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7月4日(日)、横浜・新都市ホールに現役のトリコロール戦士が登場した。前日のJリーグオールスターにも出場した那須大亮と、昨年のワールドユース得点王坂田大輔。U-23日本代表のチームメイトとして五輪出場権を獲得し、F・マリノスでも史上初の3季連続優勝に貢献したふたりが本音で語った。中西哲生とチームの大先輩・金田喜稔とともに展開したトークをフルバージョンで大公開!!

ぴあトークバトルVol.37
「どうなる!? 横浜F ・マリノス」
~横浜F ・マリノス連覇への道

前編

<ホスト>
中西哲生
'69年、愛知県生まれ。同志社大から'92年に名古屋グランパス入り。'97年に川崎フロンターレへ移籍してからはキャプテンをつとめ、'00年にJ1昇格を果たした。Jリーグ通算95試合7得点。現在はスポーツジャーナリストとして「ズームイン!!SUPER」(日本テレビ系)、「ニュース23」(TBS系)などに出演中。

<ゲスト>
金田喜稔(サッカー解説者)
'58年、広島県生まれ。中央大2年時に日本代表に選出。'80年、日産自動車(現横浜F・マリノス)入り、2年連続3冠達成に貢献する。ドリブル突破が武器の攻撃的MFとして代表でも躍動し、'91年現役引退。現在はサッカー解説者として活躍。

那須大亮(横浜F・マリノス)
'81年、鹿児島県生まれ。鹿児島実高から駒沢大を経て横浜F・マリノス入り。'02年8月の京都パープルサンガ戦でJリーグデビューを果たす。昨年ボランチにコンバートされてレギュラーポジションを獲得、Jリーグ新人王に輝いた。U-23日本代表としても活躍し、センターバックとして五輪出場権獲得に貢献した。背番号26。

坂田大輔(横浜F・マリノス)
'83年、神奈川県生まれ。横浜フリューゲルスユースからF・マリノスユースを経て'01年6月のFC東京戦でJリーグデビューを果たす。スピード豊かなフリーランニングと切れ味鋭いドリブルでスーパーサブとして活躍。昨年行なわれたワールドユースでは4得点を挙げて得点王に輝き、U-23日本代表にも選出された。背番号11。

三崎幸恵(tvkアナウンサー):んにちは。本日は「ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2004 OL.37 『どうなる!? 横浜F ・マリノス』~横浜F ・マリノス連覇への道~」にご来場いただきましてありがとうございます。本日のイベントナビゲーターを務めさせていただきます、tvk アナウンサーの三崎幸恵です。どうぞよろしくお願いいたします。本当に今日は暑いなか、たくさんの方がいらっしゃっていますが、これから2 時間、たっぷりと楽しんでいただきたいと思います。私は今日、このイベントナビゲーターは初めてなんですけど、「ぴあトークバトル」のホストと言えばこの方ですね。ご紹介しましょう。今日も楽しいトークを引き出してくださると思います。スポーツジャーナリストの中西哲生さんです。
会場:拍手
三崎:よろしくお願いします。
中西:まずは横浜F ・マリノスの3 ステージ連続優勝、おめでとうございます。間違いなく選手の頑張りもあると思うんですけど、ここにおられるサポーターの方々の力も多分にあると思います。本当に、皆さんおめでとうございます。しかし女性ばっかりですね。男性、肩身の狭い感じですけど。
三崎:本当ですね。黄色い声援が。
中西:何人ぐらいいるんですかね。
三崎:今日は700 人はいるだろうと。
中西:後ろの方とか見えないです。大丈夫ですか、後ろ見えますか。さあそれでは、今日も楽しくやっていきたいと思いますので、皆さん、よろしくお願いします。
三崎:よろしくお願いいたします。それではお待ちかねのゲストをお迎えしましょう。トークバトルには2 回目の登場となります。横浜F ・マリノスの前身、日産自動車サッカー部OBで元日本代表、現在はサッカー解説のほか、全国各地で少年少女サッカー教室を開くなどご活躍中です。金田喜稔さんです。
会場:拍手
中西:よろしくお願いします。
金田:どうも皆さんこんにちは、金田です。マリノスは女の子のファンが多いんだ。
三崎:比較的多いかもしれないですね。
金田:あ、そう。そんなに人気があるのか。
三崎:ありますよ。
金田:わしが日産のときはそんなにいなかったよ。おかしいな。
中西:そんなことないですよ。でも今もイケメンが多い。
金田:かっこいいのがふたり来てるよ。
三崎:そうなんですよ。それでは、イケメンおふたりをお呼びしましょうか。共にU-23日本代表候補に選ばれました、おふたりです。坂田大輔選手、那須大亮選手です。
会場:拍手
三崎:このすてきな皆さんで2 時間たっぷりお送りしたいと思います。さあそれでは2 時間たっぷりと中西さんをホストに進行していただくわけですが、選手おふたりにこちらから11の質問をご用意いたしました。まずはこちらにお答えいただきたいと思います。そちらに「YES]「NO」のプレートが。
中西:それを持っていただいて。とりあえずここはコメントせずにさらーっと。
三崎:「YES 」か「NO」かで、速やかにお答えいただきたいと思います。

質問坂田氏那須氏
1.今年一番苦しかったのは、オリンピック最終予選の腹痛だった。nono
2..オリンピック最終予選、UAE 戦での那須選手のヘディングシュートには驚いた。yesyes
3.アテネオリンピックで、日本代表は決勝トーナメントに進出する。yesyes
4.今年の松田選手の髪型には、ひとこと言いたい。nono
5.久保選手のインタビュー対応には、ひとこと言いたい。nono
6.昨年の完全優勝は自信になった。yesyes
7.安貞桓、中西永輔選手ら、オフの戦力補強で刺激を受けた。yesyes
8.レギュラー争いは厳しい方が燃える。yesno
9.苦手なチームや苦手な選手がいる。yesyes
10.04 年シーズンの年間優勝は横浜F・マリノスだ。yesyes

三崎:それではこれからは中西さんにお願いしたいと思います。
中西:おもしろいのいっぱいありましたね。まずオリンピック代表の質問が3 つあったんですけど。質問1 「今年一番苦しかったのは、オリンピック最終予選の腹痛だった」。ふたりとも「NO」だったんですけれど。一番苦しいのはそれじゃないと思うんです。腹痛はどうだったんですか、実際お腹痛かったですか。
坂田:向こうではあまり。
那須:あんまりなってないんじゃないですか。
中西:最終戦UAE 戦('04 年3 月5 日アブダビ、日本2-0UAE)のときに、体調があまりよくなかったんですよね。
那須:ひとりいたぐらいですかね。
中西:疲れてはいたんですか。最後2-0 で勝ったじゃないですか。
那須:だいぶ疲れていましたね。
中西:疲れてたのは疲れてた。でもお腹は痛くなかったんですか。
那須:お腹は僕も日本に帰ってきてから。
中西:向こうに行ったときに、食べ物はどういうものを食べてたんですか。
那須:うーん、けっこうおいしかった。何て言えばいいかわかんないけど。けっこううまかったです。でも生野菜とかを水で洗ってるので、たぶんそういうのであたったと思います。
中西:金田さん、やっぱりね、僕らもこうやって見てて…。金田さん、マイク置いてて、しゃべる気ないじゃないですか(笑)。
金田:今日はもうスターがふたり来てるから、「金田さんはOBとして横に座っとってくれたらいい」って言われたんだ。ワシはちゃんと聞いとるよ、さっきっから。
中西:金田さん、ここに座ったからにはしゃべっていただかないと。
金田:みんな今日はほら、聞きたいことがあるでしょ。オリンピックもあるしね。どうせ彼らは次のドイツもね、視野に入っているだろうし、海外に行くかもしれないし。
中西:そうですよね。
金田:まあ、がんばって引き出せ。
中西:はい。日本に帰ってきて急に痛くなったんですか。
那須:そうですね。日本に帰ってきて急に熱が出て。
中西:熱?
那須:熱も出て、お腹も痛くなって、下痢で。
中西:熱はどのくらいですか。微熱ですか。
那須:いや、38度。
中西:きついですね。
那須:けっこうきついっすね。
中西:帰ってきてからずっと、坂田選手も同じ症状だったんですか。
坂田:そうっすね。……、忘れましたね。
中西:それはでも、周りも同じような症状だったんですか。
那須:ひどい人はいましたけど。
中西:例えばどんな。
那須:熱がもっと高いとか、腹痛がもっと続くとか。そういう感じで。
中西:例えば誰が一番ひどかったんですか。
那須:菊地(直哉、ジュビロ磐田)とか、成岡(翔、ジュビロ磐田)。
中西:それで外れてしまいましたよね。
那須:そうですね。彼らがひどかったですね。
中西:那須選手は比較的軽い方だったんですか。
那須:そんなに重くはないですね。
中西:試合始まる前にもう治った感じでしたか、 14 日の時点('04 年3 月14日埼玉スタジアム2002、日本0-1 バーレーン) では。
那須:全然平気でした。
中西:坂田選手は。
坂田:別に、俺もそんな感じです。
中西:坂田選手にもうひとつ昔の話を聞こうと思ってたんですけど。ワールドユースの頃の話を。
坂田:あんま覚えてないですね。
中西:何でですか(笑)!? 坂田選手、ワールドユースのときにも向こうに行ってたじゃないですか。そのときはどうでしたか。全然体調崩れなかったですか。
坂田:カップラーメンばっかり食ってました。
中西:金田さん、全然悪い方法じゃないですよね。
金田:……ん? 何? カップラーメンがどうしたって。
中西:今、気持ちが客席の方にいってましたね(笑)。ワールドユースのときは、向こうの食事は取らずにカップラーメンを食べていたっていう。
金田:あのときはUAE だったもんな。坂田はな、韓国戦('03 年12月8 日アブダビ/UAE 、日本2-1 韓国)2点取ったんよ。坂田のおかげで勝ったんだよ。
中西:本当に、そう思いましたよ。
金田:いやマジ。結果出してるのに次の試合外されたよな。
坂田:はい。
金田:あれがわしは理解できんかった、ほんまに。当時の大熊(清、U-19日本代表監督) 監督にひとことあるやろ。
坂田:いえ。
金田:そうかあ。ものすごい怒った顔してベンチに座っとったの俺見たわ。「あーこいつ、怒っとるわー。結果出してるのに」って。
中西:那須選手、あのときの坂田選手すごかったですよね。
那須:すごいっすね。あれ、日本人初っすからね、得点王。
中西:そう、さっき資料読んでましたね。
那須:改めて。
中西:でも、けっこう深夜にやってたじゃないですか。日本でもテレビでやってたから、みんな見てたんですよ、あのとき。那須選手見てないでしょ。
那須:ちょっとだけ。
中西:でも向こうにいて、得点王になったって話、聞かなかったですか。
那須:それは聞きましたけど、僕なんかワールドユースのときはバックアップのメンバーだったので、そのすごいさはわかんないですけど。
中西:いやでも、4 点取って。海外からオファーはなかったんですか?ワールドユースで得点王だったら、海外からのオファーはあったんじゃないですか。
金田:目立ったと思うよ、坂田のプレーは。
中西:しかも、けっこういいところで点取ってたじゃないですか。オファーというか、身分照会みたいなのはあるじゃないですか。
金田:本人は聞いてないかもしれないけど、マリノスには入ってるかもしれない。
中西:可能性ありますよね。那須選手、坂田選手が向こうで得点して帰ってきたじゃないですか。プレーは変わってましたか。自信持ってる部分が見えたりとか。
那須:代表から帰ってくると、みんなコンディション悪くなってるんで。
中西:ああ。
那須:疲れから。
中西:じゃあ、全然変わんなかったと。
那須:いや、変わんなかったとは。
坂田:今の言い方だと、むしろ落ちたみたいな。
中西:でも、あの韓国戦のときはうれしかったんじゃないですか。
坂田:うれしかったっすけど、何かあそこで喜んだら、監督に「あいつ喜んでるよ」みたいに見られるから。
金田:やっぱり怒っとる。あの怒りがあの1 点につながった。
坂田:全く喜んでないですね、表面的には。内心「よし!」って。
中西:心の中では「よし!」って思ったんですか。決めてやったよ、ぐらいな。「出れば決めるよ、俺は」みたいな。
坂田:そんな感じです。
中西:ですよね。いや、でもあのシュートはすごかったですね。もう少し聞きたいんですが、先に進みます。質問2 「オリンピック最終予選、UAE 戦での那須選手のヘディングシュートには驚いた」。見ててどうでしたか。
坂田:そのとき哲(榎本哲也、横浜F ・マリノス) と買物してたんですよ。見てなかったんですけど。車乗って飯食いに行くってときに、ちょうどテレビ付けたんですよ。たまたまそのときに決めて。ガッツポーズしてて。
中西:でもそういうのってある。付けたらいきなり決めて。車の中ですか。
坂田:車の中。「やってるな」って。
中西:原宿で買物してたんですか。
坂田:そうです。
中西:ガッツポーズはいけなかったですか。
坂田:ヘディングがいけてないっすよ。
会場:笑い
中西:那須選手的にはどうですか。
那須:決めればいいんですよ。そりゃ決めたもん勝ちですよ。
中西:そうですよね。自分の中で、全然驚きじゃなかったと。
那須:いや、レバノン戦('04 年3 月16日国立競技場、日本2-1 レバノン)で出られなくて、UAE 戦の前日なんですけど、何か決める気がしてたんですよ。決めるって予想してたんですよ。何か分からないんですけど。で、ガッツポーズまで何にしようって。
中西:で、あれですか。
那須:いや、裏があって。最初は闘莉王(田中マルクス、浦和レッズ)が出場停止だったんで、中にユニフォームを着て「俺がやったぞ」みたいのやろうと思ったんですけど、でも他の選手が着てたから、それはできないなと思って。
中西:誰が着てたんですか。
那須:鈴木啓太(浦和レッズ)。それで、監督の方に行こうと思ったんですよ。
中西:山本(昌邦、U-23代表監督) さんのところ。
那須:山本さん。でもゴールと反対側だったじゃないですか。どうしようかと思って。ほんで入っちゃ
ったんで、とりあえずガッツポーズしかねえだろ、みたいな。
中西:ガッツポーズはいいけど。
坂田:やってもらいましょうよ。
会場:拍手
中西:僕も那須選手のプレーにケチをつける気は毛頭ないんですけど、ガッツポーズはどうかと思う。
那須:今度決めたときにまたやるんで。
中西:あれが自分の中では今、きてるガッツポーズなんですか。
那須:きてないですけど、俺っぽいじゃないですか、何か。全身で喜びを表して。
中西:あのセットプレーは練習ではやってたんですか。ニアで合わせるやつは。
那須:いや、特に。好きなところに走り込んで、みたいな。
中西:でも阿部(勇樹、ジュフ市原)選手、いいボール蹴るじゃないですか。
那須:そうですね。
中西:来そうだなっていうのはあったんですか。
那須:大体キーパーに向かって蹴るんで、そのコースに入ればと思ってました。
中西:触れば入るみたいな。
那須:そうですね。
中西:でもすごくいいコースに飛んでましたね。狙い通り?
那須:当てただけです。
中西:オリンピックの予選きつかったでしょ。最後はやばいと思ったんじゃないですか。出てない試合で、レバノン戦で同点に追いつかれたときどうでした?
那須:すごく焦りましたけど。
中西:どこで見てたんですか、あの時。
那須:ベンチで見てたんですけど、ベンチの方がすごく緊張してて。何か知らないですけど。闘莉王とかもすごい声張り上げてて。
中西:闘莉王選手はいつも声を張り上げてますよね。
那須:あれ以上なんですよ。あんなもんじゃなかったっす。
中西:それで自分は入れられた瞬間どうでしたか。
那須:やべぇって思いましたけど、もうすぐに入れてくれたんで。嘉人(大久保、セレッソ大阪)が。
中西:あのときベンチはとても喜んでましたね。
那須:そうっすね。
中西:チームはやっぱり仲いいですか。
那須:いいですね。
中西:本当に、僕らにはそう伝わってきますよ。監督もいい人でしょ。
那須:そうっすね。
中西:いい人ですよね、山本さん。
坂田:めちゃいい人です。
中西:ね。そういうのが伝わってくるじゃないですか。点取ってベンチに行くから、みんな。
那須:何か、岡田監督と似たようなところがあって。
中西:どういうところが似てますか。
那須:戦う姿勢だったり選手に伝える言葉もそうですし。やっぱり厳しい経験というか、コーチ時代とかいろいろ経験してるだけに、選手に伝えたいことっていうのが僕たちにも伝わってきますし、やんないといけないっていうのが出てきますよね。
中西:選手たちが監督のために、この監督を勝たせてあげたいっていう気持ちになる監督ですか。
那須:そうですね。
中西:金田さん、やっぱりうまくいってるチームですよね。あ、またボクの話聞いてない(笑)。
金田:聞いてるよ。監督やろ。ジャンボ。ジャンボって山本ね。僕はずっと一緒にやってた。
中西:そうなんですか。
金田:ユースの時代から。彼が三島高校(日大三島高校)に入ってきてね。本当の優等生、彼は。静岡の出身だから、どちらかと言うとサッカーのレベルは高いところではあるけど、三島高校は全く。藤枝だとか清水だとかっていう有名校じゃ全然ないんで、「変わった奴がきたなー」って思ってたんだけど、あいつはめちゃくちゃうまかった。非常にいい選手だった。
中西:ポジションはどこだったんですか。
金田:ディフェンダーですよ。大体、ディフェンダーに下手な奴がいくんだよ。
中西:違う違う違う。
金田:え、違うの。うまい選手はフォワードだよ。そりゃそうだよ。ディフェンダーとして能力がすごい高かった。全体のポジションで言ったら、うまい選手はだんだん前から、下手な奴が落ちてくる。
中西:だってさっき金田さん、「あいつはめちゃくちゃうまかった」って。
金田:ディフェンダーとしてはすごくよかった。ハートもいいよ。彼が言ってるように。「彼のために勝ってあげたい」って思わせる監督ってなかなかいないでしょ。
中西:いないですね。
金田:あいつ、泣いたろインタビューで。見ました? ちょっとあれは、インタビュー長過ぎたよね。あれ、泣く気はなかったと思うよ。堪えとったと思う。ものすごくインタビュー引っ張ったでしょ。あれで、「ヒッ」って。あれがまた、選手に伝わったんかな。よかったね、ジャンボは。オリンピックに出れるじゃない。だってあいつアトランタから行ってるんだよ。
中西:そうですね。
金田:西野(朗、ガンバ大阪監督)監督の元でコーチやって、トルシエ(フィリップ、カタール代表監督)のもとでコーチやって。アトランタのときは西野監督がオーバーエイジを入れなかったでしょ。入れないときのチームの状況の中でコーチという役割をしてて、トルシエは迷いなく3 人入れたよね。あの時の、入れる背景のチームの状況っていうのも山本監督は知ってる。だから今回どういう決断をするのかなっていうのがね、僕、すごく興味あるんですよ。たぶん入れてくるんじゃないかってみんな言ってるけど。どういう決断をするのか、誰を入れてくるのか。入れてもかみ合わなかったっていうのは、過去にもあったわけで。そういうのを踏まえて彼は現場でやってきているので。楽しみだね。
中西:逆に選手から見て、オーバーエイジが入ってくるっていうのはどうですか。大変でしょ。
坂田:大変ですよ。自分のことで精一杯なのに。
中西:FWが一番大変ですよね。
坂田:どこも大変だと思いますけどね。
中西:しかも今回6 試合もやるのに、18人っていうのはどうなんでしょうか。
金田:それは少ないっていうこと?
中西:はい。
金田:いやあ、僕は全然思わないね。だって前回のトルシエのとき、使われた選手はベスト8 までいって13人ですよ。
中西:4 試合ですね。
金田:ケガとかそりゃ、急に4 ~5 人出られなくなったりとかしたら、もしかしたら16人ぐらいいるかもしれないけど。基本的に18人いて、本当に監督が考えて、決勝トーナメントいって、もしかしたらチームの好調が維持されるんであれば、それで結果を出しているのであれば、13人ないし14人で終わる可能性もあるじゃない。
中西:はい。
金田:僕は正直言って、18人もいらないと思ってる。
中西:今EURO2004が開催中ですけど、ポルトガルは開幕戦に出たメンバーを5 人ぐらい入れ替えて、それで勝ってきたじゃないですか。ああいう風にメンバーがたくさんいると、入れ替えきくからいいよなって思いましたし。逆に少ないと大変だなって。立ち上がり失敗したとき、ちょっと苦しいのかなって思ったんですけど、その辺は。
金田:今は交代メンバーを早くって、監督が動いていくからね。昔とは違う部分があるけど。ヨーロッパ選手権とか、皆さんご覧になってます? チェコのバロシュ(ミラン、リバプール・イングランド)。坂田がバロシュに似てるのか、バロシュが坂田に似てるのかわからないけど。感じが似てるよね。今回急にブレイクしたけど。
中西:似てると思います、僕も。どうですか。似てるかなって思いますか、タイプ的に。
坂田:いやあ。
金田:本人はプライドがあるし。「似てまーす」っては言えないでしょ。あいつがわしに似てるんやろっては言えると思う。
中西:でも僕見ていて、ドリブルのコースの取り方が似てる。僕、坂田選手が初めて点を取った、柏('01 年8 月18日、千葉県立柏の葉公園総合競技場、横浜F ・マリノス1-0 柏レイソル )だったと思うんですけど、またすごい選手が出てきたって思ったんですよ。ドリブルしながらシュートするまでのスピードが全然落ちないし。今まではシュートを打つ動作の時に動きが大きくなって、1 、2 の3 でシュート打つ人が多かったんですけど、彼はすごいスムーズだったんですよ。スピードに乗ったまま、その勢いでシュートが打てる。しかもドリブルのコース取りがうまい。抜きにいくドリブルじゃなくて、スペースに入ってくるドリブルなので。うまいなあ、こんな選手が出てきたんだって思ってました。そしたら、ざっくばらんな人だったんですけど(笑)。けっこう電話してたんですよね、前は。そのうちワールドユースで得点王になっちゃって、だんだん遠い存在になって電話しづらくなって。今日、久しぶりに会ったんだけど。当時から僕は坂田選手のこと、今までにないストライカーだなと思ってたんで。そういうところを出していけば残れるはずだし。みんなタイプ違うじゃないですか。けっこう田中達也(浦和レッズ)選手も大久保(嘉人、セレッソ大阪)選手もドリブルするけど、坂田選手とはまたタイプが違うし。
金田:
フォワードはきついよね。
中西:高松(大樹、大分トリニータ)選手もいますし。
金田:みんな才能があるでしょ。きついよね、何人残すのか知らないけど。オーバーエイジの関係もあるかもしれないけど。さっき控室で那須としゃべっとったんだけど、7 月6 日ぐらいから石垣島に行くでしょ。合宿で絞り込むとは言ってたけど、「どうせ遊びですよね」みたいなこと言ってた。ああ、コイツは残るんだな、自信があるんだなって。
会場:笑い
中西:自信がある。
那須:違いますって!!
中西:逆でしたね、確かね。金田さんが「どうせ遊びに行くんやろ」って言って。
金田:ああ、そうだったな。
中西:でも、ものすごく暑いから大変ですよね。
金田:暑くて大変やけど、石垣島やで。海きれいやし、彼らが泊まるところはどうせ一流ホテルやろ。好きなものをバイキングで食べてな。朝、ある程度自由に起きて、体操なんかして、散歩して。で、ちょっとピッチに行って走ろうかって。いいやん、それ。わしらん時はそんなことなかったもん。インドとか北朝鮮とかロシアに連れてかれて。
中西:確かに石垣島の施設はきれいですよね。
金田:いやいやきれいですよ。で、たぶん海行くでしょ。海行くよ。フィジカルという名目でね。ちょっとビーチで体力つける、走るぞ、みたいなこと言ってるんだけどそうじゃないでしょ。海行って自由に30分、泳げよって。
中西:金田さん、歪んでますよ(笑)。
金田:うらやましいの。
中西:那須さん、残れるっていう自信ありますか。
那須:自信っていうか。
金田:ほら、今で鼻笑った。自信のある証拠や。
那須:自信なくはないですけど、別にやるべきことをやれば。どっちにしろ監督が決めることなので。
中西:去年の年末に会って話したときに、「オリンピック入れればいいね」って僕が話してたら、「いやもう絶対に入りたいんで、死ぬ気で頑張ります」って言ってました。
那須:今もそうです。
中西:でも、あのとき「入れないかもしれないから、そこにコンディション合わせてずっと練習する」って言ってましたよ。偉いなって思って。
那須:やってましたよ、それなりに。
中西:坂田選手は残れる自信、ありますか。
坂田:自信がないような感じだと困りますから。
中西:他人を蹴落としてでもの残ると。
坂田:蹴っ飛ばしてもね。
中西:ぜひとも残ってほしいですよね。本当にね。本大会、さっき話が出ましたけど、まだ選ばれてないから話しにくいと思うんですけど。山本監督からは、もう決勝トーナメント行くぞみたいな話はあるんですか。メダルって言ってるじゃないですか。予選のときから言ってるんですか。
坂田:ずっと言ってる。
中西:それを聞いてどう思いますか、那須さん。
那須:でも、高かれ低かれ、メダルって言ってる以上は予選リーグ、どんな相手でも越えなきゃいけない壁なんで。
中西:監督が言ってて、いや、僕は決勝トーナメント行けないって言えないよね。
那須:個人的にも、選ばれたらやっぱりメダルは取りたいんで。
中西:予選リーグの組分け決まったとき、どうでしたか?
那須:強いなとは思いましたけど、逆にそれだけ注目度が集まるんで。楽しみだなっていう気持ちが強いですね。
中西:パラグアイはどうですか。かなり強いですよ。ブラジルにも勝ってるし。かなり守備的ですけど。
坂田:相手は関係ないんで。
中西:チーム内でもそういう話ってするんですか。例えばこうしようとかああしようとか、選手の中だけでも話しますか。
那須:選手間でもけっこう話しますし、最終予選のときも全員集まってコミュニケーション取ってたしましたし。
中西:UAE のとき、鈴木啓太選手がホワイトボードにミスチル(Mr.Children)の歌詞の一部を書いて。
那須:書いてありました。見ました。
中西:あの話を聞いて、すごいチームだなと思いましたね。状況を説明すると、UAE のときにホワイトボードがあって、そこに夜知らない間に鈴木啓太が、ミスチルの「終わりなき旅」ってあるんですけど、その歌詞の一部を書いたんです。「高ければ高い壁の方が、上ったときに気持ちがいいもんだ」って。次の日みんな見たときに、誰が書いたんだろって。普通、そんなことできないでしょう、まとまってないと。絶対勝とうって思ってないと。
那須:最初みんな、「ミスチルからだよ」とか言って。
中西:そんな訳はない(笑)。
那須:みんな言ってたんですよ。でも誰も知らなくて。「ミスチルからだよー。誰が知り合いなんだよ」みたいな。で、後から啓太って知って。
中西:でもあの歌、すごい歌詞いいじゃないですか。問題が起こっても乗り越えていくみたいな歌詞だから。けっこう厳しい状況だったじゃないですか。
那須:そうですね。
坂田:オレは今初めて知りました。
会場:笑い
那須:坂田以外は大体みんな知ってると思いますけど。
坂田:オレ、啓太と一緒の部屋だったんですけど。
会場:笑い
中西:鈴木啓太選手は夜、ひとりでそれを貼りに行ってたんだ。で、坂田選手は気付かずに寝てたと。どっちにしても、すごい選手間の意識が高いなって思ってたんです。みんなで絶対に勝とうというのがあったので。このチームはすごいチームだなって思って。やっぱりみんな、相手がどうこうより、自分たちがしっかりしてればいいって思ってるんですかね。決勝トーナメントと言わずメダルまでいってほしいと思いますね。とりあえずオリンピックの方はふたりとも残ってほしいですね。
金田:本当に頑張ってほしいと思います。
中西:で、ここからは横浜F・マリノスの質問に移るわけなんですけれども、いきなりすごい質問でしたね。質問4 「今年の松田選手の髪型にはひとこと言いたい」。ものすごい恐る恐る「NO」を挙げてましたけど。
坂田:いいんじゃないですか。
中西:何でいきなり松田(直樹)選手はああいう髪型をしたんですか。
坂田:わかんないっす。
中西:でも、仲いいじゃないですか。
坂田:聞いてないです。でもよく剃ってるのは見ます。
中西:どこで。
坂田:シャワー室で。松さんと阿部(祐大朗)と尾本(敬)。松さんが剃るときにバリカンを持ってくるじゃないですか。そうしたら阿部とか尾本とかも呼ばれて。阿部とか伸ばしたいって言ってたんだけど。
中西:阿部選手もえじきになる(笑)。電気バリカンですか。誰かうまい人いるんですか。
坂田:うちのトレーナーうまいっすよ。
中西:最初はいきなり、練習後にやったんですか。
坂田:練習後シャワー入るときに。
中西:「もう面倒くさいから切っちゃおうか」みたいに。
坂田:そう。だからみんな、坊主になるのは一緒ぐらいだと思います、3人とも。
中西:ああ、伸びてくるのも一緒。いきなり変わってましたもんね。だってあれ、いつだったんですか。
那須:オリンピックの予選が終わった後ですね。
中西:で、みんなに松田選手は何も言われないの?
坂田:もう見慣れちゃったし。
中西:そういう髪型とか、マリノスはこの色ダメとか何か決まりとかないんですか。
那須:全くないです。
中西:あ、ないんだ。丸坊主にはしないですか。
那須:高校時代、イヤっていうほどしたんで。
中西:その反動で。
坂田:おしゃれ、おしゃれ。
中西:いろんな店知ってるし。でも坂田選手も買物が好きじゃないですか。
坂田:最近全くしてないです。
中西:何してるんですか、休みの日は。
坂田:ずっと忙しかったじゃないですか。
中西:一週間休みでしたよね。
坂田:あー何もしてないです。「サカつく(J.LEAGUEプロサッカークラブをつくろう!’04)」やってました。
中西:「サカつく」の宣伝にベンゲル(アーセン、アーセナル監督)が出ていてびっくりしました。
坂田:みんな知らないっすよね。
中西:僕は「おーベンゲルだ」って思うけど、渋谷の東横線のところに「喜ぶベンゲル」とか書いてあって。「悩むベンゲル」とか5 枚ぐらい、でっかいのが。個人的にはベンゲルでいいのかなって思いましたけど。他は何やってるんですか、休みの日。
坂田:「サカつく」だけです。
中西:ご飯は。
坂田:デリバリー。そういうときって、出たくないっすよ。
中西:それでずっと家にいるんですか。
坂田:昼ぐらいに起きて。
中西:買物本当に最近行ってないですか。
坂田:誰かが行くって言ったら、乗せてってもらいます。自分で運転するの嫌いなんで。
中西:車の運転するの嫌いなんですか。
坂田:面倒臭い。
中西:じゃあ、榎本(哲也)選手が運転、みたいな。
坂田:そうっすね。
中西:じゃあ原宿に行ったりするんですか。
坂田:そうっすね。
中西:服はどういうのが好きなんですか。こういう楽な感じが好きなんですか。デニムにTシャツみたいな。セッター(アイリッシュセッター)みたいな。マイブーム?
坂田:マイブームです。チームの奴、履いてるんですよね、大体。
中西:夏は涼し気でいいですよね。畳、みたいな。那須さんは休みの日、何やってるんですか。ふたりで食事に行ったりしますか。
坂田:ない。
那須:いや、この頃多いっす。
中西:ふたりで行くんですか。
那須:こいつが家にいるんで、俺が呼び出して。電話して、行こうぜみたいな。
中西:どこに行くんですか。
那須:ボーリングとかダーツ行って。それでそのまま飯に行くみたいな。
中西:ボーリング場ってどこに行くんですか。
坂田:「ラウンドワン」。
那須:横浜駅にあるんですよ。そこにダーツもあって。
中西:上手なんですか?
那須:ダーツは下手です。
中西:ボーリングは?
那須:ボーリングは負けたことないっす。
坂田:俺も1 ゲーム、2 ゲームぐらいまでは僅差なんですけどねえ。
中西:どれぐらい。
坂田:150 。
中西:けっこううまいですね。150ぐらいいくんですか。
那須:いくときは180 。
中西:そういうことをやりながら食事に行ったりしてて。ひとりのときは何してるんですか。買物行かないんですか。
那須:買物、全然行ってないですね。休みなかったですから。
中西:休みあったらどこに行きたいですか。買物行きたいですか。
那須:買物っすね。全然買ってないんで。
中西:買う暇ないですよね。しかも着る暇もないですよね。今日は何で私服持ってるんですか。昨日オールスター(7月3日、新潟スタジアム・ビッグスワン、J-EAST3-3J-WEST)出てたじゃないですか。今朝新潟を出たって聞いたんですけど。
那須:いや、私服で来いって言われてたんで。
中西:あ、ここにね。オールスターはどうでしたか。
那須:むちゃ疲れました。
中西:それはありありとわかりました。一週間休んでいきなり90分試合したら疲れますよね。
那須:みんな足つってましたからね、本当に。
中西:どうでしたか、金田さん。
金田:3日見たよ。那須のあれはファールじゃない。
会場:拍手
中西:ものすっごい怒ってましたもんね。
那須:だってファールじゃないっすよ、あれ。どう考えても。終わった後で西と東で分かれて飯食ってたんですけど、障子一枚隔ててだったんですよ。
中西:西軍と東軍が隣の部屋で食事だったんですか。
那須:隣同志っていうか、仕切りがあっただけで、声もめちゃ聞こえる。みんなで乾杯するじゃないですか。何か知らないですけど、中山さんが「優勝だー」って叫んで。で、その後に、「あれはPKじゃねえけどな」って。こっち側に言ってくれました。おっきな声で。
中西:中山さんね。
那須:最高です。
中西:中山さんと食事にいったんですけど。試合が終わって、「今日は飲むぞー。じゃあいっしょに飲む人、この指とーまれ」って。最初、勢いに乗らないと気がすまないみたいです。
会場:笑い

後編へつづく

取材・文:CREW
撮影:フレンダー田中