インタビュー

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森彩乃(Vocal&Piano)、内田旭彦(Bass)、三輪幸宏(Drum)の3人によるピアノロックバンドQaijff(クアイフ)。陳腐な言葉に聞こえてしまうかもしれないが、音源を聴いた人やライブを見た人ならこのバンドが「どこにも属さないオリジナリティを持ったバンド」だという意見に頷いてもらえるだろう。バンドの成り立ちから3人のパーソナルな部分に迫り、Qaijffの音楽性を紐解いてみたい。

3人の個性が活きるバンドに!

――最初にバンドを組んだきっかけについてお聞かせいただけますか?
森:私がソロでシンガーソングライターをしていて、その時はピアノ弾き語りだったんですが、バンド形式でライブをしたいなって思うようになって。そこで知り合いが良いベーシストいるよ、と内田を紹介してくれて。その時内田は三輪と一緒に別のバンドを組んでいたんですが、そのバンドの解散が決まってて、ちょうどそのタイミングでバックバンドをやる事が決まったんですが、そこで内田から「バンドを組まない?」って言われたのがきっかけですね。そこで内田から三輪を紹介してもらいました。
――なるほど。
森:ただその時私はシンガーソングライターとしてやって行こう! って強く思っていたんですね。
――では、なぜバンドを組むことにOKを出したのでしょうか?
森:もともとロックバンドに凄く憧れがあって、前にギターボーカルでバンドを組んでいたんですが、そのバンドが上手くいかなくなっちゃって…それが結構大変で「もうバンドなんかやるもんか!」くらいに思っていて(笑)。なので絶対ひとりで成功してやる! って時に誘われたんで、どうしようって凄く悩んだんですけど、1回スタジオに入ってみて「一緒にやりたいな」って思えるメンバーだったので、結成に至りました。
――なるほど、では逆に内田さんが森さんを誘った経緯は何だったんでしょうか? 何か核心めいた想いがあったんでしょうか?
内田:そうですね…誘った時点でドラムの三輪を入れたいとは思っていて、3人で音を出したら何か凄いんじゃないかって期待感があって。結構漠然とはしていたんですが、いいものになるんじゃないかとは思ってましたね。
――ビジョンが見えたということですね。
内田:はい。彼女がシンガーソングライターとして活動している時から凄く才能がある人だな、と思って見ていたんですが、シンガーソングライターとして活動するよりも、バンドのような音の組み合わせができる活動の方がよりカッコよくなりそうだなと思っていたので。
――なるほど、ちなみに三輪さんは内田さんに誘われたときは二つ返事でOKした感じですか?
三輪:そうですね、前のバンドを解散する時も、どっかのファミレスで話し合いをしていて。その時のボーカルを含めた3人で話して、ボーカルの子が「もうダメだ」ってなって解散が決まったんですが、その帰り際に内田から「一緒にやろう」って話をもらってたので。
――相思相愛じゃないですか(笑)。でも凄く腑に落ちたのは、最初にQaijffを聴いたときの印象で、皆さんの演奏が素晴らしいというのは勿論なんですが、絶対ベースとドラムが仲良いだろ!って思ったんですよ(笑)
森:あはははは!
――後付けっぽく聞こえてしまうかもしれないんですが、本当にそう思って。それぞれが上手くてもうまくコミュニケーションが取れてないバンドってたくさんあると思うんですけど、クアイフにはそれを感じなかったというか、むしろ3人とも上手く高いレベルで調和していて、その中でもベースとドラムには特にそれを感じました。
三輪:うん、仲良いもんね、俺たち(笑)
――凄いですね、熟練の漫才師のような、ステージ出て合わせるみたいな感じですね(笑)。それで、バンドを組むにあたって、こういう音楽にしようみたいな話し合いはあったんですか? 例えば、森さんはソロでやられている時と色々違うとは思うんですけど。
森:そうですね、ソロの時は色々迷走していて(笑)。女性ボーカル、女性シンガーソングライター、ってどういう感じだろう…って思ってたし、本当はロックをやりたいけど、一人じゃ表現できる事に限界があるし、ちょっと女の子らしくしてみようかな…とか(笑)。色々悩んでいたのがバンドを組む直前で。で実際組むときはピアノをやる事になったんですが、そこでやっぱり激しさが欲しいなと思って、今ライブでは立って、裸足で頭ガンガン振ってやってるんですけど。なのでピアノだけど、すげーロックじゃん! みたいな感じを目指そうとは思いましたね。ほかにはないような感じで。
――いや、そんなことないでしょう!(笑)
森:いや!結構主張してるよ!(笑)
――誰かが出すぎることなく、3人とも高い位置で同じように主張して、それがきちんとひとつの音になっているという事に凄く感動しますね。それが言わずともできているような気がします。
三輪:散々言われましたけどね(笑)
――フォローしてますね(笑)。皆さんが影響を受けた、と感じるアーティストっていますか?
森:私は清春さんですね。行けるタイミングのライブは今でも行くぐらい好きで(笑)。バンドを始めたきっかけも清春さんで、ピアノは小さい頃からやっていたんですが、やりたくてやってた事ではなくて。17、18の時に清春さんきっかけでバンドにハマって、そこで「ピアノじゃない!」って強く思って。
――(笑)黒夢にピアノの要素あまりないですもんね。
森:(笑)。で、ギターを始めて、バンドでギターボーカルをやって、さっきも言ったようにそのバンド解散したんですが、ギターはあまり上達せず(笑)。ピアノは昔からやっていたので、今はピアノをやっているんですが、やっぱり入り口が清春さんだったので、ピアノもポップな感じじゃなく、激しいのを弾きたい! って思ってて。明るくて楽しいっていうのも曲の中には必要だと思うんですけど、その中にも影があるような、そんなアーティストには惹かれますね。
――曲を聞いていると分かる気がします。内田さんは?
内田:僕はTHE BLUEHEARTSですね。
――あ、いや、でも多分森さんのもそうだと思うんですけど、ソウルの話ですよね?
内田:うん、そうですね。今、森が話しているのを聞きながら考えていたんですけど、僕らの曲ってちょっと変わってると思ってて、例えば暗い曲にある影の部分は森のエッセンスで、シンプルで普遍的な所は僕のエッセンスで…あと最終的に幸宏の…。
――自分で言いましたね(笑)。でも激しい部分ってことですよね。
内田:そうですね、その三つが合わさって僕らの曲になってるんだなって思ってますね。
――うん、3人とも根底にあるものが違うからこそ、聴いたことない曲が出来上がるって事ですよね。三輪さんはラウドロックがお好きという事でしたが。
三輪:昔から華のあるドラムが好きで、セブンダストってバンドのドラムとか憧れましたね。本人になりたい!って思いました。

ライブと音源のギャップを無くしたい

――ライブのお話をさせていただきたいんですが、Qaijffにとってライブとはどういう場でしょうか?
内田:やっぱり僕たちはライブバンドでありたいと思っていて、そこが正真正銘の自分の姿だと思っているんですね。音源は音源でずっと残っていくもので、突き詰めていくものだと感じているんですけど、僕たちは音源を突き詰めて、どれだけライブとのギャップを無くすか、難しいんですけど。
――なるほど。
内田:音源とライブでギャップがあると言われるのは、嬉しい反面、とても歯がゆい所があって、ギターレスのピアノロックで、どれだけライブ感を出せるかっていうのが当面の目標ですね。だから、ライブに関してはライブこそ自分たち、という想いでやっています。
――そうですね。
森:もしかしたら良い事じゃないのかも知れないですが、例えば日常でイライラしていた状態の自分がライブをしたらどんなライブになるのか。もしかするとそれがプラスの方向に進むかもしれない。だから私は感情をライブで開放できたらなって思ってます。
――なかなかアーティストの方言わないですよね(笑)
内田:思ってても言わないよ(笑)
――空気で伝わってくる感じですかね。
三輪:うん、そうですね。前は演奏中に考える余裕がなかったんですけど、今はお客さんの反応を感じながらやってるのが凄く楽しいですね。

ライブ後は反省会!?

――もうすぐ結成2年になりますが、Qaijffのライブで印象に残ってるものはありますか?
森:結成1年のときにやったワンマンライブですかね…そうだよね?
――結成して初めてのライブは印象に残ってますか?
森:うーん、もちろん覚えてはいるけど、あまり印象に残っているかと言うと…(笑)
――なるほど(笑)。ライブ後に反省会とかはされるんですか?
森:しますね、3人ともストイックなタイプなので、逃げを許さないというか(笑)
――(笑)。でも分かります。
森:ライブ終わったー! 飲もう飲もう! みたいな感じになれないタイプで、ちょっと悔しかったら打ち上げも出たくない! みたいな(笑)。でも、やはりライブって言うのはずっと更新されていくものだと思っていて。過去のワンマンはワンマンとして良かったと思ってるけど、でも今が一番良くないとダメだし。
――その通りだと思います。
森:なので、最新のライブが一番印象に残ってますね。
――今回のツアーもそういう事ですよね。結成1年のときのワンマンを見た方が、あ、こんな風に成長してるんだ、この曲はこんな風にもっとカッコよくなってるんだ、っていうのがあってこそ、ですもんね。やっぱり今が一番カッコいいのが、1番良いバンドですよね。当たり前に聞こえてしまいますが、でも、やっぱり終わったら反省とかせずに、終わったー!ってしたいもんじゃないですか。
内田:でも、そうなりたい時もありますけどね(笑)。楽しみたいけど全然楽しめねえ、みたいな(笑)
――ああー、なるほど! ちなみに、3人の意見は合いますか?
内田:それは合うよね?
――(笑)。他の方のライブで印象に残っているライブはありますか?
内田:僕は上原ひろみザ・トリオ・プロジェクトですね。曲の予備知識はあまりなく観にいったんですが、終わった後に「わーっ!」って拍手せずにはいられない衝動があったんですよね。音楽をやっている以上、ここを目指したいと思いました。体を勝手に反応させるようなライブをやりたいなって思いますね。
――うん、でもQaijffってそれができるような気がします。そこに目標を置くのはとてもはてしない事ではあると思うんですが、そこから目をそらさず活動しているバンドにしか、そこの高みは目指せないと思うので。
内田:ん! (笑)。そうですね。
――森さんはありますか?
森:また清春さんの話になってしまうんですけど、いいですか? (笑)
――どうぞどうぞ(笑)
森:(笑)。清春さんのライブを見ていて憧れたのが、ハッピーな曲をやっていても、泣いている子がいたりとか、逆にめっちゃノリノリで踊ってる子もいれば、息を飲んでいる子もいて、色んな人の想いが客席に渦巻いているのに凄く感銘を受けて。なので、今でもそこを目指してますね。
――三輪さんはありますか?
三輪:数年前にmouse on the keysのライブを見て。元々目当てではなかったので、失礼ですが最初は後ろの方にいたんですが、川崎さん(川崎昭)のスネアの「パン!」って音からスタートして、その一発で心をガッツリ持って行かれて、前にガーって行って。
――(笑)。どんな所が魅力だったんですか?
三輪:音に説得力があって…僕もああいうドラムを叩きたいなって凄く思いました。
――確かにバンドが登場して1音目で持ってかれるライブってありますよね。
森:前に対バンしたんだよね。
――(笑)。お話はされたんですか?
三輪:しました(笑)

今持てるすべてを注ぎ込んだ1stアルバム

――アルバム『クアイフ』についてのお話なんですが、僕が感じたのは、皆さんが多分その時できる限りの事を全て注ぎ込んだろうなって事で。もちろん終わってからは「ああすればよかったな、あそこはもっとああできたな」って事があると思うんですけど、その時点でのQaijffが詰まっているなと感じました。
内田:そうですね、まさにそうですね。
――個人的に思ったのは、7曲目の『重なる』でA面が終わって、8曲目からまたB面がスタートして、最後に向けて盛り上がっていくような。
内田:なるほど。
――凄く曲順とかも考えられたんだろうなって。
内田:考えましたねー(笑)。曲順もそうですが、曲間の1秒長くするか2秒長くするかも凄く考えて。
――1曲目から2曲目にいく時の気持ちよさ! あれはいいですよね!
森:あははは(笑)
――あ! 今変わったんだっていうのが凄く心地よくて。
内田:許される時間の中で、許される限りワガママを言わせてもらいました。ほかの音源ももちろんそうですが、1stなので絶対悔いを残したくなかったので。
――それが伝わってくる作品だと思います。

とにかく一度見聴きしてくれれば!

――ちょっと意地悪な質問かもしれませんが、Qaijffというバンドを、自身がリスナーだったとして、ほかの人に薦める時にどういうバンドだといって紹介しますか?
内田:これはねー、僕らの課題でもあるんですよね、説明しづらい(笑)
――(笑)。でも、質問しといてでなんですが、簡単に答えられるのはつまんないですよね。何々っぽいでくくれちゃうのって一概に良いことではないと思うので。
内田:そうですね…でもまあその中でも搾り出すとすれば、「とりあえず見てみ?」って言いたいですね(笑)
――急に安っぽくなった! (笑)
森:あはははは!
――あはははは! では、三輪さんは?
三輪:でも、森のボーカルが軸としてあるんですけど、でもほかの楽器も凄いよって言いたいですね。
――なるほど、たしかに森さんのボーカル・ピアノももちろんですが、内田さんのベースも三輪さんのドラムを聞いてバンドを始める人もこれから増えるだろうと思います。それぐらいそれぞれがカッコいいバンドですよね。
三輪:うん、そうなってくれたら嬉しいですね。
――Qaijff 1st FullAlbum『クアイフ』release 東名阪 tour“ピラミッドを崩せツアー”について、意気込みをお聞かせいただけますか?
森:昨年末にシングルをリリースするまで、全国流通するCDっていうのを出した事が無かったので、様々なところで聞かれていて、待ってましたっていうのが凄く嬉しくて、だからアルバムをリリースした後のライブって言うのは凄く楽しみですね。このCDの世界観をライブでやったらどうだろうって思ってます。
――ありがとうございます。最後に、このページを見ている方に一言お願いいたします。
内田:1stを出して、東京で言うと武道館とか名古屋で言うとガイシホールとか、そういう大きいところでやる事を本気で目指してるんで、早めにチェックして損はないと思います。

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