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ジェフ・トークバトルVOL.4
特別協賛:
協賛:朝日新聞社
協力:株式会社 東日本ジェイアール古河サッカークラブ
9月23日(日)、ホテルグリーンタワー千葉を舞台に開催された4度目の「ジェフ・トークバトル」。
羽生直剛選手、佐藤勇人選手、水野晃樹選手を迎えて繰り広げられたトークの模様をダイジェストでお届け!

<ホスト>
北澤豪(元サッカー日本代表・日本サッカー協会国際委員)
'68年東京都生まれ。修徳高校から本田技研を経て'91年読売クラブ(現・東京ヴェルディ1969)へ移籍。Jリーグ初年度の'93年と'94年の優勝メンバー。日本代表としてもフランス「W杯」出場に貢献した。'03年に引退。現在は月曜日の「スポんちゅ」(日本テレビ系)に出演する他、日本サッカー協会国際委員としてサッカーの発展・普及につとめている。

<ゲスト>

羽生直剛(ジェフユナイテッド市原・千葉)
1979年千葉県生まれ。こてはし台SC(千葉市横戸小)から千葉市立こてはし台中、八千代高校、筑波大学を経て2002年にジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)入り。大学4年時には「ユニバーシアード北京大会」で決勝ゴールを決め、優勝に貢献した。ジェフに入団すると1年目からレギュラーに定着、抜群の運動量とスピードで「走る」オシム・サッカーの中枢を担っている。

佐藤勇人(ジェフユナイテッド市原・千葉)
1982年埼玉県生まれ。ジェフユナイテッド・ユース(現千葉ユース)を経て、ジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)に入団。豊富なスタミナでピッチを駆け回り、攻守に貢献するボランチとして、チームの中盤を支える。2006年、日本代表に選出され、2006年8月16日のイエメン戦では弟・寿人(サンフレッチェ広島)と共に日本サッカー史上初となる双子選手の国際Aマッチ同時出場を果たした。

水野晃樹(ジェフユナイテッド市原・千葉)
1985年静岡県生まれ。静岡市立清水商業高校卒業後、2004年にジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)に入団。J屈指の精度を誇る右足からのキックを生かし、昨季は「ヤマザキナビスコカップ」連覇に貢献しMVPに輝いた。2004年にU-19代表入りから各年代の代表に選出され、2007年3月24日のペルー戦でフル代表メンバーとして初出場を果たした。


前編
枦山:『ジェフユナイテッド市原・千葉トークバトル Vol.4 Supported by 君津住宅』。
このイベントは、ジェフユナイテッド市原・千葉オフィシャルパートナー君津住宅の特別協賛と、朝日新聞社の協賛でお送りします。皆さん大変お待たせしました。司会の枦山南美と申します。今日はよろしくお願いします。
会場:拍手
枦山:では、さっそくご紹介しましょう。元日本代表、現在は日本サッカー協会国際委員として活躍中の北澤豪さんです。
会場:拍手
北澤:こんにちは。すみません、私で。
会場:笑い
枦山:焼けてますね。
北澤:いえいえ。
枦山:私、いつも『NEWS ZERO 』(日本テレビ系)見てますよ。あれは足が長く見えますね。そんなこと言わなくても長いですよね。
北澤:いえいえ。“熱い”ですね。今日は涼しいですけど。すごいですね、お客さまが。
枦山:今日は812名のお客さまがいらっしゃってます。
北澤:ジェフユナイテッド人気。すごいね。昨日(2007年9 月22日、駒場スタジアム、大宮アルディージャ0-1 ジェフユナイテッド市原・千葉)も勝ちましたし。おめでとうございます。
枦山:おめでとうございます。
会場:拍手
北澤:今日は自民党総裁選があって。
枦山:そうなんです。
北澤:選手はあんまり興味ないのかな。
枦山:では、さっそくゲストをお呼びしましょう。ジェフユナイテッド市原・千葉から、佐藤勇人選手、水野晃樹選手、羽生直剛選手です。
会場:拍手
枦山:すごい! ジャニーズ並みの歓声ですね。
北澤:みんなカメラを持ってる。すごいですね。
枦山:大人気ですね。
北澤:どうですか、この人気ぶりは。羽生選手は足のケガはどうですか。歩き方とか。
羽生:みなさんのおかげでいい歩き方ができました。
枦山:羽生選手、昨日スタンドでお見かけしましたよ。チョロチョロしてらっしゃいましたよね。
羽生:チョロチョロしてたんで。
北澤:チョロチョロしてた?
羽生:足に負担をかけられないんで。
枦山:そうですよね。
羽生:トークバトルに出るのは3回目ですよね。
枦山:そうですね。
北澤:羽生選手は常連として盛り上げていただけるということで、今回も出ていただきました。よろしくお願いします。
会場:拍手
北澤:水野選手は初めてですよね、トークバトル。
水野:初めてです。
北澤:いかがですか? まだ始まったばかりですけど、この人気ぶりは。
水野:すごい人数なんで圧倒されてます。
佐藤:人気急上昇、売り出し中の選手ですから。
羽生:プリンスですから。さっき「100人いかない、少ない」って聞いてたのに。
枦山:緊張してらっしゃいますか。
水野:はい。一応、緊張はしてます。
枦山:でも、堂々としていらっしゃいますよ。
北澤:先輩2人じゃないですか。喋りにくくないですか?
水野:そうですね。でも、身長は僕が一番高いんで。
会場:笑い
北澤:いい対応ですね。よろしくお願いします。
枦山:そして、佐藤選手。聞いてますか?
会場:笑い
枦山:緊張してますか?
佐藤:いや、大丈夫です。
枦山:佐藤選手も初めてなんですか。
佐藤:こういうのは初めてですけど、小さいのはちょこちょこやってます。
枦山:北澤さんが控え室に入って来られた瞬間、さっと起立して、私が入って来た時とは全然違って。
佐藤:そんなことないですよ。
枦山:北澤様々で。
佐藤:久しぶりに会うと緊張しますね。
北澤:羽生選手とはトークバトルで何度も会ったことあるけど、両選手とはあまり話したことないですよね。
水野:そうですね。
北澤:佐藤選手って俳優さんの誰かに似てるんだよね。
枦山: 俳優さん?誰ですか?
北澤:竹之内豊!
会場:笑い
羽生:お前、嬉しいな。
枦山:大丈夫。羽生選手も似てますよ。
羽生:やりづらいな。
北澤:お会いしてたまたま思った。似てますよね。カッコイイですよね。
枦山:ホントですね。
佐藤:あまり思っていなさそう。
枦山:北澤さんも似てますよ。自信を持ってください。
会場:笑い
北澤:佐藤選手はチームのキャプテンということもありますし、個人的なこともうかがいたいと思います。よろしくお願いします。
会場:拍手
北澤:今日はお客さんにすごくきれいな方が多いですね。ジェフのファンの方はすごいですね。
枦山:本当にきれいな方が多いですね。
北澤:僕が言いたかったのは、枦山さんが最初に説明されてた時は、みなさんほとんど聞いてなかったじゃないですか。でも、最後に拍手がすごいわけですよ。みなさんから出てくる反応がすごくいいので、いいリアクションしてくれるんじゃないかなと。今日は期待できるんじゃないかな。
枦山:それではトークバトル恒例の11の質問に移りたいと思います。

質問羽生水野佐藤
Q1今シーズン、現在までの自分のプレーには満足している。NONONO
Q2同世代の選手で負けたくないライバルがいる。YESYESYES
Q3チーム内に尊敬できる選手がいる。YESYESYES
Q4サッカーを辞めたいと思ったことがある。NOYESYES
Q5自分のサッカー人生で自慢できるゴールがある。YESYESYES
Q6自分のサッカー人生を変えたゲームがある。NOYESYES
Q7結婚すると人生観が変わると思う。YES/NO-NO
Q8自分なりのリフレッシュ方法、ストレス発散方法がある。YESYESYES
Q9この、3人(佐藤選手、水野選手、羽生選手)は仲良しだ!?NONONO
Q10サッカー選手として、5年後の目標がハッキリ言える。NOYESYES
Q11ジェフユナイテッド市原・千葉に入団できてよかった。YESYESYES

北澤:質問の回答、やり直ししなくていいですか? 大丈夫ですね?
羽生:うーん・・・
北澤:じゃ、途中で進めながらということで、僕に託してください。
羽生:まず、空気を呼んでからということもあるんで。
北澤:ぜひ切り込んだ話とか聞いてみたいと思います。
枦山:そうですね。プライベートな話も。
佐藤:まず僕に出してください。
羽生:先輩は恐いね、やっぱ。
枦山:どちらの先輩が特に恐いですか?
北澤:さっきから枦山さんから出てくるパスがけっこうすごいんだよね。
羽生:雑ですよね。
会場:笑い
羽生:すごく足に負担かかるような。「走れ!」みたいな。
水野:フォワードやってるから得意です。
枦山:北澤さんなら、どんなパスでも受け止めてくださるかなと思って。
北澤:では、一つ一つの質問の話をしていただく最中に、異義があったらどんどん割り込んで構わないですよ。言ってることとやってることが違ったりしたら。
水野:結構、得意です。
北澤:まず、昨日の試合(9月22日、駒場スタジアム、ジェフユナイテッド市原・千葉1-0大宮アルディージャ)からですが。
羽生:そうですね、はい。いや、出てないですから。
会場:笑い
北澤:どうですか、外から見て昨日の試合は。
羽生:グラウンドが悪かったですね。
北澤:確かにね。どうですか、ケガして見てる心境というのは。
羽生:昔は自分が出てない時は、「負けろ」と思ってましたけど。最近は素直に応援してますし、出られない時は家でユニフォームを着てます。これ実話です。
会場:笑い
北澤:それ実話?
羽生:実話です。
枦山:お家でユニフォームを?毎日?
羽生:違います、試合の時。
北澤:試合に出てなくて家でテレビ見る時、ユニフォームを着てるんだって。
枦山:素晴らしい愛ですね。
羽生:はい。
北澤:ジェフは4連勝じゃないですか。
羽生:そうです、4連勝ですね。
北澤:どうですか、佐藤選手と水野選手のプレースタイルは。
羽生:頑張ってくれてると思いますね。まだまだ行けますね。勇人なんか気持ちを込めてて、いいんじゃないですか。晃樹はすごくいいんですけど、何か納得いかないです。
会場:笑い
羽生:爆発する時もあれば、何かなっていう時もあるし。「全試合に魂入れろ」って言ってるんですけど、なかなか従わない。僕の気持ちがもう・・・
北澤:聞こうと思ってたんですけど、先輩とか上下関係ってないんですか、ジェフは。
水野:あんまりないですね。
北澤:結構そういう意見って、会話の中に出てくるんですか。
水野:はい。ズバズバ言ってます。言われるし、こっちも言うし。
枦山:お二人ともけっこうおとなしいですね。
羽生:いや、普段はもっとうるさいです。僕が喋りすぎてるから入って来れないんです。でも、それが今日の狙いです。
佐藤:今日は「晃樹に喋らせない会」なんで。
羽生:おそらく晃樹と勇人が目当てのお客さんがいっぱいいると思うんで、晃樹が喋ろうとする時に僕が邪魔に入る。晃樹が喋ると割って入って、勇人が喋ると阻止する。
枦山:サッカーでも思い当たる節はありますか。
佐藤:それはありますね。大体なんでセンターが晃樹だっていう。
会場:笑い
佐藤:やっぱりチームで旬の選手だから。
羽生:自分と勇人君で防がないとなと。
枦山:食うか食われるか。
水野:弱肉強食。
北澤:では、「今シーズン、現在までの自分のプレーには満足している」。これはみなさん満足していないと。
枦山:佐藤選手、なぜでしょう?
佐藤:やっぱりケガが多いので、そこですね。
北澤:具体的には、どのへんがどう納得がいかない部分なの? 外から見た感じと、本人の思う部分と違うところもあるかもしれないし。
佐藤:自分のプレーの生命線というのは、「一歩」が出ることがすごく大事なんです、自分の中で。それがケガすることによってなかなか一歩が出なかったりとか、そういう意味で今シーズンはイライラしながら葛藤してやってましたけど。
北澤:でも、もうだいぶいい感じにはなってきたんだよね。
佐藤:今はそうですね。ちょうど中断期間で累積警告の休みがあったりしたんで。そこで直して、今は試合でもテーピングしなくても済みますし。やっと一歩がでてくるようになったので、残り試合を尻上がりにやろうかなと思っています。
北澤:だんだん尻上がりになってきていると。水野選手は今までのプレーは?
水野:そうですね、まぁ・・・
会場:笑い
水野:羽生さんが僕が喋る瞬間、ニヤニヤしてるんですよ。
羽生:お前はないよね。
水野:ちょっと言わせてよ。
羽生:ゴールもアシストも満足してるって言ってたし。
水野:言ったことないですよ。
北澤:満足してる?
水野:全部作り話です。この間(2007年9月15日、フクダ電子アリーナ、ジェフユナイテッド市原・千葉4-2ヴィッセル神戸)もPKになった瞬間に、僕の顔を見て指さしてきましたから。
会場:笑い
水野:決める自信ありませんでした。「お前行け!」みたいな。ちょっと緊張しました。
北澤:そこで蹴るわけにいかないから。
羽生:僕は結構蹴るの苦手なんで。
北澤:ジェフはPKを蹴る役割は決まっていないの?
水野:決まってないです。
羽生:阿部(勇樹、浦和レッズ)とかいた時は蹴ってました。僕、あの試合はPKになるような気がしたんですよ。前日にシミュレーションしてたから。
会場:笑い
羽生:で、そうしたら晃樹に蹴らせた方がいいなと自分の中で思ってたんです、前日に。「明日、PKありそうだな」と思って。そうしたら自分がPKになって。晃樹を指さして。
水野:その前に巻(誠一郎)さんがPKだった時があって、その時は失敗しちゃったんですけど。
佐藤:僕それ見てないよ。
羽生:見てないわけないよ。
枦山:その時だけ、違うチームだったんですよ。
水野:フォローになってましたか、今の。
北澤:でも、堂々とPKを決めたんでしょ。
水野:めっちゃ心臓バクバクしてましたよ。バクバクですよ。
北澤:いつも堂々としたプレーぶりだから。
水野:公式戦でPKを蹴るのはナビスコカップの決勝(2005年11月3日、国立競技場、ジェフユナイテッド市原・千葉0(5PK4)0ガンバ大阪)以来ですよ。
佐藤:ピッチの上では堂々としていても、ロッカールームに入ると違います。
北澤:違いますか?
羽生:一応、徹底してるわけね。
水野:徹底してる。
北澤:よく落ち込むんですか?
佐藤:結構メンタルは弱いんで。納得がいかないプレーの試合だと、ロッカーで一人で落ち込んでます。
北澤:へぇ~。
佐藤:それを慰めて右肩を抱くんです。
北澤:青春してるんだね。
水野:できるだけ出さないようにはしてるんですけど、やっぱりピッチを去った後はヘコみます。
北澤:忙しいんじゃないですか、今シーズンは。
水野:そうですね。今シーズンはオフが7日しかないです。
羽生:数えてるの、お前?
水野:仕方ないっちゃ仕方ないんですけど。ちょっと疲れてますね。あまり体力を使わないようにしてます。
枦山:いろいろ悩んでいらっしゃるんですか?
羽生:悩んでるようで悩んでないですよ。
水野:そういう時はこの二人が声かけてくれて、「メシでも行くか」って。
羽生:もう時間ないから次の質問行きましょう。
枦山:「同世代の選手で負けたくないライバルがいる」。全員YES ということでした。
佐藤:すごい質問がストレートだよね。
北澤:佐藤選手にとっては誰ですか?
枦山:同世代で。
佐藤:まぁ、昇平(池田昇平、ジェフユナイテッド千葉)って言いたいところですけど、一番身近なところでは、サンフレッチェ広島の佐藤寿人。一人挙げるとすれば。
枦山:兄弟ですもんね。
北澤:やっぱり、テレパシーみたいなものってあるんですか?
佐藤:前に同じところをケガしましたね。あれはすごかった。
北澤:近いところに兄弟がいるっていうのはいいですよね。
枦山:そうですね。いい方向に作用してますよね。
佐藤:双子はある時期を乗り越えれば仲良くなります。
枦山:どういう時期ですか?
佐藤:比べられる時期ってあるんですよ。勉強とか、私生活とか。そこさえ乗り切れば大丈夫です。
北澤:若干、仲が悪い時期ってあったんですか。
佐藤:ありましたね。あまりにもいろいろ比べられたりしたんで、外であんまり話さなかった。家の中では話すんですけど、外で話してるとまたいろいろ言われるんで。それを乗り越えて、今は一緒に「ウイニングイレブン」をやる仲になりました。
会場:笑い
羽生:「ウイニングイレブン」いいよね。
佐藤:いいよね。
羽生:すごくいいよね。
北澤:兄弟をつなぐ「ウイイレ」。
羽生:やっぱりコナミだね。
枦山:素晴らしいですね。兄弟でも「ウイニングイレブン」をやっていると。
北澤:水野選手にとってライバルは?
水野:一番身近なのはチームメイトの水本(裕貴)ですかね。ライバルというよりは、何でもあいつに先を越されてるので。デビューもそうだし、U-20の代表もあいつの方が早い。A代表もあいつの方が早いし。全部あいつの方が早いんで、そこに負けないようにやっています。
北澤:どうですか、先輩から見てライバル同士というのは。
佐藤:うちのチームって、若い選手はホテルが2人部屋なんですよ。晃樹はミズ(水本裕貴)と同室になることが多いね。
羽生:だから、いいライバルだなと思って。
佐藤:でも、やっぱり晃樹の方がやんちゃなんですよ。
水野:やんちゃ?
佐藤:やんちゃ。ミズの方がやんちゃじゃないです。
羽生:言葉詰まっちゃって。
枦山:でも、追いかける方が楽しいじゃないですか。
羽生:全部フォローしないと絶対、話に入って来れない。
北澤:どうします? 次に行きますか? 
羽生:ネタ的にはもういい。次に行きましょう。
枦山:聞きたいですよね、羽生選手のライバルも。
羽生:僕は基本、自分ですね。昨日の自分がライバル。ちょっとカッコつけてますけど。
佐藤:どんだけ~
会場:笑い
羽生:一応、僕ゴールデンエイジなんで。同い年の選手には頑張ってほしい。
北澤:気になりますか、やっぱり。
羽生:代表の試合とか。
北澤:彼らが出てるとテレビ見たりするんですか?
羽生:あんまり見ないですけど、代表で一緒になった時に話したり。
北澤:代表に行った時は誰と話してるわけ?
羽生:ヤット(遠藤保仁、ガンバ大阪)とか、加地(亮、ガンバ大阪)とか。佐藤寿人、憲剛(中村、川崎フロンターレ)、そのへんですかね。
北澤:自分から話しかけに行くんですか?
羽生:「話してもらっていい? ちょっと時間いい?」とかはしないですよ。
会場:笑い
北澤:やりにくい人っています?
羽生:話しづらい人ですか?
北澤:そうそう。入りづらいなとか。
羽生:先輩のところには話しづらいというか、ご飯のテーブルとかあそこに行っちゃまずいかなとか。佑二さん(中澤、横浜F・マリノス)とかには、結構いじられるんですけど。ワールドカップに出てる人たちはそこはそこで仲良くなってるから、割って入るのも何かなと思って。そういうのはあるんですけど。
北澤:入りそうな雰囲気はあるんだけどね。
羽生:ずかずか入りそうっていうことですか?
北澤:じゃなくて、話題豊富じゃないですか。
枦山:仲良くなりたい時は「ウイイレ」でね。
北澤:あぁ、そうね。
枦山:仲良くなれますから。
北澤:「チーム内に尊敬できる選手がいる」。みなさんYESですね。羽生選手から。
羽生:大さん(斎藤大輔)とか、上の選手ですね。なぜかというと、あそこまでできるのがすごい。自分はあそこまでできるのかなと思います。昔いたミリノビッチ(ジェリコ、元スロベニア代表)なんかは、休みでも必ずクラブハウスに来てました。
北澤:ありがとうございます。佐藤選手は?
佐藤:キーパーの立石(智紀)さんですね。立さんは自分がユースの時からサテライトでずっと一緒にやってるんですけど。立さんはずっと第2ゴールキーパーで、ずっとそれを我慢して一生懸命やって、それでチャンスをつかんでレギュラーになって。本当にここ2~3年でレギュラーになった選手なんで。それだけ辛抱強くやっている選手というのもあんまりいないと思うし。文句一つ言わずにやっている人だと、ユースの時から見ていてすごいなって。自分だったら絶対に文句言ってるんで。
会場:笑い
佐藤:本当に貴重な選手だなと思います。
北澤:佐藤選手は結構、文句を言うんですか?
佐藤:はい。
羽生:キャプテンになってむしろ丸くなりましたね。キャプテンらしくプレーで引っ張っていくようになって。
北澤:いいですね。キーパーがそういう存在だと安心感がありますよね。素晴らしいです。水野選手は?
水野:そうですね、誰というか、一人一人みんな尊敬できる方だと思います。
羽生:優等生的発言だな。
水野:持ち上げようとしてるんじゃないですよ。
羽生:晃樹、怒っちゃった? 大丈夫?
水野:羽生さんは桁外れの運動量。
羽生:それは僕が求めているコメントと違うな。
水野:空走りでも、裏に何回でも走ってくれて。そういう選手がいないとスペースっていうのはできないと思うし、やりやすいと思うので。本当に素晴らしいと思います。
北澤:尊敬できると。
羽生:なんかこうプレー以外のことはないの?人間的なこととか。
北澤:ピッチ外のことね、先輩として。
羽生:そう、そこを言わないと。プレーなんて、そんなのみなさんが一番わかってくれてるから。
枦山:羽生選手の人間的な部分で尊敬できる点は?
羽生:それ、僕が言わせてるみたいじゃない。「言ってあげてください」みたいな。
枦山:もしあれば。
羽生:「もしあれば」。ないかも知れないけど。
枦山:絶対ありますよ。
水野:・・・
北澤:じゃあ、佐藤選手については?
水野:勇人くんは今年からキャプテンをやって、試合を重ねるたびに自分もすごく成長して・・・
北澤:どう、先輩?
佐藤:やっぱ、水野様には文句言えないです。
羽生:僕は水野様には文句言えないですよ。最初の入りが、すごい上から目線で。「ちょっと成長して」みたいな。
佐藤:さすがです、さすが。「まぁ、勇人も成長してきたかな」と。
水野:やっとここに来てチームもまとまって。
羽生:最初からまとめるなよ。
水野:まぁ、それで成長してるわけで。
羽生:ひどいね。
佐藤:思いっきり上からだった。
枦山:人間的な部分でもしあれば。
羽生:聞きたいよ。むしろ、そっちの方が聞きたい。「ない」って言っていいぞ。
枦山:やめときますか?
水野:・・・もういいです。
枦山:もういいですよね。
水野:はい。
北澤:「サッカーを辞めたいと思ったことがある」。水野選手と佐藤選手がYESですよね。
枦山:サッカーを辞めたいですか?
会場:笑い
北澤:過去の話ですよ、今じゃないですよ。
佐藤:あるというか、辞めました。
枦山:どんな時?
佐藤:まぁ、青春時代。高校2年生で1回と、高校3年生で1回です。
枦山:何かの雑誌で読んだことある。日焼けサロンに行ってましたよね。
佐藤:それです。それもあります。そういう時代です。
枦山:・・・ですよね。サッカー雑誌で勉強していたら、佐藤選手のその記事がありまして。日焼けサロン。
羽生:別に経営してない。
枦山:経営してたんですか?
佐藤:高校生で経営できませんから。
北澤:何か大きな理由があったんでしょうかね。
佐藤:高校2年生の時に辞めた理由は、全国大会で準優勝したんです(1998年第22回日本クラブユース選手権(U-18) 大会、ジェフ市原ユース準優勝)。自分の中でサッカーに対して満足しちゃって、じゃ次のことをやろうかなと思って、辞めて遊びました。で、サーフィンやったりして、3カ月くらい経って、「戻らせてください」って頭下げに行ったんですけど。
北澤:自ら?
佐藤:自ら。
枦山:どうして戻ろうと思ったんですか?
佐藤:3カ月間、すごくいろいろやったら、ヒマになっちゃったんですよ。
羽生:やること終わったんで。
佐藤:「やること終わったな」と思って。
羽生:やりたいことがない。
佐藤:僕はユースだったんですけど、ユースは学校が終わって、学校のみんながどこかに遊びに行くという時に、自分は1回家に帰って、練習着を持って電車に乗って、練習に行って、帰って来て、夜ご飯を食べて寝て。朝起きたら、学校って。毎日毎日その繰り返しだったんで。それがなくなってやりたいことやったら、ちょっと恋しくなったというか。寿人がいたんで、やっぱり自然と耳に入ってきたりして、「またやりたいな」と。で、戻りました。高校3年になりまして、ちょっと成長したと思ったんですけど、国体かなにかで優勝して(第54回国民体育大会サッカー少年男子の部、千葉選抜優勝)、終わった時に、「あれ? 俺、全国で一番になったな」と思って。
会場:笑い
佐藤:「・・・っていうことは、また何かやろうかな」と思って、それで辞めました。
枦山:また辞めたんですか?
北澤:さっき言いました。2回目はどれくらい?
佐藤:2回目は3週間。その時にすごくいろいろ考えて、プロに上がるのか、他の仕事をやるのかすごく迷って。
北澤:正直だね。
佐藤:ずっとサッカーをやって来たので、プロに上がって楽しいのかなと。当時ジェフは残留争いを毎年していたチームだったし、あの中に入ってどうなんだろうと思ったし。
北澤:で?
佐藤:せっかくここまで来たから挑戦してみようかなと思って、また「戻らせてください」って。
北澤:けどさ、辞められなくなっちゃうというか、「辞めてはいけない」という風にならない? ちょっとそう思ったんだけど、すごい決断するね。
佐藤:今でもたまに思うんですけど、人生って1回しかないじゃないですか。自分はやりたいことがたくさんあるんですけど、それを我慢して一つのことだけやるよりは、いろんなことをやっていく方が、絶対に人間としても死ぬ時最期に「やったね、いろいろ」って思えるような気がして。高校生の時はポンポンと辞めてしまいました。
北澤:なかなか勇気ある決断で、また勇気ある戻りだよね。
枦山:でも、わかりますね。いろいろやってみて、「これだ!」と思うものができて、迷いなくやっていって。サッカー辞めれば終わりじゃないっていうことですよね。
佐藤:そのとおりです。
羽生:いいこと言いましたね。
北澤:すごいですね、今のまとめ方ね。
枦山:水野選手も辞めたいと思ったことがあるんですよね。
北澤:あるんだ。
水野:そうですね。辞めたいというか、行き場を失った感じで。
羽生:尾崎豊?
会場:笑い
水野:高校(清水商業高校)を卒業して、羽生さんが卒業した筑波大学を受けたんですけど、推薦で。ちょっと頭が足りなくて。
羽生:倍率高いんだよ。入るの難しいんだよ。
水野:入るの難しいんで落ちてしまって、それで本当にその時にこれからどうしようと思って。一時期、普通の木材関係の会社の資料をもらって、本当にそっちに行こうかなと。
北澤:就職?
水野:それも考えていて、親にも相談して。その時に本当にサッカーを辞めなければならないという状況に追い込まれていて。でも結局、その1週間後くらいにジェフから声がかかって、入ることになったんですけど.もしその話がなかったら、こんなに素晴らしい人生を送れてるとは思っていなかったです。
会場:拍手
北澤:「素晴らしい人生だ」と言えるのがすごいですね。
枦山:そうですよ。おいくつですか、今?
水野:22歳です。
枦山:弱冠22歳で、「おいしい人生だった」と言えるのがすごいですよね。
水野:「おいしい」とは言ってないです。
北澤:おいしいかどうかはわかりませんけどね。素晴らしい人生です。
水野:素晴らしいです。こんな場に出られるなんて思わなかったし。本当にジェフさんに声をかけてもらったおかげで今があるので。
北澤:もともとは大学に進学しようと思ってたんですか?
水野:そうですね。
北澤:Jリーグに行こうという気はあまりなくて。
水野:いや、行きたかったんですけど、オファーがなかったらしくて。
北澤:すごい選手をオファーをしましたね、ジェフは。
水野:ありがたいです、僕も。
北澤:で、その時はジェフは好きだったんですか?
水野:いや、誰一人知らなかったです。
北澤:え?
水野:誰一人知らなかった。
佐藤:入ったのは何年だっけ?
水野:今4年目だから2004年です。オシム(イビチャ、日本代表監督)さんの2年目です。僕は静岡県なんですけど、ジェフの試合って静岡であんまりやらないじゃないですか。
会場:笑い
羽生:関係ない。
北澤:どうなんでしょうね。
水野:すみません。
北澤:俺っちは、どこなんですか。
水野:俺っちは・・・清水だ。
北澤:・・・やめときますか。
水野:やめときますか。清水弁ちょっと慣れないんで。
北澤:でも、最後は「ジェフユナイテッド市原・千葉に入団してよかった」と。羽生選手は辞めようと思ったことないんだよね。
羽生:はい。
北澤:では、「自分のサッカー人生で自慢できるゴールがある」。みなさんYES。羽生選手は?
羽生:みんなあるから、悔しいなと思ってYESにしました。自慢できるゴールですよね。
北澤:自慢できるゴール。
羽生:自己満ゴールなら、ナビスコカップ(2006年3月29日、フクダアリーナ、ジェフユナイテッド市原・千葉2-1サンフレッチェ広島)の。晃樹から後ろからパスが来て、ターンとトラップと。
佐藤:最高だった。
北澤:そういう少しトリッキー気味なシュートって決めたいですか。
羽生:決めたいですね。
北澤:思いきったシュートが結構巧いじゃないですか。
羽生:それは後ろから来て・・・
佐藤:見せてあげなよ。
北澤:見たいですよね?
会場:拍手
北澤:足は大丈夫ですか?
羽生:はい。(立ち上がって一礼して)晃樹、後ろ。
北澤:YSE/NOの札がボールだとして。ゴールどっちですか?
羽生:晃樹が後ろからボールを出して、僕が走ったら欲しかったのと逆に来たんです。ライナー性のいいボールだったんですけど、こっちに行きたいんだけど逆にボールが来ちゃった。それを右足でトラップして、こっちにこう持って来て、そうしたらちょうどいいところに来たんで、それを反転のまま左足でシュート。
会場:拍手
北澤:佐藤選手は今のシーンにからんでいるんですか?
羽生:勇人は「打て!」って。
会場:笑い
北澤:じゃもう1回やろう。ボールがこっちから来て・・・
羽生:左足でトラップして反転して、ボールを呼んで・・・
佐藤:打て!
会場:笑い
枦山:素晴らしい連係プレーですね。
北澤:すごいプレーですね、反転して。
枦山:足、大丈夫ですか?
羽生:このぐらいなら。
北澤:水野選手は?
水野:僕は自慢ということで、やっぱりナビスコの決勝(2006年11月3日、国立競技場、ジェフユナイテッド市原・千葉2-0鹿島アントラーズ)ですね。
会場:拍手
枦山:再現したいですか?
水野:いいです。面倒くさいです。
羽生:僕のだけでいいです。
水野:おいしいところは持っていく。
羽生:ナイスゴール。
水野:すごいあっさり。自分の番が終わったら、これだから。
枦山:食うか食われるかの世界ですからね。もう喋らなくても大丈夫ですか。
水野:ありがとうございます。
北澤:デビューがエスパルス戦(2004年10月17日、日本平スタジアム、ジェフユナイテッド市原・千葉 2-1 清水エスパルス)でしたっけ。
水野:はい。
北澤:あの試合、僕見てたんですよね、テレビで。その前に静岡の関係者から教えてもらって、水野選手のことを聞いていて。
水野:デビュー戦で初めてピッチに立って、いきなりコーナーキックでしたから。
北澤:あそこで使われると思いました? まだ接戦の状況でポンとデビューしたんですよね。
水野:そうです。デビュー戦に勝ったのがすごくうれしかったです。
枦山:北澤さんが見ていた感想は?
北澤:さっきも行くチームがなくなったという話を聞いていて、ジェフが取って、すごいなと思って。当時はイビチャ・オシム監督でしょ。
水野:そうです、はい。
北澤:やっぱりすごい?
水野:ちょうど主力選手にケガ人が4~5人いて、その関係で使われたので、タイミング的には最高でした。
北澤:入団して2年目?
水野:いや、1年目です。
北澤:使われないとね。そういうところで使われないままで出られなくなるケースが多いじゃない。きっかけがなくなって。
水野:それからは徐々に出られるようになったので、オシム監督には感謝しています。
北澤:ちょっと個人的に聞きたかったんで。では、佐藤選手の自慢できるゴールは?
佐藤:ええと・・・
羽生:待ってる間に考えてるのかと思ったら。ないみたいな感じですね。
会場:笑い
羽生:「え~?」みたいな。
北澤:ゴールはどのくらい決めてますか?
佐藤:20点台後半ですね。で、ひとつは・・・いいですか、2つ言っても?
北澤:いいですよ。
佐藤:ひとつは試合に負けたのであんまりよくないですけど、この間のFC東京戦(2007年5月12日、味の素スタジアム、FC東京4-1ジェフユナイテッド市原・千葉)の時の。
会場:拍手
佐藤:『キャプテン翼』を書いている高橋陽一先生に「翼のゴールベスト1」に選ばれたので。
会場:拍手
佐藤:で、もうひとつは、初めての双子対決といわれた仙台との対戦(2003年10月18日、仙台スタジアム、ジェフユナイテッド市原・千葉2-1ベガルタ仙台)で、0-1で負けてたんですけど、僕が運良く2点入れて2-1で勝った時ですね。1点目はきれいな点じゃないんですけど、寿人がいるチーム相手に自分が点を取って。しかも、あいつがフォワードで自分は中盤というところで。「勝ったかな」っていう。
会場:笑い

取材・構成/CREW 撮影/新関雅士

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