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@ぴあインタビュー

M&Oplaysプロデュース「アイドル、かくの如し」 夏川結衣×岩松了

M&Oplaysプロデュース「アイドル、かくの如し」 夏川結衣×岩松了
女優・夏川結衣がいよいよ舞台に進出する。仕掛人である岩松了が彼女の初舞台に用意したのは、宮藤官九郎との夫婦役だ。アイドル、芸能事務所…、そんな華やかかつスキャンダラスなキーワードのもとに展開する最新の岩松ワールドで、夏川が舞台女優としての第一歩をいかに踏み出すのか。期待せずにはいられない!

――夏川さんの初舞台が注目されています。これは岩松さんの熱烈なオファーによって実現したのでしょうか?



岩松「そうですね。もうかれこれ10年くらい前から、そこはかとなく(笑)誘ってはいたんです。」



夏川「はい、そこはかとなく「舞台やらないの?」って(笑)。」



岩松「そんな感じで10年経って、もう舞台はやらないんだろうと思っていたんですよ。でも今回、宮藤(官九郎)くんの相手役のキャスティングをする時に夏川のことを思い出してね。声をかけたら「実は最近、舞台をやってみたいと思っていた」と。」



夏川「舞台の仕事は自分にとってあまりにもハードルが高いし、この歳までやってこなかったから余計に怖いなと思っていたんですよね。でも偶然に、それも視野に入れてみようかな…と思い始めたところだったんです。ただ私、了さんがとっても怖い演出家だという噂を聞いていたので、もし舞台をやる機会があったとしても、了さんの舞台から始めるのはいけない!と思っていたんですよ。」



岩松「(笑)」



夏川「周囲から「やるの!?」なんてビックリされてますよ。これも運命かもしれません。もうついていくしかない(笑)。」



――芸能事務所を舞台にした新作は、喜劇のようでサスペンスタッチだとか。



岩松「アイドルという存在に対して興味があったんですよね。波風が立った状態では、誰もがどこかに流れ込みたいという意識を持つと思うんです。その流れ込もうとするシンボルがアイドルですからね。戦争がなくならないのとほぼ近い意味で、アイドルというものも世の中から絶対になくならない。そこには普遍的な問題があるに違いない、と。かつて宮藤くん(の役)のアイドルだった夏川(の役)が、結婚して芸能事務所を立ち上げて社長になる。なぜ彼女は彼のアイドルをやめたのか…といったようなお話です。週刊誌的に言うと「今、明かされる夫婦の真実!」みたいなもんです(笑)。台本はまだ半分までしか書けてないんですけど。」



夏川「台本を読むといろいろ伏線がみつかるんですよ。私の中で「この人はいったい何者?」と思う人もいて(笑)。連載中の小説を読んでいくような感覚がありますね。」



岩松「宮藤くんも夏川もアクが強くなくて、わりとさらっとした感じの俳優さんでしょ? そんな二人が芸能事務所というアクの強い状況の中に入ることで、リアルな芸能事務所を見るというよりも、リアルの向こう側にあるものを見る……、そんな印象になるかなと思ったんです。」



夏川「この女社長さん、ずいぶん上目線の口調を持った人ですよね。「そうじゃないのよ!」って上からバシッと言うところが強いな!と感じたんですけど。」



岩松「「そうじゃないんですよ」と言うと社会的な関係になるけど、「そうじゃないのよ!」と相手を突き放すことによって孤独になるじゃないですか。そのほうが色気があると思うんだよ。自分を孤独に追い込むことが、この女社長の色気なんじゃないかと。」



夏川「なるほど~。」



岩松「夏川結衣という女優には、本人が思う以上にアチコチにファンがいるような気がするんですよ。で、そういう人たちは夏川のことをちょっとミステリアスに考えている。そんなミステリアスなものを持っているところが、僕はいいなと思っていて。どこか人を遠ざけるような表情を見せてもらえたら面白くなるんじゃないかな。」



――夏川さん、稽古場で見る演出家・岩松了さんは噂どおりでしたか?



夏川「まだ自分の出番が来ないので他の皆さんのシーンを見学しただけなんですけど……、怒ったところはまだ見てない。」



岩松「怒ったりなんかしないよ。」



夏川「でも! 穏やかに笑いながら「いや、そうじゃなくて」って言う時に、すっごく怖いんです!」



岩松「考え過ぎだよっ(笑)。いやあ、夏川が稽古場でどんなものを見せてくれるか、楽しみですねえ。」



夏川「汗かいてきちゃった(笑)。私、自分が芸能界に入った最初の時にすごく違和感を感じたことを覚えていて、この芸能事務所という設定にもどこか違和感を感じてるんです。私自身がそうなので、舞台を見る方にとっても違和感から始まってもいいのかなって。でもそのうちに「こういうこと、あるよね」と思えてくるだろうと。“違和感から始まるリアル”、そんな舞台になるんじゃないかなと思います。」



岩松「とにかく宮藤官九郎と夏川結衣の組み合わせに意外性があると思うんですよ。それぞれを一人ずつ見るのと、二人が組み合わさった印象とではどう違うのか、どんな化学反応が起こるのか。僕ならずとも多くの人が興味を持つだろうと思うので、ぜひ見て確かめていただきたいですね。」




取材・文:上野紀子 撮影:源賀津己

<衣裳協力>
ベスト ¥42000/ Irwin&Jordan / Botan Ave.
ノースリーブトップス  参考商品/wren
デニム          参考商品/YAECA
ネックレス、ブレスレット 参考商品 /Carre Jewellery/以上 ブランドニュース

STYLIST:三塚亜以子

<協力店>
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▼M&Oplaysプロデュース「アイドル、かくの如し」
12月8日(木) ~ 29日(木) 本多劇場(東京都)
1月8日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪府)
1月14日(土) 名鉄ホール(愛知県)
1月11日(水) キャナルシティ劇場(福岡県)