インタビュー

http://image.pia.jp/images2/static/pia/interview/stage/name-blizzard2014.png

1991年の初演以降、今回で4度目の上演となる『ブリザード・ミュージック』。クリスマス×宮沢賢治×キャラメルボックスという、劇団の信念と愛情がたっぷり詰まった一作は、いまだ多くのファンを魅了してやまない。物語の中心人物・梅原清吉(90歳!)は、初演から一貫して西川浩幸が演じる。その西川と、ヒロインのミハル役に初挑戦する渡邊安理が、今作への期待と本音を真摯に語る―。

20年の差があるけど、私はこうしてきました!

――おふたりの共演は過去に何度かありますが、俳優として「相性の良さ」を感じることはありますか?
西川浩幸: どうなんだろう?
――2度目の『ブリザード~』上演が1994年ですから、その時の西川さんと同い年。
渡邊: そっか~!

『ブリザード・ミュージック』は名刺みたいな作品

――『ブリザード・ミュージック』ですが、おふたりにとってどんな作品と言えるでしょうか?
渡邊: 私、2001年の上演を客席で観ているので、そこに出られること自体、不思議な感じがするんですよ。すごく大好きな作品ですし。
――配役の話を少し。今回で4度目の上演となりますが、西川さんは過去3回演じた「清吉」役での出演です。
西川: 去年の6月頃に成井(豊)さんと面談したんですけど、その時は『ブリザード~』が上演候補の段階だったこともあり、「『太陽の棘~』に出て欲しい」と言われたんです。で、逆に僕から質問したんですよ。「もし『ブリザード・ミュージック』をやるのであれば、僕はそっちに出た方がいいんじゃないですか?」と。それは自分がやりたいというよりも、もっと別の想いがあって、なんですけど。
――その想い、詳しく伺ってもよろしいですか?
西川: まず「おそらく出来ないだろう」という配慮だと思いました。僕、最近はさほど出番が多くない役をやっていて、それは成井さんの気遣いなんですが、その気遣いを受けてさえ、僕の中では苦しいこともあった。けれども、例えどんなに辛い思いをしたとしても、挑んだ方が良い時期があって、それが今なんじゃないかと。これは自分がやらないと一生悔いが残ると思ったんです。それは『容疑者χの献身』の再演(2009年初演、2012年再演)に出るのを止めた時、自分にとって決してマイナスの判断ではなかったのですが、それでもチャレンジしなかったという勇気のなさは残って、「あの時、どう転んでもやるべきだったのでは?」という後悔が消えないんです。で、これは絶対にやるべきだと。
――『容疑者χの献身』といえば、西川さんがご病気(※2011年春に軽度の脳梗塞を患い、半年程度の休養期間を経て復帰)をされた後の再演でした。
西川: でも、正直あの時は出来なかったと思います。今はちょっとだけ自信がついてきて、出来るんじゃないかという気持ちがあるからこそ踏み切れた。今だからこそですね。
――そして、渡邊さんは『ブリザード~』初出演で「ミハル」役になります。
渡邊: 『ブリザード~』というとおじいちゃんとミハルさんが並んでいるイメージが強いんですけど、そこに渡邊安理がいて良いのかと。全然実感が湧かないです。

「こんなに面白かったんだ!」を届けたい

――今年のクリスマスツアーは『ブリザード・ミュージック』と新作『太陽の棘~』(脚本:ほさかよう、演出:成井豊)の同時上演。宮沢賢治という共通項もありますし、せっかくなので2作品共楽しみたいですよね。
西川: 成井さんと(ほさか)ようくんの大きな違いは、ファンタジーという世界観を、成井さんはサニーサイドで描いていて、ようくんはダークサイドで描いている点。でもそれは地球が回っているかの如くで、同じことなんです。『ブリザード~』は明るい光が当たっている作品ですけれども、そうじゃない全く裏側のファンタジーだって存在する。それあってこその明るい面だから、もう片方をようくんに書いてもらいたくなるのは、とても自然なことだと思います。
――宮沢賢治をモチーフにした公演に出演される際、俳優として、または一個人として、考えることはありますか?
渡邊: 私、キャラメルボックスが好きだから宮沢賢治を読み始めた、みたいなところがあったので、最初はとにかく読みづらくて(笑)。でも、いざ自分が作品に出ることになって読み返してみたら「こんなに面白かったんだ!」と思えた。だから、私みたいな人は絶対いると思うんですよ。そういう人達に「楽しいんだよ!面白いんだよ!」という気持ちを届けたいです。

キャラメルボックスの底力をお見せします

――それでは、この記事を読んでいる方へ一言メッセージをお願いします。
渡邊: すごく好きな作品だし、私自身、とても楽しみにしています。それを自分達の中だけではなく、お客様にも楽しんで頂けるよう、今回キャスティングされた劇団員と一緒に、大切に作っていきたいです。
――年末ですし、キャラメルボックスに元気を貰いに行く感じで。
西川: ……僕ね、ほんと正直に言うと、自分がこれをやった時にどうなるのか全く想像がつかないんですよ。適切な言葉が浮かばないんですけど、お客さんが観に来てくれたその日が最後のつもりでやろうと思っていて。あなたの決めた予定日が……、ダメだ、まとまらない(笑)。

INFORMATION

PROFILE


「お気に入り登録」してチケット発売情報を受け取ろう!

お気に入り」登録しておくと、先行発売「プレリザーブ」の実施や追加券の販売などの情報をメールでお届けします。

お気に入り登録をする