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TOKYO FM「クロノス」 meets ぴあトークバトル・スポーツ快楽主義
~だからサッカーはおもしろい!~
【 開催日/会場 】 6月17日(木)TOKYO FMホール
毎週月曜日から金曜日の朝6:00~8:30(一部地域を除く)にTOKYO FMで放送されている「クロノス」が
ぴあトークバトルとコラボレーション!
ホストはもちろん、番組でパーソナリティを務める中西哲生氏。
ゲストには元サッカー日本代表岩本輝雄氏、ゴスペラーズ安岡優氏を招き、
サッカー日本代表の南アフリカワールドカップの展望やヨーロッパサッカーを2時間語っていただいた。

<ホスト>
中西哲生(スポーツジャーナリスト)
1969年、愛知県生まれ。同志社大から1992年に名古屋グランパスエイト入り。1997年に川崎フロンターレへ移籍してからはキャプテンを務め、1999年のJ2優勝・J1昇格に貢献した。Jリーグ通算95試合7得点。現在はスポーツジャーナリストとして「ズームイン!!SUPER」(日本テレビ系)、「サンデーモーニング」(TBS系)「GET SPORTS」(テレビ朝日系)などに出演中。

<ゲスト>
岩本輝雄(元サッカー日本代表)
1972年、神奈川県生まれ。横浜商大高を経てフジタ工業入団。チームがベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)となり、1994年Jリーグ昇格を果たす。同年日本代表にも選出され、その後川崎フロンターレ、ベガルタ仙台、名古屋グランパスエイトなどJ1とJ2合わせて5チームを渡り歩く。2006年10月、オークランド・シティFCに入団。FIFAクラブワールドカップ オセアニア地区代表として2試合に出場。現在はベガルタ仙台でアンバサダーを務める。

安岡 優(ゴスペラーズ/歌手)
1974年、福岡県生まれ。ヴォーカル・グループ「ゴスペラーズ」のメンバー。1991年、早稲田大学のアカペラ・サークル<Street Corner Symphony>で結成。1994年、キューンレコードよりシングル「Promise」でメジャーデビュー。以降、「永遠(とわ)に」、「ひとり」、「星屑の街」、「ミモザ」など多数の代表曲を送り出す。また、他アーティストへの楽曲提供、プロデュースをはじめ、ソロ活動など多才な活動を展開。日本のヴォーカル・グループのパイオニアとして、アジア各国でも作品がリリースされている。


後編

安岡:僕らは、ライブが終わったらすぐみんな飲みますよ。最高ですよね。
司会:残り8問あるんですけど、もう30分しか時間がないんで、ちょっとがんばって。
中西:みんな、話したいことがいっぱいあるんですよ。
司会:そうですね。では続いて、第4問「サッカー以外のスポーツには興味がない」。これはちょっと、衝撃的な答えが。
安岡:岩本さん、これYESでしたよね。
中西:そんなにサッカー好き?
安岡:サッカーのみですか?
岩本:サッカーのみですね。ゴルフとか好きですか?
中西:好きですね。
岩本:そうですか。僕は、サッカー以外はダメですね。
安岡:もうサッカーをして、サッカーを観てるだけでいいって感じですか? オリンピックの競技とかも別に?
岩本:そうですね。たまにボディボードやります。あれはスポーツですかね?
安岡:スポーツだと思います。
岩本:たまにやります。初めてブラジルに行ったときに、はまって。あとはまったく、興味がないですね。
安岡:例えば、同じ日本代表なら、野球だったらWBCとか日本代表じゃないですか。そういうものに熱くなったりとかも、あまりない?
岩本:まったくないですね。サッカーですね。
会場:笑い
岩本:ちょっと、そろそろ他の趣味というか、スポーツをやった方がいいんじゃないって、よく言われるんですけど、ダメですね。
安岡:サッカーが一番なんですね。
司会:安岡さん、おオススメのスポーツを何か。
安岡:スポーツ全体が好きなんですけど、例えば、バルセロナって、バスケットボールチームもフットサルチームも持っているじゃないですか。
岩本:うん。
安岡:ソシオに入っていらっしゃるんですよね?
岩本:入ってますよ。
安岡:サポーターズクラブみたいなやつで、僕も入ってるんですけど。
岩本:因みに何番?
安岡:凄い最近です。今年のチャンピオンリーグを観るためだけに入ったんで。
岩本:たぶん、56万人くらい。僕らは近そうですね。
安岡:近そうですね。で、あのソシオだと、他のスポーツが安く観れたり、タダで観れたりするんですよ。バルサのユニフォームを着ているだけで、僕はバスケ全然詳しくないんですけど、もの凄く応援しちゃいますよ。
会場:笑い
安岡:バルサのユニフォームを着ている選手がバスケットボールをしてるだけで、たぶんテルさんはメッチャ応援すると思いますよ。すぐ隣じゃないですか、体育館とスタジアムが隣同士で。ひとつの地域全体のスポーツ振興みたいな感じでやっているチームなんで、フットサルもバスケットもすっごい、熱くなっちゃうんですよ。
岩本:気をつけて観てみます。
中西:声、ちっちゃ! 全然、興味ないですね。
岩本:ネットで、バルセロナのチケットが取れるんですよ。
安岡:優先的にね。優先券って、ちょっと一般発売より先に売り出してくれるんです。
岩本:そうなんですけど、そのいろんなバスケット、サッカーとかいろいろなスポーツの項目があるんですけど、サッカー以外はクリックしたことないです。
会場:笑い
安岡:ぜひ、今度観てみてください。
中西:バルセロナ行ったら、やりたいこといっぱいあるもんね。
安岡:そうですね。
中西:あれ、そうでもない?
会場:笑い
中西:僕、海外で一番どこに住みたいかっていったら、バルセロナだよ。
安岡:僕もそうですね、いろいろ行きましたけど。
中西:そうですよね。絶対そうですよね。1回、行ってみてください。ご飯、メチャメチャおいしいよね。
安岡:日本人の口に絶対合いますよ。魚介なんで、そんなに味もわりとしないですよね。ただ焼いて食べるみたいな。日本とほとんど変わらないですしね。
岩本:今年の9月に、リーガ・エスパニョーラが始まるんですけど、ゴスペラーズとバルセロナでサッカー観戦ツアーを。
会場:拍手
安岡:その頃には、もうライブが始まってるんだよな。
中西:そしたら、『クロノス』は行けないから、『クロノス』で一緒に向こうから中継しようか。
安岡:ぜひ、3人で行けるように企画しましょうか。
中西:僕、バルセロナでうまいレストラン、死ぬほど知ってるんで、任せて。
司会:ちょっと、なんの話になってるんですか?
会場:笑い
司会:次にいきましょうか。「この試合のことは何時間でも話せる」といった、忘れられないサッカーの試合がある」ですが、おひとりだけお答えが違ったのですが。テルさんはない?
岩本:ないですね。いい自分のプレイだけは覚えてるけど、終わったらもう興味ないですからね。
会場:笑い
中西:三浦知良(横浜FC)じゃないけど、自分のことにしか興味がない。自分大好きだから。
岩本:自分大好きだから。だから、ないですね。
安岡:でもさっき、バルセロナでメッシ(リオネル)が4ゴールを決めた話とかになっちゃって、「もう本番です」って言われたけど、二人とも動けなくなっちゃうくらい話せるわけですよ。だからもちろん、たぶん凄い話はあるんだけど、それ以上に自分の明日の練習の方が大事なんですよね。
会場:笑い
安岡:僕、観てるときもワーワーしゃべりながら観るのが好きなんですよ。だから、よくうちのリーダーと、「こーだ、あーだ」って言いながら。で、うちのリーダーはモウリーニョ(ジョゼ、レアル・マドリード監督)が大好きで。
中西:僕も好きです。
安岡:バルセロナがインテルに負けてしまった、あの試合をリーダーと二人で沖縄のサッカーバーで観てまして。次の日ライブだっていうのに、朝まで観てました。
中西:でも、観なきゃいけない試合ですよね。
安岡:そうですよね。
中西:絶対に見逃しちゃいけない試合って、年に何回かあるんだよね。
安岡:そうなんですよね。ちょっと昼寝してでも行かなきゃいけないみたいな。
岩本:中西さんは?
中西:僕はあるんですけど、もういいです。僕の話に興味なさそうだし。
会場:笑い
司会:では、次の質問が皆さん、一番気になるのではないでしょうか。「サッカーの試合を観るために仕事のスケジュールを調整したことがある」。
会場:笑い
司会:安岡さん、これはどういうことですか?
安岡:歌うのをやめたということではないんですが、居所を変えたことがありまして。2002年のワールドカップの最中が、我々の全国ツアーだったんですよ。
中西:あれ、試合会場で会ったよね。
安岡:会いましたよね。
中西:なんで?
安岡:宮崎で僕らはライブをやって、その後、名古屋へ飛行機で飛んで、静岡のエコパまで行ってですね。ブラジルとイングランド戦(2002年6月21日、ブラジル2-1イングランド)で、実はリーダーと二人で観に行ってて、前半が終わって帰ったんです。
中西:へー。
安岡:なんでかっていうと、次の日に沖縄でライブだったんで、前半だけ観て、エコパから今度は名古屋の空港まで行って、沖縄に飛んで次の日ライブをやったんです。そのときに、リーダーと二人で自分たちが歌で参加することもできたワールドカップだったし、何があっても観ようって言って。例えばね、業界の人に頼んでチケットを取ってくださいとか、そういうのではなく、自分たちの力で観ようと言って、二人でシルバーチケットセットみたいな、6試合観戦できるチケットを買ったんです。買って、隣同士の席なんで、それで全国ツアーの裏全国ツアーを二人でやったんです。
会場:笑い
安岡:そのときびっくりしたんですけど、エコパのスタジアムの外をリーダーと二人で歩いていたら、ドーンって走ってきて、後ろから僕におんぶしてきて、誰だと思ったら哲生さんで。
会場:笑い
中西:おもしろいかなって思って。気づいてないからおもしろそうだと思って。そしたら、その後、松岡修造さんが「中西クーン!」って。
会場:笑い
中西:目立つよ、あれは。この間テレ朝で、韓国に2-0で負けた(2010年5月24日埼玉スタジアム、韓国2-0日本)日、もうどうするんだっていう雰囲気になって。エレベーターの中でどうしようかなって思ってパッて見たら、松岡さんが入ってきて、「中西さん、大丈夫ですか?」って。
会場:笑い
中西:そしたら、たまたまそこにいた「GET SPORTS」(テレビ朝日系)のディレクターが、「ヤバイ、日本で最も熱い男二人がそろった」って。
会場:笑い
中西:オレはそんなに熱くないよ。
安岡:サッカーを観るために、無理やりライブ会場から家に帰ったこともあります。家じゃないと、衛星放送が観れなかった。そのときは、埼玉にライブのために泊まったんですね。で、埼玉からタクシーに乗って、ちょうど小野伸二選手が、フェイエノールト(オランダ・エールディヴィジ)に入った最初のシーズン、ユーロリーグで。インテル戦のセカンドデビューだったんで、これは観ないといけないなと思って、タクシーで帰って観て。またタクシーで浦和まで戻って、次の日ライブやりました。
中西:何やってるの?
安岡:そんなこともしましたね。
中西:最高ですね。本当はこんなこと言っちゃいけないと思うんだけど、バカだね。
会場:笑い
安岡:でも、その頃はサッカーパブみたいなのが全国にたくさんあったわけでもないし。観るなら帰るしかないみたいなこともよくあって。
中西:そこまでするのは凄いよ。
安岡:お二人もあるって言ってたんですけど、なんですか?
中西:そんなたいしたことないよ。
岩本:今の話を聞いて、しなくていいなって思った。
会場:笑い
岩本:次に行きましょう。
司会:次は「ワールドカップをライブ観戦したことがある」。
中西:今、答えましたね。
司会:では、飛ばしましょうか。次は、「サッカー日本代表。次のオランダ戦。自分が監督なら先発メンバーを変更する」。
中西:やっとここまで来ましたね。テルは変えない。
岩本:僕はしないですね。ちょっとよくわからないですね。これがスペイン代表、アルゼンチン代表なら答えられますけど。
会場:笑い
岩本:まぁ、アルゼンチンだったら、今の右サイドバックですけど、本当はサネッティ(ハビエル、イタリア・レガカルチョ・インテルナツィオナーレ・ミラノ)っていう選手が…
中西:絶対、サネッティだよね。
岩本:日本代表の…これは言っちゃいけない。
会場:笑い
岩本:日本代表を応援するんですもんね。
会場:笑い
安岡:そうですよ。応援してもらえないと。
岩本:だから…あの僕の正直な感想ですけど、23人選ばれたじゃないですか、誰が出ても変わらない。逆にコイツが来たから凄いとか、コイツが来たから急激に変わるとか。例えば、アルゼンチンだったら、メッシがいないとチームが変わっちゃう。スペインだったら、シャビ(シャビエル・エルナンデス・クレウス、スペイン・リーガ・エスパニョーラ・FCバルセロナ)とイニエスタ(アンドレ、スペイン・リーガエスパニョーラ・FCバルセロナ)がいないとチームが変わっちゃうっていうような、スーパーな選手がいない。だから、変わらないから、誰でもいいんじゃないかな。
会場:笑い
岩本:興味がないです。
会場:笑い
中西:本田(圭祐、CSKAモスクワ、ロシアリーグ)はどうなの? テル、本田のこと好きだよね?
岩本:なんか、韓国でアイツと同じ部屋だったんですよ、1週間くらい。一言もしゃべらなかったです。
安岡:無口じゃないですよね、本田。
岩本:昔は、静かでしたよ。アイツと中田(英寿、元日本代表)は雰囲気が似てる。
安岡:まぁそうですかね。
岩本:中田もそう、3年間一緒にやってたけど、なんかアイツも誰ともしゃべらなかったですね。でも、服のたたみ方は凄いキレイでした。
会場:笑い
岩本:凄いキレイでした、アイツ。中西さんもキレイですよね。
中西:まぁ。
岩本:でもアイツは、人としゃべっている姿は見たことなかったな。
中西:そっか、でも有言実行系ではあるよね。
岩本:中田は有言はしないけどね。アイツは無口でしゃべらないから。しゃべると、マスコミにたたかれるから、しゃべらない。
中西:でも、最近は変わりましたよね。
岩本:非常に変わりましたよね。で、本田は今回、点を決めて。点を決めなかったらヤバかったかもしれないですけど。
安岡:本田選手だけの話じゃなくてですね。
岩本:でも、今の選手ってどうですか。みんなマスコミにたたかれても、僕らのときみたいじゃなく、練習試合だからいいやとか、勝手に騒がせとけばいいやっていうのがあるでしょ?
中西:それはあるね。
岩本:練習試合と本番は違うからっていう。
中西:要するに、逆にそれをパワーにするみたいなね。
岩本:結構、11人の選手ってクールじゃなかった? 勝った瞬間。冷静だなって。
中西:結構、落ち着いてましたよね。
司会:中西さんは?
中西:一番いいのは監督を変えることですかね。
会場:笑い
岩本:岡ちゃん(岡田武史、日本代表監督)の変わりは誰?
中西:原辰徳(読売ジャイアンツ監督)。
会場:笑い
岩本:オレ、結構好きなんだ。
安岡:「愛で勝つ」みたいなね。
中西:絶対に原辰徳。もう確実にグータッチ。この前、会ったときに「おう! 中西君。サッカー大丈夫か?」って。
司会:みんな聞くんですね。心配なんですね
中西:熱い人はみんな心配。
会場:笑い
司会:因みに、安岡さんは監督とかは誰を?
安岡:おかしい。僕はそんな監督云々って、言ってませんから。
中西:てか、冗談だよ! 本気のわけがない。
会場:笑い
中西:ネットに書くのやめてくださいね。
会場:笑い
岩本:本当に変えた方がいいと思ってるでしょ、今すぐ。
会場:笑い
中西:冗談だってば。日本サッカー協会の理事だっつうの。
岩本:いやいやいや、冗談じゃないですよ。
会場:笑い
中西:冗談だっつうの。変わるわけないじゃないですか。
岩本:じゃ、メンバーは誰がいいですか?
中西:メンバーは変えた方がいいですよ。
岩本:例えば?
中西:まず、オランダに関して言うと、基本的にオランダに勝つのは難しいです、本当にね。非常に難しいんで、最終戦のデンマークでたぶん、その決勝トーナメントに行けるか決まるじゃないですか。だから、初戦のメンバーを重視しているのであれば、少し休ませた方がいいと思うし、体力的に疲れている選手もいると思うんで、僕は入れ替えた方がいいと思いますね、何人か。
安岡:温存みたいな意味で?
中西:温存というかね・・・温存しちゃって、例えば今度の土曜日の試合(2010年6月19日ダーバン スタジアム、オランダ1-0日本)が3-0で負けたら、もう決勝トーナメントに行くのは厳しいと思うんですね。負けるにしても、1-0くらいで負けとかないと、失点3だと厳しい。まぁ、あんまり変えすぎるのもよくないと思うんですけど。
安岡:はい。
中西:でも、去年の9月にオランダとやってるんですよ(2009年9月5日エンスヘーデ、オランダ3-0日本)。3-0で負けたんですけど、そのときに出ていたメンバーを出してもいいと思います。というのは、やっぱりこうテルが言ったじゃないですか、グランドでパスのスキルを観る。オランダの選手とやって、パススピードを観てるから、ある程度は残像が残っているはずなんですよ。対応ができると。いきなり出て、「うわ、はえー!」って思うよりは、去年やった選手とかが出る方が僕はいいと思うし。あとは、若い選手を出した方がいいですよね。というのは、ワールドカップはこれで終わるわけじゃないし、日本代表はこの後もずっと続いて、ワールドカップも続いていくんだから。あとの時代に残していくっていう意味では、これからの選手、例えば森本(貴幸、カターニア、セリエA)を出すとか。次がある選手で。今回は低い場所でやるんでね、高地じゃなくて低いところでやるんで、選手たちにも対応できると思うし、僕はそういうところは少し変えた方がいいのかなと。
安岡:なるほど。
中西:あとは本田選手が1トップでやるのは、僕はよくないと思う。結果が出たから、岡田さんを支持する人はいっぱいいると思うんですけど。でも、やっぱり本田は前向きでプレーしてないと怖いんで。前に森本を置いてその後ろに本田を置くのがベストだと思ってるし、それを僕はやって欲しいというのが本心。冗談じゃない。
司会:そのへんは安岡さん、どうですか?
安岡:そうですね、僕は素人の目から言うとね、やっぱりもうあんまり、なんていうのかな、次も完璧なベストメンバーでも、たぶんラクじゃないじゃないですか。
中西:うん。
安岡:そういう意味では、次もベストメンバーでいって欲しいんですよ。だから、本当にそういう意味で、負けないベストメンバーで考えると、後ろから計算すると、たぶんトップはこの前のメンバーになるんじゃないかなって思うんですけど。それだけで。遠藤選手(保二、ガンバ大阪)のところが、稲本選手(潤一、川崎フロンターレ)になるかならないかの。でも、たぶんそうなると、日本代表って13人目が必要なんですよ。
会場:笑い
中西:守りきれない。
安岡:というか、その上で勝とうとするから。そう、後ろから計算すると、たぶんこの前、11人かけて守って。0トップっていう言い方をするのか3トップっていうのか、難しいところなんですけど、
中西:0トップですよね。
安岡:そうそう。だから、そういう意味では、負けないことを考えるんだったら、前回みたいなやり方をするしかないと思って。でも、とはいえやっぱり勝ちにいって欲しいなっていのがあって、単純にこの前の布陣は、観ててあまりおもしろくないっていうのがありますよね。でも、これは本当に個人個人、みんな意見が違っていいと思うんですけど、勝てばなんでもいいと思うのも正解だし。
中西:そうですね。
安岡:おもしろくないとイヤだっていうのも正解だと思って。僕はおもしろくないとイヤだから、今の23人で考えるとすると、変な話、岩政選手(大樹、鹿島アントラーズ)がセンターバックで、闘莉王選手(田中マルクス、名古屋グランパス)が1トップでもいいと思うんですよ。
会場:笑い
安岡:本当に、なんかそういうくらいのことじゃないと、11人では足りないからそうしてるっていう考え方なんだけど。なんかそれくらいのものを観せて、試合をやって、結果はもう結果だなって思うんですよね。だから、そういう意味では、前回と同じやり方をして欲しくないっていうのがあって。結局正解はわかんないけど、前回と同じで試合が始まっちゃったら、イヤだなって思いますね。
中西:でも、凄くサッカーがよくわかってるね。
岩本:はい。
会場:笑い
岩本:バルセロナで観てるからね。
安岡:いいサッカーって凄い難しい言葉だから、あんまり言うべきではないと思うんだけど、自分が観たいサッカーっていうのがあるわけじゃないですか。だから、そういうふうにやってくれて、勝ったり負けたりするなら、負けても観る価値はあるよね。
中西:そう。観る側としても、負けてもしょうがないって思える。
岩本:昨日のスペインは負けちゃったけど、おもしろかったよね。その前の試合を観ても、アルゼンチンは全くおもしくなかったです、僕は。昨日の試合は、スペインが大好きだから観てて、点は入らなかったですけど、でも凄いパスをつないで、サッカーってこれだなって。またやりたくなってくるなって。
会場:笑い
中西:まさにこういうパスを出して欲しいところにパスが出るし、「ここに出すの?」っていうところにも出るし。
岩本:だから、サッカーって難しいですけど。アフリカのチームはフィジカルが強いし、体もでかいけど、バルセロナの選手はそんなにでかくない、スペインか。だけど、サッカーってこうやるんだって、改めてこういうふうにやるんだって勉強させられる。
中西:イニエスタとかシャビとかは、そんなに安岡クンとは変わらないですよね。
岩本:170センチくらい。
安岡:あ、背の高さはそんなに変わらないんですね。
中西:もっとキャシャだよ。
会場:笑い
中西:別に太ってるっていう意味じゃ…
会場:笑い
安岡:でも、本当に日本人の体型を考えたときに、やっぱり凄い背の高さとか、そういう意味では、見本にするところはあると思うんですけど。とはいえね、日本代表にすぐにスペインのサッカーをしろっていうのとは全然違くて。それはあの11人をスペインのサッカーに入れろみたいな話になっちゃう。それは違うと思うんですけど。
会場:笑い
安岡:とはいえ、その自分がみたいサッカーっていうのがあるじゃないですか、それを
観たいなって思いますね。
中西:とにかくね、このオランダ戦は、負けるっていうことを考えた上で、最小失点っていうことを考えないと、2点3点取られると…
安岡:そうですよね、1-0だったら凄くいいですもんね。デンマークは2点取られたからね。
中西:でも、デンマークが凄かったのは、3点目を取らせなかったんですよ。3点目のとき、もの凄いクリアをいっぱいしたじゃないですか。あれは凄かった。あれが逆に利いてるかもしれないし。日本としては、1点を取られてもシュンとしちゃダメ。2点3点取られなければ、大丈夫。とりあえず、1点を守りきろうとする気持ち。でも、守りきろうと思って守りきれるわけじゃないから、攻める姿勢をちゃんと観せて。どう戦うかっていうことがやっぱり大事だと思います。
司会:そんななかでの、9問目の質問をさせていただきます。「サッカー日本代表。オランダ戦勝利の可能性は、50パーセント以上ある」。これはどうでしたっけ。
中西:僕だけNOでした。
司会:中西さんからちょっと。
中西:悲観的だと思われるんですけど。僕はでもちゃんと、カメルーン戦が始まる前に、3戦で一番勝てると言ってますからね。でも、オランダには勝てないです。本気で10試合やって、何回勝てるか考えたんです。そしたら、1、2試合。そんなもんじゃないですか?
安岡:10回っていう話になると、そうだと思います。
中西:だから、純粋に10回やって、1回か2回勝てると思ったんで、それが一番最初にくるかっていう話。引き分けだったら、50パーセントはあるんですけど。勝つのは50パーセントはないな。引き分けなら50パーセントある。
司会:テルさんはどうですか?
岩本:私は、ですね・・・
会場:笑い
中西:何、その言い方。
岩本:僕の観方なんですけど、この間のデンマークとオランダ(2010年6月14日サッカーシティー競技場、オランダ2-0デンマーク)ですけど。デンマークも強いし。でも、オレから観て、オランダは思ったほど強くなかったです。思ったより。
中西:トップギアが入ってないからね。
岩本:強いチームって、ブラジルもそうですけど、アルゼンチンもそうですけど、決勝トーナメントに行くにつれて上げていくのがあって。だけど、オランダは日本をなめてるだろうし、まだそんな100パーセントじゃないですよ。ロッペン(アリエン、ドイツ・ドイツブンデスリーガ・バイエルン・ミュンヘン)はケガじゃないですか。ロッペンがいないのは、メッシがいないのと同じで、チームが変わるんだけど、今のチームでいけるんじゃないかと。この間の試合を観てですよ、僕はね。反対にオランダ戦よりもデンマーク戦の方が勝てない。オレはそう思います。だって、あそこのチームは10番のスナイダー(ヴェスレイ、イタリア・レガカルチョ・インテルナツィオナーレ・ミラノ)っていう選手が中心なんですけど、身長は同じぐらいなんですけど。
会場:笑い
安岡:髪の毛は、僕の方が多いですけどね。
会場:笑い
岩本:だけど、彼がいるインテル(ナツィオナーレ・ミラノ・イタリア)っていうチームですけど、イタリアのチームなんだけど、そこはあんまり活躍できてないって観ててね。
中西:そうだね。
岩本:だから、長谷部(誠、ドイツ・ドイツブンデスリーガ・VfLヴォルフスブルク)、遠藤…もうひとり誰だっけ?
中西:阿部(勇樹、浦和レッズ)。
岩本:阿部ちゃん。この3人のそれぞれのマンツー。絶対、負けないから。守備的な選手に対してね。そこも遮断すれば、結構いけると思う。あと、オランダの選手はなめてるから、終盤のハーフアンドライン、真ん中くらいでパスを出してくる。パッと取った瞬間に、ファンブロンクホルスト(ジョバンニ、オランダ・フェイエノールト・エールディヴィジ)、バルセロナのヤツなんだけど、そこが穴なんだよ。オレ的には隙だなと。
中西:なんだろうね、わかんない。
岩本:そこの裏を。
中西:そこが一番、穴なんだよね。オランダの選手はディフェンスがダメなんだよ。ファンブロンクホルスト選手、その選手と連携は取れないだろうし、スピードもないし、日本は右サイドが攻めるとあそこは大丈夫。
安岡:この前の試合は右サイドが一番崩してましたよね、松井(大輔、フランス・グルノーブル・フット38・リーグ・ドゥ)選手が。
岩本:だから、松井選手がいるのもあるしね。あとはオランダ戦もデンマーク戦もそうなんですけど、一番、面倒くさいのは日本と韓国、アジアが苦手なんですけど、高いボールをドンドン上げられてくるのが苦手ですよね。自分の近くにドンドン上げられると、もう終盤でも結構速いです、韓国も日本も。凄いうまいけど、遮断されてポーンと蹴られて落としたときに狙われる。落としたら最後に攻められて、センタリングで結構、危ないシーンがありますよね。そうされたら、パワープレーは結構、厳しいと思う。
中西:今言った、スナイダー選手が、やっぱり怖い。ラストパスも出すし、シュートも決める可能性があるから、そこをまずお押さえ込む。結構、イライラするタイプの選手だから、ガツガツやってファールばかりしていると、ドンドンイライラして。そこをコントロールできれば、可能性はあるよね。
司会:安岡さんはどうですか?
安岡:50パーセントっていう数字は、わかりやすい。引き分けはないと考えて。50パーセントあるから試合があると思うんですよ。
中西:なるほど。
安岡:だって、どっちが勝つかみんなわかってたら、試合しなくていいじゃないですか。でも、試合をするわけで、特にさっき哲生さんの10回やって、1回か2回かっていう話。次の試合だけを考えると、勝ちか負けは2分の1なんですよ、あくまで。よくジャンケンやって、次に勝つ可能性みたいなのがあるじゃないですか。
中西:うん。
安岡:10連勝、僕がしてました。じゃ、次に僕が勝つ可能性はっていうと、10連勝してるから、負けるんじゃないかって思うけど、次も同じ可能性なんです。あくまで、やるっていうことは同じ可能性を分け合っているから、試合が行われるわけであって。そういう意味では、51パーセントでもないかわりに、49パーセントでもないんですよ。50パーセントあるから、試合に臨めばいいんじゃないかなって。
岩本:お客さん、今大丈夫ですか? 考えてたみたいですけど。
会場:笑い
岩本:今、そこの女性がなんか。
中西:でも凄い。勉強になりました。
安岡:いやいや。
中西:確かにそうですよね。
安岡:引き分けを考えると、僕も50パーセントじゃないと思うんですよ。引き分けじゃなくて、勝ちか負けだけで考えれば、50パーセントあるからこそ、試合がスタートするんです。
中西:そう思います。
安岡:たぶん、少なくとも試合に臨む11人は、その50パーセントがあるからこそ、試合に臨めるんだと思うんです。
中西:そうですね。
安岡:その50パーセントがやっぱり、勇気だし、自信だと思うんですよね。だから、強いチームがその50パーセントを割るようなことがあれば、その分、日本にも運もチャンスもありあますよね。あとは、やっぱり僕らもそう思って観てあげないと、おもしろくないんじゃないかなって思うんですよね。そう思って観るからこそ、なんかこう一緒にやって盛り上がって。戦って観れるんじゃないかなっていう気がします。
中西:はい。
司会:では、ここでもうひとつ、質問させていただきたいんですけど。今までの話をふまえまして、「決勝の対戦カードをズバリ予想してください」。それぞれカードを予想していただいたんですけど、まず、中西さんはブラジル-ドイツ、テルさんはブラジル-スペイン。
岩本:本当は、アルゼンチンも入れたいんだけどね。3チームはダメだからね。
司会:そして、安岡さんはアルゼンチン-スペインと出ました。
安岡:気持ちだけで選びました。
岩本:でも、ある。
安岡:一番、観たい試合です。
中西:僕も観たい。
司会:三人はこういう形になりましたね。
中西:じゃ、僕からいきます。テルが言ってたんですけど、今大会はその試合はつまらないって言ってたんですよね。あのドイツの試合は、オーストラリアとだったんですけど(2010年6月14日ダーバン、ドイツ4-0オーストラリア)、僕はメチャメチャおもしろかったですね。今までのドイツを覆すような試合だったんで、これはもう。セルビア戦(2010年6月18日ネルソンマンデラベイスタジアム 、セルビア1-0ドイツ)はどうなるかわからないですけど、ドイツは凄い。テルが観た…
岩本:たぶん、つまらないって言ったけど、ドイツの試合は観てないと思う。
会場:笑い
中西:じゃ、ドイツとオーストリア観てみて。スーパープレーがいっぱい。あのね、パススピードが半端なく速くて。もうクロスが全部シュートだからね。もう、シュートがクロスみたいな。本当にドイツって、若い選手がどんどん出てきて、たぶんテル好みのエジル(メスト、ドイツ・ドイツブンデスリーガ・ヴェルダー・ブレーメン)っていう選手がいるんですけど、21歳の選手。その選手が凄くて、8番。観てみてください。
岩本:はい。
安岡:でも、おもしろかったですよね。バラック(ミヒャエル、イングランド・プレミアリーグ・チェルシーFC)がいなかったことで、かえって王様がいないから、全員が役割を共有してて。
中西:パススピードが本当に速かったよね。
安岡:あれ、ラーム(フィリップ、ドイツ・ドイツブンデスリーガ・バイエルン・ミュンヘン)とシュバインシュタイガー(バスティアン、ドイツ・バイエルン・ミュンヘン・ドイツ・ブンデスリーガ)で、二つ心臓があるみたいなチームですよね。それこそ、シャビとイニエスタの二人の心臓みたいな感じで。
中西:右サイドバックにミュラー(トーマス、ドイツ・ドイツブンデスリーガ・バイエルン・ミュンヘン)っていう選手がいるんですけど、アイツが凄い。
安岡:あんなに、足元がうまい選手だったんですね。そんな印象はなかった。
中西:バラックがいなくて、なんかイキイキしちゃって。だから、凄いゲームだったね。
安岡:よかった。
中西:ケディラ(サミ、ドイツ・ドイツブンデスリーガ・VfBシュトゥットガルト)が打つと、全部シュートなの。本気で蹴ってるからね。で、クロース(トニ、ドイツ・ドイツスリーガ・バイエル・レバークーゼン)があまりにも速すぎて、合わせられませんよって。だから、ブラジルはないと僕は思う。
司会:テルさんはブラジルですけど。
岩本:僕は、結構このカードはもしかして、もし2位だったら、一発目で当たる。ブラジルとスペインが試合するの。
中西:それはある意味、観たいけどね。
岩本:でも、僕的にはブラジルも好きなんだけど、スペインを応援してるから、やっぱりブラジルとスペインが早く当たって、スペインに倒してもらいたい。
会場:笑い
安岡:え? どっちに勝ってもらいたいんですか?
岩本:これは実はね、決勝戦になっちゃったら・・・僕的にはエスパーニャですね。
安岡:なるほど。
司会:安岡さんもスペイン。
安岡:そうですね、今一番観たいサッカーで。今、観たいチームはどこかって言われたら、アルゼンチンとスペインの試合を。これも決勝じゃないところで、当たる可能性も高いとは思うんですが、とはいえ、決勝で観られたら一番いいなと思っています。でも、昨日スペインが負けたことで、意外にあるんじゃないかと思ったりしてます。
岩本:でも、アルゼンチンはたぶん1位通過したら、ドイツと当たるよ、準々決勝で。まぁ、アルゼンチンが勝つでしょ、ドイツは厳しいでしょ。
中西:僕は、アルゼンチンのマラドーナ(ディエゴ、アルゼンチン代表監督)がおもしろいからいいけど。
会場:笑い
安岡:僕も、マラドーナ世代だから、マラドーナが監督だっていうことだけで胸が踊っているんですよ。
会場:笑い
中西:マラドーナね、最高におもしろいね。
会場:笑い
中西:僕はこの間もちょっと話したんですけど、ワールドカップに愛される選手と愛されない選手がいるんですよ。で、なんかこうピークが合わなくてこないなっていう人とかなんか終わる頃になると活躍しないなっていう選手がいるじゃないじゃないですか。日本でも海外でもいるんですけど。マラドーナは愛されてる選手で、ピークが来てるでしょ。86年に優勝、90年では準優勝してるからね。ちゃんと結果を残してるし、彼は持ってる。
安岡:あるんじゃないか。
中西:持ってる。本田もこの間、言ってたね。今年の流行語大賞を獲ると思いますけど。
会場:笑い
中西:「持ってる」。サッカー用語なんですよ、持ってるって。だって、「持ってるねー」って、必ず言いますからね。調子が悪いときでも、自分の目の前にボールが転がってきて、ゴールを入れたりすると「持ってるね」って言うんですよ。
安岡:「華がある」みたいな言い方ですよね。
中西:そうそうそう。なんか、運を持ってるとか何かを持ってるなっていうのを持ってるなって。本田はね、持ってるんですよ。
安岡:ですね。
中西:アイツは持ってるよ。マラドーナもね。
会場:笑い
安岡:持ってますね。
中西:持ってますよ。
安岡:アルゼンチンの右サイドバックちょっと…おもしろいくらいダメですね。
会場:笑い
中西:ダメだね。
岩本:チェンジしないとね、やられる。
安岡:いくらなんでも、あれ次の試合は韓国(2010年6月17日サッカーシティ、アルゼンチン4-1韓国)、今日ですけど、まさにあそこを朴智星(イングランド・プレミアリーグ・マンチェスター・ユナイテッドFC)が、攻めるんじゃないかなっていう。
中西:いや本当にね、もう完全に狙ってますよね。
岩本:人選が悪いよね。最悪でしょ、あれ。PKで1-0で負けますよ。
中西:今やってますけどね。
安岡:もうすぐですか?
中西:もう始まってますね。
司会:今までお話を伺ってきて改めて、今日いらっしゃったお客さんも、サッカーっておもしろいなって…
中西:いや、そんなこと思ってないでしょ。
会場:笑い
司会:おもしろかったですよね?
会場:拍手
岩本:結構、頷いている方もいましたよ。サッカー、詳しいんですね。
安岡:みんな、観ていらっしゃるんじゃないですかね。
中西:それは、安岡クンの影響ですよね。
会場:笑い
司会:さぁ、最後の質問をご用意しました。「○○○だから、サッカーはおもしろい」。ここの○○○に言葉を入れてもらったんですけど、中西さんからいきましょうか。「日本がワールドカップで優勝するのが難しいから、サッカーはおもしろい」。その心は。
岩本:長いよ。
中西:届かないからおもしろいんですよ。やっぱりその、優勝するのは本当に難しくて。優勝するには、やっぱり自分たちのサッカーのスタイルができあがっていなければいけないんですよ。日本のサッカーのスタイルはどういうスタイルか、日々考えているんですけど。本を読んだり、江戸時代の本を読んだり、縄文時代の本…縄文時代の本はないけど。
会場:笑い
中西:まぁ、いろんな本を読んでるんですよ。日本が優勝するには何が一番、ストロングポイントなのか考えるのが凄く楽しいんですけど、僕の夢は、僕が死ぬまでに自分の目で日本がワールドカップで優勝する姿を見るっていうのが、唯一無二の夢なんで、それを実現するためにはどうするか、考えてるんですよ。だから、これなんです。なんとか、優勝させたい。別に、僕が監督とか指導者になりたいとかじゃなく、本当に、僕はいつでもサッカーを前進させることを考えてます。テルが、まったく入ってきませんけど。
岩本:はい。
会場:笑い
中西:仲が悪いわけじゃないですからね。
司会:さて、テルさんは「世界共通だから、サッカーはおもしろい」。
岩本:やっぱり、本当は「喜怒哀楽」って書きたかったんですけど、サッカーは世界共通だから。サッカーボールひとつで、僕は結構、旅をするんで、世界中。
中西:ヒマだもんね。
岩本:ヒマなんですよ。現役やめて結構経つんですけど、50カ国くらいは行ってますね。モロッコに行ったりとか、ひとりで行ってですね。人がなかなかいかないようなところに行くんですよ。そこで、サッカーボールひとつだけで、本当に仲良くなる。モロッコって、日本人からしたら、サッカーができないっていうイメージなんですけど、一緒にサッカーをやるとすぐに仲良くなって、よく助けてくれたりとか。本当に世界共通ですよね。ボールひとつでいいんですもん。ま、キレイな言い方なんですけど。ただ、僕にもファンがいたんですよ、現役のときね。いたんですけど、それはサッカーボールがあったから、僕のことを知ってくれたわけだし、そして僕は、そこでやっていくことによって、皆さんと知り合えたから。サッカーっていうものがなかったら、みんなのこと知らなかったし、僕のことも知ってもらえなかったし。そういった意味では、もの凄いことだなって。
中西:凄い。
会場:笑い
中西:大人になったね、テル。昔は、しゃべれなかったの。
岩本:しゃべらなかったですね。
安岡:中田さんとしゃべれないって、自分がしゃべらないからじゃないですか?
岩本:そんなことはない。
中西:しゃべらなかっただろうよ、全然。
岩本:なんの話だっけ?
司会:ケンカはやめてくだい。
安岡:いきなり、先輩と後輩になるのはやめてください。
中西:僕らと、仲間とかチームでやっていくのが難しい選手なんで。
安岡:難しいって…
中西:いや、難しいんです。テルって、スタイルが独特だからやっぱり。やっぱりこう、はっきり、嫌いな人には嫌いって言ってたじゃないですか。
岩本:日本のサッカーの選手のダメなところですよね、上の人に逆らっちゃいけないの。
会場:笑い
岩本:僕ね、ニュージーランドのオークランド(シティFC)にいましたけど、しょっちゅうケンカしてました。
会場:笑い
中西:だから、本当に自分のスタイルをブラせない人間で「お前、ダメ」ってはっきり言う。
岩本:サッカーって、11-11でプロのギリギリでの戦いなんで、使えないヤツじゃないとダメなんですよ。ダメなヤツにはダメだってはっきり言わないと。それで、監督をはさんで、監督に反抗するし、そうすると僕が外されるんですけどね。
会場:笑い
中西:「ここはこうした方がいいですよ」って、監督に言って、勝ったりするんですよ。
岩本:でも、異端児なんで。
中西:そういうふうに、お互い知ってるから「世界共通だから、サッカーはおもしろい」なんて、そんなこと言うんだと思って。昔のテルを知ってるとね。大人になったね。
司会:そして、安岡さんは「ハーモニーだから、サッカーはおもしろい」。
中西:これ、わかる。
安岡:言い方なんですけど、本当に世界最強の選手が、ひとりいるチームが世界最高のチームじゃないじゃないですか。じゃ、本当に11人完璧にそろえたからっていっても、それがうまく、11人かどう動くかが凄く大事じゃないじゃないですか。
中西:そうだね、間違いないね。
安岡:我々も、ハーモニーって、誰かと誰かの足し算だけじゃないんですね。相手のことを聞いて、自分のやり方を少し変えたり、自分は実は少し引き算をしたりするんですよ。だから、足し算だけをするのではなくて、ハーモニーって相手のために、自分が引き算できるかってことだと思うんですよね。そうすると、相手がその分、相手の持っている能力以上にその分が足されるんじゃないかと思うんですよね。ただ単に、足し算をするんじゃなくて、自分を引き算して、その分を相手に渡すっていうことがハーモニーだと思うんで。そういう意味では、サッカーって、まさにそれがないとうまくいかないと思うんですよね。この前の日本代表戦(2010年6月14日フリーステイトスタジアム、日本1-0カメルーン)は、大久保選手(嘉人、ヴィッセル神戸)のプレーが凄く良かったと思うんだけど。
彼はもちろん、足し算するんだったら、攻撃力が彼の足し算なんですよ。でも、彼は凄く走り回って、エトーが相手だったから、サイドバックの仕事を手伝うっていう、そういう意味では引き算なんですよね、彼のプレースタイルだと。でも、彼が引き算をすることによて、チーム全体がもらう足し算って言うのも出てくるし、そういう足し算と引き算みたいなもののバランスが、まさにハーモニー。それこそが、サッカーなんじゃないかなと思っております。
中西:素晴らしい。
会場:拍手
中西:これはでもね、ストイコッビチ(ドラガン、名古屋グランパス監督)が言ってました、ハーモニーだって。ハーモニーって足し算、引き算っていうのはまさにそうだと思うし、本当に11人のいい選手じゃないと勝てないですよね。
安岡:そうですよね。
中西:これ、僕の講演とかで使っていいですか?
会場:笑い
中西:by安岡って。
会場:笑い
司会:さぁ、ここでアルゼンチンと韓国の試合の結果が入ってきました。
中西:言わないでよ。
岩本:言わないで。
安岡:言わない方がいいかもしれないですね。
司会:じゃ、やめておきます。
安岡:ビデオを撮ってる人もいるかもしれないしね。
司会:では、お楽しみはとっておきましょう。
安岡:結構こういうのありますよね。「昨日の試合勝ったね」って「まだ観てないんだよ!」っていうの。言わないでくれよって。
中西:もう情報がいろんなところから。この間銀座にいたら、電光掲示板に「バルセロナ勝ちました」って。見たくなかったって。
司会:試合の結果はお楽しみに。
岩本:ちょっと、待ってください。点数を教えて。
中西:ダメでしょ~。
安岡:もうすでに、点が入ったのか、入ってないのかだけ。
司会:点数は言っていいんですか?
中西:どっちとかは言わないで。
安岡:何対何とかは言わないで。
司会:点数は、入ってます。
岩本:これは絶対、アルゼンチンだ。
会場:笑い
岩本:メッシかイグアイン(ゴンサロ、・リーガエスパニョーラ・レアル・マドリード)が入れてるな、絶対。
安岡:それ、小学生の意見じゃないですか。
会場:笑い
司会:因みに、ちょっと驚くような。
中西:そういうの言うからダメなんだよ!
会場:笑い
司会:はい。ビックリするようなね。お楽しみに。さて、ここからはご来場の皆さまから、質問をいただきたいと思います。質問のある方?
Q1.今回、日本はグループリーグは2位通過だと思うんですよ。で、決勝トーナメントはおそらくイタリアが相手になるんじゃないかと思っているんですが、岡田監督が言っている「日本ベスト4」は有言実行できると思いますか?
司会:いかかですか?
安岡:「ベスト4にいけると思いますか?」っていう。
中西:いやいや、聞いてなかったんで。
会場:笑い
岩本:僕は、ベスト4は厳しいと思います。でも、イタリアには勝てると思う。そんなに強い感じがしないんで。そこででももし勝ったら、スペインかブラジルなんですよ。そこでは厳しいとは思うんだけど。イタリアだったら勝てるかな。だから、ベスト8かな。それでも、オッケーでしょ。もう、全然オッケーでしょ。
安岡:僕は岡田さんが言うことだから、あれですけど、ベスト4、ベスト4って、そんなに言わなくていいんじゃないかって思ったりするんですけど。ベスト4って言うくらいなら、優勝って言えばいいのにって思うんだけど。
中西:僕もそう。
安岡:ベスト4なんて中途半端じゃないじゃないですか。ベスト4で負けていいみたいな言い方じゃない? 決勝に行きたいならまだしも、ベスト4っていう言い方もイヤじゃないですか? 一歩一歩勝ち上がるとか、そういう言い方ならいいけど。なんか中途ハンパな言い方でイヤだなって思ったりもするんですが、でもトーナメントは何があるかわからないですね。
中西:うーん。
安岡:だって、トルコが世界3位(2002年ワールドカップ日韓大会)ですからね。
岩本:逆にアルゼンチンとか、スペイン、ブラジルと当たってしまったら、ベスト8で。1-0とか、0-0とか本当にいい勝負をするか、6-0で負けたりとか。そのくらいになると、チーム力が上がってきているんで本気でくるから、4-0、5-0もあるかな。僕の考え方だけどね。でも、前回は当てましたよ。
会場:笑い
岩本:ブラジルが勝つってね。
中西:僕はでも、決勝トーナメントに行ければ、本当にいいと思いますよ。今回は、1つ勝てればいいなと思っていた人間なんで、それは達成して。しかも、偶然ね。カメルーンはデンマークに2-0で負けた(2010年6月19日ロフタスバースフェルドスタジアム、デンマーク2-1カメルーン)わけですから、凄いチャンスが出てきたと思うんですね。これはやっぱり、応援しておかないと。1試合多くやっておくことって、この後も続くサッカーが変わってくるんで、経験値も上がるから。ワールドカップで、4年で1回しか、真剣にやってもらえないんですよ。
安岡:特に、日本は遠いですからね。
中西:真剣にならないですよね。だから、この真剣勝負を1試合でも多くやることが大事なんで、決勝トーナメントになんとか行って、イタリアと真剣勝負をやって欲しいですよ、本当に。
岩本:ベスト16ね。
安岡:ん~、ベスト16からじゃないですかね。だって、どことやるかわからないのに、ベスト4っていう意味がわからないんですよ、僕。
中西:決勝でいいんじゃないかと思うんですけど、なんで優勝はダメなんだって思うんですよね。
安岡:どこが出るのかわからないのに、勝つのか負けるのか話すこと自体があまり、意味がないように思うんですよね。
岩本:ベスト4は無理だと思います。全然、ほかは強い。準々決勝ってことでしょ。
安岡:だいたいカードがたまって、ベストメンバーでは出れないですね。
岩本:ちょっと厳しいですね。申し訳ない。
安岡:すみません。
中西:テルがね、結構、当たるの。
岩本:僕ね、自慢じゃないですけど、2006年の決勝戦のときに、フランスの。僕、NHKのゲストで出たんです。「どう思いますか?」って言われて、僕は、「0-0でイタリアが勝つ」って言ったの、PKで。そしたら、そうなったんです。持ってる?
中西:持ってるね。
会場:笑い
中西:それ、自分で言うんじゃない。人に言ってもらうこと。
司会:さぁ、本当に名残惜しいんですけど、そろそろお別れの時間となってしまいました。中西さん、終了ですね、そろそろ。
中西:いやいや、楽しかったですね。やっぱり4年に1回やりましょう。
安岡:ぜひ。
中西:テル、どうでした?
岩本:すんごい、楽しかったです。反応も凄いよかったし。
中西:これはもう、ゴスペラーズのね。
岩本:なかなか、アーティストの方と会うこともないんで、サッカー選手しか知らないんで。ありがとうございました。
会場:拍手
司会:安岡さん。
安岡:あの、4年に1度こうワーワー話せるのが楽しいなと思いますね。サッカーがあることでまた、こう雑談とかくだらない話でも、それだけで世代や職業を超えて、隣の人たちとワーワーできるのがおもしろいなと思ったし、テルさんとこうやって、なんかこうサッカーの話をこんなに話せるのも凄いことだと思ったし。だから、本当にそういう意味では、僕もサッカー選手の体型に近づけるようがんばります。
司会:はい、ということで本日のゲスト、岩本輝雄さん、安岡優さんでした。本当にありがとうございました。
会場:拍手
司会:上着も脱がれて、だいぶ、ハッスルされてましたね。
中西:ハッスルっていうか、暑かったんだよね。
司会:最後、皆さまにご挨拶ということで。
中西:ありがとうございました。
司会:楽しかったですね。
中西:楽しかったですね。基本的に「サンデーモーニング」だと、マジメな顔をしていますけど、あそこがマジメな顔の最高峰なんで。基本的に軽くはないですけど、こういう感じなんですよ、普段は。「ぴあトークバトル」も今回で50回目ということで、こうやってお客さんと近くでコミュニケーションできる場というのは、貴重だと思っているんで。今日はゴスペラーズのファンの方々もそうですけど、『クロノス』のファンの方も来ていただいたんですけど、こうやって直接会えるのはなかなかないんで、嬉しく思っていますし、ぜひこれを機会にサッカーに触れていただいて、そして『クロノス』のファンの方々にはゴズペラーズに触れていただいて、ゴスペラーズのファンの方々には『クロノス』に触れていただいてですね。明日も朝からやりますので、よかったら聞いてください。基本的にこういう、ボケとツッコミでやってますので。朝からどんな番組よりも前向きに明るくやっていますので、ぜひとも聞いていただけたらと思いますし。聞いていただいてる方は本当にありがとうございます。明日からもまた、がんばりますし、こういった機会もまた作りたいと思いますので、ぜひとも『クロノス』、ゴスペラーズ、そしてサッカーをどうぞよろしくお願いします。今日は、ありがとうございました。
会場:拍手
司会:ありがとうございました。これにて、全プログラム終了です、「クロノス meets ぴあトークバトル~だからサッカーはおもしろい~」。本日はご来場、ありがとうございました。気をつけてお帰りください。

取材・構成:宮崎俊哉(CREW)/撮影:新関雅士

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中西哲生
(スポーツジャーナリスト)

岩本輝雄
(元サッカー日本代表)

安岡 優
(ゴスペラーズ/歌手)

古賀涼子
(TOKYO FM)