インタビュー

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ソロ活動5周年を迎えた元SURFACEの椎名慶治が、3枚目となるオリジナルフルアルバム『MY LIFE IS MY LIFE』を1月6日に発表した。本作をひっさげ、2月11日(木・祝)福岡DRUM SONより全国ツアーをスタートする。3年ぶりのリリースとなった本作とツアーについて話を訊いた。

“俺は俺だ”

――ソロ3枚目となるフルアルバムのタイトルが『MY LIFE IS MY LIFE』。これはどんな意味ですか?
「直訳すれば、“俺の人生は俺の人生だ”みたいな意味ですが、自分は自分だっていう強気な意味ではなくて、“結局、俺は何をやっても俺だったなぁ”というような、諦めというか。18年音楽をやってきて、“本質にあるものは変わらないぞ”というようなつもりで付けました」
――コンセプトが決まったのは曲作りの前ですか?
「そうですね。SURFACE時代から、そろそろアルバムが完成するというタイミングでいつもタイトルを付けていたんですが、今回はスタッフに『なるべく早く付けてもらえると助かるんですけど』、みたいに提案されて。じゃあ、俺はやっぱり俺だというっていうアルバムを作ります、と。初めて先に付けました」
――7曲目にタイトル曲がありますが、これが一番最初に作られた曲ですか?
「そういうわけでもなくて(笑)。すでに前のミニアルバム『I & key EN II』に入っている「人生スパイス-go for broke-」やXtinaに提供した「ささくれ」を除くと、「フラストレーションNo.5」「キミノモンスター☆」「シャクシャク」は前回のツアー用に作っていた曲。そういう意味では、タイトル曲は中盤あたりですね。ファーストアルバム『RABBIT-MAN』のときにタイトルチューンを制作したんですけど、やっぱりタイトルチューンってファンの方の中ですごく強く印象に残るみたいで。最初は作る予定はなかったんですけどね」
――このアルバムを表すのにふさわしい曲だと思いました。
「もうひとりのプロデューサーの山口寛雄と相談して作ったんですが、タイトルチューンだからって狙った曲は嫌だよね、って。それで僕が好きなスムースジャズっぽく、ちょっとセクシーな感じで、“俺は俺だ”というタイトルがついても違和感のない曲を目指しました。アレンジャーの名前が4人あることでわかる通り、かなり揉めました(笑)」
――そうなんですね。難航されたんですか?
「アレンジをどうするっていうときに、まずは新井(弘毅)くんにお願いして。それで足りない部分は磯貝サイモンへ、みたいに。4人がいなかったら作れなかったアレンジだと思います。それに作詞も、小学校1年から付き合いのある野口(圭)と僕のふたり。SURFACEのファーストからサードまで一緒に作詞してもらっていたんですが、前回のアルバムで久々に再会して。今回、僕が迷っちゃったんで手伝ってくれって頼みました。なので、全てにおいて迷った曲っていう(笑)」
――苦労されて作られたんですね。
「そうですね。新曲としては序盤に生まれた曲なのに、最終的に完成したのは一番最後でした。レコーディングでほかの曲をやってるときもずっと直して」

原点はSURFACE

――椎名さん自身の“俺は俺だ”はどのあたりに反映されていますか?
「僕の人生、そのまんまですね。“何を言われても、まだ終われない”というところは、決意表明みたいなところもありますし。自分自身と向かい合ってみて、“俺は俺”って何っていうと、やっぱり原点はSURFACEで。前作にも収録の「人生スパイス-go for broke-」は、UNISON SQUARE GARDENの田淵(智也)くんに作曲をしてもらいましたが、言わなければ僕が作った曲だって思われるくらい、SURFACEをオマージュしたような曲だったんです。だったら、今回はこの曲でもっと遊んじゃおうかなと思って。SURFACEの「それじゃあバイバイ」っぽい曲だったんで、ホーンセクションを入れて、フレーズも意識して。トランペットにはSURFACEに縁のあるクレイジーケンバンドの澤野(博敬)さんにお願いしました」
――原点回帰も今回のテーマのひとつですか?
「そうですね。今作の「フラストレーションNo.5」と「キミノモンスター☆」は、それぞれSURFACE時代の曲名にわざと似ているタイトルにしています。そういう遊び心というか、気づく人だけ気づけばいいや、というのはたくさん詰まっています。「MY LIFE IS MY LIFE」の歌詞の一節には、野口が世で初めてクレジットされた曲である「線」に似通った歌詞も入っています。『俺の原点はここなので、こういう遊びを入れてもいいか?』と相談されたので『かまわんよ』と(笑)。野口の中の“俺は俺”です」
――椎名さんだけの原点回帰でもないんですね。
「そうですね。山口寛雄のベースにしても、彼の原点は僕なので、今回も手抜きなしの“うるさいベース”を弾いてます。これくらいやらないと椎名くんと組んだ意味がない、と。ホントうるせえなと(笑)」

「さぁ」の再注目

――インストアライブで披露したときの反響はどうですか?
「今までは、新曲よりもSURFACEの曲が盛り上がっていましたが、今回は初めて聴いてもらったのに反応がすごく良かったですね。特に、「言いたくて言えなかった」の反応はよかった。でも何よりも、「さぁ」を歌ったときにまったく知らない人が足を止めるっていう。越谷では女子高生にキャーと言われて。これはもう「さぁ」しか歌わないぞと思いました(笑)」
――散々質問されていると思うのですが、コロコロチキチキペッパーズの単独ライブで共演もされたんですよね?
「大阪まで行きました。こういう振り切ったバカなことはお笑いライブでしかできないなと思うので、機会があればまたやりたいですね。今回のツアーの2月14日大阪ライブには、逆に来いよって言ってます。99パーセント、来ると思います」
――それは楽しみです! どんなツアーになりそうですか?
「“俺は俺”だっていうライブにしなきゃいけないんですけど、これも俺だよっていうことで、SURFACEのときのように今回は久しぶりにマニピュレーターを入れた形でやりたいと思ってます。これまでは生演奏でできる曲をライブでピックアップしてやってきたので、今回は生演奏に不向きな曲もいっぱいやろうと思っています。ソロでは初ですので楽しみにしていてください」

取材・文/門宏
撮影/佐々木 康太

INFORMATION

  • Yoshiharu Shiina LIVE 2016「MY LIFE IS MY LIFE」
  • 日程:2月11日(木・祝) ~ 4月2日(土) 全国

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