――渋谷Egg-manは、米倉さんがライブ活動を始めた原点の地だそうですね。
「ワンマンライブ以前の初のライブ会場となったのは原宿ルイードだったんですが、すでにライブハウスがなくなってしまって…。その次のライブ活動の場になったのが渋谷Egg-manなんです。ならば、そこを原点の地として改めて定め、渋谷Egg-manからふたたび新しい挑戦を始めたいなと思って」
――あっ、そんな顛末があったとは…。
「でもね、もっと正確に言うなら、プロになって初めてライブをやった場所は、横浜駅前なんです。しかも…ストリート・ライブ!! ちょうど、シングル『WILL』を出した時期で、わたしが「ライブ活動をしたい」という話を聞いていた当時のスタッフの方が、「まずはストリートからライブを始めたほうがいいんじゃないか?!」と言い出し、ストリートからライブ活動を始めたんですよね。」
――えーっ、そんな驚く経験をしていたとは…。
「デビューから最初の頃は、あまりライブ活動をさせてもらえなかったんですね。でも、デビュー3年後辺りから徐々にライブ活動も行えるようになり。デビュー5周年を祝した初めてのワンマン・コンサートを渋谷ON AIR WEST(現在のO-WEST)で開催して以降は、毎年コンスタントにワンマンやイベント活動を行えるようになりました」
――昨年12月には、主催ライブを渋谷公会堂で実施。大きな会場でもライブを行える実力を持っている米倉さんですが。今回はあえて、原点となった場でワンマン・ライブを演りたかったわけですよね。
「そうなんです。昨今は大きなライブ会場でワンマンやイベントを開催したり。ここ数年の間に、海外でも積極的に歌を届ける機会も増えてきました。中でも、昨年12月に渋谷公会堂で主催イベントを演ったときに、「昔、渋谷Egg-manでライブを演ったなぁ。あのときは、いつか向かい側にある渋谷公会堂でコンサートを演れるようになりたいと思ってたなぁ」ということを思い返していた自分がいたんですね。 昨年は、米倉千尋としてデビュー15周年を記念した活動を行った年になりました。その経験を踏まえ、次なる20周年へ向け、また新たなチャレンジを行っていくうえで。まして、ワンマン・コンサート自体が1年半ぶりにもなることから、「20周年という次のステージへ向け新たなスタートを切るためにも、もう一度歌い手としての原点に立ち返り、そこから新しいことを始めたい」と思いました。だからこそ今回は、渋谷Egg-manという原点の場からもう一度ライブ活動を始めたかったんです」
――そういう想いを抱いたうえでの、今回のワンマン・コンサートだったんですね。
「ただし、原点回帰と言っても、ただ昔のスタート地点に戻るのではなくて。サブ・タイトルの言葉の中にも"原点回起"と書いたように、「原点の場からふたたび新しいことを起こす」という意味を持って、渋谷Egg-manという場所を選んだわけなんです」
――今回のコンサートでは、"本気のアニソン・バンド"として高い注目を集めているアニソン・ロックバンドのReyを演奏メンバーに迎えながら実施。そこも嬉しい見どころになっています。
「なぜわたしが今回、Reyと一緒にステージに上がろうとしたのか。ただただ原点に立ち返るだけなら、長年一緒に演ってきたお馴染みのメンバーと演ったほうが安心感はあるんですよね。でも「ここの場から、また新しい米倉千尋の姿を見せていくんだ」と考えたときに、「わたし自身が刺激を得られる人たちと演るべきだ」と思ったんですね。Reyは"本気のアニソン・バンド"と名乗っているように、本気でアニソンを愛し、本気でアニソンを歌っている尊敬すべきバンドであり、同じアニソンを唄う仲間たちでもあるんです。わたしの歌のスタートも、『機動戦士ガンダム第08MS小隊』オープニング主題歌『嵐の中で輝いて』と、C/Wに収録した同作品のエンディング歌『10 YEARS AFTER』でしたし、わたしも本気でアニソンを歌ってゆく信念のもと活動を続けてきました。だからこそ彼らと一緒に演ることで、絶対にこれまでとは違った米倉千尋の姿を見せられるはず。まさに、すごく心強いサポート陣だなと感じています」
――みずからも言ってましたが、Reyのメンバーは気心知れてる音楽仲間たち。
「ニコ生で放送している「米倉千尋のSmile Go Paradise」にも、Reyのヴォーカルはらけん(原田謙太)がアシスタントMCで参加してくれてるんです。若いエネルギーと一緒に音楽へ向かうときの気持ちって、自分がライブ活動を始めた当初の「やってやるぜ!!」というのに近い感覚をわたしに与えてくれるから、今から一緒に音合わせするのをすっごく楽しみにしています。」
――新しいステージへ進むうえでは、自分自身にも、新しい刺激を与えなきゃいけないものなんですね。
「安定した環境を変えてくって、とても勇気のいることじゃないですか。わたしが前の事務所を辞めるときも、本当に勇気が必要だったと言いますか。気心知れた人たちと一緒に安心感を抱きながらズッと活動を続けていくことも、じつは十分可能なことでした。でもわたしは、安定よりも新しい刺激を求めようと今の事務所へ移籍したわけです。正直、新しい環境の中での大変さもいろいろとありました。だけどそれ以上に、新しい人たちや新しい経験との出会いが数多く、わたしの心の中へ、幾つもの新しい扉を開けてゆく経験に繋がっています。その経験が喜びへ繋がることを自分で実感しているからこそ、今回も「新しいステージへ向かうためなら、新たな挑戦をしていくべき」と当たり前のように思い、今回の場所や共演相手、そして演奏する楽曲たちを選んだわけなんです」
――この日は、米倉さんの誕生日1日前という"バースデ・イブ"のコンサート。そのお祝いという日でもありますが。何よりも嬉しいのが、「アニソンやゲームソングの楽曲がメニューの大半をシメる」ということなんです。
「Reyという本気のアニソン・バンドと一緒に演る意味って、やっぱりその部分も大きいなと思って。まして自分の原点や、そこからの歩みという面では、アニメソングやゲームソングの存在は欠かせないもの。メニューへは、米倉千尋のライブを語るうえで欠かせないオリジナル曲も入れてますけど。まずはReyのメンバーと一緒に、わたしの本気のアニソンやゲーソンの数々を新旧織り混ぜながら届けたいなと思っています。すでに、当日のセットリストはReyにはもちろん提出していて。彼ら、そのメニューを観て「なんじゃこのセトリはっ!!」と狂喜乱舞してましたからね(笑)」
――と言うことは…。
「ファンの人たちもすごく喜んでくれると思います。中には、人前で一度しか披露したことのない歌もあったり。アニソンは、米倉千尋の原点ともいうべき歌。ましてわたしは、アンソン・シンガーとして長く唄い続けてゆく使命感を強く持っている。だからこそこの日のライブを、アニソン・シンガー米倉千尋としての原点の想いを振り返りながらも、そこから新たな扉を開けてゆく、新しい最初の起点の場にしていこうと思っています」
――夏には、いろんなイベントにも参加。今年も8月10日には、ZeppDiverCityを舞台に、夜は「アニソン女子部夏祭りライブ2012」へ。深夜から朝にかけては、「影山ヒロノブ・遠藤正明・きただにひろしの「ゆかいな仲間たち2012」」への出演が決定しています。
「今年の「アニソン女子部」では、出演アーティストそれぞれが企画するコーナーや、ダンスをやったりなど、いろんな面白いことを企画しています。「ゆかいな仲間たち」でも、お馴染みコスプレしながらの楽しいステージをお届けしようと計画中です」
――他にも、いろんなイベントに登場しますが。中でも、大阪と名古屋で開催になる大きなアニフェスにも米倉さんの参加が決まりました。
「意外だったんですけど、これまで大阪で大規模なアニメ・フェスティバルって開催になったことがなかったんですね。でも今年より、大阪城西の丸庭園を舞台に8月3日~5日と開催(米倉さんは4日に登場)に「nonstop アニソントレイン祭」の開催が決定しました。すでに関西では大きな注目を集めている、とても大っきな複合的なアニメ・イベントになるので、わたしも楽しみにしています。 さらに8月5日には、毎年名古屋で開催している「WORLD COSPLAY SUMMIT」が10周年を迎えることから、節目の今年は、オアシス21を会場に大がかりなイベントを開催するということから、わたしもライブで参加させていただきますし。そこでも、また新しい出会いの刺激を得られそうだから楽しみにしています」
――他にも、7月27日には阿佐ヶ谷ロフトAを舞台に「高高米祭」も開催。今年の夏はいろんな出会いの場が用意されてますが。改めて最後に、「Chihiro Yonekura Birthday Eve Live 2012~華麗なるThank You#9825;思えば遠くに来たもんだ…ここらでいっちょ原点回起!~」について、ひと言いただけますか??
「8月18日の土曜日には、わたしのライブ活動の原点の地となる渋谷Egg-manで、1年半ぶりとなるワンマン・ライブを行います。今回のテーマは「原点回起」。ただし、"回帰"ではなく"回起"と記したように、20周年へ向けて活動を続けている米倉千尋の力強くも新しい姿をお届けしようと思っていますので、ぜひぜひ観に来てください。この日は演奏する楽曲も、アニソンやゲームソングがほとんどというラインナップ!!、翌日に誕生日を控えたわたしの、感情スパークした熱いバースデー・ライブとなるであろう一夜をみんなと一緒に過ごせたら嬉しいなと思っています。この日は、バラード系ナンバーも…色々と唄います。きっと、オープニングからかなりクライマックスな状態のまま最後まで走ってゆくライブになりそうなので、ぜひ熱い夜に熱狂のライブを楽しんでください」
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