インタビュー

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Voのうらら(写真:左)とGの上口浩平(写真:右)によるポップデュオSalley。2013年5月のメジャーデビュー以来、様々なジャンルを内包した独自の音楽で注目を集めている。4月9日には初のアルバム、そして全国ツアーを開催するSalleyのふたりに、結成からこれまでの活動から最新シングル『あたしをみつけて』の話まで様々な角度から話を聞いてみた。

OKと即答!?結成のきっかけ

──まず、結成のきっかけについてお聞きしてもよろしいですか?
上口:インターネットを使ったり、ライブを見に行ったりして、ぼくが女性ボーカルを探していたんですが、知り合いの方から「今度ライブする女の子がいるから見においで」って言われて。そこで初めてうららに会って。その時うららは弾き語りでライブに出ていたんですが、自分がやりたいなと思っている音楽と、うららの声質が凄く近かったんですね。実際にライブも凄く良くて、衝撃を受けて声をかけました。
──上口さんは衝撃を受けたということなんですが、うららさんは上口さんの第一印象はどういったものだったんですか?
うらら:なんだかボーっとした人だなあ、と(笑)
──(笑)
うらら:一緒にやりませんかって言われた時に、私は結構乗り気で「はい!ぜひ!」ってすぐに答えたんですが、上口くんが「いや、もう少し考えていいから!」って逆に引かれちゃって(笑)。何なんだろうこの人は・・・って(笑)
──(笑)。でも、上口さんはそれだけちゃんと考えて欲しいって思ってたという事ですよね。
上口:そうですね、もしかしたら本当はシンガーソングライターとしてやっていきたいんじゃないかとか考えて。その時はまだ今みたいな活動形態になるとか全然考えていない時ですけど、とにかく彼女がやりたいと思っている事を邪魔したくないな、って思ってたんですけど、予想以上に速い球が来たのでびっくりしたんですよね(笑)
──(笑)。逆にうららさんが上口さんにその場でOKを出したのは何か考えがあったんでしょうか?
うらら:私と上口くんの間に立ってくれていた人を信用していた、というのももちろんありましたが、そうでなくともOKしていたと思います。その時、自分が作る曲に行き詰まりを感じていて、自分は楽器が凄くできるわけじゃないし、きちんと演奏ができる方と組みたいなと思っていたので。その時から数日後に音源を送っていただいたんですけど、凄くきちんと作りこんでいるな、と思って。もうその時にシングル『赤い靴』のカップリングである「call」とかが入っていましたし、素晴らしいなって。
──曲を聴いて、決意が固まったということですね。
うらら:うん、この人本気だ! って(笑)
──おふたりで組まれるときに、こういう音楽をやろうみたいなモデルケースになるアーティストとか、お話されたんですか?
うらら:いや、組むときはそこまで話していないですね。上口くんの作る音楽を全面的に信頼していました。

最新シングル『わたしをみつけて』は男女で違う感想!?

──では、ご自身で影響を受けているな、って思う音楽はありますか? 例えば上口さんは前にバンドを組んでいらした経験があるとお聞きしたんですが、それぞれの音楽原体験をお聞きしたいんですが。
上口:そうですね、Salleyをやる時は、ポップスをやりたいなって思っていて。ただ音楽を始めたときによく聴いていたのは、THE YELLOW MONKEYさんとかGRAPEVINEさんとかをよく聞いていましたね。
──今回のシングル『あたしをみつけて』についてなんですが、どういったシングルに仕上がりましたか?
上口:結果的に、凄く自分たちらしい曲に仕上がったなと思っています。
──今回のシングルは元々あった曲なんですか?
上口:そうですね、『赤い靴』を作った時と同じくらいにあった曲ですね。
──自分たちらしい曲、というのをもう少し詳しく説明していただいていいですか?
上口:ずっとミディアムバラードを作りたいと思っていたんですが、ずっとロックバンドを組んでいたので、そういうのはバンドとして発表できなかったんですね。ただSalleyを組んで、うららというボーカルに出会って、作れた曲なんですけど、一度おおまかに作ると、細かいところとかも、例えばドラムの音はタイトに、とか、ギターは弾き倒すというよりか空間を大事にしたい、とかこだわりが色々出てきて。結果的に自分がしたい事ができた楽曲になったかなと思います。
──『赤い靴』を作った時に既にあった曲とのですが、歌詞はその時からあったということでしょうか?
うらら:そうですね。
──個人的に思ったのは、これまでのシングルを踏まえたからこそ、こういう歌詞を書けたのかなって思ったんですが。
うらら:そうですね、順番でいうと、『その先の景色を』『赤い靴』『あたしをみつけて』だったんですね。『その先の景色を』と『赤い靴』は自分のことを吐き出そうと思って書いた詩なんですが、『あたしをみつけて』は曲をもらった時に、凄い素敵なメロディの音が来たな、っていうのと、さっき上口くんが「ミディアムバラードの曲を作りたかった。」と言ってましたが、私もこれまで色々歌ってきた中で、ゆっくりめな歌の方が自分の歌声に合っているなって思っていて。
──なるほど。
うらら:だから「これは自分の歌が来た!」って思って、自分の歌いたいこととかじゃなく、「歌」を書きたいなって思って。百人一首や短歌も「歌」っていうじゃないですか。綺麗な言葉で作られたものだからこそ、何千年も残っているんだと思うんですね。だから私もそういう「歌」を作りたいなって思って、そういう歌詞ですね。
──腑に落ちたのが、歌詞を読むと達観しているなって。視点が凄く大きくて、「母なる地球!」みたいな。
上口うらら:(笑)
──(笑)。包み込んでいるというか、こんな風に愛されたら凄く幸せだろうなって。
うらら:でも騙している・・・騙しているという言い方したら悪い言い方になるんですけど(笑)。男の人にそう思わせたら「よし!」みたいな(笑)
──あはははは! (笑)
うらら:女の人が聴くと、凄く嫌な人にも聴こえるという(笑)
──なるほど! でも分かります(笑)
うらら:上口くんもそういう風に受け取ったので。
──なるほど、「怖い」って感情ですね。
上口:僕もそう思って。「ずっとあなたを見ていた」というのは、ありがたいと思う側面もありつつ、「恐怖」の側面もあるじゃないですか。なので、さっき言っていた「歌」を書くという概念でいうと、この歌詞は直接的な表現ではない、様々な側面を持つ言葉を選んで書いてくれたな、って思っていて、良い歌詞だなあと思いますね。
──そうですね。先ほど怖いって話も出たんですが、僕はその側面もありつつ、そう言われるのを分かった上でこれを歌っている強さみたいなものも感じるんですよね。
うらら:はい。
──例えていうなら、僕は椎名林檎さんの『幸福論』が凄く好きなんですけど、女性の方が聴いたら「男ってこういう歌詞好きだよね」って言われがちな歌な気がするんです。でもそういう意見も享受した上で、それでも女性があれを歌う強さみたいなものに引かれて、だからこの歌にも同じ事を思いますね。
うらら:ありがとうございます。男女で聴き方が違うっていうのは凄く面白いなって思いますね。女性は手のひらの上で転がさせている。男性は手のひらの上で転がっている。それぞれ受け止め方が違うっていうのは、良いなと思います。

ライブは「楽しい場」であるべき

──大きな話になってしまいますが、Salleyにとってライブとはどういった場ですか?
うらら:簡単な答えになってしまうんですが、凄く楽しい場、だと思っています。その人の声が聞きたい、演奏が聴きたいって想いももちろんあると思うんですが、ライブに来るっていうのは「楽しくなりたい」と思って来ていると思うんです。でも、ただウキウキ楽しいっていうのだけじゃなく、CDでも「いい歌だな」って思う事はありますが、ライブで改めて聴いて、感動して涙流す、みたいな事もあると思うんですね。そういうのも含めて、ライブの楽しさかなと思ってます。
──確かに、アーティストもお客さんもその場を共有しているわけですもんね。
うらら:あと、私お客さんの顔を見るのが好きで、自分がお客さんで行っても、お客さんの顔を見てしまうくらい(笑)
──あはははは!
うらら:アーティストやる前からずっとやってるんです。だから職業病じゃないっていう(笑)。みんなが同じ方向を見て、アーティストと同じ声を上げる、それって他では得られない状況じゃないですか。それに凄く感動するんです。
──ちなみに、それぞれうららさんは一人で弾き語り、上口さんはバンドを組んでいたときに比べて、Salleyでのライブはやはり違いますか?
うらら:それまでひとりだったり、組んでいても大学の友人と組んでいたものだったりしたので、Salleyだと私がテンション上がると、バンドもテンションが上がる、みたいな時に、「ひとりじゃないんだな」って思って嬉しくなりますね。
──姿勢が変わったということでしょうか?
上口:そうですね、バンドの時は自分が自分が! って思いが強くて、ボーカルに「ギターの音下げろ」って言われても下げない、みたいな(笑)
──(笑)。色々ほかのインタビューも読ませていただいて、こんな事を言うとあれなんですが・・・バンド時代は凄く殺伐としていたんじゃないかな?って心配になりました(笑)
上口:後半は凄かったですね(笑)
──なので、最初に組んだきっかけのお話をさせていただいた時に、うららさんの意思を尊重したというのを聞いて、同一人物とは思えないというか・・・(笑)
上口:(笑)。いや、そこはバランス感覚だと思うんですけど、自分が主張したいところは主張しなきゃいけないし。でも、Salleyの場合は、僕がまずうららの声を聴いてイメージが膨らんだというのが始まりにあったので、うららの声を中心に、自分の出したい音、やりたい事を考えていく感じですね。
──ちなみに、これまでおふたりが見た印象的なライブはありますか?
うらら:初めて見たからかもしれないんですが、人生で初のライブが大阪城ホールのMISIAさんのライブだったんですね。その時私の席がスタンドで、ど真ん中ではあるけど、距離でいうとMISIAさんから一番遠い席だったんですけど、だけど、忘れられないライブだったんです。歌が距離を全く気にしてないというか、凄く遠い私にまでしっかり届く歌声と表現で、その時10歳だったんですが、未だに忘れられなくて。自分の思うコンサートの理想というのが、そこにあると思います。
──もうその時は音楽をやりたいなと思っていたんですか?
うらら:歌はやりたいなと思っていたんですが、まだその時バレエをやっていたので、それで行けるんじゃねえか、って甘い考えがありまして。結果全然ダメだったんですが(笑)
──(笑)。でも最初にそれを見たというのは凄く大きいですよね。上口さんの忘れられないライブはなんですか?
上口:僕は凄く内輪の話になってしまうんですが、富山にRED JETSというバンドがいまして、そのバンドの「光」という曲を新宿のライブハウスで見たときが忘れられないですね。そのバンドは結構活動も長くて、紆余曲折あって、それでも続けてる。そういうバンドの姿勢に沿った歌なんですけど、それを聴いた時に僕がちょうどバンドを解散した時で、グサーっと刺さってしまったんですよね。
──バンドを辞めたときは、音楽を辞めるとかは考えたんですか?
上口:音楽を辞めるというのは考えなかったですね。ずっと付き合っていくものだと思っていたので。だからその曲も音楽を辞めようと思ったのを踏みとどまらせた、とかではないですし、もっと色々なバンドさん、アーティストさんのライブも見て、その時々で凄いなって思うんですが、今パッと感動したライブといわれると、それを思い出しますね。
──Salleyのライブで印象に残っているライブはありますか?
上口:広島のサウンドマリーナでのライブが印象に残ってますね。あんな大きな所でやったのが初めてだったので。大勢のお客さんの熱量みたいなものも感じましたし。

4月からのツアーは、すでにいいものになる予感

──4月18日よりスタートするツアーに対しての意気込みをお聞かせください。
上口:初のワンマンツアーなので、色々トラブルとか、超えなきゃいけない壁もあると思うんですが、全部向き合ってライブをしたいなと思ってますね。これまでの音源しか聴いたことない人とか、アコースティックのライブしか見たことない人に来て欲しいなと思いますね。すでに良いライブになるってなぜか確信していて(笑)
──アスリートの方がいうゾーンみたいな感じですね。
うらら:本当にそんな感じで。あのライブの感じを今回のツアーでは皆さんに味わっていただきたいな思いますね。
──ありがとうございます。では、今後のSalleyの目標をお聞かせいただけますか?
うらら:今はツアーのタイミングで、ミーティングとかもライブのものが中心なんですが、今回の曲は自分で聴いても良い曲だと思っていて、なので「こんな良い曲作れるなら、もっと良い曲作れるはずだ!」って想いが今は凄く強いんですね。だから常に楽曲は作り続けていたいなと思っています。
──でも今回のシングルはまさに、そういう側面が出始めている曲のような気がします。
上口:うん、そうだと良いなと思いますね。
──客観的に見て、Salleyってどんなアーティストだと思いますか?
うらら上口:うーん・・・。
──難しいですよね(笑)。僕は、個人的にジャンル分けできないアーティストだと思っていて。分かりやすいようにアイリッシュポップって枠組みには入っていますが、その上で自分たちにしかできない味付けをしている。影響を受けたとおっしゃったスピッツさんやTHE YELLOW MONKEYさんもそうですが、きちんとジャンルを昇華した上で、あのバンドにしかできない楽曲を鳴らしているじゃないですか。だから先ほどその話を聴いて納得したんですね。
うらら:ありがとうございます。そういう意味でいうと、うーん、懐かしいけど新しい、ですかね。私も上口くんも最近の楽曲よりも、上に兄弟がいるので、自然と90年代の音楽に凄く影響を受けていて。改めて楽曲を聴くと「90年代って良い時代だった!」って思うんですが(笑)。
──はい、僕も世代なので分かります(笑)。最近だと四つ打ちだったり、転調だったりというのがチャートの主流なんですけど、Salleyの音楽には、そうじゃない、その時代の匂いを感じます。
うらら:だからその要素を取り入れつつ、今の自分たちの要素も取り入れるのが理想だなと思いますね。私たちより下の世代の方は「良い曲だな」って素直に思っていただければ良いし、私たちと同世代、もしくは上の世代の方には「何か懐かしいね」って思ってもらえるような、そんなアーティストを目指したいですね。
──Salleyにはそれを目指せるだけのものがあると思います! では、最後に一言ずついただいてもいいですか?
うらら:まず曲を聞いて欲しいですね。「わたしをみつけて」は自分たちの場所で曲を作れたような気がしているので、聴いてもらって、良いと思ったら他の人にも薦めて欲しいなって思いますね(笑)。

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