インタビュー

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極楽とんぼとして2001年に行って以来、12年ぶりにコントライブ『イルネス共和国』を開催する加藤浩次。開催に至った経緯から、同じくコントに出演するメンバーに対しての印象、そして自身のルーツについて語ってもらった。

きっかけは作家の一言から

――個人的な話になるんですが、元々DVD『極楽とんぼのテレビ不適合者』が大好きなんです。
ありがとうございます、マニアですねー(笑)。
――ただ、そのDVDのリリースも2004年ですし、単独ライブ自体も10年以上ぶりですよね。
そうですね。
――毎日テレビで見ない日はない加藤さんですが、そういったイレギュラーな活動というのは久しく行ってなかったと思うので、まずは今回の単独ライブを開催しようと思ったきっかけをお聴きしたいんですが。
まさにそのDVDを作っている時に作家で入ってもらったのが、石原(石原健次)と工務店(鈴木工務店)で、今回の単独は石原がきっかけなんですよ。
――元インパクトの石原さんですね。
そう、あいつがふらっと楽屋に来て、雑談の中で「加藤さん、ライブとかやんないんですか?」って言われて、「山本が戻ってくるまではできないだろー」って答えたんですが、「いや、山本さんには戻ってきて欲しいですけど、ライブは戻ってくるとか関係なくやったらいいんじゃないですか?」って言われて。
――その話をされたのがいつ頃ですか?
それが今年の初めかな。ひとりで活動を始めてもうすぐ7年ってタイミングで、自分が「この人とやってみたいなー」って人とやるのも面白いかもなって自然に思えて「じゃあ、やる?」って。そこの決断は早かったですね。

六角さんの出演は想定外!?

――なるほど、今回のメンバーは加藤さんが決められたんですか?
はい、僕が名前を出して。
――出演者は最初の希望通りそのまま決まったんですか?例えば誰かはオファーしたけどNGだったとかありましたか?
いや、それが全部最初にオファーした人で決まったんですよ、凄くラッキーでしたね。やるって決まってから僕が名前をバーっと出して、吉本のメンバーと矢作(おぎやはぎ)はすぐにOKが出たんですが、六角(精児)さんだけ「ちょっと考えさせてください」って来て。その後連絡がなかったから「まあダメだろ」って思ってたら「OKです」って連絡が来て。「えーっ!やってくれんの!?」って(笑)。
――あはははは!(笑)
てっきり断られると思っていたので(笑)。元々、テレビのトーク番組でお話させてもらった時に「面白い人だなー」って思ってて。「何かあった時に一緒にやりたいな」っていう想いはずっとあったんですね。それは勝手に思ってた事なんですけど、このライブが決まった時にダメもとでオファーしてみて、OK貰った時は嬉しかったですね。
――いわゆる「コント」というものには出られているイメージがないので、出演を決めるのにも悩まれたんでしょうね。
そうかもしれないですね、でも単純にお忙しいですからね。スケジュールの調整もあると思います。
――決められた理由として、六角さんのフォルムが山本さんに似ている、というのはないですか?(笑)
あはははは!(笑)いや、それはなかったですね、そこは全くないです(笑)。バツ3とかも関係ないです(笑)。
――(笑)あとメンバーを見た時に、例えば矢作さんは極楽とんぼ時代のライブでも出演されていたり、吉村さんは一緒にラジオをやられていたりと、それぞれ繋がりが見えるのですが、マンボウやしろさんだけ、普段から絡みがあるようなイメージがなかったんですね。そこはどういう経緯で決められたんですか?
そうですね、めちゃイケオーディションとかはカリカで来ていたんですけどね。確かに普段から絡みがある訳じゃないですね。例えば、六角さんは『相棒』で忙しいし、秋山も「体モノマネ」で忙しい、矢作も吉村も忙しい・・・その点マンボウはフレキシブルに動けるんですよ。それですかね(笑)。
――あはははは!え!?元々カリカのコントが好きとかそういう事ではないんですか?(笑)
いやいや!好き好き好き!(笑)それはもう、当然カリカのコント大好きでしたよ(笑)。でも動けない人間ばかりだとガチガチになっちゃうのでね。

『イルネス共和国』はユニット名でもある

――なるほど。すでに打ち合わせなどはスタートされているのでしょうか?
いや、まだですね。内容は僕と作家で今詰めているところで、12月ぐらいから皆で集まって稽古していこうと思ってます。
――極楽とんぼ時代の単独ライブは、コント一つ一つが独立していたと思うんですが、今回は『イルネス共和国』ってタイトルがついているということで、コンセプチュアルなコントライブなのかなって思うんですが、大きなテーマみたいなものはもう決められているんですか?
いや、まあ今回も一個一個が独立しているって言ったらそうなんですよ。ただ、見終わった時に「ああ!」って納得感があった方が良いなあって、それぐらいですかね。あと、この『イルネス共和国』っていうのがユニット名に見えるように考えたのもあります。ライブタイトルとユニット名を別々に考えるのめんどくさいな、って思ってたので、ならばこの『イルネス共和国』がひとつのユニットで、それを内容に反映させられたら一番良いな、と。もしかすると2回3回続いていく時にも良いかなと。

加藤浩次が話す自身のルーツ

――ありがとうございます。ではこのライブの核にもなる、「コント」ということについてお聴きしたいんですが、加藤さんの中で一番心に残っているコントってありますか?
脈々と受け継がれているもの、ということですよね、うーん・・・。
――この質問をお聴きしたいなと思ったのは、加藤さんが極楽とんぼとしてコントをやられていた、というのも、僕より下の世代だと知らない方がいると思うんですよね。なので、加藤さんのルーツをまずお聴きしたいなと思いまして。
そうですね、僕がコンビで単独ライブやってたっていうのも、知らない人多いでしょうね。そっか、影響を受けた・・・うーん、それで言うと、「これ!」っていうのはないんですけど、小さい頃からテレビだけは常に見ている男だったんですね。片親だったし、親が働きに出ちゃうと、「もうテレビ見るの止めなさい!」って言う人もいないし。その中でもバラエティは大好きで、『8時だョ!全員集合』はもちろん見てたし。
――その世代で言うと『オレたちひょうきん族』もそうですよね。
そう!その前身番組である『THE MANZAI』も見てたし、その後にとんねるずさん、ダウンタウンさん、ウッチャンナンチャンさんが出てきたのも全部見てるし、影響で言うと、その全てに影響を受けてると思いますね。
――では、最近の若手の方で目をつけている方はいらっしゃいますか?
『キングオブコント』とか見ても、みんな面白いなーって思いますよ。
――例えば、極楽とんぼと同じ匂いを感じる、とかであるとか・・・?
いやー、自分の匂いも分かってないですからね(笑)。若い人はみんなレベル高いなって思いますよ。
――例えば、今テレビに出ている、もしくは出たいと思っている若手の方に対して、何かアドバイスするとしたら・・・。
いやいやいや、ないですないです!僕なんかがないですよ!僕自身もたまたま出れたみたいな所ありますし(笑)。
――いやいやいや、そんな・・・(笑)。
いや、ホントですよ。こういうのに方法論ってないと思うんですよ。それぞれで違うものだと思うので。

全員がイキイキできるコントライブを!

――なるほど。最初にも申し上げたんですが、僕は本当にDVD「テレビ不適合者」が大好きで、あの上下巻を繰り返し見るような男だったんですが。
ありがとうございます、あれ見てくれてるのは凄く嬉しいです。本当は山本がいなくなってなかったら第2弾作ろうって話してたんですよ。女性刑務所を舞台にして。
――うわー、凄く面白そうですね!あのメイキング見ていると、高校が舞台になっている下巻で、先生がちょっとずつおかしくなっていってるのが分かるシーンで、生徒の頭を「元気か!?」って言いながらバシバシ叩いて歩いてる場面で、どんどん生徒の背中を押して、後ろから演出つけてる加藤さんが凄く印象に残ってるんですが・・・。
ありましたねー(笑)。
――今回も加藤さんがライブの演出をつけられるんですか?
そうですね、基本は僕なんですけど、まあ皆さん力のあるメンバーが揃っていて、多分自分でこうしたいっていう考えもあるだろうし、僕はそれをまとめるだけって感じですかね。
――ありがとうございます。では最後にこのページをご覧の方にメッセージをお願いいたします。
僕の事嫌いでも矢作が好きとか、あとはマンボウのこと嫌いでも吉村が好きとか、芸人軍団の事嫌いでも六角さんの事好きとか、少しでも引っかかる所があれば来て欲しいですね。全員がイキイキできるコントライブにしようと思ってますので、ぜひ足を運んでください!

INFORMATION

■イルネス共和国

  • 公演日:2014年2月22日(土)・23日(日)
  • 会場:博品館劇場 (東京都)
  • 出演:加藤浩次(極楽とんぼ) / 六角精児 /矢作兼(おぎやはぎ) / マンボウやしろ /秋山竜次(ロバート)/ 吉村崇(平成ノブシコブシ)
  • 席種:前売指定 6,000円

PROFILE

加藤浩次
北海道出身。お笑い芸人、俳優、情報番組・サッカー番組の司会者など幅広く活躍する。

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