5月11日、ぴあカードとシネマズ by SHOCHIKUの企画による「映画は観るだけじゃない!『はじまりのみち』と出会うティーチイン試写会&懇親会」がぴあプレミアム会員限定30組60名様をご招待して開催された。松竹本社試写室での試写の後、引き続き試写室で行われたトークショーには八雲ふみねの司会進行で、原恵一監督、プロデューサー石塚慶生さん、新垣弘隆さんが映画製作の裏話などを披露した。その後場所をtsukiji kitchenに移して行われた懇親会では原恵一監督や、石塚、新垣両プロデューサーが参加者との交流をはかり、それぞれの質問に監督らも丁寧に答え、会場は大いに盛り上がった。
映画『はじまりのみち』。日本を代表する名匠・木下恵介監督の生誕100周年を記念し制作された作品、木下恵介監督の実話を元にした母と子の愛の物語。日本を代表するアニメーション監督の原恵一監督が初めて挑戦した実写映画だ。戦時下に作られた映画『陸軍』が戦意高揚の国策の役割を果たしていないと政府当局から睨まれ、次回作の製作を中止させられてしまう。監督業に嫌気がさした木下は松竹に辞表を書き、脳溢血で倒れた母の元へと向かう。戦火が悪化するなか療養先の浜松の気賀から山間の気田に疎開を決め、母と身の回り品を乗せた2台のリヤカーを兄と便利屋の3人で引いていく。苦労の果てに着いた疎開先で、体が不自由な母が木下に向けて書いた手紙には「また、木下恵介の映画が観たい」と書かれていた……。木下恵介役に加瀬亮、恵介の兄敏三にユースケ・サンタマリア、便利屋役に濱田岳、母たまを田中裕子が好演している。
試写会後のトークショーでは、原監督がこの作品への関わりの最初は脚本依頼だけであったことを明かし「書いているうちによくも悪くも自分で最後まで関わりたいと思った」と。プロデューサーの石塚さんは「原監督から脚本だけでなく監督もやりたい……。とオファーを受けました」新垣さんも「監督に『(演出が)見えました』と電話で言われました」。ここからお二人のプロデューサーが初の実写に挑戦する監督のために社内の調整やスタッフの手配に奔走し、クランクインにこぎ着けた苦労話を語ってくれた。試写会に参加した方からの質問で「今なぜ木下作品なのですか?」に対して監督からは「逆になぜ今までこの機会がなかったのかと……。“おそいじゃん”と思いました(笑)」木下作品を愛する監督ならではのコメント。また監督にとって「はじまりのみち」とは? との問いには「それまで強い意思で“みち”を選んで来た訳ではなかったのですが、僕にとってのはじまりは2001年の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』で今までと違う作品を作れたと思えたときです」今でもその時の思いを大切に作品に向き合っているとも語ってくれた。
その後場所をtsukiji kitchenに移して行われた懇親会では、用意されたビュッフェ料理を楽しみながら、参加者と監督、プロデューサー、スタッフが立食スペースや各テーブルでさらに木下作品や製作秘話を語り合う充実した時間を過ごした。監督の周りには順番を待つ列もできていた。プレゼント抽選会では、木下作品のDVDボックス1名、ノベライズ文庫本1名、監督サイン入りのプレスリリースが4名、さらにぴあのMOOK本セットが6名の方に当たり会場は大いに盛りあがった。最後に全員での記念撮影でイベントは終了した。
取材・文・撮影:イシイノブミ
■シネマズ by SHOCHIKU 公式サイト ⇒ cinema.ne.jp/
出演:加瀬 亮 田中裕子 濱田 岳 ユースケ・サンタマリア
斉木しげる 光石 研 濱田マリ・山下リオ 藤村聖子 松岡茉優 相楽 樹・大杉 蓮 ナレーション:宮崎あおい
監督・脚本:原 恵一
配給:松竹
映画『はじまりのみち』公式サイト ⇒ http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/
製作者の話が聞けて作品を観ただけではわからない意図までわかり作品に対する理解が深まって良かった。ブログに記事をアップして少しでも興味をもってくれる人を増やしたい。
一番印象に残ったシーンのアンケートで、「木下監督が母の顔をふき髪を整えるシーン」と書いてしまった。が、あとになって考えてみると違った。
「陸軍」のシーンを間にはさみ便利屋が「こんな映画をまたみたい」と言うシーンではじんわりと涙がしみ出てきました。
良い映画をありがとうございました。
(P.N.mattsuankoさん)
先日は、ティーチイン試写会&懇親会に参加させて頂きありがとうございました。「はじまりのみち」久しぶりに、静かに時間が流れる、日本映画もいいなぁ・・・と感じたひと時でした。邦画をスクリーンで見たのは、ホントに十年ぶりぐらいで、ほとんど行く機会がありませんでした。今回は、監督やプロデューサーの方との懇親会・食事会という企画に興味を引き応募しましたが、確か8回目とおっしゃってましたでしょうか?今まで全然知らなかったです。試写会後、監督やプロデューサーの方の制作話が聞け、懇親会では、直接お話もでき、とても有意義な時間を過ごし、楽しかったです。ワンドリンク付きのお食事も美味しかったです。
これからもこのような企画があれば、ぜひ参加したいです。洋画やドラマからのスピンオフは、話題になれば誰もが黙っていても足を運ぶ。
でも今回のように素晴らしい邦画も映画館に行かなければ、出会うことなく終わってしまう。邦画と親しむ機会を、これからもたくさん作って下さればと思っています。
試写会後・質問のアンケートを書いたものの、1問1答で回答をいただけませんでしたが、懇親会で監督に直接聞けましたので良かったです。
映画ですが、親ができた人物だと、自然と心から親孝行の気持ちがわいてくる。というシーン。今の若い人にはかけている感情かもしれませんネ。ぜひ若い人にも見て欲しい……。
手紙のシーンで、母がお前の気持ちはわかっているよ。(お前の映画が見たい)とたどたどしい会話の中での二人のシーンはぐっときました。
母がいつも応援してくれてたシーンを回想は、もう少し場面としてみたかったかなぁ……。
木下恵介監督の歴代の映画シーンもプレミアものでした。アカデミー賞の候補にあがり、外国での上映も出来ます様、応援しています。
貴重な時間でした。本当にありがとうございました!
(P.N.あけみこさん)
先日は、ご招待ありがとうございました。
予告編を映画館で見て、作品を見てみたいと思っていました。
映画を見る時に、スケールの大きいものに目が行きがちで、地味な作品に光が当たらないような気がします。
監督が、クレヨンしんちゃんの原恵一さんと気がつかないで、会場について初めて知りました。
山田太一さんが原監督に脚本を推薦されて、実際に映画を自分で取りたくなったと、言う事になりプロデューサーの方のご苦労もあり作品に仕上がったのですね。
母の日を前に、お母様との心の触れ合いに涙しました。
映画を戦意高揚に使われたく無かったでしょうに『陸軍』と出征する息子を見送るお母さんの心情を描いた映画を見たくなりました。
映画の話を便利屋さんが、木下恵介監督と知らずに、熱く語るシーンが一番すきでした。
木下恵介監督が撮った映画の紹介シーンもあり、いろんな年代の方に実際に見て欲しい映画です。
ありがとうございました。
(PN.あこちゃんぱんさん)