和嶋さんは、「SUNSET HEART ATTACK」に、ROLLYさんは「リングの魔物」など多数の作品にギターで参加してくれています。
ライダー: 先ほど、ROLLYさんが、「若い世代に頼まれたら何でもやる」とおっしゃったじゃないですか?実際どうなんですか?社長(成田)は何でも頼んでくるタイプだとおもうので(笑)。
和嶋: 結構ムチャブリしてくるからね。
ROLLY: だいたい応えていると思いますけど!?
成田: いやあ、意外と細かくてすいません(苦笑)。
ROLLY: レコーディングのときも、満足してなかったら満足していなさそうな顔をしているわけ、彼は。例えば大御所の人にギターを入れてくれって頼んで家で録ってきて「じゃあこれで」というのは嫌なの。必ず目の前にいて「これでどうだ!」って彼が喜んだ顔が見たいなと思うんだよ。だから何度でも弾くし。
成田: 和嶋さんらしさ、ROLLYさんらしさを出したいという気持ちがあって。作品作りを通してものすごく勉強させて頂いたというか、本当に忘れられない大切な時間を過ごせたと思っています。
ROLLY: つい最近もそれで、LADYBABY(※成田大致がサウンドプロデュースをしているユニット)があったでしょ?あれに参加させてもらえたのは僕の人生においてすごい出来事だったよ。
成田: いやいや、何をおっしゃってるんですか(笑)!でもあれYouTubeで、500万再生とかですからね。
ROLLY: ものすごい回数見られているんだから。500万回見られているわけですから。ありがたいなあ。
成田: 楽曲作りのときに、すかんちっぽさというのをいつも意識をしているんで、LADYBABYはそれが上手く行ったと思います。3年くらい前から、職業作曲家さんの曲に和嶋さんのギターを入れるとか、ROLLYさんにガンガンギターを弾いてもらうとか、それでリキッドルームでライヴをしたりとかしたことが今に繋がっているというか。
和嶋: 繋がっている感は、ものすごくある。僕は大致君に呼んでもらったから、ももクロとやれたかなというくらいの気持ちはあるよ、本当に。
成田: いやいや、そんな!(笑)。自分が好きなものを組み合わせて作るというのは、前から結構やっていたんですけど。最近になって、それがやっと外に伝わってきたかなっていう。 - ――今年のROLLYさんと人間椅子はどんな形で出演するんでしょう?
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和嶋:
とりあえず一緒にやりましょうよ!
ROLLY: 人間椅子は今年のトリを務めるでしょ?つまり「ウッドストック」で言うところの、ジミ・ヘンドリックスの役をやるわけだ。
和嶋: そうか、ジミヘン役か!フェスの大トリなんてやったことないですよ。
ROLLY: フェスの大トリって感動するよね。観てる方も感動するだろうな。僕はステージ上にもいたいけれども、後ろの山の上の方で…(立ち上がり腕を組んで仁王立ち)。
一同: (爆笑)。
ROLLY: そこで人間椅子が大トリで演奏しているのを観て、「ぐぉ~!」って泣きたいね。両方したい。出る方も観る方も。
和嶋: でも、僕らで大丈夫ですかね?
成田: いやいや、東京に住んでからいっぱいライヴ観てますけど、今の人間椅子は日本で一番カッコイイと思ってますよ!あの爆音といい、すべてが今時代的にもリンクしていると思うので、お願いするなら今かなって。
和嶋: ありがとうございます。そういう意味では今はノってますからね。ありがたくやらせてもらいます。
成田: 僕の希望としては人間椅子にはいつも通りに演奏して頂いて、その後ボーナスで大槻さん、ROLLYさんに参加してもらいたいです。
ROLLY: 僕は人間椅子が普通に演奏してフィニッシュする前まで、後ろの山の上の方で…(立ち上がり腕を組んで仁王立ち)。
一同: (爆笑)。
和嶋: じゃあ僕が呼ぶから(笑)。
ROLLY: バックステージからじゃなくて、山の上の方から客席を通って衣装のままステージに上がるから。そうしたいなあ。
成田: オーラスの夢の共演タイムでリクエストがあるんですよ!ROLLYさんにはやっぱり「○○○○○○○○○○○」をやって欲しくて。大槻さんには「○○○○○○」、「○○」をやってほしいなと。
和嶋: なるほど、わかりました。
成田: そして、最後はその日出てた出演者の方がみんな上がってこれるような曲をやってほしいなって。
和嶋: でも僕らルーツがブラック・サバスだからね(笑)。「スタンド・バイ・ミー」とかはやらないからねえ。
ROLLY: じゃあ全員で「○○○○○」をやれば良いかなあって思ってたんだけど。
和嶋: 俺も今そう思ってた!
成田: ガハハハハ!マジっすか!これはあくまで構想段階ですが、最終的には花火を上げたいなと思っているんですよ。
和嶋: イイね!それはじゃあ色々考えますよ、みんなで盛り上がれそうなやつを。 - ――では「夏の魔物」を観に行こうかどうしようか考えている方に、それぞれメッセージをお願いします。
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和嶋:
確実に、“日本で一番変な人たち”が出ているイベントなので、そういうサブカルチャーに興味がある方は是非足を運んでもらいたいと思います。今一番盛り上がっている人たちが出ているので。その中に出れて光栄です。
ROLLY: “日本で一番変な人たち”が出ているイベントなのはもちろんのこと、それに加えて9月12日の青森のスキー場というのは、夏フェスの割に過ごしやすいと思うので、おすすめですね。会場では僕はありとあらゆるところにいるし、バックステージに隠れていることはなくてそこらにいるので、是非。
和嶋: みなさん、ROLLYを見つけたら声を掛けて下さい(笑)。
成田: 僕らも、お2人直系のフォロワーとしてこれから頑張って行きます。
ROLLY: いやあ、嬉しいね。そしてまた『夏の魔物』をやっていた成田大致、大内ライダーという青年に憧れて次の世代が出てくるわけだからね。
和嶋: そうだよ。情熱があればやれるということを伝えて行かないとね。
ROLLY: 「人に熱あれ人間(じんかん)に光あれ」って言って。常に情熱を持って何かに打ち込めば必ず光は差し込むだろう、ということですよね。
和嶋: 本当、その通りですよ。不純なものがあるとやっぱり成功しないんだよね。情熱があればね。 - ――長く音楽活動を続けているお2人だからこそ言える言葉ですね。
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ROLLY:
僕は彼に期待をしているのさ。僕が70歳位になったときに…70歳なんてすぐ来るじゃん?
和嶋: うん、来る来る。
ROLLY: そのときにまた彼がさらに力をつけて、我々を呼んでくれたときにすごいステージをやろうと思う。いつのまにか、25年やってしまっているが…一瞬の出来事だった。だからこの先さらに20年も一瞬の出来事だろうね。
和嶋: 一瞬だよね。しかもまだロックやってますよ、確実にやってます。
ライダー: 本当、尊敬する大先輩です。
成田: 「夏の魔物」もずっと続けて行くので、これからもずっと出て下さい。今年も楽しみにしてます!よろしくお願いします!
取材・文:岡本貴之