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ぴあトークバトル Vol.18
スポーツ快楽主義2002 Vol.18 Supported by
KIRIN
どうなる! サッカー日本代表 ~2002W杯いよいよ開幕!~
後編
中西:今までは日本代表の話をしてきたんですけど、ここからは世界に目を向けたテーマでいきたいと思います。素晴らしい選手が各国から来ていますからね。
白石:来ていますね。
中西:本当に思うんですけど、5月26日もイングランドとカメルーンのテストマッチをやっていましたよね。ああいう試合を日本で毎日やっていることがすごいですよね。
白石:すごいですよね。
中西:どこへでも観に行きたい感じがします。すごい選手、すごいチームが来るわけですから。では第2のテーマに沿って、11の質問に「YES」「NO」で答えていただきたいと思います。
ナレーター:日本代表だけでなくワールドカップ全体に関しての質問です。
質問木村氏白石氏中西氏
1:ブラジルは復調しているyesyesno
2:今大会は負傷で出られない選手が多いと思うyesyesyes
3:得点王はロナウドだnonono
4:ロベルト・バッジオが見たかったyesyesyes
5:今回もアフリカのチームが驚きを起こすyesyesyes
6:韓国はグループリーグを突破するyesyesyes
7:チラベルトがフリーキックを決めるnoyesno
8:フランスが連覇するyesnono
9:今大会は得点シーンの多い大会になるyesyesno
10:フーリガンが1回は暴れるnonono
11:ワールドカップ後、Jリーグの観客が増えるyesyesyes

中西:じゃあ、いきましょう。1問目「ブラジルは復調している」。僕は「NO」なんですけど、おふたりは「YES」。和司さん、どうですか。
木村:復調しているかはわからんけど、実際、いろんな意味で経験が豊富で、いい選手がたくさんいるから。予選を勝ち上がるのが苦しかったと言われているけど、ちゃんと本番までに調整してくる。選手を見ればおもしろいもの。優勝するかもしれない。もちろん、優勝候補に入っているからね。
白石:私も予選の時に、すごく状態が悪いなって思ったんですけど、滑り込みでも本大会に入ってくるのがブラジルだなと思うし、ヨーロッパチャンピオンズリーグを観ても、ブラジルの選手が調子を上げてきているのがわかるんですよ。すごく眉毛の太いレバークーゼンのディフェンスのルッシォとか。一度見たら忘れられない。
木村:シドニー・オリンピックの時は下手くそだったのになと思いながら。今ではちゃんとやっているもんね。びっくりした。
白石:注目選手がたくさんいますよね。ロナウド(インテル・ミラノ)も、さっきの質問にもありましたけど、パフォーマンスを見せてくれるんじゃないかと期待しています。
中西:僕は「NO」というよりは、ブラジルはいい状態ではないということです。選手たちが力を出せる状況じゃない。国民の期待がマイナスになってるんじゃないかなと思いますね、最近のブラジルに関しては。
白石:ロマーリオ(バスコ・ダ・ガマ)選手が代表に入らなかった時も。
中西:マスコミの追求の仕方がハンパじゃないじゃないですか。
木村:ブラジルも予選の時は、国外にいる選手を試合に呼べないという事情があったんだよね。それが厳しいところだよね。日本も将来的にはそうなっていくと思うよ。
白石:たくさんの選手が海外に出て行って。
木村:そこまで個人的にレベルアップしていかないと。チームとしてやろうとすることを共通に理解して、やらなきゃいけない部分ってあるじゃない。だから反対に言えば、ブラジルは世界トップと言われていたけど、ブラジルが弱くなったというより、まわりの国が強くなったということかもしれないよね。
中西:僕はブラジルが良くなるためには外国人監督を招聘すべきだと思っているんです。ブラジル人がブラジル代表の監督をやると、いろいろなことが起こるんで。外から冷静に見られる人が来れば。イングランドもそうですよね。スウェーデン人のエリクソン(スベン・ゴラン)を代表監督に招聘して変わりました。「ブラジルが1番」という時代は終わりましたから、そこは変わらなきゃいけないところだと思いますね。
白石:4年間の流れって早いですよね。
中西:日本も進歩しているけど、まわりも進歩している。そして2問目「今大会は負傷で出られない選手が多いと思う」。全員が「YES 」。これは和司さん、過密スケジュールだからというのはありますよね。
木村:もちろんね。ジダンが韓国とのテストマッチでケガしたとか聞くとドキッとする。ああいうファンタジスタのプレイを見られないのはイヤだな。でも日本の選手もそうや。肺動脈血栓塞栓になった高原(直泰、ジュビロ磐田)とか。ただ言えるのは、こういう時期にケガをするというのは、悪いけど持っている力かもしれないね、運命とかね。
白石:一番残念というか、信じられないと思ったのがスペイン代表のゴールキーパー、カニサレス(サンティアゴ、バレンシア)選手。オーデコロンを取ろうとしたら瓶が落ちてきて、サッカー選手の本能と言いますか、それを足で蹴ってしまったんですよね。それで親指をケガしてしまって、ワールドカップに出られない。そんな選手がいるんですよ、今回。
中西:それは条件反射だからね。
木村:足が出るよな。
白石:出ます?
中西:出ますよ。
木村:近かったら出ないよ。でも離れていたら足が出るな。寝ながら夢でサッカーボールを蹴るというのはあるよな。
中西:ありますよ。蹴ったりしますよ。
白石:ウソー!
木村:家があまり広くないから、横に蹴るよ。
中西:僕は横に蹴ることができないんで、まっすぐ飛んでいきますよ。でもエレベーターが閉まりそうな時も、つい足を入れますよ。手を使わずに。いつもやっちゃいますね。さすがにスライディングはしませんけど。僕も条件反射でやっちゃいますよ。
白石:ケガだけはしないでくださいね。
中西:大丈夫ですよ。そして3問目「得点王はロナウドだ」。これは3人とも「NO」なんですけど。得点王は誰ですかね。
木村:誰かのう? 
中西:ロナウドじゃないですか。
木村:ロナウドじゃないっていうか、わからない。試合数っていうのもあるし。
中西:それとワールドカップでは、有名選手が得点王にならないケースが意外にありますよね。
木村:うん。
中西:いきなり出てきた選手がポーンと取るとか。
白石:それから優勝チームからは、あまり得点王が出ないですよね。
中西:得点王は予想しにくいですけど、注目のストライカーはいますか。
木村:イタリア代表のインザーギ(フィリッポ、ACミラン)、ビエリ(クリスチャン、インテル・ミラノ)、フランス代表のアンリ(ティエリ、アーセナル)や若手のシセ(ジブリル、オーセール)。
中西:シセは可能性を感じますよね。新しいタイプの選手で。
木村:うん。あとやっぱりイングランドのオーウェン(マイケル、リバプール)とか。
中西:アルゼンチン代表のクレスポ(エルナン、ラツィオ)、バティストゥータ(ガブリエル、ローマ)とかいろいろいますからね。
白石:スペイン代表のラウル(ゴンサレス、レアル・マドリー)選手とか。
中西:モリエンテス(フェルナンド、スペイン代表、レアル・マドリー)とか。
木村:世界的にいっぱいいるよ。
中西:いますよね。これはきりがないので次にいきましょうか。4問目「ロベルト・バッジオが見たかった」。バッジオ(元イタリア代表、ブレッシャ)、これはみんなが見たいですよね。
白石:見たいですね。
中西:でも、来ないんで。話をしても仕方ないので次にいきましょう。5問目「今回もアフリカのチームが驚きを起こす」。3人とも「YES 」。開幕戦でフランス対セネガルの試合がありますけど、これはどうですか。
木村:セネガルはおもしろいね。
中西:ですよね。
木村:なんか起きるね。
中西:起きますか。
木村:起きてほしいね。おもしろい。
中西:かなりフランスは苦労しそうですか。
木村:ナイジェリアやカメルーンは大体わかってきたじゃない。身体的な能力の部分と自由さが感じられて。それにプラスして、セネガルは組織的なサッカーをやってるんだよね。あのディウフ(エルアッジ、ランス)っておもしろい。シドニー・オリンピックでのカメルーンもそうだったけど、アフリカのチームには自由さを感じるね。初めて見たのがアトランタ・オリンピックの時のナイジェリア。ものすごくタフだった。
中西:セネガルはフランスリーグでプレイしている選手が多いですから、フランスに対してかなり対抗意識があると思うしね。でも初出場ですから、経験がどうかなという不安はありますけど。
白石:日本と対戦した時も、すごくスピードが速くて。
中西:開幕戦は注目ですね。それからカメルーンとナイジェリア。カメルーンは日本中を騒がせていますけど。
白石:キャンプ地の中津江村(大分県)が一気に有名になっちゃいましたね。
木村:カメルーンは、もしかしたらいいかもしれないよ。もしかしたら、よ。アフリカというチームはいつも予選まですごく強いの。「優勝するかもしれんな」と思わせるぐらいに強い。でも決勝トーナメントに入ると1次ラウンドの時と全然変わってしまう。それはお金の問題。その問題をカメルーンは来日する前にクリアにしてきたんじゃないかな。だからいい状態でトーナメントに入れるかもしれない。
中西:でも中津江村も大変ですよね。村長が今選挙に出たら、議員とかになれるんじゃないですか。
白石:カメルーン代表が到着した時に、「私はカメルーンです」って挨拶してね。
中西:「私の名前はカメルーンです」って。僕は最初、シャレだと思ったんですよ。でもシャレじゃなかった。ほのぼのとしていていいですよね。
木村:中津江村という名前を、ほとんどの日本人が知ったんじゃないの。
中西:これからJリーグの人たち、もしくは大学のユース・レベルの選手が「あそこにキャンプに行こう」と思うでしょうからね。
木村:ワールドカップ効果だよね。いい方向に行ってほしいね。
白石:一番気になるのが、おばあちゃんがアルゼンチン代表を観に来たアルゼンチン人を見て、「不審者がいる!」と思って警察に通報しちゃって。
中西:ああ、ありましたね。「フーリガンがいる!」って。みんな外国人を見るとフーリガンだと思っちゃうところがありますよね。それはマスコミが、僕もマスコミにいますけど、ちゃんと説明してほしいですよね。
木村:ちゃんと説明しておけよ、オマエ。
白石:毎朝、毎朝、お願いしますね。私も番組でちょっと特集をやりますけど。
中西:次は6問目「韓国はグループリーグを突破する」。みなさん「YES 」。僕は突破してほしいですよ、本当に。日本と一緒に。
白石:韓国が今までワールドカップに出場したのは3回でしたっけ。
木村:もっと。5大会連続6回目。
白石:そのなかで、勝ったことがないんですよね。
中西:引き分けはあるけどね。
白石:勝ってほしいというのはありますね。
中西:韓国は今すごく調子がいいですよね。5月26日のフランス戦を観てどうですか。
白石:私が言うのもなんですけど、すごく形になっていたと思います。いろいろなパターンが試せていると思います。サイドから中央に行ってシュートを打つという形が何本か決まったし。得点に結びついてる。
中西:意図したことができている。
白石:今年の初めからヨーロッパ遠征で寒いところに行って、選手も体調を崩していたんですけど、そのなかでも本大会に照準を合わせてきているんだなと感じました。
中西:和司さんは、どうですか。
木村:あのフランス戦でも、ほかの試合の結果を見ても、だいぶ失点が少なくなった。点を取れるようになった。そういった意味でヒディンク(フース、韓国代表監督、元オランダ代表監督)がいいのかなと。わしが解説していた'98年ワールドカップのオランダ戦では、韓国は一方的にやられて、かわいそうなくらい。それでチャ・ブンクン(車範根、元韓国代表監督)が更迭されたんだけど。韓国代表はワールドカップに向けて、一番コンディションがピークにきていると思う。
中西:それはやっぱり、前回のフランス大会でオランダをベスト4に進出させた監督の経験が大きいですよね。
木村:そうだね。実際にフランス大会で戦った相手チームの監督という意味で、カリスマ性もある。
中西:完全に負けた相手チームの監督だったわけですからね。
白石:韓国に行くと、ヒディンクさんのTシャツとか売っています。
中西:売っていますね。
白石:日本で活躍していたホン・ミョンボ(洪明甫、浦項、元柏レイソル)選手やパク・チソン(朴智星、京都パープルサンガ)選手とかいるじゃないですか。
中西:パク・チソン選手は絶好調ですよね。
白石:フランス戦では交代しちゃったんですけど。
中西:韓国代表には日本でプレイしている選手がたくさんいますから、応援してほしいですよね。
木村:日本との共催だしね。
中西:一緒に勝ち上がりたいよね。会場の中で韓国に観に行く人いますか。3人ほどいますね。韓国に行って試合を観るのはすごくいいと思います。
白石:いいですよ。
中西:ご飯がうまいもん。
白石:おいしいですよね。
中西:ただ、気に食わないことがひとつだけあるんですよ。ビールがぬるい。それだけは気に食わないですけど。ご飯はおいしい。日本人に合う味ですよね。
白石:合いますよね。
中西:そして7問目「チラベルトがフリーキックを決める」。和司さんと僕は「NO」、美帆ちゃんは「YES 」。和司さんから見て、チラベルト(ホセ、パラグアイ代表、ストラスブール)のキックはどうですか。
木村:いいんじゃない。
中西:投げやりじゃないですか。
木村:いやいや。誰が決めてもいいんだけど、同じチームでピッチに立ってるとしたら「誰が守るんや?」ってなるよね。
中西:単純にね。
木村:「早く走って帰れよ!」って思う。でも、そんなリスクを負わせるか?
中西:そこまでやらなくてもいいんじゃないかと。和司さんのフリーキックはスピードがあって、ちゃんと落ちるじゃないですか。チラベルト選手のキックはどうなんですか、弾道としては。
木村:スピードがあって、それなりに落ちるんじゃないの。
中西:いいキックですか。キックの実力はあるけど、キーパーなんだから蹴らなくていいよって感じですか。
木村:うん。だからやっぱりチラベルトより気持ち的に強い選手がいればいいんだよ。
中西:チラベルトにみんな任せちゃう。どうぞ、どうぞって。みんな遠慮していますよね。
白石:'98年にJOMOカップで来日した時に、番組にも来てくださったんですけど、熊さんみたいでしたね。手も体も大きいし。
中西:カリスマ性はありますか。
白石:はい。大統領になろうとしているのがわかるというか。
木村:だって、監督やほかの選手より先に長野県の松本市に来てさ、全部自分で決めちゃうっていうんだろ。昨日なんてゴルフやってたよ、テレビにも出て。
中西:テレビに出てたんですか。
木村:見たよ、わし。
白石:日本橋の近くのパラグアイ料理屋さん、チラベルトさんが来日するとよく食べにくる店があるんですけど、そこでもやっぱり「自分が得点する」って言ってたそうです。
中西:狙ってるんですかね。
白石:狙ってるんでしょうね。
中西:そして8問目「フランスが連覇する」。和司さんが「YES 」、僕と美帆ちゃんが「NO」。
木村:俺はもう……飲み過ぎだ。
白石:大丈夫ですよ。
中西:和司さん、控室で「今日はジャンジャン飲んでください」って言ったら「体調悪いから」って言っていましたよね。
白石:言っていましたけど、3杯目。
木村:よく数えてるなあ。
中西:フランスですけど、僕は連覇しないと思うんですけど。
白石:ついこの間、フランスの放送局の方が来たんですけど。フランスの方は女性に聞いても誰に聞いても「連覇するから」って言っていました。国民全体が勝てるという気でいるのを感じましたね。「だから、あと1ヵ月は日本にいますから、よろしくお願いします」って言われましたもん。
中西:フランス人は自信家ですよね。和司さんはどうですかね。
木村:連覇してもらいたいね。
中西:それはどうしてですか。
木村:自分で「フランス優勝」って予想しているんだよ。
中西:もう決めちゃったんですね。
木村:4年前の大会ではストライカーがいなくて、アンリも若かった。そういう若い選手が今、育ってきた。特にアンリ、トレゼゲ(ダビド、ユベントス)、シセも入ってきた。ただ、もしジダンがいないと10%~20%ぐらい落ちる、わしが考えるサッカーからは。でも本当に完成に近いよね、フランスのサッカーは。
中西:僕は観ていて不安がふたつある。ひとつはディフェンスライン。
木村:ディフェンスラインは、4年前とあまり変わらないよな。
中西:真ん中のふたりがちょっとスピードが落ちてきているんで。ドゥサイイー(マルセル、チェルシー)とルブフ(フランク、マルセイユ)。ほかにいい選手もいるんですけど、どうしてもベテランを使いたいみたいで。あとはピレス(ロベール、アーセナル)の抜けた穴が大きい。
木村:大きいよね、ピレス。
中西:本当に大きいと思いますね。
木村:予想、変えようかな……。
白石:早いですね。
中西:アンリはぜひ注目ですね。笑いますよ、間近で見ていたら。なんであんな簡単にディフェンスラインを抜けられるんだろうって。あんまり背が高いようには見えないでしょ。あれで188cmあるんですよ。
白石:見えないですよね。
中西:足元もしっかりしてるし、リフティングしたらめちゃくちゃうまいし。あれじゃディフェンダーは止められないですよ。
白石:アンリとジダンはフランスの国立サッカー育成学校で育った選手なんですよね。
中西:そうですね、クレールフォンテーヌにある育成学校。彼らはもう、一番の注目選手ですよ。そして、9問目「今大会は得点シーンの多い大会になる」。おふたりは「YES」で僕は「NO」。なりますかね、和司さん。
木村:なってほしいなって。
中西:それは僕もなってほしいですね。たくさん得点シーンを見たいですよね。
木村:ワールドカップの流れからして、ディフェンスの意識がすごく高くなっているでしょう。そういう意味で、やっぱり点を取ってほしい。そういう場面が数多く出てきてほしいし、そういうサッカーになってほしい。
中西:観ていて理屈なしに引き込まれるじゃないですか、得点シーンって。全試合の全ゴールを観たい。「ニュース23」(TBS 系) でも「ワールドカップが始まったら、必ず全試合、全ゴールシーンをやってください」って言っていますからね。
白石:「スーパーサッカー」でもやりますから。
中西:本当にゴールシーンはやっぱり観たいですよね、和司さん。
木村:サッカーでやっぱり一番観たいのってそこでしょ。そこが醍醐味よ。
白石:今回、サッカーを観るのが初めてという方も増えていますよね。それで、こんなにすごいゴールが生まれるんだって感動してサッカーに興味を持ってくれる人が増えてくれたら嬉しいです。
中西:そうですね。そして次の質問は「フーリガンが1回は暴れる」。これは全員が「NO」ですね。
白石:今日(5月27日) 、イングランドのフーリガンがふたり、拘束されて強制送還されましたよね。
中西:本当に来るんだって思いましたね。和司さんどうですか、フーリガンは。
木村:暴れてほしくないね。来てほしくないし。フーリガンとサポーターというのを間違えられたくないし。
中西:そうですよね。僕も声を大にして言いたい。サポーターとフーリガンは違いますよね。
白石:違います。
中西:じゃあ、何が違うのかって言われると困りますけどね。服装は同じだし。
白石:スーツを着ている、外見はサラリーマンかなと思うような人でも……。
中西:えっ、それはないでしょ?
白石:そう聞きましたよ。豹変するって言っていましたよ。
中西:豹変する! それじゃ絶対にわからないじゃないですか。
白石:イングランドの方が言っていました。本当に。
中西:じゃあ僕、見分けられない。どうしよう。暴れないでほしいですね、札幌の街とかで。
白石:私も札幌のアルゼンチン対イングランド戦、行きますからね。大丈夫かなあ。でも大丈夫でしょう。だって、日本にもいい人も悪い人もいるわけです。サッカーファンのなかにもいい人も凶暴化してしまう人もいるわけですから。
木村:危険を感じたら、離れるべきでしょう。フランス大会でマルセイユに行った時、その1日前にフーリガンが街で暴れたわけ。それをニュースでやっていて、「イヤだな」と思いながら行った。行ったらガランとしていて。店に入るとさ「全部やられた」って。「めちゃくちゃにされた」って言っていたよ。
中西:やめてほしいですよね。
白石:準備は必要ですけど、必要以上に怖がらないように。
中西:そうですね。過敏になり過ぎるのは良くないですよね。
白石:みなさんもおじいちゃんおばあちゃんには、よーく教えてあげてくださいね。
中西:外国人を見たらみんなフーリガンだって思わないように。それで通報されてもね。そして最後の質問「ワールドカップ終了後、Jリーグの観客が増える」。これは3人とも「YES 」。「増えてほしい」ということですよね。
木村:もちろん、そうだね。感動するような……野球でもそう。小さい頃、高校野球を観た後にキャッチボールをしたい気持ちになったでしょう。やっぱりサッカーを観て、ボールを蹴ってみたくなるという人が増えてほしい。当然サッカーを今までより知っている人が増える。そこからが問題なんだよね。Jリーグの選手がいいプレイをしていく、感動を与えられるようなプレイをしていく。プロの責任があるね。
白石:今回、選手の立場からすると「絶対自分もワールドカップに出たかった」と思う選手もいれば、「4年後に出てやろう」と思う選手もいると思うんですよ。今年ワールドカップが行われる意義は、そういう選手が増えることだと思うし。さっきも言ったように、「サッカーってこんなにおもしろいんだ」、「日本でも毎週、土曜日、日曜日に観ることができるんだ」と思う人が増えると嬉しいですね。
中西:サッカーに触れて、好きになってほしいという気持ちは絶対にありますね。大会の後が大事ですからね。そのためにも日本代表には活躍してほしいですね。では、ここで会場からの質問を受けたいと思います。
客:こんばんは。御三方がワールドカップで優勝すると思う国を教えてください。
中西:和司さんはもう……。
木村:フランス。カッコしてポルトガル。
会場:爆笑
木村:もう1個カッコしたいけど……。
中西:もう1個?
木村:ちなみに、イタリア。
白石:私もたくさん言っていいですか。
木村:ひとつだよ!
白石:えー? ひとつですか。
中西:どこですか。
白石:アルゼンチンか、フランスか、ポルトガルか、イタリアか……。
中西:言い過ぎです。あえてひとつ。一番上にくるのは?
白石:さっき2連覇はないと言ってしまったんですけど、フランス。
中西:その次は?
白石:ポルトガル。
木村:一緒や、わしと。
白石:あっ、そうですね。でもイタリアかもしれないし……。
中西:どういうことですか! 考えていますか?
木村:それも一緒や。
白石:これは、出し惜しみしないと。
中西:僕はイタリアですよ。2月の下旬に決めたんです。ワールドカップの取材が順番にくるんで、各国の代表23人がどういうメンバーで、どういう試合をして、どういうふうに勝ち上がるのか、全部決めたんです。自分で勝手に。それを紙に書いて。それを毎回持っていって。
白石:統一してるんですか。じゃあ、私はアルゼンチンかもしれないです。
中西:その「じゃあ」ってなんですか。
会場:
爆笑
白石:私もね、この間予想した時にアルゼンチンかなって思ったんで。
中西:そういうことがあって。でもその「じゃあ」っていうのは、たぶん一般の人には通じないから。
白石:アルゼンチンでお願いします。
客:サッカーのことを全く知らない母から聞いてくるように言われたんですけど。せっかくの機会なので、ワールドカップをテレビで観たいけど、観ていてもわからないそうなんです。全くサッカーのことを知らない人は、どういうところに注目していくとサッカーが楽しく観られるのか、何かアドバイスがあればいただけますか。
木村:画面というかカメラがね。5月25日のスウェーデン戦のときも茶の間で文句言ってたけど、「カメラ、どこを映しとるんや! 」って。
会場:爆笑
木村:どこの番組かは知らんよ。
白石:すみません。
木村:まあ、難しい部分もあるんだけど、サッカーは簡単なスポーツなんだよ。ルールも難しくないし。ゴールがあって、ゴールの中にボールをどちらかが入れたら1点。それを攻めたり守ったりするスポーツ。簡単に言えば。
中西:画面を見て、どちらに攻めるかを教えてあげるといいですね。
木村:でも画面を見ても、どっちに攻めているかわからないと思うよ。
中西:例えば青のチームはこっちに攻めていて、後半になったらこっちに行くんだよって。
木村:ひとつ言えるのは、ひとりで見るのではなくて、みんなで観る。ちゃんとイヤがらないで説明をしてあげるといいんじゃないかな。観戦する時間を共有していく。そうしたらお母さんも「あーすごいね、あんなところに放り込むの」、「あれだけ蹴れるの」という感想が出てくるからね。
中西:それをひとつひとつ説明してあげられる人が隣にいるといいですよね。
木村:できればね。みんなで一緒に見る。特に日本代表の試合なら、そうした方がいいんじゃないかな。みんなが騒げば、これがチャンスだとか、今は危ないとかわかる。
中西:僕も最近試合に行くとき、いつも南原さんに連れて行かれますからね。
白石:え? 
中西:南原清隆(タレント)さん。
白石:教えるの?
中西:隣でいつも、全解説。
白石:いいですね。私も隣に付けたいくらい。付けたいなんて失礼ですよね。あと、攻撃シーンだけを見るとか。
中西:そうですね。
白石:日本が攻撃をしているところだけを見る。この選手がカバーして守っているとか守備の方は全然考えずに、ゴールを取りに行っているシーンだけを観る。そうなるとわかりやすいんじゃないですかね。今は「いい時だ」、「悪い時だ」というだけでも。
中西:それと片方のチームだけを追いかけて観る。「今は守っていて危ない」、「今は攻めていてチャンスだ」とか。両方のチームを一緒に観ようとするとダメ。
木村:あまり難しいことを言わないことだよ。サッカーは簡単なんだから。簡単なスポーツだからこそ世界的に愛されているんだから。
中西:そうですね、難しく考えないほうが。
客:1時間半ずっとプレイを観ていたいプレイヤーと、その人のサッカー観が好きで1時間半、話をしてみたいプレイヤーを教えてください。日本代表選手に限りません。
中西:観ていたい選手って誰だろう。難しいなあ。
白石:例えば試合中、トルシエさんをずっと追いかけているカメラがありますよね。そういうの?
木村:それは絶対おもしろいよ。
中西:間違いなくおもしろいですよ。
木村:俊輔がホンジュラス戦で点を入れた時の、あの悔しそうな顔、見た?
会場:爆笑
白石:悔しかったんですかねえ。
木村:わしにはそう見えただけだからね。
白石:そういうカメラと一緒で、ずっと観ていたい選手ってことですよね。
中西:誰を観ていても楽しいですよね。
木村:実際マラドーナ(ディエゴ、元アルゼンチン代表)のプレイとか観ていて、手に汗握るって言うか、そういう感じがするもん。あの選手にボールが渡った時、今から何が起こるんだろうという選手を観たいよな。今だったらジダンかな。
白石:そうですね。あの“マルセイユ式ルーレット”という変な……。
中西:え? また自分のなかで勝手に消化して。
白石:失敗した? あの、フェイントする時に、“マルセイユ式フェイント”って言うんですかね。
木村:そういうこと言うね。
中西:軽くあしらわれてしまいましたね。
白石:あれを観ていたいですね。ジダンを追う空中カメラがあるとしたら、あれをずっと撮ってほしいですね。
木村:ジダンの? わしだったらジダンの頭を切って脳みそを見てみたいな。何を考えているのかなって。
中西:切っても考えていることはわからないじゃないですか。
木村:腹を切って、こいつの腹の中は何なんだろうって。酔っ払ってきたかな。
会場:爆笑
白石:それだけ興味があるということですね。
中西:ジダンは本当にすごいですよね。何を考えているのか、気になりますよね。でも僕は逆で、そういう選手をどうやって止めるのかを考えている選手が好きですね。
木村:ディフェンダーだからな。
中西:試合をやっていて一番おもしろいのが、自分が予測している範囲内じゃないプレイをした瞬間に「オッ、コイツこんなことやりやがった」って思う時。
白石:例えば表情だけ見ていても、股抜きをされちゃうこともあるし。どこを見ているんですか、ディフェンスの方は。
中西:人によっていろいろですけど、僕の場合はボールを持っている人と、ボールをもらおうとしている人の目だけを見ています。ボールを出す方向を、蹴る瞬間は見なくても、蹴る前に一度は必ず見るんですよ。
白石:蹴る前に見るんですか。
中西:蹴る前に目線を送るんで。それを見ていますね。
木村:もしわしがオマエと対戦したら、絶対勝っていたな。
会場:爆笑
中西:だから僕はダメな選手だったんですよ。
木村:実際はこっちを見ていても、あっちに蹴るな。
中西:直前に見ているところよりは、前からずっとその選手がどこを見ているのかを見ていますね。
白石:あと、話をしていたい選手は?
中西:話をしていたい選手、誰ですかね。飲んでいて楽しそうな人がいいですね。
白石:誰ですか。
中西:久保(竜彦、サンフレッチェ広島)選手とか。
会場:爆笑
中西:飲んでみたいっていうのはありますね。
木村:久保のことは聞きたいよな。
白石:久保選手や山下(芳輝、ベガルタ仙台)選手が、ゴールしても喜ばないところを見ると……。
中西:山下は喜んでいるよ。
白石:喜んでいるんですけど、顔に出さないじゃないですか。そういうのを見ると、インタビューをする時に、絶対笑顔にさせたいと思うんです。笑顔のインタビューを取りたいと思うんですよね。
中西:大丈夫じゃないですか。
白石:いやいや。山下さんがゴールをした時にインタビューをしたんですけど、やっぱり笑顔がなかったんですよね。ちょっと話がそれちゃったんですけど。
中西:僕は久保選手と話がしたいですね。その代わり、いも焼酎付きで。酒があったら会話が弾むけど、なかったら弾まないもんな。久保選手にインタビューをする時は焼酎か、もしくはカレーの話が出てくる。
白石:カレー好きらしいですよね、久保選手。
中西:キン肉マンに牛丼の話をするようなものですよね。
木村:わしも現役の時は全然しゃべらなかったよ。嫌われていたもんね、マスコミに。だってピッチ上で表現してるじゃないか。しゃべってるじゃないか、体で。なんでしゃべらないかん。
白石:かっこいいですね。
木村:今は飲んでるし、こういう場でもあるから、よくしゃべるけど。本当は恥ずかしがり屋なんよ、ホンマに。
白石:えー?
木村:何が「えー?」や。現役のスポーツ選手は、体で表現するもんや。それを伝えられないなら言葉で表現していかないといけないんじゃないかと。
中西:すみません。僕は伝えられませんでした。僕は口サッカーですから。僕は口でいかに楽をするかってことを考えてましたから。まわりの選手をどこに置いてとか。僕は和司さんみたいな選手に憧れるんで、そういう選手と話をしてみたいですね。こんな感じでいいですかね。
客:ありがとうございました。
中西:そろそろ和司さんがトイレに行きたいということなので。
木村:よくわかったね。
中西:今日は一度も行かれてないのでそろそろかなと。ぜひ、また来てほしいですね。和司さん、最後にひと言。
木村:いやいや。ありがとうございました。
中西:今日も楽しんでいただけましたか。ではワールドカップが終わったらまたぜひ。
木村:忙しいなあ。
会場:爆笑
木村:今日はいろいろなことを言い合いましたけど、こうしたことが少しでもサッカー文化に繋がっていってほしいなと思いましたね。
中西:そして和司さんが日本代表監督になった暁には、当然ここに来ていただくと。約束していただきましたから。
木村:2002年、本当に監督をやろうと思ったんだよ、自分の頭のなかでは。でも2006年はちょっときついかなって。だって2002年はワールドカップに出場してるじゃない。なのに2006年にもし出られなかったらどうする? 2010年に延ばそうかな。
会場:拍手
白石:今日は皆さんと近い距離でトークバトルができて楽しかったんですけれども、個人的にはくだらない話ばかりしてしまいましてすみません。
中西:そんなことないですよ。
白石:また、こういう機会があったら、ぜひ参加したいと思いますので。
中西:もうレギュラーだから。
白石:本当ですか。
会場:拍手
白石:皆さんと一緒に日本代表を応援しましょう。そしてワールドカップを盛り上げていきましょう。よろしくお願いします。
会場:拍手
中西:僕自身もサッカーが盛り上がってきているのを感じていますし、みなさんからも、ワールドカップが近づいているという気持ちが伝わってきてすごく楽しかったです。毎日いろいろなテレビをやっていますけれども、より詳しく、よりわかりやすくサッカーを伝えていけたらと思っています。みなさんと一緒に日本代表を応援して、なんとか僕らの力で日本代表を決勝トーナメント進出に導けるようにしていきたいと思います。会社の人にも応援してもらったり、一緒にテレビで観たり、お母さんにもサッカーの楽しみ方を教えてあげたり、周りの人を巻き込んで、ひとりひとりにサッカー文化が根付くように力を貸していただけたらと思います。今日は本当にありがとうございました。
会場:拍手

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