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チケットぴあインタビュー

真栄田賢(スリムクラブ)×マイケル リーチ(東芝ブレイブルーパス)

真栄田賢(スリムクラブ)×マイケル リーチ(東芝ブレイブルーパス)

ルールなんて関係ない。ラグビーは一度見たら、ハマリますよ(リーチ)
日本のラグビーはスピーディーでスリリングになりました(真栄田)


2月19日、ジャパンラグビー トップリーグ2011-2012プレーオフトーナメント セミファイナルでパナソニック ワイルドイナイツとファイナル進出をかけて激突する東芝ブレイブルーパス。2011年、東芝に加入し、9月のラグビーワールドカップでジャパンに招集され、全試合スタメン出場を果たしたマイケル リーチ選手とパナソニック山田選手との対談インタビューに引き続き、スリムクラブ真栄田賢がラグビーの魅力、楽しさを語る。
真栄田:よろしくお願いします。
リーチ:よろしくお願いします。今日はとても緊張しています。
真栄田:こっちもです。それにしても迫力ありますね。でも、表情がやわらかくて、やさしそう。
リーチ:いつもテレビ見てますよ。笑わせてもらっています。
真栄田:2月5日のトップリーグ、リーグ戦最終節。マイケルも後半いいところでトライして、東芝ブレイブルーパスはパナソニック ワイルドナイツに完勝。いい感じでプレーオフに臨めそうですね。
リーチ:チームはとってもいいムードです。
真栄田:19日のセミファイナル、再びパナソニックと対戦しますけど。
リーチ:5日、パナソニックはフルメンバーではありませんでした。勝てましたけど、やはり一番強い相手だと思います。
真栄田:リーグ戦1位通過のサントリーサンゴリアスよりも?
リーチ:やりにくいのはパナソニック。ものすごく攻撃的。特に山田(章仁)選手、堀江(翔太)選手、田中(史朗)選手はボールを持つと何をやってくるかわからないですから怖いです。
真栄田:楽しみだな。ところで、マイケルはニュージーランド出身ですが、ニュージーランドと言えばラグビー。昨年のワールドカップでも優勝した強豪国ですが。
リーチ:ほかにどんなイメージがありますか。
真栄田:自然が豊かで。お肉がおいしそう。
リーチ:日本の牛肉の方がおいしいよ。
真栄田:そうかなぁ・・・・・・僕は高校からラグビーを始めたんだけど、ニュージーランドの男の子はもっと前から、当たり前のようにラグビーをしているんでしょ。
リーチ:5歳のとき、ラグビーを始めました。4歳上のお兄ちゃんと。お母さんがとってもラグビー好きで。
真栄田:お兄さんも大きい?
リーチ:背は僕の方がちょっとだけ大きいけど、僕よりガッチリしています。
真栄田:ホント? 日本代表に呼びたいね。ご両親は?
リーチ:お父さんは小さいけど、お母さんは大きい。
真栄田:日本に来るとき淋しがったでしょ、お父さんもお母さんも。
リーチ:お父さんは「行ってこい!」。でも、「お母さんは行くな」って。
真栄田:そりゃそうでしょ。日本に来るきっかけは?
リーチ:もともと多勢の日本人留学生がホームステイしていたので、いつかは日本に行きたいと思っていました。そうしたら、札幌山の手高校が遠征に来て。
真栄田:実家はニュージーランドのどこ街?
リーチ:クライストチャーチ。その高校がニュージーランドから留学生を入れたいという話があって。
真栄田:それでこんなスゴイ選手が取れたらありがたいでしょ。日本に来てどうでしたか?
リーチ:北海道はニュージーランドに似ているのでビックリしました。
真栄田:札幌は寒かったでしょ。
リーチ:夏に来たので大丈夫だったけど。冬、雪が降ったので「練習はないな」と思ったら、雪の上でやらされて。
真栄田:ワッハッハ! ほかに大変だったことは? 
リーチ:上下関係。ニュージーランドにはなかったから。先輩の洗濯をさせられたり。最初は言葉もわからなかったので、まわりの1年生と同じようにしていました。
真栄田:そういう辛さを乗り越えて、がんばったんだ。
リーチ:文化の違いですから。
真栄田:僕たちとはレベルが違うけど、ラグビーの練習って本当にキツイじゃないですか。ランパス(ランニングパス)とかサーキットトレーニングとか。
リーチ:辛いですね。
真栄田:コンタクトして、体中痛いのに走らされて。汗臭いし。でも、それ以上に喜びがあるから乗り越えられる。
リーチ:その通り!
真栄田:タックルで敵をしとめたり。
リーチ:トライできたり。
真栄田:スクラムでも、ラインアウトでも、瞬間瞬間に楽しさがあって。
リーチ:ピンチのときにボールを奪ってトライしたら、一瞬だけヒーロー。
真栄田:そうなんですよね。僕たちは、もう20年前だけど、自分ひとりの力でトライしたんじゃない、そう教え込まれました。ボールを獲ってくれた仲間、そのボールをつないでくれた仲間がいるからトライできたんだ。いい気になって喜んでるなと。ラグビー独特の文化ですよね。
リーチ:そうそう。でも、うれしいときは喜びますけどね。
真栄田:ワールドカップでもトンガ戦でトライされましたけど。
リーチ:うれしかった。一番の目標、大舞台ですから。
真栄田:全試合、先発出場されて。
リーチ:全試合先発出場することを目標にしていたので、達成できてよかったです。
真栄田:日本代表になることを意識したのは?
リーチ:意識ねぇ・・・・・・本当は大学を卒業して、トップリーグを1年経験してから選ばれたかったけど。大学2年生のときに選ばれて。
真栄田:計算違い? うれしい誤算でしょ。マイケルのプレーは、僕なんかが偉そうに言えないけど、一言で言ってやわらかいですよね。タックルされても体がしなって、相手の力が逃げて、スルスルという感じ。軟体動物みたい。
リーチ:軟体動物?
真栄田:個性的。ボールを持ったら会場がわくでしょう。やっぱり華がある。必ずトライまで持っていってくれると期待できますもんね。
リーチ:そう? 真栄田さんはラグビーをやっていていいこと、ありましたか?
真栄田:ちょっと大げさだけど、社会に出てからも役立っていると思います。一人では何もできない。目標を達成するには人と連携しなくてはならないということを学びました。体も強くなって、いろいろなことに自信も持てましたしね。仕事でも、あれだけ辛い練習をしてきたんだから乗り越えられるって。
リーチ:そうですね。特に日本は“根性”。ニュージーランドで根性練習やったら、みんなやめる。楽しいのが一番です。そのなかで、自然とチームメイトと仲良くなって、ひとつにまとまっていく。みんな家族みたいになれます。
真栄田:ラグビーやっていたというだけで、なぜか打ち解けるしね。
リーチ:もちろん。トップリーグはどうですか? トップリーグが始まって、日本のレベルが上がったと言われますが。
真栄田:おもしろくなったと思います。僕がラグビーを見始めた頃は社会人リーグで、ハイパント攻撃ばっかり。ラグビーを初めて見た人に、「何でキックばっかりしているの。単調ね」なんて言われましたけど、今は違いますもん。自慢して連れて行ける。スピーディーだし、スリリングだし。初めての人でも絶対に楽しくなる。プロになって、“見せる”意識も出たんでしょうし、会場の雰囲気づくりもいい。ファンサービスもよくなって、ユニフォームもカッコイイ。エンターティメントですよね。
リーチ:迫力があって、一回見るとハマルと思います。ルールなんてわからなくても。音がいいですよね。スクラムを組むときのゴンという音。選手と選手が当たったときのドスンという音。
真栄田:スタンドにいて、遠くのプレーの音まで聞こえますよね。マイケルはファンの声援は聞こえますか。
リーチ:はい、よく聞こえますよ。本当は手を振って応えたいけど。
真栄田:プレー中、それはできけいないからな。一番力になるのはどんな応援?
リーチ:子どもたちが「リーチ!」って叫んでくれる応援。応えられないからプレーで返そうと思っています。
真栄田:マイケルにはずっとずっとトップでプレーしてもらいたいですね。
リーチ:自分でもできるだけやりたいと思っています。2019年、日本でワールドカップが行われるときまでは確実に。
真栄田:いくつになるの?
リーチ:35歳。
真栄田:それじゃ、まだバリバリだ。スゴイ選手なんで、ケガだけは気をつけて。ご自身でも先ほど言われたように、楽しいのが一番ですから。本人もいつも通りのプレーで、楽しんで。見ている人も楽しめるように。まずは、トップリーグ優勝、日本選手権優勝目指して。
リーチ:シンプルだけど、絶対に優勝、2冠王になります。
真栄田:代表としてもジャパンをグイグイ引っ張ってもらって。そうだ、3月31日と4月1日、「東京セブンズ2012」がありますよね。7人制でもぜひ! 先日対談させていただいた山田選手とのコンビ見たいし。
リーチ:7人制はシンドイけど、代表に呼ばれたらがんばります。
真栄田:応援しに行きますよ。
リーチ:ありがとうございます。真栄田さんと対談したって、友だちに自慢してもいいですか?
真栄田:「いいよ!」
リーチ:やった! じゃ、僕も「いいよ!」

取材・文/宮崎俊哉(CREW) 撮影/保高幸子


マイケル・リーチ
MICHAEL LEITCH 1988年10月7日、ニュージーランド生まれ。190cm/105kg。東芝ブレイブルーパス所属。ポジションはフランカー、ロック。札幌山の手高校、東海大学卒。日本代表キャップ22。2011年ワールドカップ全試合先発出場、トンガ戦でトライを記録。

真栄田賢
まえだけん 1976年3月1日、沖縄県生まれ。183cm/78kg。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。内間政成とお笑いコンビ「スリムクラブ」で活躍。M-1グランプリ2010準優勝。高校時代、ラグビー沖縄県選抜として国体出場。