綱取りはまったく意識しなかった
- ──『三月場所』の優勝で、第71代横綱に昇進しました。現在の心境を聞かせてください。
- 本場所の優勝はひとつの目標であり、目標を達成したのはすごく嬉しいことでした。それと同時に、「横綱としての責任を果たさなければいけない」という気持ちがあります。「これからが大変だ」と思っています。
- ──『一月場所』、『三月場所』と素晴らしい成績を残しました。横綱のなかで、どのような変化があったのでしょうか?
- 何かが変わったというよりも、ずっと心がけてきたこと、コツコツとやってきたことがようやく身になって、本場所の取組に出せるようになってきたのかなと思います。それは身体だけではなく、気持ちの面でも。色々なことの積み重ねが、結果に結びついてきたと思います。
- ──本場所中は綱取りや優勝などについて聞かれても、「目の前の一番に集中する」と繰り返していました。
- 色々と言われていましたが、その日の取組に集中することだけを考えていました。自然体で自分の相撲を取った15日間でしたね。
- ──綱取りも意識しなかった?
- ええ、まったくなかったです。自然体で自分の相撲に集中できたのは、成長したところかもしれません。これはひとつ、すごくいい経験というか……。
- ──大きな山を越えたような?
- そうですね。自然体の相撲を続けていくことが、また大事でしょう。
- ──昨年秋から体重増をはかってきました。ここふた場所の好調の影には、大きくなった身体を使いこなせるようになったこともあげられるのではありませんか?
- 最初のうちは体重が増えたことに重さを感じ、150kgを超えた身体に自分が慣れていないところがありました。でも、体重が増えてもいつもどおりの相撲を取れるようになってきたことが、結果に結びついているかもしれません。
- ──「相撲の巧さに加えて力強さが増してきた」という評価があります。
- 食べて太るのではなく、筋肉で体重を増やしたいと思っていました。それを実現することができ、取り組みも変わってきているところはあると思います。ですが、もっともっとレベルアップしていきたいですね。
- ──体重をさらに増やす?
- 体重は154・155kgぐらいのままで、脂肪を減らして筋肉に変えたい。バランスよく身体を使っていきたいと思います。『三月場所』のような取組を、これから常に続けていかなければいけないでしょう。