2014年にたどり着いた『赤鬼』がどうなるのか、お手並み拝見です(野田)
- ――中屋敷さん、野田さんとは初対面ではないですよね。ちょっと緊張しています?
- 中屋敷 はい、すっごくしています。もともと早口ですけど、もっと早口になりそうです(苦笑)。
- ――『赤鬼』をやりたいと聞いたときはどう思われましたか?
- 野田 若い人がやってくれるのはうれしいですよ。芝居はやってもらわないと死んでしまうわけだから。
- ――高校時代に『赤鬼』を見てそんなことを感じていらした?
- 中屋敷 はい、考えていました。
- ――野田さん、『赤鬼』は日本バージョンから始まりタイ、ロンドン、韓国といろんな国で装いを変えて上演されてきました。中屋敷さんが日本人だけでやるということを聞いてどんな感想をお持ちですか?
- 野田 『赤鬼』という作品はコミュニケーションが取れないという設定から作り始めた共同体の問題の話です。アジア人の共同体は内と外だから、外にいる者が鬼になる。非常に構造がシンプルでわかりやすい。これが西洋人、特にヨーロッパ人だと宗教や民族、言葉の問題とか差別の構造が入り組んでいたりするけど。そういう共同体のあり方という点を踏まえたうえで、今回は日本人のなかで日本人に鬼をやらせたいという意図がなんなのか、お手並み拝見っていうんですか?(ニヤリ)