「心」があれば、「技」も「体」も補える
- ──2014年の『一月場所』では、二度目の綱取りとの期待が高まっています。ご自身の心境はいかがでしょうか?
- そういうことも言われますけれど、12月のいまの時点ではいつもどおりですね。いざ本場所が始まったら、どうしたって気持ちが昂ってくると思いますから、いまのところはマイペースで、やるべきことをしっかりやっていこうという気持ちです。
- ──稽古のペースも、変わることはなく?
- ああ、それはもうまったくいつもどおりです。いまさら何か違うことをやっても、しょうがないですからね。
- ──周囲の期待は重圧になりますか?
- う~ん……まあでも、相撲をやっている以上はたくさんの方に応援してもらえるところでやったほうが、自分の力になります。たくさん応援してもらえるのは嬉しいことです。
- ──「初の綱取り」となった『七月場所』は、11勝4敗に終わりました。あの経験をどのように生かしますか?
- 失敗は生かさないといけないですからね。いま振り返ると、いつもの自分ではなかった。何かこう、「これまでの場所とは違うな」と感じていました。そのなかで11番勝てたことも、自信になりました。決して悪い場所ではなかったと思う。体調もそこまで良かったわけではないですし、うまく調整ができなかったところもありましたし。
- ──右足首に痛みを抱えていたと報道されていました。
- そういう怪我があるなかでも、自分なりに色々と考えながら土俵に立ちました。『一月場所』に生かしていきたいことはたくさんあります。
- ──スポーツの世界では「心技体」が大切と言われますが、三つが高いレベルで重なり合わないと目標を達成するのは難しい?
- そのとおりだと思います。「心技体」のなかで「心」が最初にくるわけですが、僕のなかでも一番重要な要素です。比率としては「心技体」のなかで「心」が半分以上占めるじゃないでしょうか。「心」で「技」を補えるところがあるし、「体」を補えるところもあります。
- ──精神の安定感は大切ですね。
- 精神が充実していないと、強い体もできないし、いい技も出せない。精神的に乱れがなければある程度のところまでいけると思うんですが(苦笑)。まだまだ自分も、追求している段階です。難しい。本当にまだまだだと思います。