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'05年9月18日(日)、地元・千葉で初めて開催された「ジェフユナイテッドトークバトル」。斎藤大輔、羽生直剛、巻誠一郎の3選手をゲストに招き、オシム監督の裏話から選手個々の初恋にまで話題が及んだトークの模様を完全掲載!!

ジェフユナイテッドトークバトル Vol.2

supported by協力:, bayfm
オークラ千葉ホテル・エリーゼルーム

前編

<ホスト>
北澤豪(サッカー解説者)
'68年東京都生まれ。修徳高校から本田技研を経て'91年読売クラブ(現・東京ヴェルディ1969)へ移籍。Jリーグ初年度の'93年と'94年の優勝メンバー。日本代表としてもフランス「W杯」出場に貢献した。'03年に引退。現在は月曜日の「スポんちゅ」(日本テレビ系)に出演する他、日本サッカー協会国際委員、JFAアンバサダーとしてサッカーの発展・普及につとめている。

<ゲスト>
斎藤大輔(ジェフユナイテッド市原・千葉)
'74年愛知県生まれ。愛知FCから中央大学を経て'97年にガンバ大阪入り。'00年~'01年はセレッソ大阪でプレイし、'02年ジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)へ移籍。フィジカルの強さと打点の高いヘディングを武器とする屈強なディフェンダー。現在はチーム最年長者として、最終ラインだけにとどまらず、チーム全体をまとめている。

羽生直剛(ジェフユナイテッド市原・千葉)
'79年千葉県生まれ。こてはし台SC(千葉市横戸小)から千葉市立こてはし台中、八千代高校、筑波大学を経て'02年にジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)入り。大学4年時にはユニバーシアード北京大会で決勝ゴールを決め、優勝に貢献した。ジェフに入団すると1年目からレギュラーに定着、抜群の運動量とスピードで「走る」オシム・サッカーの中枢を担っている。

巻誠一郎(ジェフユナイテッド市原・千葉)
'80年熊本県生まれ。県立大津高校から駒澤大学を経て'03年にジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)入り。長身を生かしたヘディング・シュートと高い運動量を誇るチームのエース・ストライカー。駒大時代には全日本大学選手権優勝、ユニバーシアード北京大会優勝など数々のタイトルを獲得している。今年の「東アジア選手権2005」北朝鮮戦で日本代表初選出・初出場を果たした。

司会:皆さん、初めましてこんにちは。「ジェフユナイテッドトークバトルVOL.2 supported by 君津住宅」を開催させていただきます。さっそくですが、ホスト役をご紹介したいと思います。元サッカー日本代表、現在はサッカー解説のほか、多方面で活躍されていらっしゃいます。北澤豪さんです。どうぞ。
会場:拍手
北澤:よろしくお願いします。すごいですね、顔、顔……ですね。
司会:今日は立場が違ってホスト役です。これまで何回か北澤さんはトークバトルにゲストとしてご参加いただいてますよね。
北澤:立場が違うと雰囲気が違いますね。選手の良さを引き出さなければいけないなぁと思っています。
司会:今日はジェフユナイテッド市原・千葉ということで、3選手にお越しいただいているんですけど、昨日の試合(2005年9月17日、さいたま市大宮公園サッカー場、大宮アルディージャ0-1ジェフユナイテッド市原・千葉)は観ましたか?
北澤:観ましたよ。現地ではなくて、テレビで観させてもらいました。
司会:ちなみに「昨日大宮に行ったよ!」という方は?
会場:挙手
司会:おぉ~。さすが千葉ですね。
北澤:ということは、よくジェフのことをご存じでいらっしゃる方が多いということですね。今日は深い話をしなきゃいけないですね。
司会:昨日勝って、ちょうどいまこの時間帯に浦和レッズとサンフレッチェ広島の試合をやっていますね。
北澤:この対戦は気になりますよね。
司会:その結果次第で、ジェフの順位がまた変わってくるというところですからね。昨日で暫定4位ということで、じわじわ上がって来ていますから。
北澤:素晴らしいですからね、ここ数年。
司会:昨日の試合も含めて、北澤さんから見たジェフの戦いぶりっていうのはどんな感じですか。
北澤:強いチームだと思いますね。ここ数年順位も上げていますし、特に昨日のゲームなんて、どちらかというと内容はそんなによくなかったんです。ただやはり「勝つ」というのが大事なことであって、すごく強いチームになったなと思います。
司会:昨日大宮にいらっしゃった方はわかると思うんですけど、芝がね……。
北澤:よくなかったですね。
司会:芝の状態がよくなくて。一説によるとカラスがつまんでいったっていう話ですよ。
北澤:そうなんだ。ただ、選手達はいいサッカーしてますよ。ジェフはちゃんとパスをつなぐサッカーを展開するので、グラウンド条件がいい方がよかったのに、ちょっと残念でしたね。
司会:北澤さん、現役の頃に見ていたジェフの印象というのはどうでしたか。
北澤:やりにくいチームだなと思っていましたね。あとはイエローカードが少ないチームでしたね。けっこうクリーンで。特に組織的なチームだったので、東京ヴェルディ1969としてはタイプの違うチームとの対戦ということで、やりにくさはありました。いつもコロッとやっつけられちゃって、千葉に来るといい思い出がなかったです。
司会:いま解説者として見ても、いいチームという印象は変わらない?
北澤:そうですね。またオシム(イビチャ、ジェフユナイテッド市原・千葉監督)監督の「走る」っていうところがね。それが何なのか、今日は僕も聞いてみたいと思います。
司会:ということで皆さん、準備はよろしいでしょうか。
北澤:いまの話よりも、「早く選手を呼んで!」っていう感じですね。みんな、そわそわしてる。
司会:それでは大変お待たせしました。本日のゲストをご紹介したいと思います。まずは、今シーズンは最終ラインのリーダーとして大活躍、バックナンバー・3、ディフェンダー・斎藤大輔!
会場:拍手
司会:続きまして、利き足は、頭。恐れることなく身を投げ出すヘディングは心を揺さぶる。バックナンバー・18、フォワード・巻誠一郎!
会場:拍手
司会:そして、中盤での激しい動きで相手の裏を取り、鋭いゴールを決める。バックナンバー・22、ミッドフィルダー・羽生直剛!
会場:拍手
司会:カメラがすごいですね。
北澤:どうですか、これだけのカメラを向けられて。まぁもちろん、試合の時でもそうですけどね。
斎藤:すべてのカメラが僕を向いてるんで。
北澤:いえいえいえ。
会場:笑い
北澤:早いですね、飛ばしていくのが。どうですか、巻選手、このフラッシュの数は? まぁ慣れていますよね、羽生選手も。
羽生:そんなことないです。
巻:……。
北澤:まず斎藤選手から簡単にごあいさつと、今日の意気込みを聞かせていただければと思います。
斎藤:今日は僕のためにこんなに集まっていただいて。
会場:笑い
北澤:まぁ、ディナーショーみたいな感じですかね。
斎藤:短い間ですけど、一緒に楽しみましょう。よろしくお願いします。
北澤:続きましては巻選手。「利き足は頭」というコメントがありましたけど、トークの方はどうでしょう?
巻:苦手なんです。
北澤:苦手なんですか。
巻:はい。
北澤:僕は「しゃべるのかな」という印象があったんですけどね。今日の意気込みの方を聞かせていただきたいんですけど……マイクが入っていないですね。
会場:笑い
巻:頑張ります。よろしくお願いします。
北澤:そして羽生選手。僕はどちらかというと羽生選手はあまりしゃべらないイメージがあるんですけど。
羽生:そうですね、しゃべらないです。
北澤:さっき控え室で話していたら、「一番しゃべるのは俺だ」って豪語してたような気がするんですけど。
羽生:いや、あんまり思ってないです。
北澤:「結果を出す」って斎藤先輩がいってましたけど。
斎藤:いつも結果を必ず残すんですよ。
羽生:そんな振りすらいらないです。
北澤:じゃ、意気込みのほうを。
羽生:2時間で結果を残したいと思います。
北澤:お~っと!
羽生:よろしくお願いします。
司会:それでは3選手、よろしくお願いします。ということでさっそくなんですが、トークバトル恒例の11の質問に移りたいと思います。11個の質問をさせていただきますので、3選手にはYESかNOでお答えいただきます。
北澤:この11の質問には、しっかりはっきり答えていただかないとね。その理由はまた後ほど。

質問斎藤羽生
第1問 ハッキリ言って、3年経ってもオシム監督は怖い!YESYESYES
第2問 練習量は、どのチームにも負けない!YES/NOYES/NONO
第3問 オシム体制3年目を迎え、チームは着実にレベルアップしている!YESYESYES
第4問 自分自身も着実にレベルアップしている!YESYESYES
第5問 チーム内に、ライバル視している選手がいる!YESYESYES
第6問 得意なチームと苦手なチームがある!  NOYES/NONO
第7問 今シーズン、現在までの成績には満足している!NONONO
第8問 来期以降も、監督にはチームに残って欲しい!YESYESYES
第9問 新しいホームスタジアムのオープニングゲームが待ち遠しい!YESYESYES
第10問 新しいホームスタジアムでも不敗神話を作りたい!YESYESYES
第11問 今シーズンは、必ずタイトルを獲る!  YESYESYES

司会:ということで11の質問でしたが、今の回答をもとに、これから2時間、どうぞよろしくお願いします。
会場:拍手
北澤:今、11の質問をさせてもらいましたけれど、その前に昨日のゲームをちょっと振り返っていただこうかなと思うんですが。どうでした斎藤選手?
斎藤:正直ちょっと内容がひどかったです。

北澤:芝生が?
会場:笑い
斎藤:そういうことにしておきます。
北澤:どうですか、巻選手。昨日はイライラした場面もあったんじゃないですか。
巻:そうですね。暑いのもあって。
北澤:巻選手のマイク、ボリューム低いのかな、元気がないのかな、どっちだろう? どうですか昨日は。途中で交代したりもしましたけど。
巻:まぁ交代はあんまり。疲れちゃって交代が多いんで。いつも「交代枠を確保するな」 っていわれるんです。
北澤:運動量が多いですからね。けれど昨シーズンとかは、いいゲームをしながらも負けてしまったり、引き分けたりする試合があったと思うんですけど。昨日のような試合は、内容はいまひとつジェフペースじゃなかったけど、勝てたというのは大きいんじゃないですか。勝因はズバリ何ですか。
斎藤:今年始めは勝ちきれなくて、引き分け3つから始まったんで。その中でも追いつかれたりとか、なかなか勝ちきれなかったんですけど。1年の中でもチームが成長しているんだなという現れが昨日の試合だったと思います。それが勝ち点3を取れたことにつながっていると思います。
北澤:どうですか羽生選手は?
羽生:その通りだと思います。
会場:笑い
羽生:本当に昨日とかも、向こうは守ってから入るという感じで、本当にうまくいかなくて大変だったんですけど、ここ何試合か、悪くても勝っているというのが今までになかったことですね。
北澤:ああいう試合で勝ち点3が取れるというのは、これからに向けては大きいですよね。
巻:そうですね。
北澤:昨日の1点のシーン。フリーキックでかなりアグレッシブに突っ込んでいった結果、ゴールが生まれたんじゃないかなと思うんですけど。
巻:今までの試合でも、ああいう形で点を取ることがあまりなくて、押されていたらそのまま引き分けで終わることが多かったので、そういう意味ではセットプレイで点が取れるようになったというのは大きいと思います。
北澤:現在4位ですからね。いい位置ですよね。
巻:頑張ります。
北澤:多分そういうのも、トレーニングの成果かなと思うんですけどね。練習をしっかりやっているからこそ、ゲームに現れると思うんですけど。先ほど「オシム監督は怖い」という質問に、すぐにYESを出されたんですけど、オシム監督ってどんな方なんでしょうかね。僕はいつも見ていて思うんですけど、ベンチの天井の枠にぶつかりそうじゃないですか。「大丈夫かな」と思って見てるんで、座ってると安心するんですけどね。どうですか、オシム監督の怖いところっていうのは。
斎藤:通訳が非常に柔らかく訳してくれているのでまだ助かっているんですけど、正直に通訳していたら本当にボロクソみたいなんで。こっそり後で「本当はどういうこと言ってたんだ?」って聞いたら、「なかなか訳せない」って。いろいろボロクソにいわれてるみたいです。通訳の間瀬(秀一)くんは、非常に柔らかく僕たちに伝えてくれているんです。
会場:笑い
北澤:それは人によって違いとかあるんでしょうかね。選手個人に対する対応とか。
羽生:僕は、特に1年目とかは、罰走があるんですけどよく走らされていました。練習が始まって、5対2とかでボール回しとかやるとするじゃないですか。初めはちょっとラクな気持ちで入って、簡単にミスとかすると「走って来い!」という感じになるんですよ。
北澤:ミスに対して。
羽生:はい。最初から集中してやらないと「お前、もう練習が始まっているんだから集中してやれ! 走れ!」って感じになるんですよ。それが多かったですね、僕は。
北澤:それが今の運動量につながったとか。
羽生:それで頑張って走ってたんで……そんなことはないんですけど、そういうのが多かったんで、それがちょっと怖かったですね。
北澤:昨日の試合が終わったときのオシム監督のコメントも、記者に向かって「サッカーの話以外のことを聞いてくれ」なんて、とても面白いコメントをされると思うんですけど、面白い話とかないんでしょうか。どういう人なんですか。変わってるとか。
斎藤:いや、変わっていると思いますよ。
会場:笑い
斎藤:例え話がすごく多いですね。「そんなんに例えるんや」っていう。
北澤:例えながらも、最終的にはサッカーのことにつながるわけですか。
巻:……多分。話をすごく考えながら聞いてます。「こういうことを言いたいんだな」っていろいろ考えます。
北澤:それが手なんですかね。
巻:そうです。そういう話し方をします。
北澤:オシム監督のすごいところは? お客さんからもこれだけ「残って欲しい」という拍手がありますけど。
斎藤:練習内容をその場でいきなり決めるんですよ。今までの監督だと、事前にスタッフとコーチ陣と「今日はこうやって、こうやって」っていう流れを決めると思うんですけど、オシム監督はグラウンドに出てから選手のコンディションを見て、「今日はフィジカルが足りないな」と思ったらフィジカル中心の練習になって、「パス回させたらいいな」と思ったらその場でバッと決めたり、臨機応変にすべてやっちゃうし。そこでミスしたりするとまた罰走。通訳も、通訳をミスしたら罰走。
会場:笑い
斎藤:それはスゴイですね。ちょっとびっくりしました。
羽生:また間瀬さん走るのが速いんですよ。
斎藤:そうそう。コーチも走ります。
北澤:練習を見に行った方いらっしゃいます?
会場:挙手
北澤:どうなんですか、練習は楽しいんですか、厳しいんですか? 何か今、聞いてたら楽しいような気がしてきた。
会場:笑い
北澤:どうですか羽生選手、監督のすごさは?
羽生:どこまで先を見ているのかわからないですね。今やらせていることがどこを見てやらせているのかが。今3年目ですけど、1年目にあれだけああいう練習をしてて。
北澤:ああいう練習?
巻:お前の説明わかりにくい!
羽生:ちょっと、からまないで。結局、すごいですよ。
北澤:間抜けましたけどね。
羽生:簡単に言ってしまえば、さっき「ベンチの上の枠にぶつかりそうだ」っていってたじゃないですか。ぶつからないんですよ。
北澤:なるほど。わかってるんだ。
羽生:だから結局、ぶつかりそうなんだけど、あの人の中ではそこが想定内なんで、絶対ぶつからないんです。バスのサイドミラーっていうんですか。
北澤:当たりそうだね。
羽生:当たりそうなんですよ。まぁ僕には関係ないことなんですけど。「当たっちゃうんじゃないかな」と思って見てると、スーッときれいによけるんですよ、ゆっくり。
北澤:視野にあんまり入ってなくても。
羽生:だからそういうところが、先を読んでるんじゃないかなと思って。
北澤:そこから見出す羽生選手もすごいと思う、僕は。
会場:笑い
北澤:さすが中盤の大事なポジションを任されているだけありますね。オシム監督をよくわかっていらっしゃる。オシム監督は3年目ですよね。育てることが上手なんじゃないですか。そういった点では巻選手どうですか。今年は日本代表にも選ばれて活躍しましたけど。
巻:一番僕がチームで怒られているんです。「巻、巻」いわれます。練習でも試合でも。
北澤:一番言われることは何ですか、センターフォワードというポジションで。
巻:だいたいミスで怒られますね。ミス8割。
北澤:ミスはだいたい怒られるような気がしますけどね。
巻:たまに練習を締めるために怒られたりもします。
北澤:じゃ、そういう役をいただいているんだ。
巻:はい。そうかもしれないです。
北澤:巻選手ってこういうキャラなんですか?
斎藤:もうちょっといじれば出てくると思います。
北澤:どうですか、初選出された日本代表っていうのは。
巻:いや、びっくりしましたよ。それだけです。
会場:笑い
北澤:他の代表選手と関わってどうでした?
巻:そうですね、緊張とかは全然しなかったです。知っている人ばかりで。Jリーグで一緒にやってるし。でも、練習のギャップとかはすごく感じました。
北澤:それはオシム監督とジーコ(日本代表)監督の違い?
巻:そうですね。
北澤:怒られない?
巻:怒られませんし。それはちょっと嬉しかったです。
会場:笑い
北澤:今後ドイツ大会に向けての意気込みというのは?
巻:……。
北澤:巻選手、あなたです。
巻:僕ですか? まずはチームでしっかり結果を残さないと。チームが一番ですね。
北澤:日本代表はチームで活躍した人が選ばれてくるところですからね。過去の経歴を見ていますと、3人ともユニバーシアードで活躍されていますが、大学とオシム監督との違いという点ではどういったところがありますか。特に斎藤選手はガンバ大阪でも、セレッソ大阪でも経験がありますが、先ほどの練習量ということでいうと、違いがあればお話いただきたいんですが。
斎藤:関西のチームっていうのは、わりと雰囲気はいいんだけど、ちょっと厳しさが足りないというところがありますね。たとえば、チーム内でのポジション争いであるとか、紅白戦をやっても、ちょっとナーナーにやっているところは、ジェフと比べたら違うのかなぁと思いますね。オシムさんが来てから練習でもみんなが本当に集中して。非常にプレッシャーがある中で、監督に見られているという緊張感を持ちながらやれているというのが、いまサッカーやっていて非常に楽しいです。
北澤:巻選手どうですか。駒澤大学出身ですが、大学との違いというのは?
巻:練習量的には、大学のときもすごく走っていたので違いとかなかったんですけど、やはり質の部分で違いますね。練習でもすごく集中します。
北澤:それは目的がすごくはっきりしているからじゃないですか。
巻:練習で頭使いますね。
北澤:体よりも頭が疲れる?
巻:そうですね。
北澤:ジェフの練習量はどうですか。午前・午後っていうスケジュールとか。1週間の流れでいうと、昨日は試合でしたよね。今日のスケジュールはどうだったんですか。
羽生:本当ならリカバリーっていうか、軽いメニューです。
北澤:試合の翌日はリカバリー?
羽生:雰囲気によるんですけど、すべてがフィーリングなんで。ラクな気持ちで行くと痛い目にあうこともあるし。
北澤:で、月曜日になると。オフっていうのは?
羽生:あるかないか。月、火、水曜日まではだいたい上り調子の練習で、水曜日は練習試合が絶対入ります。そこまではとりあえず厳しいですね。
北澤:走ることによって、ボールを持っていない選手の動きっていうのがすごくジェフは機能的だなと思うんですけど。走ることでオフザボールの動きは変わりましたか?
羽生:チーム自体が変わったと思いますね。まずは練習の量が増えたということと、最近は質が求められていると思います。
北澤:さっき斎藤選手が言ってたんですけど、肉体改造を始められたということですが、何をしているのか、具体的に聞かせていただきたいなと思うんですけど。
羽生:言うほどやってないですよ。
北澤:走れる羽生選手がまた肉体改造するというのは、何か目的があるんですか。
羽生:いやまぁ、基本的にはちょっと年取ってきたので……でもダイさん(斎藤)すごいですよ。体が筋張っちゃってるんですよ。
会場:笑い
斎藤:それは持って生まれたものなので。
北澤:それは自分で付けた筋肉じゃないんですか。
斎藤:遺伝です。
北澤:僕はこの三人の中では斎藤選手とはガンバ時代に対戦したことがあるんですけど、つぶされましたね。「マンツーマンでつかれたらイヤなディフェンダーを挙げてください」っていわれたら、斎藤選手ですね。片手で押さえられて動けなかったですから。
巻:30歳の体じゃないです。
北澤:これね、やった選手じゃないとわからないと思うんですけど。
巻:しかも、きたないです。ホントきたないです。
羽生:練習中とかもすごいきたないです。シュートするのに「俺、抜いたかな」と思ったら、後ろから押さえますから。その1本の腕で、僕なんかバランス崩しちゃうから。
北澤:あの1本の腕のすごさは、選手じゃないと感じられないですよね。押さえ込むことができる肉体ですからね。
巻:別にやらなくてもいいところでちょっかい出すんです。練習中でも。あと、うまくサボります。サボり上手。
斎藤:そのへんは要領よく。長くやるコツだと決めてるんで。
北澤:監督に見られないように。そんなに監督怖いんですか?
会場:笑い
北澤:ただ今年は3年目ですけど、ヤマザキナビスコカップも準決勝進出まで来ていますし、Jリーグも4位ということで、優勝をつかむには何が必要とされるんですかね。
斎藤:巻くんと羽生くんの得点ですよ。
北澤:本当に経験を持った選手ですね。巻選手は今シーズン9ゴールですか。
巻:最近何か止まってますけどね。
北澤:何か退場もありましたけど。
巻:すみません。
北澤:どうですか、得点という部分で期待されていると思うんですけど。
巻:いや、まだまだ期待に応えられてないかなと思います。最近は後ろがしっかり守ってくれているんで。
北澤:シーズンが始まる前に目標とかは立てないんですか。「何ゴール取ろう」とか。
巻:そうですね。一応、出た試合は絶対に点取ろうと思っているんですけど。特に目標というのはないです。
北澤:先ほども紹介で「利き足は頭」ということですが、ナビスコカップのジュビロ戦(2005年8月13日、ヤマハスタジアム、ジュビロ磐田2-2ジェフユナイテッド市原・千葉)のダイビングヘッド。やっぱり足よりも先に頭が出るんですか。
巻:そうですね。だいたいゴロのボールでも頭が出ちゃいますね。
会場:笑い
北澤:あれは確かにそういうシーンでしたね。
巻:でも、頭の方が確実なんです。泥臭いゴールが好きなんで。足だとはずしたら悔いが残っちゃうんで。頭ではずしてもけっこう「しょうがねぇな」って。
北澤:これは巻選手のヘディングの見方が変わりましたね。これまで羽生選手はゴール数が2。ちょっとここ数年で見ると……。
羽生:そうですねぇ。でも去年1点しか取ってないんで。
北澤:去年1点ですか? 何かすごく中盤で簡単にボールを処理して、ゴール前に現れるのが特徴だなと見ているんですけどね。
羽生:まぁ確かに少ないですね、やっぱり。でもナビスコカップで通算2点取れているんで、自分としては満足してるんですけど。計4点ということで。でも、まぁいいです。
北澤:さっき話していたんですけど、ジェフはイエローカードが少ないですよね。そういったところもクリーンにやっていると思うし。でも、ヘンな退場されてますよね。
斎藤:羽生と巻は2人とも退場してる。
会場:笑い
羽生:え? ダイさんしてないんですか?
斎藤:今年? してないですよ。
北澤:3選手とも全試合にからんでますよね。斎藤選手は退場してないんだ。
斎藤:はい。
北澤:羽生選手のナビスコカップの退場(2005年8月6日、国立競技場、ジェフ千葉3-2ジュビロ磐田)はどうされたんですか。データによると89分。
羽生:あれは僕からしてみたら正当だったんですけど。決して審判の批判をする訳じゃないですけど、明らかにボールに行ってて。僕なんか危険じゃないですよ。ダイさんみたいなファウルじゃないんだし。例えば、僕がダイさんにタックルに行っても、別にケガする必要はないじゃないですか。
巻:最近すごくファイターっぽくやってて、すり傷とか見せにきたりするんですよ。「戦ってんだよ」みたいな。
羽生:すり傷の数で決めようかなと思って。
北澤:巻選手もこの間荒れた試合で。
羽生:あれは罰金ものですよ。
北澤:ジェフはどうでしょう、「罰金」っていう制度はあるの?
斎藤:ありますね。遅刻は罰金です。でも、ここの2人は優秀ですね。
北澤:誰かチーム内でよく遅刻をする人はいる?
巻:結城(耕造、ジェフユナイテッド市原・千葉)さんじゃないですか。
羽生:結城の場合は、細かいところをみんな言いやすいから。「30秒で飯を食え」とか。
北澤:常習犯なんですか?
斎藤:あいつは言い訳を必ずするんで。
北澤:しっかりしてますねぇ。
巻:あと工藤(浩平、ジェフユナイテッド市原・千葉)です。工藤はいつも遅刻してます。
北澤:かなりこういう話題になったらこう盛り上がってますけど。出てきましたね、巻選手。
巻:サッカーの話はちょっと苦手なんで。
会場:笑い
羽生:人の文句とか大好きなんですよ。いじり上手。僕が試合中シュートはずしたら、終わった後に嬉しそうに「あれ決めなきゃダメだよね」って。


後編へつづく

取材・構成:CREW
撮影:新関雅士