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10月15日(土)、FIVBワールドグランドチャンピオンズカップ2005(グラチャン)大会の開催を記念して行なわれた「ぴあトークバトル」。大会の見どころや注目選手について豪華ゲスト陣が熱く語ったイベントの模様を完全掲載!

ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2005 Vol.46
~グラチャンバレーはこんなにすごい! <前編>

青山ベルコモンズ クレイドールホール
<ゲスト>
植田辰哉
川合俊一
中田久美
益子直美
大林素子
森圭介
■植田辰哉(全日本男子バレーボールチーム監督)
'64年、香川県生まれ。現役時代(新日鐵)は、ミドルブロッカーセンターとして日本リーグ・ベスト6に5年連続選出をはじめ、「バルセロナ五輪」にも出場するなど活躍。指導者としては、新日鐵監督、堺ブレーザーズ監督、全日本ジュニア男子チーム監督などを歴任。'04年ワールドリーグ予選ラウンドより全日本男子バレーボールチーム監督を務めている。

■川合俊一(元バレーボール日本代表)
'63年、新潟県生まれ。日本体育大学時代から「全日本」で活躍し、後に主将を務める。ロサンゼルス、ソウル、2回の「五輪」に出場し、日本を代表するセンターとして活躍。引退後は芸能界に活躍の場を移し、現在はタレントとして活躍中。

■中田久美(元バレーボール日本代表)
'65年東京都生まれ。15歳で「全日本」入りし、セッターとしてロサンゼルス五輪銅メダル獲得に貢献、ソウル、バルセロナ五輪にも出場した。'89年のワールドカップ・ベストセッター賞受賞。現在、講演、バレー教室、テレビ出演など各方面で活躍中。

■益子直美(元バレーボール日本代表)
'66年東京都生まれ。共栄学園高校3年時に「全日本」入りし、ワールドカップ、アジア大会などに出場した。イトーヨーカドー在籍時はエースアタッカーとして活躍。'90年にはチームを日本一に導く。現在はスポーツレポーターとしてテレビ、ラジオ、雑誌などで活躍中。

■大林素子(元バレーボール日本代表)
'67年東京都生まれ。八王子実践高校時代に「全日本」入りし、エースとしてソウル、バルセロナ、アトランタと五輪に3回出場した。'95年にはイタリアのセリエA・アンコーナへ移籍し、日本人初のプロ選手となる。現在はスポーツキャスターとして、バレーボールに限らず多分野で活躍中。

<司会進行>
森圭介(日本テレビアナウンサー)
'78年埼玉県生まれ。'01年日本テレビ入社。「TVおじゃマンボウ」(毎週土曜5:00PM~16:00PM)、「THE・サンデー」(毎週日曜8:00AM~9:55AM)に出演する他、プロレス・サッカー・NFLの実況中継も担当している。

 

司会:皆さん、こんにちは。「ぴあトークバトル スポーツ快楽主義2005VOL.46 ~グラチャンバレーはこんなにすごい!」へご来場いただきありがとうございます。本日、イベントナビゲーターを務めます、熊谷心です。どうぞよろしくお願いします。本日は、11月15日からいよいよ開幕します「ワールドグランドチャンピオンズカップ2005、グラチャン2005」。この大会の開催を記念し、グラチャン豪華解説陣、4名のゲストと、スペシャルゲストとして、全日本男子チームの植田辰哉監督をお迎えし、2時間たっぷりとグラチャンの魅力、見どころを語っていただきます。それでは、さっそく本日の進行役をご紹介したいと思います。グラチャン2005の実況解説をご担当されます日本テレビの森圭介アナウンサーです。どうぞ。
会場:拍手
司会:森さん、よろしくお願いします。
森:よろしくお願いします。本当にたくさんのお客様が入って下さいましたね。
司会:スゴイですね、今日は。
森:緊張しますね。
司会:いよいよ開幕も迫ってきて。
森:あと1ヵ月ですからね。
司会:ちょうど1ヵ月ですね。
森:実は僕、中学校時代バレーボール部だったんですよ。
司会:あ、そうなんですか。
森:ええ、でも170cm ないっていうんで、クビにされちゃいまして、本当に悔しくて。いつかバレーボールの実況をしたいなと思っていました。今回、ついにグラチャンの実況をするということで、もちろんこの実況解説も失敗すると、バレーボールに関しては2度目のクビが待っているという、かなりせっぱつまった感じなんですけどね。
司会:今日は進行役ということで、ぜひよろしくお願いします。
森:よろしくお願いします。
司会:さあそれでは、さっそくゲストの方をお呼びしたいと思います。まずは前回のグラチャンでも解説を務められました川合俊一さんです。
会場:拍手
司会:続きまして、同じく解説を務められました中田久美さんです。
会場:拍手
司会:続きまして、前回のグラチャンではハイライトキャスターを務められました益子直美さんです。
会場:拍手
司会:そして同じく、前回のグラチャンで解説を務められました大林素子さんです。
会場:拍手
森:場内は一気にざわめきましたけどね。なかなか皆さんをお近くで観る機会はないということで。
司会:前の方の人は大変ですよ。首が上向いちゃって、とにかく皆さん大きいから。
森:ムチ打ちにならないようにお気を付け下さいね。大林さん、たくさんのお客様が来て下さいましたね。
大林:嬉しいことですね。でも、私が入った瞬間笑いが起きて。なぜでしょうかね。
森:気のせいです。
川合:こっちは本格的だけど、そっちはバラエティだから。
大林:何でですか! 川合さんを見習って私はこの世界に来たんですよ。
森:そんな裏話も飛び出しましたけどね。益子さん、今日はどうぞよろしくお願いします。
益子:はい、よろしくお願いします。何か森さん、小さいですね。
森:えっ? 僕が普通なんですよ。
川合:身長いくつ?
森:僕は167.7cm。
川合:小さっ!
森:悔しい~。すっごい悔しい。
益子:竹下選手(佳江、JT・マーヴェラス)より小さいですね……。
森:そんなことないですよ。トスは上げられませんけどね。中田さんは前回、2001のグラチャンの時もこのトークバトルに参加していただきましたけども、今回も赤裸々に。
中田:赤裸々……私に求めるのはそういうところですか。
森:いえいえ違います。バレーボールのすごさを語っていただければと。よろしくお願いします。
中田:よろしくお願いします。私はちょっと控え目に無口な硬派で行きます。
森:そうなんですか……となると、川合さん今回は「こたえてちょ~だい」で。
会場:笑い
司会:いいんですかアナウンサー、思いっきり他局の番組名を。
森:いえいえいえ。
川合:バレーボールが本業なんです、僕は。あれは副業なんです。今日はめちゃくちゃ嬉しいです、本業ができて。
森:そうなんですか?
川合:いつも主婦の不倫やらエロオヤジとか、そんなのばっかだから。今日はちょっと楽しみにして参りました。
森:バレーボールのことを語っていただければと思っております。ということでよろしくお願いします。どうぞ皆さんにもう一度大きな拍手をお願いします。
会場:拍手
森:それではみなさんおかけ下さい。お越しいただいたゲストの皆さんと「グラチャン2005」についてお話をする前に、簡単に私の方から今回の大会についてご説明をさせていただきたいと思います。今回、4回目を迎えました「ワールドグランドチャンピオンズカップ」、略して「グラチャン」ですけれども、4年に1度、各大陸の予選を勝ち抜いたチャンピオン6チームが一堂に会します。チームだけではなくて、各個人賞にも賞金が用意されていて、タイトル通り、チャンピオン中のチャンピオンを決定する世界大会です。11月15日、女子の東京大会を皮切りに、名古屋大会、そして男子の長野大会と東京大会と、11月27日まで世界一のタイトルをかけた熱戦が繰り広げられます。「グラチャン2005」について、これから皆さんにたっぷりと語っていただきたいと思うんですが、まずは本日トークをしていただくにあたって10の質問をまず皆さんにぶつけたいと思います。それでは、トークバトル恒例の10の質問に参ります。

10の質問
質問川合中田益子大林
Q1女子:優勝国の予想はできている。YESNONOYES
Q2女子:ダークホースのチームがある。YESYESYESYES
Q3女子:注目すべき海外プレイヤーがいる。YESYESYESYES
Q4女子:日本選手で、注目のプレイヤーがいる。YESYESYESYES
Q5女子:日本の成績予想には自信がある。NONONOYES
Q6男子:優勝国の予想はできている。YESYESYESYES
Q7男子:ダークホースのチームがある。 YESYESYESYES
Q8男子:注目すべき海外プレイヤーがいる。YESYESYESYES
Q9男子:日本選手で、注目のプレイヤーがいる。YESYESYESYES
Q10男子:日本の成績予想には自信がある。 NONONOYES

森:まずは女子のチームに関する質問についてうかがっていこうと思うんですが、最初に「グラチャン2005」の女子の出場チームをおさらいしておきましょう。アジア代表が中国、ヨーロッパ代表がポーランド、北中米代表がアメリカ、南米代表がブラジル、ワイルドカード=主催者推薦枠が韓国、そして開催国の日本の6チーム。先ほど皆さんが優勝予想はできている、あるいはダークホースのチームがあるということだったんですけど、優勝予想ができていると答えた方が川合さんと大林さん。
川合:女子でしょ? できてますよ、もちろん。
森:じゃ、ズバリ。
川合:ズバリ、優勝は中国ですよ。
森:中国?
川合俊一
川合俊一
川合:日本と言いたいのはやまやまなんですけど。強いですよ、中国は。この間試合見ましたけど、穴がない。だいたいどこのチームも、例えばポーランドは、すごい選手がいても、すごくない選手がたまにいるんですね、1人くらいは。「あぁ、あともう一人、ここにこんなのがいたらな」と思うんですけど。ところが、中国は穴がない。セッターが意外とうまいんですよ。背も高いし、ブロックなんかもうまいんじゃないの?
益子:183cmあります。
川合:日本の男子のセッターだって180cm台だもんね。
益子:宇佐美(大輔、NEC・ブルーロケッツ)君くらいあります。
川合:そうだよね。日本の男子のセッターと、中国の女子のセッターと身長が同じくらいで、あっちはよくジャンプするし。
森:そうですね。ツーでも攻撃に行けたりしますからね。
川合:だいたいセッターが世界中どこでも穴になるところなんですけど、それが穴じゃないということは、つけいるスキがない。
森:そのあたりが中国の強さ。6ヵ国の中でぶっちぎりですか?
川合:普通に試合すればですよ。何も心の変化とかなくて。
森:でも試合には、心の変化がつきものじゃないですか。
川合:そうそう。だから心の変化をさせれば負ける可能性だってあるんですよ。中国に勝つ方法はね……。
森:何ですか? 教えて下さいよ。
川合:中国って、いいときはすごくみんなで「よしよし、頑張ろうぜ!」ってやってるんだけど、ちょっと負け出すとすごく仲間割れするんですよ。
森:へえ~。
川合:いやいやホント。人のせいで自分まで笑われるのがイヤな国民だから。
森:大丈夫ですか、そんな。
川合:いや、それはほめてるんですよ。「こいつのせいで足引っ張られるのはイヤだ!」みたいなね。よく昔やったのは、中国と試合すると、例えば1人誰かブロックされるとするでしょ。ブロックされた人は、どう見てもトスが悪くてブロックされてる。そうしたら、その人を指さして笑うんです、もう皆で。「ウワー、ブロックされてる!」って。そうすると、そいつは「お前のせいで、トスが悪くてブロックされてるのに、何で俺が笑われてるんだ!」って、だんだん仲間割れするんです。
森:試合中に。
益子:そんなことしてたんですか川合さん、選手時代に。
会場:笑い
川合:やってましたよ。中国とロシアはこれ。ロシアなんか、選手と選手の真ん中にポーンとボールが落ちるでしょ。そうすると、「お前だ」、「お前だろう」って言い合いになる。「ここからそっちはお前だ」って。どこに線があったんだよって。絶対自分のせいにはしない。人のせいで自分がミスったりすると、すごくいらだってくる国民なの。
大林:川合さん、中国の話か自分の話かよくわかんないんですけど。付け加えますと川合さんは選手時代、ブロックさせないように相手の選手の手をつかんでました。
森:川合さん……。
大林:ホント、言えないくらいズルイことしてたんですよ。
森:ネットを越えてってことですか?
大林:下。
川合:よくやってましたよ。
森:下で? よくやってた?
川合:いや、ここ一番っていうところで。あと1点取られれば負けるっていうところで。
森:よりタチ悪いですよ。
川合:ネットと床の間に空間があるでしょ? ネットって1mくらいしかないから。あの下で、ブロックしようとした人の手をつかんじゃうんです。
森:そうすると飛べないですよね。
川合:それでこっちが決めて優勝とか。
森:え~っ!
川合:それぐらい世界とやるときはやらなきゃダメなんです。
森:いいんですか、そんなこと言っちゃって。
益子:川合さん、今日はメモしてる方とかいっぱいいるんで、あんまりヘンなこと言わない方が。
森:そうですよ。「ネットの下で手つかんでいいんだ」って。
川合:1試合2回まで。
森:そんなルールですか? ちなみに、大林さんの優勝予想も?
大林:はい、やっぱり中国は強いなと思うんで、優勝はとりあえず中国だと思うんですが。でも短期決戦というのも考えると、ブラジルが今すごく勢いに乗ってしまっているんですよ。「ブラジルもありかなぁ」と思いつつ、やっぱり中国ですね。監督の柳本さん(晶一、全日本女子監督)もおっしゃっていたんですけど、「もちろん優勝をめざすけれども、今回はまあいいかな」ということだったので、あえて日本とは言いませんけど。安定はしている。ただ、心のスキ? 
川合:自分のせいにするのがイヤな性格ね。
大林:その前に「心が」とか言いませんでしたっけ?
川合:あぁ、心を乱すね。
大林:っていうのを考えると、アテネの時の中国って早くに完成されたんですけど、ここ最近のアジア選手権とか、グランプリとかいろんな大会を見ていると、何か進歩がちょっと少ない。止まっているんですよ。
森:中田さんと益子さんはNOですが、優勝予想はできないということですか。
中田・益子:わかんない。
会場:笑い
森:我々と同じ感覚じゃないですか。
中田:やってみないとわからないもんね。
森:予想なんですから、予想。
中田:……っていうかね、甘いよやっぱり、川合さんにしても。中国の時代は終わっています。
森:終わっていますか?
中田久美
中田久美
中田:大林さんの言う通り、中国は成長してません。波は少ないですけど。だって、勝ち続けているチームじゃないですか。そうしたらブラジルだってイタリアだって、どこのチームだって全部中国を研究するわけですよ。だから、中国の優勝は私はないと思う。違う?
大林:正直、乗りたい気持ちもすごくあります。
益子:私はどっちかというとブラジルかなとずっと思っていたんですけど。やっぱり、星のつぶし合いが絶対にあると思うんですよ。初日の初戦が中国対ブラジルなんですね。1日目の1試合目で勝負が決まってしまうような流れがあるんじゃないかなと思って。
森:大会の流れが第1戦で決まってしまう?
益子:はい。11月15日の第1試合、ブラジル対中国、12:00開始。
森:これに勝った方が優勝かも知れない。
大林:でもブラジルって、スロースターターっていうイメージですよね。
森:そうですね、調子を後ろで上げていくっていう。
中田:何日前に来るのかっていうのも気になる。時差もあるしね。
森:でも、まぁ皆さんの中では中国あるいはブラジルが来るんじゃないかということですね。続いて2問目が、ダークホースのチームがあるということだったんですけど。ダークホース、みなさんYESという答えでしたけども。
川合:僕?
森:川合さんがダークホースということじゃないですよ。
会場:笑い
川合:僕からでいいんですか? 日本です。
森:日本?
川合:やっぱり「開催国」ってすごいんですよ。何がすごいかって、まず移動しなくていい。食べ物もいつも食べているものを食べられる。何となくテレビつければ母国の言葉でしゃべってるでしょ。遠征に行くと食べ物が変わるし、ベッドとかやたら柔らかい国とかあるじゃない。何かちょっとずつ違ってくる。肉が朝から出たりとかね。本当は試合の前とか肉食べちゃいけないんだけど、朝から肉とか出ると食べちゃいますよね。
森:ガマンすればいいだけなんじゃないですか?
川合:ガマンできないんですよ、うまそうな肉とか出ちゃうと。そうすると食生活が変わってくるから、何か変わってきちゃうんだよね。だから、自分の国でやれてるっていうのはすごく有利。お客さんもすごく応援してくれるし。やっぱりリズムのスポーツだから、リズムに乗れなくなっちゃうと。ブラジルなんかも、乗れないと思う。
森:じゃ、ダークホースは日本。
川合:細かいことは後で言います。何でかはまだ言ってないから。
森:中田さん、いかがですか。
中田:私はね、アメリカ。郎平が気になってしょうがないんです。郎平がどんなチームを作って来ているのかすごく気になるので。
川合:知らない方のために。昔、郎平っていうすごい選手が中国にいて、それがアメリカの女子の監督なんですね。
中田:で、ワールドグランプリで日本はアメリカと1勝1敗なんですね。だから「う~ん」っていう感じ。
森:欧米のバレーと、強かった中国のバレーとが一緒になると、どういった化学反応が起こるかっていうのはやっぱり興味があると思うんですよね。
中田:ちょっと興味があるのはアメリカ。最終戦が日本対アメリカなんですよ。それまでのアメリカの戦いによっては最後直接対決になって、勝った方がメダル! みたいな。
森:なるほど。
中田:最後そうなるのかなとちょっと思ったりして。
森:ほほう。益子さん、いかがですか。
益子:日本、アメリカと来たんで、じゃ私はポーランド。
森:えっ? いいんですよ、かぶっても。
会場:笑い
川合:あのね、テレビのクイズ番組じゃないんだから。人が言ったの言っちゃいけないとか、そういうんじゃないから。
森:川合さん、テレビのクイズ番組はそういう風にできてるんですね。
益子:クセが出てしまいました。でも、ポーランドは、この間のワールドグランプリでエースが来ていないんですね。グリンカっていう。前のワールドカップの時にすごく活躍したエースが来てないんです。それでこの間も日本はポーランドと1勝1敗なんですよ。今回はフルメンバーで来るのか、すごく楽しみですね。身長がすごく高くて、川合さん以上の選手がたくさんいるようなチームなので。
川合:その日本が勝った時、グリンカを日本がつぶしたんじゃなかったっけ?
益子:つぶしてますね。「グリンカをつぶせ」が合言葉でした。
川合:「グリンカつぶせ、グリンカつぶせ」でグリンカがつぶれて日本が勝ったので、まぁつぶせない選手じゃないですよ。すごいけども。日本が作戦立ててつぶせれば、ポーランドにも充分勝つ可能性はあります。
森:なるほど。打倒ポーランド。
益子:日本は初戦なんですよ。
森:そこできちんとつぶしていけるか。大林さんは?
大林素子
大林素子
大林:私も久美さんと一緒でアメリカなんですよ。郎平がどんなチームにっていうのもそうですけど、ハニーフっていう日本のVリーグの武富士でプレイしている選手がいるので、直前までVの試合に出て、いま体力的にもすごくいいコンディションでVリーグを戦っているんですね。だから乗ったままこの大会に入りますし、日本人慣れしている。日本の選手にハニーフのことを「慣れてるからいいでしょ」って聞くと、みんな嫌がるんですよ。「やっぱりハニーフは止まらない。止めにくい」って。何か苦手意識がある選手がいるっていうことと、あとメトカフっていう左利きの190cmくらいの、私たち解説しながらよく「メカトフ」って間違えちゃう名前の、何かすごく力強い選手が出てきちゃったので。この辺が爆発しちゃうと、すごくやばかったりしますね。
川合:中国にも勝つかも知れない。
大林:どこか必ず食ってくるんじゃないかなと思いますね。久美さんの言うように、郎平のイメージと、今までのアメリカのちょっと大ざっぱな雑なチームが融合したら、すごく繊細ないいバレーになってしまうんじゃないかっていう思いがあります。
森:そうなるとちょっと手ごわいですよね。3番目の質問で、「注目すべき海外プレイヤーがいる」ということだったんですが、いま何人か名前が挙がりましたけれども、このほかにちょっとこのプレイヤー危険だよ、注目だよっていう選手はいらっしゃいますか。
川合:いっぱいいますよ。中国はエースの楊昊。身長は183cmくらいなんですけど、胸板が……。「お前女相撲だろ!」みたいなね。本当に背筋とかがすごいですよ。年配の方で知っているかも知れませんけど、昔ロシアにソロコレートっていう選手がいたんですよ。知らないかなぁ。
中田:知ってる自分が恐いんだけど。
川合:背中がこんなに盛り上がってて、ものすごい背筋力があって。僕の時代だから20年近く前。すごい選手がいて、それみたい。パワーがすごくて、見た目はそうでもないんだけど、腹筋とか背筋がすごいから。ちょっと打っただけでドーンとすごいスパイクが出てくる。
大林:川合さんと中田さんまでですよ、知ってるの。
中田:よく言うよ。
川合:お客さんでソロコレートって知っている方いらっしゃいます? あっ、いた!
森:いらっしゃいますね。
川合:あ、3人!
大林:エ~ッ? 若いのに。
川合:いましたよね、背中こんなになってる。
森:「知らないのかよ」っていう顔で見られちゃいました。
川合:それと楊昊はちょっと体型が似ていてすごい。
中田:もう1人、若い子でスゴイのが出てきましたね、17歳の子。
川合:中国は単純に人口が日本の10倍いますからね。
森:そうですよね。その中でトップ6を集めれば。
川合:日本って大山(加奈、東レ・アローズ)と栗原(恵、パイオニア・レッドウイングス)2人が出てきましたけど、中国は20人はいますからね。
森:メグカナ20人。
川合:20人ですよ、単純に言うと。
森:大変ですね。
川合:それがテレビゲームとかあんまりなくて。一生懸命朝から晩までバレーやるわけですよ。
森:川合さん、それかなり偏った意見かも知れませんけど。
川合:いや、だってオリンピックに行ったら中国とかアフリカの選手とか、選手村の中にゲームセンターがあるんだけど、朝から晩までず~っとゲームですもん。「お前たち試合とかないのかよ!」っていうくらいず~っとゲームやってます。
森:ここぞとばかりに。
川合:日本人は子どもの時からやってるから、体力落ちてるでしょ。体力落ちている子どもの中から、トップの選手を見つけてくるのは大変なんです。
森:たたき上げで、過酷な状況でやっている選手はやっぱり強い。
川合:強い。中国はすごいですよ。


取材・構成◎CREW
撮影◎新関雅士

中編へつづく