「すごい。ナンだ、この作品!」
- ――昨年上演された『ロボ・ロボ』を客席でご覧になっていたのだとか。
- 観たんですよ。まさか出るとは思わずに!
- ――作品や役を十分知っているだけに、「これはタイヘンなものが来たぞ……」という気持ちに?
- 前回の『ロボ・ロボ』は、前情報なしで観に行ったんです。そしたらみんなロボットをやっていて、「え、まさか人間(の役)は一切出ずに、全員こんなロボットな感じでやるのか?」と。でもそれが自然に観られて、あの世界観に速攻入っていけちゃって。だから「すごい。ナンだ、この作品!」って感覚の方が大きかったですね。じゃあ演じる役者はどうだったんだろうなっていうのは後追いで考えて、「……いや、絶対タイヘンだわ!」と思いました(笑)。
- ――最初から最後までロボットを演じきるというのは、俳優としてなかなかない経験ですよね。
- 人間が一人でも出るなら、まただいぶ違うと思うんですけどね。それに台本を読むと、より人間に近いロボットでも成立するんですけど、よりロボットに近かった。そこ挑戦するってすごいなと思いました。やる方はたぶん、相当なストレスがあると思います。感情をブワッと出せるわけではなく、感情を乗せた動きができるわけでもない。でも本当ならこの感情でこの動きをしたいけどできない、という中でやるセリフの吐き方であったり動き方というのが、やっぱりこの作品の魅力なのかなと思いますね。抑えるから出る、というか。僕もどちらかというと発散型なので感情が流れ出る方がやりやすかったりするんですけど、今回はどう繊細に丁寧に提示しようかというところです。