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チケットぴあインタビュー

福田正博×阿部勇樹

福田正博×阿部勇樹

昨シーズン、リーグ戦3位でフィニッシュした浦和レッズ。オフの移籍市場で積極的な補強を行い、リーグ制覇、アジアチャンピオンズリーグ、ナビスコカップ戦のタイトル奪取へ挑む。今回、“ミスターレッズ”こと福田正博氏と、福田氏と親交がある阿部勇樹選手を迎え、阿部選手自身の目標、クラブの目標を語ってもらった。
福田 まず、阿部自身のコンディションから教えてもらっていいですか。去年はレスター・シティ(イングランド・2部チャンピオンシップ)から帰ってきて休みなしだったよね?

阿部 去年というか、これまで僕はチームがスタートするときのタイミングで代表のキャンプなどあって、あまり一緒にスタートを切ったことがなかったんですよ。だから今年はすごく新鮮というか、ゼロから良い準備ができているなと感じています。去年は帰ってきて少し休んで、という感じだったんで。

福田 充実しているみたいだね。顔がシュッとしてるね。

阿部 ホントですか?

福田 年齢もあるのかな、いい表情してるよね。楽しいでしょ、今。

阿部 はい、楽しくやらせてもらっています。

福田 ポジション的にはどうですか? 特殊なやり方だけど、やっぱりボランチがいいのかな。

阿部 まあ、ボランチでもディフェンスラインに落ちたりしますし、センターバックの仕事もしなければならないので。去年一年やらせてもらったので、変わらずそのポジションをやって、精度を求められると思うので、そこを高めながらやっていけたらなとは思っています。

福田 だいぶやっていることは理解して、こなせるようになってきた感じかな?

阿部 そうですね、去年一年間やってきたことは体に残っています。また、今年は去年と同じままじゃダメだと思っていますから、そこをどう良くしていくのか。継続してやっていくことが大事だと思いますし、自分でも色々考えることがあるので、感じ取ったところをいかに今の時期、キャンプで出していって、皆さんに見せることができる形にするのかが重要だと思っています。

福田 チームとして、ペトロヴィッチ監督は2年目のシーズンになったわけだけど、チームとしてはどんな状態ですか?

阿部 そんなに変わらず、良い状態ですね。去年はみんな、対戦してやり方は分かっていましたけど、どんな練習をするんだろうとか、どうやるんだろうとか、慣れていない部分が多かったと思います。今年は去年一年間の積み重ねがあるので、やりやすくなっていますね。

福田 かなり手応えはある?

阿部 そうですね。もちろんもっとやっていかなければならないとは思いますけど、順調にここまではこられていると思います。

福田 新しい選手が移籍してきたけど、仲の良い選手がいるでしょ? 那須選手など。

阿部 那須は同い年ですから仲が良いですね。あと興梠も代表のキャンプで一緒だったりしたので、仲は良いです。

福田 新しい選手たちはもうだいぶ慣れてきた感じかな。戦力的にも補強されて良い感じになってきている?

阿部 そう思いますし、競争がより厳しくなると感じています。

福田 チームが活性化されているということだよね。一番怖いのはマンネリ化していくことだからね。

阿部 やっぱり新しく来た選手は勢いを持っていますし、新しく加入したクラブで何かしてやろうという気持ちを持っていますから。そういった選手がいることによって、今までいる選手は良い刺激を受けると思います。

福田 やってくれそうな感じ?

阿部 やってくれると思いますし、そうなるように僕らもしっかりやっていきたいです。

福田 阿部はアジアチャンピオンズリーグ(以下ACL)に2回出ているんだよね。経験したことがない選手もいるから、阿部が助けていかないとね。

阿部 ピッチの状態とか、過密日程とかありますけど、ピッチに関しては行ってみなければ分からないことも多いですし、それ以前にも移動などサッカー以外の部分でもしっかりケアしなければならないことが多いので、そういうところで困ったことがあれば話はしていきたいですね。ただ、やる前から“これをやった方が良い”と言うのは違うと思いますし、自分たちでやってみて経験して、自分で判断していくことも大事なのかなと思います。

福田 そういうのを楽しめなければならないね。サポーターも様々な土地でサッカーを見ることができるし、チームとしてACLの出場権を勝ち取ったのは大きいことだよ。阿部自身も、新たなチャレンジになるよね。

阿部 そうですね。

福田 ACLにチャレンジできるのはチームにとっても大きいよね。新たな刺激になるから。

阿部 本当にそうだと思います。楽しみたいですね。リーグ、ACL、ナビスコカップと忙しくなるのはもちろんですけど、サッカー選手として忙しい方が幸せだと思っています。そして、去年からやっていることを続けていって、“これが浦和のサッカーだ”という風になっていけばいいなと考えています。

福田 壊すのは一瞬だし、作るのは時間が掛かる作業だけど、新たなものを作り上げていく作業は楽しいからね。楽しむことも重要だけど、結果が出てこないとやりたいことを継続させるのが難しくなることもあるから、去年と違って今年はシビアに結果を求められると思う。

阿部 周囲の方の見る目や期待感は変わってきていると思います。ただ、去年も一戦一戦を戦うだけ、という気持ちでやってきました。今年はACLもあって試合も多いですし、同じように目の前の試合をしっかり戦っていきたいなと思います。自分たちを見失わずに、やってきたことが出せるようなチームにならなければならないと思いますし、それをやっていければ結果もついてくると思っています。過密日程になるとオンとオフの切り替えも大事だと思うんで、しっかりやっていければ心配はいらないと思っています。

福田 外からの期待は強くなると思うけど、去年よりも上の成績は残したいと思ってるでしょ?

阿部 現役をやっているうちは、一つでも上の順位を目指すのは誰もが思うことだと思いますし、それを実現するためにはどうしたら良いのかを考えながら、継続してやっていきたいです。サッカーの内容もそうですし、試合に対する気持ちもそうです。ぶれずに、やっていきたいですね。

福田 その辺りの手応えは感じてる?

阿部 試合をこなすごとに手応えを感じる部分はあるので、それを一年間通していかにやれるか、というところが重要になってくると思います。そしてタイトルを獲って、浦和に関わる大勢の方々と、みんなで喜ぶ形を作れたら最高だなと思っています。

福田 今シーズンは阿部に掛かっているからな!

阿部 今シーズンは左足の精度を上げていきますので、是非それを見に来てください!


取材・文:浦山利史
撮影:鈴木俊介


(プロフィール)
福田正博
ふくだまさひろ。1966年生まれ。神奈川県出身。中央大学を経て、1989年に三菱重工サッカー部(現浦和レッズ)に加入。95年のJリーグで50試合に出場し32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王に輝く。“ミスターレッズ”と呼ばれ、サポーターから愛された。2002年の現役引退後、JFAアンバサダーに就任。2008年~2010年に浦和のコーチを務め、2011年よりサッカー解説者として活動をしている。Jリーグ通算228試合93ゴール 日本代表45試合9得点 2006年・JFA公認S級コーチ取得

阿部勇樹
あべゆうき。1981年生まれ。千葉県出身。ジェフユナイテッド市原ユースからトップチームに昇格を果たす。各年代の日本代表メンバーに名を連ね、2004年のアテネオリンピックにキャプテンとして出場。2007年、浦和レッズに完全移籍。同年、ACLを制覇し、クラブワールドカップ2007に出場。大会3位に輝く立役者の1人となる。2010年にレスター・シティ(イングランド2部チャンピオンシップ)へ移籍。元イングランド代表エリクソン監督の下でプレーしたのち、2012年に浦和レッズに復帰。