チケットのことならチケットぴあチケットぴあ

こんにちは、ゲストさん。会員登録はこちら




J1リーグ戦再開を目前に控えた6月28日(火)、現役Jリーガー4名を招いて行われたぴあトークバトル。前半12節終了時点で2位に大差をつける鹿島アントラーズにSTOPをかけるのはどのチームか!? をメインテーマに繰り広げられたアツいトークの模様を完全掲載!!

ぴあトークバトルスポーツ快楽主義VOL.43
「どうなる!2005年のJリーグ後半戦
~STOP THE ANTLERS~」
supported by  協力:

前編

<ホスト>
中西哲生
'69年、愛知県生まれ。同志社大から'92年に名古屋グランパス入り。'97年に川崎フロンターレへ移籍してからはキャプテンをつとめ、'00年にはチームをJ1昇格へ導いた。Jリーグ通算95試合7得点。現在はスポーツジャーナリストとして「ニュース23」(TBS系)、「GET SPORTS」(テレビ朝日系)などに出演中。

<ゲスト>
水内猛(スポーツキャスター)
'72年、神奈川県生まれ。旭高から'91年に三菱自動車工業(現・浦和レッドダイヤモンズ)入り。Jリーグ元年には、浦和で出場試合数18試合、7得点と好成績をおさめる。'96年ブランメル仙台(現・ベガルタ)仙台に移籍。'97年の引退後はスポーツキャスターとして「すぽると」(フジテレビ系)、TBS・Jリーグ中継などで活躍中。

本田泰人(鹿島アントラーズ)
'69年、福岡県生まれ。帝京高校卒業後、本田技研を経て'92年に鹿島アントラーズ入り。以来アントラーズ一筋、キャプテンも長く務める。Jリーグ出場は通算300試合を超え、日本代表としても国際Aマッチ31試合に出場、フランス「W杯」アジア1次予選のネパール戦で1ゴールを挙げている。

岡野雅行(浦和レッズ)
'72年、神奈川県生まれ。松江日大高、日大を経て'94年に浦和レッズ入り。快足FWとしてJリーグはもちろん、日本代表としても活躍。'97年11月、フランス「W杯」アジア地区最終予選での決勝ゴールで一躍時の人に。'01年に神戸に移籍するが、'04年に古巣・浦和に復帰、現在は良き兄貴分としてプレイ・メンタル両面でチームを支えている。

宮沢正史(FC東京)
'78年、山梨県生まれ。帝京三高、中央大を経て'01年FC東京入り。長短のパスとセットプレイを得意とするレフティ。中でもFKを得意とし、多くのゴールを演出してきた。大学時代に素質が開花し、2年時には関東サッカーリーグ・ベストイレブンとアシスト王を受賞、翌年には全日本選抜、ユニバーシアード日本代表に選ばれた。

山田卓也(東京ヴェルディ1969)
'74年、東京都生まれ。桐蔭学園高、駒澤大を経て'97年にヴェルディ川崎入り。'03年から主将を務め、ピッチ内外でチームを牽引するヴェルディのシンボル。元々ポジションはボランチ、右サイドバックだったが、アルディレス監督に見出され、現在は右MFとして定着している。代表としても、2003年の東アジア選手権・香港戦など国際Aマッチ6試合に出場している。

中西:このイベントは、Jリーグオフィシャルスポンサー・サントリー株式会社の協賛でお送りします。皆さん、こんばんは! お待たせいたしました。本当にたくさんの人に集まっていただいてありがとうございます。それではさっそくトークバトルをスタートしていきたいと思います。再開を週末に控えたJリーグ、「どうなる!? 2005年Jリーグ後半戦」というテーマでお送りしていきます今夜、先ほども皆さんにお伝えしましたけれども、Jリーグ現役プレイヤーの4選手が登場いたします。皆さん、最後の最後まで楽しんでいって下さい。
会場:拍手
中西:コンフェデレーションズカップ(2005年6月15日~29日、ドイツ)を見て、ワールドユース(2005年6月10日~7月2日、オランダ)を見て、『ニュース23』をやって、コンフェデを見て……、代表の試合が終われば、次はJリーグですからね。今日は今までにないぐらいいろいろな選手が集まってくれたんで、面白い話が聞けると思いますので、よろしくお願いします。それでは、ゲストの皆さんをご紹介します。大きな拍手でお迎え下さい。元Jリーガー、浦和レッズなどでプレイされ、現在はスポーツキャスターとして活躍中。水内猛さん!
会場:拍手
中西:選手じゃなかった。
水内:選手じゃない。よろしくお願いします。
中西:最近、もう話題で。結婚したんだよね。
水内:ありがとうございます。
中西:言いたいことがあったんです。敢えてタメ口で。お前は幸せな男だね、結婚して。サポーターに呼ばれて、その前で“水内の歌”を歌ったんですよ、FC東京の試合があった日に。

水内:この間、味の素スタジアムでFC東京と浦和レッズの試合の後、2人で話してたら、レッズのサポーターが全員残っていてくれて。「ミズウチ・タケシ~」って俺の歌が聞こえてきて、外に行ったらサポーターが歌っててくれて。
中西:どういう心境でした、その時?
水内:いや、引退してからそんなことないですから、すごく嬉しかったですね。
中西:いいサポーターですね。あとひとつだけ、いいですか。僕は小倉弘子さん(TBSアナウンサー)と番組で一緒にサッカーコーナーをやっていて、水内さんは僕と友達でしょ。なんで僕だけ何も知らなかったの?
水内:言うわけないじゃん。
中西:だよね。まあ、今日はよろしくお願いします。
会場:拍手
中西:それでは引き続き、Jリーガーのみなさんをご紹介します。シーズン再開を控えてお忙しい中、今日も練習を終えて駆けつけてくれました。鹿島アントラーズから本田泰人選手!
会場:拍手
中西:浦和レッズから岡野雅行選手!
会場:拍手
中西:FC東京から宮沢正史選手!
会場:拍手
中西:そして東京ヴェルディ1969から山田卓也選手!
会場:拍手
中西:本田選手は練習途中で。
本田:はい、切り上げてきました。
中西:今日はちょっとやりづらいタイトルで。
本田:非常にやりづらいですね。
中西:でも、まぁ楽しんでいって下さい。岡野選手は今日は練習が休みで。
岡野:そうですね。
中西:リラックスした状態で楽しんでいって下さい。宮沢選手。
宮沢:お願いします。
中西:山田選手、今日はよろしくお願いします。話聞いてないだろ!
山田:聞いてます、聞いてます。よろしくお願いします。
中西:というわけで、このメンバーでトークバトルを行っていきます。皆さん、最後までお楽しみ下さい。
会場:拍手
中西:それでは、トークバトル恒例の10の質問から参りたいと思います。みなさんにはYES/NOの札が配られていますので、そちらで答えてください。途中で変更していただいてもかまいませんから、素直に思った通りにYES/NOで上げてください。

質問本田岡野宮沢山田
第1問 アントラーズの独走は予想外だった。YES/NOYESYESYES
第2問 前半戦の結果には満足している。

YES

NONONO
第3問 前半戦、対戦してみて予想外だった選手やチームがある。YESYESYESYES
第4問 後半戦、対戦が待ち遠しい選手やチームがある。YES/NOYESYESYES
第5問 アントラーズを止めるのはうちだ。
(本田への質問は「アントラーズはこのまま独走していく」)
YES/NOYESYES/NOYES/NO
第6問 1ステージ制にはまだ違和感がある。NONOYESNO
第7問 Jリーグ通算10000ゴールを密かに狙っていた。YESYESYESYES
第8問 国内外問わず、プレイしてみたいチームがある。NOYESNOYES/NO
第9問 コンフェデレーションズカップのブラジル戦、もし自分が出ていれば勝てた。NONONONO
第10問 リーグ戦再開に向けて準備は万端だ。(個人として)

YES

YESYESNO
(チームとして)YESYESYESYES

中西:それでは最初の「アントラーズの独走は予想外だった」という質問について。水内さん、どう?
水内:僕も予想外でした。本田さんを前になんですけど、アントラーズがあそこまで負けないとは思わなかったですね。引き分けも少ないじゃないですか。開幕戦(2005年3月5日、埼玉スタジアム2002、浦和レッズ 0-1 鹿島アントラーズ)でレッズとアントラーズがあたって、勝った方がポーンと出て行ったってことですよね。
中西:山田選手もやっぱり予想外でした?

山田:最初はうちが行くかなと思っていたので、予想外でしたね。
中西:でも、カシマで対戦(2005年5月8日、カシマサッカースタジアム、鹿島アントラーズ 2-1 東京ヴェルディ1969)したときはチャンスあったでしょ?
山田:はい。僕が外しましたけど。
会場:笑い
中西:そうじゃなくて。直接、対戦してみてどうでした?
山田:チームとしてすごく完成してる感じがしましたけど、うちもそのときは、そんなに悪くなかった。
中西:内容はよかったですよね。やってみて、かなわないという感じはなかった?
山田:そうですね。チャンスがあればうちにも転がると思いました。
中西:宮沢選手はどうですか?
宮沢:アントラーズが予想外というか、もう少しダンゴレースになると思いました。
中西:そうですね。今(6月28日)2位がサンフレッチェ広島なんですけど、勝ち点差が9開いていて。2位から下はかなりダンゴですけど、12節しかやっていなくて、勝ち点差が9ついてるっていうことは相当な差ですよね。
水内:だからさっき宮沢選手は、1ステージ制じゃない方がいいって。
宮沢:うちは開幕ダッシュは得意なんですけど。
会場:笑い
宮沢:ちょっと失速しちゃった感じで……。
中西:FC東京は16位。でもまだそんなに変わらないよ。2位とまだ勝ち点9差だよ。
宮沢:けっこうダンゴなんですね。
水内:まだ全然ムリっていう感じじゃないと思うんですけど。
宮沢:そうですね。
中西:どうですか今、練習とか盛り上がってますか?
宮沢:そうですね。まぁ、とてもいい時期にリーグが中断してくれて。
会場:笑い
中西:でも、絶対そうですよね。あのままリーグ戦やってたら……
宮沢:そうですね。何かのタイミングがないと、なかなか立て直すのが難しい部分がありますんで。また開幕だなと思って切り替えます。
中西:リセットして。
水内:切り替えて。
中西:先はまだ長いです。あと22試合もありますから。充分、盛り返せると思うんですけど。岡野選手どうですか、アントラーズの独走。
岡野:やっぱり開幕でアントラーズに負けたのが大きかったですね。
中西:イヤな負け方したもんね。
岡野:それを引きずって出遅れましたね。
中西:今年のアントラーズは対戦してみて、どうでした?
岡野:やっぱり、ここという勝負どころでしっかり決められるというか。
中西:本田選手、こういう話を聞くとどうですか?
本田:そうですねぇ。勝ち点9差といってもそんなに離れている感じがしないですね。チームとしては、まだまだできあがっていないんじゃないかなという感じを僕はもっているので。
中西:でも完成度はあるし、長く同じメンバーでやっているっていうのもあるんじゃないですか。
本田:そういうこともあるでしょうけど。やはり僕らも開幕のレッズ戦はすごく重視していて。
中西:試合前から、開幕戦は絶対に取るという気持ちがあった?
本田:絶対に勝つという意識が高かったですね。あそこで勝てたのがすごく大きかったですね。
中西:それからずっと安定して。
水内:それとさっきも話してたけど、引き分けが少ないというのがすごい大きいよね。たとえば去年、広島はすごく引き分けが多かったけど、それが今年は勝つようになったから。引き分けは負けに等しくなっちゃうから。
中西:で、中断期間で休みをいっぱい取って。
本田:1週間の休みはちょっと長かったですね。
中西:1週間は長いですよね。
水内:FC東京はどのぐらい休んだの?
宮沢:1日、商店街巡回して……。
中西:それ大事ですよね。
宮沢:そのあと4日間休み。
水内:じゃあ、いいリフレッシュになって。
中西:ちょうどいいくらいですね。サッカー選手って、1週間休むと戻すのに倍かかりますからね。
宮沢:かかりますね。
水内:まったくのシーズンオフならそれでいいけど。
中西:シーズンど真ん中で1週間はちょっと。岡野選手はどうですか?
岡野:僕らは1週間休みでした。
中西:戻しきれてますか?
岡野:戻んないですね。
会場:笑い
岡野:昔は何でもOKで対応できたけど、今はもうヤバイですね、張りが。ワケわかんないところが張ってる。まあ、今はとれてきましたけど。
中西:1週間休んでその後は?
岡野:Jヴィレッジに合宿行きました。
中西:休んだ1週間とJヴィレッジ。ギャップはどうですか?
岡野:すごい大きいですね。
水内:3部練習で、けっこう練習やったんだよね。
岡野:そうですね。みんな体がパンパンになってました。
水内:午前中に練習やって、午後に練習やって。その後、夜6時まで走ってるんです。何のためなの、あれ?
岡野:いや、体をほぐすためにとかいってたんですけど、全然ほぐれなくて。余計張ってきた。
中西:しかし、Jヴィレッジに行くとサッカーに集中できるんじゃないですか?
岡野:いやもう、すっかりサッカーって感じですね。窓から外を見てもグラウンドが見えますからね。
水内:で、最後の調整試合(2005年6月26日、J ヴィレッジスタジアム)で山形のサテライトに負けちゃったんだ。体がパンパンだから、重いなあと思って。
岡野:ドリブルしていて、自分でコケましたから。危ないですよ、肉離れしそうで。
中西:でも、岡野選手って瞬発系だからそろそろ危ないよね。いま幾つ?
岡野:33歳です。
中西:水内さんとどっちが年上ですか?
水内:同い年ですけど、僕の方がちょっと偉い。
会場:笑い
中西:でも、今年で33歳の割には。
水内:あんまり見た目が変わってないよね。やっぱりスピードがあるし。対戦していて、どう?
山田:試合のときはあんまり分かんないですけど。
中西:なんで分かんないの? でも、岡野選手はプレイスタイル的には変わってないよね。
水内:変わってないですね。入ってきたばっかりのときはホントに突進、って感じで。今はトラップして止まりますから。Jリーグ通算10000ゴールの話があったけど、あのとき岡野が左サイドから切れ込んで左足で打ったんです。入らなかったけど、あの瞬間に入っていれば岡野が10000ゴールだったらしいんです。後から聞かされて。でも中継陣はみんな分かっているわけですよ。あれは、どことの試合だっけ?
岡野:あれは…FC東京…
中西:違う、違う。
岡野:どっかの…
中西:そりゃ、どっかのチームだから。
水内:FC東京とまだホームでやってないから。
岡野:ジェフ…まだやってないか。
水内:ジェフと対戦した試合(2005年5月8日、埼玉スタジアム、浦和レッズ 0-0 ジェフ
ユナイテッド千葉)ですね。
岡野:そうそう、埼玉スタジアムでやった試合で。後から聞いて「惜しかったね」って言われたけど、全然惜しくなかった。
中西:昔とプレイスタイルが変わってないっていったけど、張りとか取れないでしょ?
岡野:普通は試合が終わったら、次の日にすごい筋肉痛になるけど、次の日は全然平気で。「結構まだ平気だな」と思ったら、その次の日に。「あれー?」って感じですよ。
中西:典型的な年寄り。
岡野:そうなんです。2日後に来るようになりました。
水内:本田さんは?
本田:正直僕、次の日に来ますよ。36歳になりましたけど、自己管理は僕なりにしっかりしてると自信をもってますから。だから、この年齢までプレイできているのかなと。
中西:普通できないよ、36歳まで。
本田:岡野の話を聞いてたら、完全に酒かなと思って。
岡野:間違いない。
水内:否定しろよ。
中西:でも、僕と同い年でまだやってるってすごいことだと思いますけど。よく管理ができてるんじゃないですか?
本田:できてるね。まだ上には上がいるから。
中西:すごいケアとかしてるでしょ。
本田:そんなに特別に神経質になるほどはやってない。練習が終わったらストレッチ、マッサージ。食事の管理もそんなに神経質じゃないし。さっき、自分で自信持ってるって言ったけど、自信を持って特に何かをやってるってことはないね。
中西:ないんじゃないですか。
本田:お酒は控えてるかな。僕もお酒好きだから。次の日が休みの日くらい。そういうメリハリはつけるようにしてますね。
中西:昔から、僕らの同年代で本田選手が一番体力があった。沢登選手(正朗、清水エスパルス)、磯貝さん(洋光、プロゴルファー、元ガンバ大阪)、菊原さん(志郎、東京ヴェルディ1969ユースコーチ、元ヴェルディ川崎)、森山さん(佳郎、サンフレッチェ広島ユース監督、元サンフレッチェ広島)…いっぱいいるんですけど、一番体力があった。
水内:“Go!Go!Go、本田泰人! ”って。
本田:それはいいですから。
水内:カシマスタジアムでコレを聞くと、僕、歌ってるんです。鹿島の応援歌、好きなんですよね。
中西:でも、自分で「ここはちょっと苦しくなってきたな」なんていうことはないんですか?
本田:年齢とともに体力は向上してる。ただ向上しているだけあって、調子がいいときは筋肉がついてこれなくて、それで肉離れしちゃう。昔はケガも肉離れも全然しなかったのに。33歳ぐらいのときかなあ、肉離れを起こして。体の調子がよくて、そのままの勢いでダッシュ系とかやってたんだけど、急にピリッときて。自分でわからなくて「あれ何だろう? ちょっと痛いのかな」っていうぐらいで。それが肉離れだった。
中西:岡野選手は肉離れとかする?
岡野:しますよ、たまに。
水内:年中するものじゃないだろう。
岡野:肉離れみたいにバチッとはいかないですけど。昔からあんまりケガはしないですけど、1週間、2週間ぐらい、ちょっと筋肉を痛めてというのならあります。
中西:山田選手は? バリバリの筋肉派だけど、どう?
山田:今はちょっと練習を休んでるんですけど。
中西:結構、筋肉系のケガが多くない?
山田:昔はそんなにケガしなかったんですけど、最近はちょっと。
中西:今は何歳ですか?
山田:今30歳です。今年31歳です。
水内:だから宮沢選手が一番若い。
宮沢:27歳です。
中西:この中では若いですね。
水内:でも結構、オッサン来てます。
中西:レッズは出だしは良くなったじゃないですか。FC東京に勝って(2005年4月16日、味の素スタジアム、FC東京 0-2 浦和レッズ)。あそこで行くかなと思ったんですけど。
岡野:そうですね。なぜか点が入らなかったですね。
中西:乗り切れない理由は何なんですか?
岡野:チャンスがあっても決められなくて、そのうちに点取られて雰囲気が悪くなってまた入れられてみたいな試合が多かったですね、最初の方。それと、攻撃を読まれている部分はありましたね。うちは個人的に崩すところが多いんで、永井(雄一郎)だったり、達也(田中)だったり。そこを止められたときに、どう工夫して攻めるか。それができるときは勝っている。それができないときは本当に攻撃が単発で終わってしまうみたいな感じでした。
水内:去年のベースの上乗せがなかったというのと。
中西:去年の後半は研究されましたからね。
水内:あとはエメルソンの体調次第っていうのがまだあるかな。彼のコンディションが上がってくるとともにチームの順位も上がってきて、夏休みでまた帰ってきてないから、それが心配ですね。でも、FC東京にしてもヴェルディにしても、ナビスコ優勝、天皇杯優勝なのに乗り切れていない。これはどうしてなんだろうね。
中西:ヴェルディはどうしてでしょう? 僕はすごくやってくれると思ったんですけど、かみ合ってない理由は?
山田:天皇杯に優勝して自信をつけて、ちょっとアタックにこだわりすぎてディフェンスのバランスを崩して、失点が多いですね。
中西:サイドが簡単に崩されてますよね。クロスボールをイージーに入れられているケースが多くないですか。練習でそのへんは修正してます? この中断期間で。
山田:僕は今ケガで別メニューで、みんなと一緒にやってないんで、ちょっと。
水内:逃げ道、作っちゃった。
山田:でも、みんなそう言われることが多いし。どこが悪いかわかっているはずだから、修正する努力はしていると思います。
中西:ワシントンもいいしね。点も取っているじゃないですか。
山田:そうですね。ワシントン、ギリギリで昨日、日本に帰ってきたんでよかったですけど。
水内:エメルソンはまだ帰ってきてないけど。
山田:帰ってこないブラジル人が多いじゃないですか、休みでブラジルに帰国すると。
中西:ワシントンは真面目って聞きますけど、本当ですか。
山田:真面目ですね。今回、帰国が遅れたので逆にみんなびっくりして「やっぱりあいつもブラジル人だな」って言ってるぐらいで。
中西:僕は思うんですけど、ヴェルディって遅攻がうまいじゃないですか。パスをつないでつないで。相手にしたらどうなんですか。
本田:やりづらいですよ。技術的に高いものをもっている選手が多いし、ボールを回されてるなというイメージがあるから疲れるし。
中西:必要以上にボールを回されているでしょ?
本田:回しが巧いですよね。
中西:遅攻がサッカーで一番難しいじゃないですか。それができるのにもったいないなと。
山田:みんなに言っておきます。
中西:言っておいてください、本当に。
水内:もうリーグ戦の3分の1は終わったんだから、切り替えて。
中西:FC東京の去年までと今年の違いは?
宮沢:今年は試合中にチームの中がバラバラになってしまって、自滅しているような感じですね。それで自信をなくす試合が続いてしまったような気がします。
水内:開幕戦(2005年3月5日、味の素スタジアム、FC東京 4-0 アルビレックス新潟)はとんでもない試合でしたからね。はまった時の攻撃力はすごいし。
中西:僕は思うんですけど、Jリーグのチームは前に気のきいた外国人が一人いると全然違いますよ。
水内:外国人にまだ頼ってしまうところはありますからね。
中西:FC東京にケリーがいた時は、誰かが無理しなくても、ケリーが無理してくれるから、そこに預ければファウルをもらってくれたり。
水内:確かに周りはラクですけど、それを変えなきゃしょうがないわけだからね。どうですか、原博実監督とチームの雰囲気は? 原さんは僕の師匠ですから。
宮沢:監督は本当に明るい方なので、チームを少しでももり立てようしてくれるんですけど。選手が頑張らないといけないと思ってますけど。
水内:でも、なんで勝てないんだろうと思ってしまうというか。まあ勝負事だから仕方ないけれど。
中西:確かにチームがバラバラになっているっていうのはわかりますよ。以前は動きがリンクしてたんだけど、ひとりの選手に対して何人もボールに絡んでいって。今はひとりで行って取られて。その繰り返しだな、と思います。
宮沢:そのとおりだと思います。
水内:勝てないときは、そうなっちゃうんだよね。
宮沢:この中断期間にJヴィレッジで合宿したんですけど、そのへんは修正できたと思います。
水内:その成果は、今週、ね。
中西:宮沢選手にはもっと試合に出てほしいんです。なぜかというと、FC東京がある意味で手詰まりになった時に必要なのは、セットプレイなんですね。
水内:いいものをもってますからね。
中西:セットプレイも蹴れるし、自分でも狙えるし、誰かに合わせるボールも蹴れるし。だから宮沢選手がいてくれる方がアクセントにもなると思います。左利きが何人かいないと、チームのバランスが偏りますし、あとミドルシュートもありますから。
水内:原さんに言わないと。そういうわけにはいかないですかね。僕らがテレビとか通じて軽いジャブを打っていればいい。「ここで宮沢ですよね~」とか。
中西:言ってよ。
水内:俺、言ってるときあるかもしれないな。それがダメなのかな。
中西:でも本当に試合に使ってほしい。
水内:サイドチェンジもいいですし、左足が得意ですからね。


後編へつづく

取材・構成:CREW
撮影:新関雅士